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ベルギー

2019年02月18日

1 概況
(1)これまでベルギーでは,ブリュッセルのサブロン広場付近に所在するユダヤ博物館での襲撃事件(2014年5月)が発生したほか,東部のヴェルヴィエ市でも当局の捜索(2015年1月)により大規模なテロ計画が未然に阻止されています。また,2016年3月,首都近郊のブリュッセル国際空港や首都中心部の地下鉄マールベーク駅において連続テロ事件が発生し,日本人負傷者を含む多数の死傷者が発生しました。犯行後,「ISILベルギー」と称する組織名で声明が発出されました。その後もブリュッセル中央駅などで爆発テロ未遂事件が発生しています。
(2)さらに,隣国のフランスで発生した高速鉄道における銃乱射事件(2015年8月)やパリにおける同時多発テロ事件(2015年11月)については,計画や準備がベルギー国内で行われたと見られており,テロリストや彼らが使用する武器や爆発物は身近な場所に潜んでいる可能性があります。特に移民の割合が高い地区は,テロリストが身を潜めるのに都合の良い場所となっている可能性があります。
(3)2018年1月22日,ベルギー当局は,治安状況の改善等によりベルギー国内のテロの脅威度評価を4段階中の3(テロの可能性があり,発生し得る。)から2(テロが発生する可能性は小さい。)に引き下げましたが,これはテロの脅威の緊迫性が低いことを意味し,脅威が存在しないということではありませんので引き続き注意が必要です。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)ベルギーには,欧州連合(EU)関係機関を始めとする多くの国際機関が所在し,また,シェンゲン協定により人々が欧州各地から陸・海・空路により自由に出入りできます。ベルギー治安当局は,周辺国の治安機関と連携してテロの容疑者などの摘発に取り組んでいますが,ISILの主義・主張に影響を受けたベルギー人数百名がシリア・イラクの戦闘地域に渡航しており,これら地域からの帰還者がベルギーの治安に悪影響を与える可能性が指摘されています。今後,再びベルギー国内でテロが発生する可能性は排除できません。また,過激主義のプロパガンダの影響を受けた者がベルギー国内で単独犯によるローンウルフ(一匹狼)型のテロを行うことも考えられます。
(2)いわゆる有志連合の国々はISILに対する空爆を行っており,ベルギーもこれに参加しています。ほぼ壊滅状態にあるISIL側勢力の戦闘員が,密かにベルギーを含む欧州各地に帰還して報復テロを行う可能性も指摘されています。

3 誘拐事件の発生状況
 ベルギー連邦警察の犯罪統計によれば,誘拐事件の発生件数は,例年,概ね500~600件で推移しています。なお,従来発生した事件のほとんどは金融機関,貴金属店等の関係者を誘拐し,武器等で脅した上で店舗にある現金や貴金属を奪うといった手口であり,日本人を含む外国人を標的とする誘拐事件は確認されていません。
 
4 日本人・日本人権益に対する脅威
 2016年3月のブリュッセルにおける連続テロ事件では多数が死傷し,日本人も負傷しました。ベルギーにおける治安状況は改善傾向にありますが,単独犯によるローンウルフ(一匹狼)型テロや,治安当局のみならず一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しており,こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。また,ベルギー人帰還者の動向等も引き続き注意が必要です。このようなテロはどこでも起こり得ることを認識し,テロに巻き込まれることがないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。


(注記)
「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。

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