イタリア
安全対策基礎データ
- 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
イタリア政府は、犯罪組織(マフィア)の取締りの強化、不法移民問題の解消などを中心とした総合的な治安対策に取り組んでいます。
しかしながら、報道によると、2023年1年間の犯罪認知件数は約234万件であり、この数字はコロナ禍前より約1.7%増加し、2022年比では約3.8%増加しています。この数字は、日本の犯罪認知件数と比較すると、件数ベースで約3.3倍、人口比ベースで約7倍の数字となります。
特にローマ、ミラノ、フィレンツェ、ナポリ等の観光地、レストラン、駅周辺及び公共交通機関内などにおける日本人観光客の置き引き、ひったくり及びスリ被害が多く発生している状況です。
2 日本人の被害事例等
(1)ひったくり
歩行中にオートバイの2人組や自転車に乗った者に、追い越しざまにバッグを奪い取られる被害が発生しています。ひったくり被害は、特にナポリやシチリア等の南イタリアで多発しています。
<対策>
●外出時にはバッグなどの手荷物を持たない(携行する際は多額の現金等、貴重品を持ち歩かない、車道側の手でバッグ等を持たずに、身体の前で持つなどの対策が効果的)。
●貴重品(パスポートやクレジットカード等)を持ち歩く場合は、首下げ式のポーチなどの露出しないケースに入れておく。
●オートバイなどが接近してきた場合には、一旦立ち止まるなどして注視し、通り過ぎるのを確認してから歩き始める。
(2)スリ
浮浪者風の子供の集団が新聞紙等を広げて近寄り、気をそらせたすきにバッグや衣服のポケット等から貴重品を抜き取る手口をはじめとして、様々な形態のスリ被害が認められます。地下鉄車内においては、病院の最寄り駅を聞いて気をそらしたり、満員電車のなかで押されている間に貴重品を抜き取られるなどの被害報告もあります。また、エレベーターに乗った際に、リュックから貴重品を抜き取られるケースもあります。
<対策>
●不審な人物を路上で見かけたら直ちにその場を離れる。
●取り囲まれた場合には、大声をあげてその場から直ちに逃げる。
●地下鉄やバスに乗車する際には貴重品に細心の注意を払う。
●ひったくり対策と同様、携行品を身体の前で保持するなどの対策が効果的です。
(3)置き引き
荷物への注意が逸れるタイミングに盗まれるケースが多く、標的にされれば付きまとわれることもあります。手口としては、目の前で故意に物や小銭を落とす、アイスクリーム等を衣服につける、話しかける等して被害者の注意を引き付けているすきに被害者の荷物を盗むものが主流です。また、列車内や停車駅で荷物を盗まれる被害事例もあります(詳細は (6)列車での窃盗をご参照ください)。
<対策>
●空港、駅、ホテル、レストラン等、不特定多数の人が集まるところでは細心の注意を払う。
●常に携行品を自分の管理下に置く(バッグ等椅子の背もたれに掛けたり、隣の席に置かない)。
(4)車上荒らし
高速道路のドライブインや市内の路上等、場所を問わずに、駐車中の車の窓やドアが壊され、車中に置いていた物を盗まれたり、車ごと盗まれる場合もあります。また車を乗り降りする際に話しかけて注意を引きつけ、そのすきに助手席や後部座席の荷物を盗むケースもあります。
<対策>
●なるべく路上を避け、地下や建物内などの管理された駐車場に駐車する。
●車外から容易に見える場所に荷物を放置しない。
●一時的に降車する場合でも、ドアを確実にロックする。
(5)ニセ警官
制服を着た警官風の人物が現れ、旅行者に検査と称して財布を出させ、巧みに高額紙幣やクレジットカードを抜き取ります。また、クレジットカードを検査機のようなものにあてて暗証番号を入力させる場合もあります。
<対策>
●警官が本物かどうか疑わしい場合には、身分証明書の提示を求めたり、それが真正なものかを周囲の人や別の警官に確認を求めたりするなど、安易に信用しないよう注意してください。警察官がクレジットカードの提示を求めることはありません。
●イタリア国内では、大規模な駅などにおいて、警察官などによるパスポート検査が行われる場合があります。その場合には、パスポート以外の提示は求められませんので、ご留意ください。
(6)列車での窃盗
列車の発車間際に故意にぶつかる、荷物を棚に持ち上げるのを手伝うなどで注意を引き付けているすきに、仲間に貴重品の入った手荷物を盗ませる、長距離列車で持ち主が睡眠中に荷物を盗まれる、車両連結付近の荷物置場に置いたスーツケースを盗まれる(途中の停車駅で盗まれるなど)事例が多発しています。
<対策>
●荷物は手の届く範囲に置いておき、目を離さない。
●移動する際は必ず荷物も一緒に持っていく。
●列車内で睡眠を取らない。
●イタリア国内では、高速列車の停車駅であっても改札がない駅が多くあり、車内に不審者が比較的入り込みやすい状況です。
(7)ぼったくりバー
