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テロ・誘拐情勢

2016年02月15日

1 概況
(1)ブルガリアでは、反政府武装組織やブルガリア固有のテロ組織、及び国際テロ組織の存在は確認されていません。
(2)しかし、中東諸国と西欧諸国との中間点に位置するという地理的要因から、国際テロ組織の中継地や拠点地となる可能性やそれらがテロを行う可能性は否定できません。これまでにも、2012年に東部黒海沿岸でイスラエル人観光客が乗車した観光バスに対して爆弾テロ事件が発生した他、トルコからブルガリアを経由して西欧へ向かおうとしていたとみられるイスラム過激派構成員や、西欧からブルガリアを経由してシリアへ渡航し、戦闘に参加しようとしていた者が、治安当局により拘束された事例があります。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)2012年7月には、ブルガリア東部黒海沿岸に位置するブルガス空港においてイスラエル人観光客が乗車した観光バスに対する爆弾テロ事件が発生し、イスラエル人観光客ら7名が死亡しました。治安当局は、国外のテロ組織によって組織的に敢行されたイスラエル人を狙った爆弾テロ事件と見て、背後関係について捜査を継続しています。
(2)上記テロ事件は、ブルガリア人やその他ブルガリア権益を狙ったテロ事件ではないと見られますが、2010年10月、アル・カーイダと繋がりがあるとされるレバノンのテロ組織「アスバト・アル・アンサール」幹部は、イラク・アフガニスタンに兵士を派遣していたブルガリアが、アル・カーイダの標的になる可能性について発言するなど、ブルガリア自体がテロの標的となる可能性もあります。
(3)テロ組織との関連が疑われる動向として、2014年11月、警察が国家保安庁(SANS)等の支援を受け、パザルジック等のブルガリア南部でISILに対して支援した疑いがあるイスラム組織の捜索を行い、複数名を拘束するという事件がありました。
(4)また、2015年1月、パリにおける銃撃テロ事件の実行犯との関係が疑われるフランス人が、事件前にブルガリア南東部のトルコ国境で逮捕されていたことが事件後に判明しました。
シリア等から欧州を目指す難民のブルガリアへの流入が増加しており、ISILをはじめとするイスラム過激派組織の構成員及び支援者が国内に紛れ込む可能性も否定できません。

3 誘拐事件の発生状況
 略取誘拐・人身売買事件は2014年中,ソフィア市をはじめ国内主要都市等で142件発生し,2013年の160件と比較し減少傾向にありますが、引き続き注意が必要です。主たる原因はマフィアの抗争絡み、利権を巡る主導権争いやロマ人等による人身売買目的です。また、外国人の子女を狙った身代金目的の誘拐事件等も発生していますので注意が必要です。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 現在までのところ、日本人・日本権益を標的としたテロや誘拐事件は発生しておらず、日本人・日本権益に対するテロの脅威は低いとみられます。他方、近年、シリアやチュニジアにおける日本人が殺害されたテロ事件や、パリでの同時多発テロ事件などが発生しています。このように、世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか、これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており、日本人・日本権益が標的となり、テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して、誘拐、脅迫、テロ等に遭わないよう、また、巻き込まれることがないよう、海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。


(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。