スロベニア
テロ・誘拐情勢
更新日 2024年07月25日
1 概況
スロベニアでは、これまでのところ国際的なテロ組織によるテロ事件は発生していません。しかし、スロベニア政府は、欧州及び中東における治安情勢の悪化から、2023年10月にテロ脅威レベルをこれまでの「低」(5段階の下から2番目)から「中」(5段階の真ん中)に引上げました。テロ脅威レベル「中」は、「暴力的なテロ行為が発生する可能性がある。」を示しています。
過去には、3名のスロベニア人がシリアでの戦闘に参加したことが明らかとなり、うち1名の自宅からは2014年に殺傷能力の高い武器が押収されています。また、欧州各地ではイスラム過激派によるテロが発生しており、スロベニアでもテロ事件が発生する可能性は排除されません。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
シリア等での戦闘への参加者の中には、西バルカン諸国出身者もいるといわれています。これらの地域から西バルカンに帰還した者たちが自らテロを実行する可能性や、インターネットを通じて過激思想に影響を受けた者たちが、単独で、ローンウルフ型のテロを敢行する可能性があります。
3 誘拐事件の発生状況
2018年から2022年までの5年間、スロベニア国内において年間約5件程度の誘拐事件が発生していますが、これまで国際テロ組織等が関与した誘拐事件や日本人・日本企業が標的となった誘拐事件は確認されていません。
4 日本人・日本権益に対する脅威
テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。