テルミニ駅等の主要駅周辺で、見知らぬ男に親しげに話しかけられ、バーに誘われて飲食した後で、店から不当に高額な料金の支払いを要求されるという被害が発生しています。
<対策>
●請求額に納得できない場合、クレジットカード等で「支払いを行う前」に、現場から警察(112番)に通報して介入を求める(※会計処理後の通報では、民事不介入の観点から、警察は被害届の作成に同意しないケースが多く認められるため、「会計処理を行う前」に通報してください)。
●クレジットカードにより不当な高額支払いを行った場合は、悪用防止のためカード会社に連絡する。
●見知らぬ者から薦められたバー等には、興味本位で入店しない。
(8)睡眠薬強盗
犯人が外国人旅行者を装い親しげに近寄り、飲み物をおごる等して信用させ、すきを見て睡眠薬入りの飲食物を勧め、被害者が眠っている間に貴重品を奪い取り逃走する被害事例が発生しています。被害者のほとんどが単独旅行の壮年男性です。
<対策>
●路上で見知らぬ人物から声をかけられたり、話しかけられたりしたときには、安易に信用することのないよう、常時警戒心を持つ。
●見知らぬ人物から差し出された飲食物は、絶対に口にしない。
(9)預金の不正引き出し
銀行のキャッシュカードを使用して預金を引き出す際に、カード情報や暗証番号を読み取られ、他の場所から預金を不正に引き出される被害事例があります。この種の犯罪は、何者かがキャッシュディスペンサーに小型の機械を取り付けてカード情報を読み取り、クローンカードを作成するとともに、暗証番号を入力する際に手の動きを監視カメラを模した小型カメラ等で撮影し、暗証番号を盗み、預金を不正に引き出すというものです。
<対策>
●キャッシュディスペンサーを利用する前に、不審な機械が取り付けられていないか十分確認する。
●暗証番号を入力する時には、ひと気の有無に関係なく手元を完全に隠して、番号を読み取られないようにする。
●なるべく銀行の中に設置されているキャッシュディスペンサーを利用する。
(10)ホテルにおける盗難
ローマ市やミラノ市など大都市のホテルでは、日本人観光客が盗難被害に遭うケースが散見されます。
被害例として、宿泊客になりすました者にセーフティーボックスから金品を窃取されたり、ホテルでの朝食時やチェックアウト手続き時に置き引きに遭うなどが報告されています。ホテルは不特定多数の人間が比較的自由に出入りできることもあり、盗難被害はホテルの規模やグレードに関係なく発生しています。
<対策>
●旅行の際は、現金の携行は最小限に留めるとともに、分散して携行する。
●ホテル従業員を名乗る人物が何らかの口実で客室に現れても、安易に信用してドアを開けることなく、まずフロントに確認する。
●セーフティーボックスを過信せず、外出する際は貴重品袋などに貴重品を入れて携行するか、フロントを利用する場合でも、ホテル従業員立会の下、貴重品を確認した上で預ける(現金を預ける場合は金額を確認したうえで従業員のサインを取ることが望ましい)。
●食事の際も貴重品を放置したまま席を離れたり、椅子の背もたれや足下に放置したりせず、貴重品は常に身に着けるようにする。
●チェックイン及びチェックアウトの際も、荷物への注意を怠らないようにする。
3 都市別の日本人の犯罪被害事例
<ローマ>
(1)列車、地下鉄、バス等でのスリ、置き引き
テルミニ駅および地下鉄車内・駅構内、空港等での貴重品の盗難が多発しています。地下鉄駅だけでなく、バスやトラム(路面電車)の車内およびテルミニ駅とフィウミチーノ空港を結ぶレオナルド・エクスプレスの車内などでも被害報告があります。そのほか、スペイン広場付近とテルミニ駅付近のファストフード店における置き引き被害が多く報告されています。
(2)観光スポットにおけるスリ
被害が多く報告されているのは、バチカンのサンピエトロ寺院、スペイン広場、コロッセオ、トレビの泉、バルベリーニ広場、真実の口周辺です。観光地近くの路上で、見知らぬグループに囲まれて貴重品を盗まれたケース、写真撮影に集中している間にバッグ等から貴重品を盗まれるケースがあります。
(3)ぼったくりバー
ローマのテルミニ駅、レプッブリカ駅、ヴェネト通り付近で、スイスやスペインからの旅行者を名乗る男性から英語で親しげに話しかけられ、誘われたピアノ・バーに同行したところ、ビールやワインを勝手に注文され、法外な料金を請求される被害が発生しています。
(4)睡眠薬強盗
ローマの観光スポットで旅行者風の男から勧められたビスケットやガムを食べた後に意識を失い、気が付いた時には貴重品を全て盗まれた事例や、写真撮影等で親しくなった旅行者風の男と一緒に入ったバール(イタリアの軽食喫茶)で、ビールを飲んで意識を失って所持品を盗まれるなどの被害事例があります。
(5)アクセサリー売りによる押し売り等
