ギリシャ
テロ・誘拐情勢
更新日 2024年12月16日
1.概況
(1)国際テロ
ギリシャでは、「アル・カーイダ(AQ)」や「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」等のイスラム過激派関連の組織だった活動は確認されていませんが、これまでに、移民・難民に紛れて潜伏していたISIL等の関係者が複数名、国内で検挙されています。2015年11月のパリ同時多発テロ事件の実行犯のうち2名もギリシャから欧州に入域したものと見られています。更に、2020年に1名、2021年に3名のISIL関係者が相次いで検挙されており、依然として国内に国際テロ組織関係者が潜伏している可能性が排除できません。
これまでのところ、ギリシャにおけるテロの差し迫った脅威は把握されていませんが、2023年にはパキスタン人がユダヤ教徒や関連施設を対象としたテロ攻撃行為を企てたとして逮捕されています。また、過激化した個人によるローンオフェンダー型テロ攻撃の可能性は常に存在するため、有事の際に被害に巻き込まれないためには、常に最新の情報を入手して、安全対策を講じることが重要です。
(2)国内反体制派武装組織
複数の組織が活発に活動しており、2023年中も政府関連施設や治安機関、各国大使館等に対し、簡易爆発物、車両への放火等による攻撃が発生しています。これらの攻撃は一般的に深夜や未明に行われることが多く、警備に当たる警察部隊が標的になることも多いので、巻き込まれないように注意が必要です。
2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
「1 概況」のとおり。
3.誘拐事件の発生状況
ギリシャでは、近年、外国人を標的とした誘拐事件の発生は確認されていません。
4.日本人・日本権益に対する脅威
テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。