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テロ・誘拐情勢

2016年03月18日

1.概況
(1)イタリアでは、1970年代後半から1980年代にかけて、極左・極右系のテロ組織が政府要人の誘拐・殺害や爆弾テロ等年間2千件を超すテロ事件を引き起こし、多数の死傷者が生じる事態が続きました。また、1990年代前半には、マフィアによるイタリア政府関係者を対象としたテロ活動が活発化しました。その後、テロ対策に関する特別立法や関係当局の徹底した取締り等によりテロ情勢は沈静化に向かいましたが、依然として極右・極左系テロ組織やマフィアの動きが確認されています。
(2)これまで、イタリア国内において、イスラム過激派組織が関与したとみられる大規模なテロ事件は発生していませんが、イスラム過激派組織の思想に影響を受けたと見られる者がテロを計画した事案等が確認されているところ、イタリア当局は厳重な警戒を行っています。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)極左・極右系組織
 イタリアの極左・極右系組織は、爆発物等を使用したテロ等を行っています。2015年はテロ事案はありませんでしたが、2016年1月、FAI(非公式アナキスト同盟)が、ローマ県チビタベッキアにおいて、駐車中の車両5台を爆破する事件が発生しました。
(2)マフィア
 マフィアは、テロの実行力は有しつつも、近年は、戦略的に当局関係者に対するテロを控え、汚職による資金の蓄財、敵対勢力との抗争等をしつつ組織の維持を図っています。
(3)イスラム過激派組織
 イスラム過激派組織の主張に影響を受けていると見られる者によるテロを計画した事案等が確認されていますが、これまでのところ、これらの者を含めイスラム過激派組織等によるテロ事案は発生していません。

3.誘拐事件の発生状況
 近年、イタリアでは誘拐事件の発生は、確認されていません。

4.日本人・日本権益に対する脅威
 イタリアにおいて日本人・日本権益に対するテロや誘拐の具体的な脅威は確認されていません。
 他方、近年、シリアやチュニジアにおける日本人が殺害されたテロ事件や、パリでの同時多発テロ事件などが発生しています。このように、世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか、これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており、日本人・日本権益が標的となり、テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
 このような情勢を十分に認識して、誘拐、脅迫、テロ等に遭わないよう、また、巻き込まれることがないよう、海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。


(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。