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ベルギー
テロ・誘拐情勢

更新日 2024年04月08日

1 概況
(1)ベルギーでは、2016年3月、首都近郊のブリュッセル国際空港や首都中心部の地下鉄マールベーク駅において連続テロ事件が発生し、日本人負傷者を含む多数の死傷者が発生しました。犯行後、「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)ベルギー」と称する組織名で声明が発出されました。その後もブリュッセル中央駅等での爆発テロ未遂事件や、2022年11月には刃物による警察官への襲撃事件等が発生しています。
(2)2023年10月には、男が2名を射殺するテロ事件が発生しました。その後、「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」は、実行犯がISILの戦闘員である旨の声明を発出しました。
(3)上記(2)の事件を受けて、ベルギー連邦政府はブリュッセル首都圏地域のテロ脅威度を4段階中の2段階目から最高水準の4段階目に、その他全てのベルギーの領土のテロ脅威度を2段階目から3段階目にそれぞれ引き上げました(前回ベルギー全土の脅威度が3段階目であったのは、2016年3月24日から2018年1月22日までの間。)。
 その後、犯人が無力化されたことを受け、ベルギー政府はブリュッセル首都圏地域のテロ脅威度を4段階目から3段階目に引き下げました。現在、ベルギー全土のテロ脅威度は4段階中の3段階目となっています。
(4)隣国との関係においては、フランスで発生した高速鉄道における銃乱射事件(2015年8月)やパリにおける同時多発テロ事件(2015年11月)については、計画や準備がベルギー国内で行われており、テロリストや彼らが使用する武器や爆発物は身近な場所に潜んでいる可能性があります。特に移民の割合が高い地区は、テロリストが身を潜めるのに都合の良い場所となっている可能性があります。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 ベルギーには、欧州連合(EU)関係機関を始めとする多くの国際機関が所在し、また、シェンゲン協定により人々が欧州各地から陸・海・空路により自由に出入りできます。ベルギー治安当局は、周辺国の治安機関と連携してテロの容疑者等の摘発に取り組んでいますが、ISILの主義・主張に影響を受けたベルギー人数百名がシリア・イラクの戦闘地域に渡航しており、これら地域からの帰還者がベルギーの治安に悪影響を与える可能性が指摘されています。またこれら帰還者等と直接の接触や交流がなくとも、インターネット等を介して独自に過激主義のプロパガンダの影響を受けた者(ホームグロウン)が、ベルギー国内で単独犯によるローンウルフ(一匹狼)型のテロを行うことも考えられます。

3 誘拐事件の発生状況
 ベルギー連邦警察の犯罪統計によれば、未成年者等を対象とした誘拐事件の発生件数は、例年、概ね500~600件で推移しています。また未成年者の誘拐事案の発生件数は少ないものの、金融機関、貴金属店等の関係者を誘拐、又は人質にし、武器等で脅した上で店舗にある現金や貴金属を奪うといった事件や街頭での発砲事件等も発生しているため注意が必要です。ただし、近年では、日本人を含む外国人を標的とする誘拐事件は確認されていません。
 
4 日本人・日本人権益に対する脅威
 ベルギーでは、これまで日本人・日本人権益を標的にしたテロ等の脅威は具体的には把握されていませんが、2016年3月のブリュッセルにおける連続テロ事件では多数が死傷し、日本人も負傷しました。上述の過激主義に共鳴し戦闘・テロに従事した経験をもつベルギー人帰還兵の動向等も引き続き注意が必要です。
 近年は、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
 特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。


テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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