ブルガリア
テロ・誘拐情勢
更新日 2025年03月11日
1 概況
ブルガリアでは、反政府組織や国際テロ組織の存在は確認されていません。
しかし、外国出身のテロ容疑手配者や「イラク・レバントのイスラム国 (ISIL)」への参加を企図する者がブルガリアへの入国や通過を試みて治安当局に拘束された事例がこれまでに何度も発生しており、テロが多発している中東諸国と、テロの標的となる可能性の高い西欧諸国との中間点に位置する地政学的要因から、イスラム過激主義者らがブルガリアを通過している状況がうかがえます。
2024年3月には、ハマスが欧州各地のユダヤ関連施設を攻撃するために集めた武器を保管していたとされる施設が摘発され、2023年10月には、ジハードの実践等を呼びかける動画を撮影し、複数名に対して送信したとして、ソフィア市内に居住するパレスチナ国籍の男1名が逮捕されたほか、他国当局が国際手配していたテロリストがブルガリア国内で発見・逮捕される事案も数件発生しており、テロリストがブルガリア国内に潜伏している可能性は常に存在していると言えます。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
「1 概況」のとおり。
3 誘拐事件の発生状況
ブルガリア国内における2023年中の誘拐事件の認知件数は129件で、前年(108件)に比べて約19.43%増加しました。また、人口10万人当たりの発生件数を日本と比較すると、ブルガリアは日本の約5倍となっています。ブルガリアにおける誘拐事件の多くは、政治的・思想的背景を有するものや身代金目的のものではなく、マフィアの抗争絡みや、不法移民等を対象とする性的・労働力搾取目的の人身売買です。
4 日本人・日本権益に対する脅威
現在のところ、ブルガリアにおいて、テロ・誘拐による日本人の被害は確認されていません。
他方、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。