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テロ・誘拐情勢

2018年02月16日

1.概況
(1)2018年1月22日,ベルギー当局は,ベルギー国内のテロの脅威度評価を4段階中の3(テロの可能性があり,発生し得る。)から2(テロが発生する可能性は小さい。)に引き下げることを決定しました。しかしながら,ベルギー当局によれば,脅威度評価2は「テロの脅威の緊迫性が低いことを意味し,脅威が存在しないことではない」としており引き続き注意が必要です。
(2)ベルギーでは2016年3月,首都近郊のブリュッセル国際空港や首都中心部の地下鉄駅(Maelbeek/Maalbeek Station)において連続テロ事件が発生し,多数の死傷者が発生しました。犯行後,「ISILベルギー」と称する組織名で声明が発出されています。
その後,2017年の間にもブリュッセル中央駅(爆発テロ未遂事件)及び市中心部(刃物による兵士襲撃事件)で,一般市民に被害はないもののテロ未遂事件が発生しました。
(3)これまでもベルギーでは,ブリュッセルのサブロン広場付近に所在するユダヤ博物館での襲撃事件(2014年5月)が発生したほか,東部のヴェルヴィエ市における当局の捜索(2015年1月)により大規模なテロの計画が未然に明らかとなったこともありました。また,近年,隣国のフランスで発生した高速鉄道における銃乱射事件(2015年8月)やパリにおける同時多発テロ事件(2015年11月)については,計画や準備がベルギー国内で行われたと見られており,過激派組織が使用する武器や爆発物は身近な場所に潜んでいる可能性があります。特に移民の割合が高い地区は,過激派組織が身を潜めるのに都合の良い場所となっている可能性があるため,注意が必要です。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)ベルギーには,欧州連合(EU)関係機関をはじめとする多くの国際機関が所在し,また,シェンゲン協定により人々が欧州各地から陸・海・空路により自由に出入りできます。ベルギー治安当局は,周辺国の治安機関と連携してテロの容疑者などの摘発に取り組んでいますが,ISILの主義・主張に同調したベルギー人数百名が戦闘に参加するためシリア・イラクに渡航しており,同地域からの帰還者がベルギーの治安に悪影響を与える可能性が指摘されています。今後,再びベルギー国内でテロが発生する可能性は排除できません。また,過激主義のプロパガンダの影響を受けた者がベルギー国内で「ローン・ウルフ」として単独型のテロを行うことも考えられます。
(2)いわゆる有志連合の国々はISILに対する空爆を行っており,ベルギーもこれに参加しています。ほぼ壊滅状態にあるISIL側勢力の戦闘員が,密かにベルギーを含む欧州各地に帰還し,報復テロを行う可能性も指摘されています。

3.誘拐事件の発生状況
 ベルギー連邦警察の犯罪統計によれば,誘拐事件の発生件数は,例年,概ね500~600件で推移しています。なお,従来発生した事件のほとんどは金融機関,貴金属店等の関係者を誘拐し,武器等で脅した上で店舗にある現金や貴金属を奪うといった手口であり,日本人を含む外国人を標的とする誘拐事件は確認されていません。
 
4.日本人・日本人権益に対する脅威
 2016年3月のブリュッセルにおける連続テロ事件では多数が死傷し,日本人も負傷しました。近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,米国,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,トルコ,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。


(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。