チェコ
テロ・誘拐情勢
更新日 2025年03月11日
1 概況
(1)テロ情勢
近年、チェコにおいてイスラム過激派の組織的なテロ事件は発生していません。しかしながら、欧州各国には中東地域からの戦闘員の帰国や、インターネット等を通じた過激化が原因となったテロ発生の可能性が指摘されており、チェコにおいても、過去に国内に居住していた人物が、シリア・イラク等の紛争地域に渡航した事実が確認されています。
2024年6月6日、プラハ市内(プラハ9区)の交通局車庫に停車中のバスに対する放火テロがありました。幸い、放火に気付いた職員が直ぐに消火したため被害は最小限に収まりました。8日、現場から逃走していたコロンビア国籍の男が逮捕され、テロの罪で起訴されましたが、その後の捜査の結果、同人はショッピングモールへの攻撃も計画していたと報道されています。
また2024年7月、スロバキア警察が、7月に開催されたスロバキアにおけるLGBTを対象としたプライド・イベントに対するテロ攻撃を企図していたスロバキア人及びチェコ人の少年を検挙したとされています。 過去にも、2022年11月、チェコの高等検察庁は、チェコ国籍の少年2名をテロ攻撃準備罪で起訴し、保護観察処分としました。同少年らは、1995年に米国オクラホマ州で発生したオクラホマ連邦ビル爆破事件及び同爆破を実行したテロリストに強く影響を受けたとされ、2025年4月19日に予定されている米国オクラホマ連邦ビル爆破事件追悼式典に合わせて、プラハ市内でテロ攻撃を実行することを計画していたとされるなど、このような単独犯による今後のテロ発生の可能性は否定できません。
2023年9月、チェコに在住するリビア人がイスラム過激派と関係があることを理由に国外退去処分を受けています。
チェコ政府は、現在、国内において具体的で切迫したテロの脅威は存在しないと評価する一方、テロの脅威度を4段階の下から2番目「レベル1:要警戒状態-具体的な脅威情報は存在しないものの、近隣諸国の情勢や、チェコの政治的立場に鑑み、テロの脅威が皆無であると断定することはできないことから、一定レベルの警戒を実施している状態。」を維持しています。
(2)誘拐情勢
チェコでは、日本人を標的とした誘拐事案や、テロ組織や反政府組織等による誘拐や拉致事件は発生していません。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
「1 概況」のとおり
3 誘拐事件の発生状況
チェコでは、近年組織的に誘拐を実行する犯罪グループ等の存在は確認されておらず、2024年中の誘拐事件は発生していません。これまでも日本人を対象とした誘拐事件は発生していません。
4 日本人・日本権益に対する脅威
現在のところ、チェコにおいて、テロ・誘拐による日本人の被害は確認されていません。
他方、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。