スイス
テロ・誘拐情勢
更新日 2024年09月27日
1 概況
(1)近年、スイスでは、イスラム過激思想に感化された者による以下のテロ関連事件が発生しております。
ア 2020年9月、ヴォー州モルジュにおいて、トルコ系スイス人男性がレストラン客を刺殺。
イ 2020年10月にオーストリア・ウィーンにおいて発生したテロ事件(銃撃テロにより4人死亡、23人が負傷)に関連したスイス人男性2人を、同年11月、チューリッヒ州警察が同州ヴィンタートゥールで逮捕。
ウ 2020年11月、ティチーノ州ルガーノ市内デパートにおいて、スイス人女性が客2人を刺傷。
エ 2024年3月、チューリッヒにおいて15歳の少年が、50歳のユダヤ教徒の男性を刺傷。
(2)スイス連邦情報庁によると、現在、欧州ではテロのリスクが高まっており、欧州の中央に位置するスイスにおいても、今後テロ事件等が発生する可能性を排除できませんので、引き続き注意が必要です。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
「1 概況」のとおり。
3 誘拐事件の発生状況
近年、外国人を標的とした誘拐事件は確認されていません。
4 日本人・日本権益に対する脅威
これまで日本人及び日本権益を標的とした脅威情報は確認されていませんが、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
世界的な傾向として、近年は、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。