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テロ・誘拐情勢

2016年07月13日

1.概況
(1)2015年2月、コペンハーゲン市内において、イスラム過激派に影響を受けた男により、表現の自由に関する討論会の会場とユダヤ教の礼拝施設に対する銃撃テロ事件が発生しました。その後犯人の男は射殺されましたが、男はイスラム過激派組織「ISIL」に影響を受けて犯行に及んだものとみられています。以後、現在までコペンハーゲン市を中心に、テロの対象となりうる場所を警察官が警備するなど、関係当局によるテロに対する警戒が続けられています。
(2)デンマークの治安当局は、2008年のムハンマド風刺画再掲載を契機に、アル・カーイダを始めとする海外のイスラム過激派グループが、デンマークとその権益を重要なテロの標的として捉え、現在もその脅威が継続していること、アフガニスタン、イラク等への派兵、ISILに対する空爆への参加等に見られる、デンマーク政府の積極的な外交・安全保障政策が、敵対勢力の反発を招く恐れがあることなどから、「デンマークに対するテロの脅威は依然として深刻」と評価しており、特に、イスラム過激派によるテロを最大の脅威と捉えています。
(3)また、2012年夏以降、デンマーク市民の中から、少なくとも135人がシリアやイラクに渡航したものとみられています。治安当局はこうした紛争地域への渡航者の内、約半数はデンマークに帰国しているとの見方を示しており、戦闘への参加を通じて、テロの実行能力を得て、現地で活動している国際テロ組織と人脈を形成した戦闘員が帰国することによって、デンマーク国内におけるテロ脅威を増大させる可能性があります。
(4)デンマーク国内の特定の思想を背景とする過激な勢力についても、暴力の行使を辞さない個人・グループが存在しており、不法行為や、組織的な暴力的闘争の発生が懸念されています。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 デンマーク国内においてテロ組織の存在は把握されていませんが、ISILやアル・カーイダ等のイスラム過激派組織がソーシャルメディア等を通じて発信する過激な情報の影響を受けて、個人や小規模な集団が過激化し、テロや不法行為を企図することが懸念されます。
 公共交通機関や大規模集客施設、多くの人が集まるイベント等の開催会場は、テロの標的とされる可能性がありますので、これらの周辺においては十分な注意を要します。

3.誘拐事件の発生状況
 近年、デンマーク国内で、外国人を標的とした誘拐事件の発生は確認されていません。

4.日本人・日本権益に対する脅威
 これまで、デンマークにおいて、日本人・日本権益を直接の標的としたテロ事件は確認されていません。しかし、治安当局は「テロの脅威は依然として深刻」との評価をしていることから、今後も注意が必要です。
 また、近年、シリア、チュニジア、バングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や、パリ、ブリュッセル、イスタンブール、ジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように、世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか、これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており、日本人・日本権益が標的となり、テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
 このような情勢を十分に認識して、誘拐、脅迫、テロ等に遭わないよう、また、巻き込まれることがないよう、海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。



(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。