スペイン広場、コルソ通り、トレビの泉、コロッセオ、ナヴォナ広場付近等で発生しています。アクセサリーの売り子が、日本語で挨拶をしながら親しげに近付いて、ミサンガ(紐状のアクセサリー)を強引に手首に巻き付け、紐代と称し法外な代金を脅迫まがいに請求するケースや、売り子に呼び止められ、注意がそれているすきに貴重品を盗まれるケース、複数の売り子に取り囲まれ、代金を払うため財布を取り出したところ、財布ごと所持金を強奪されるなどの被害事例があります。
<対策>
●売り子から呼び掛けられても立ち止まらない。
●事件に巻き込まれた場合には、大声を出して周囲の人の注意を引いて助けを求めたり、付近を警ら中の警察官に助けを求める。
●被害にあった場合には最寄りの警察署に被害届を提出する。
(6)ニセ警官
警官を装った人物に財布の提示を求められ紙幣等を抜き取られる被害事例があります。
<ミラノ>
(1)スリ、置き引き、ひったくり
中心地のドゥオーモ周辺、マルペンサ空港、ミラノ中央駅、カドルナ駅、国際見本市会場、ナビリオ運河周辺、レストラン、バール、さらには高級ブランド店においても被害事例があります。
これらの犯罪は、2人以上によるものが多く、例えば、1人が道を尋ねる、タバコをたかる、列車の窓をたたく等で注意をそらし、仲間が素早く物を盗る手口です。
<対策>
●見知らぬ人物から声を掛けられても相手にしない。
(2)車上荒らし
犯行は、タイヤを故意にパンクさせられ、路上で修理中に車内に放置してある荷物を盗まれる被害事例があります。
犯行手口は、パンクさせた人物や、その仲間が親切に修理を手伝う振りをして持ち主のすきをうかがい、車内のバッグ等を持ち去るものです。
<対策>
●車両のタイヤがパンクした場合は、可能であれば、すぐに停車しないことが望ましい。
●仮にその場で修理する場合でも、最低限ドアを施錠するよう心掛ける。
(3)その他の犯罪
深夜に日本人観光客がミラノ中央駅周辺で集団による暴行を受け財布等を奪われたり、ドゥオーモ近くの路地裏でナイフで脅かされ荷物を盗られたりする事件が発生しています。ミラノの治安当局は、これらの地域では注意が必要であるとしており、深夜のミラノ中央駅やドゥオーモ周辺の独り歩きは危険ですので避けるようにしてください。
<ナポリ・シチリア島>
ナポリ中央駅周辺で、夜間や早朝に集団による暴行を受け財布等を奪われるケースや、バイクや自転車によるひったくりが多いことが特徴的で、ひったくられた際に転倒し負傷するケースもあります。また、自動車で旅行中に窓ガラスを割られ荷物を盗まれたり、タイヤをパンクさせられ修理している間に車内に放置した貴重品を盗まれるケースもあります。
<フィレンツェ>
観光スポットであるヴェッキオ橋やシニョーリア広場、ドゥオーモ周辺でのスリによる被害が多く報告されています。また、アイスクリームやケチャップソース等をかけられ、拭いている間に貴重品を盗まれる事例もあります。
特に、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(フィレンツェ中央駅)付近のファストフード店における置き引き被害が多く報告されています。
<その他の地域>
上記以外の地方都市でも犯罪被害が増加しています。また、ピサ(斜塔周辺)やアッシジ、シエナ等の観光客に人気のある都市でのスリや置き引きによる被害が多く報告されています。
4 テロ・誘拐
イタリアのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_153.html )をご確認ください。
※在留邦人向け安全の手引き
現地の在外公館(日本大使館・総領事館等)が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.anzen.mofa.go.jp/manual/italy_manual.html )もご参照ください。- 査証、出入国審査等
1 査証
(1)日本とイタリアの間には査証免除取極が締結されているため、観光や知人訪問などを目的とした3か月以内の滞在については、査証の取得が不要です。
(2)イタリアが加盟しているシェンゲン協定に関し、同領域内において査証を必要としない短期滞在については、「あらゆる180日の期間内で最大90日間を超えない」と規定されていますが。
また、短期滞在査証免除の対象者についても、有効期間が出国予定日から3か月以上残っており、かつ、10年以内に発行された渡航文書(パスポート)を所持している必要があります。
シェンゲン協定の詳細等につきましては駐日欧州連合代表部(電話:03-5422-6001、URL:http://www.euinjapan.jp/ )、イタリアの措置に関する情報は駐日イタリア大使館に問い合わせて必ず確認することをおすすめします。
※参考:外務省ホームページ『欧州諸国を訪問する方へ』(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page4_000122.html )
シェンゲン領域内の移動に際しては、入国審査の有無にかかわらず、日本国パスポートを常に携行する必要があります。シェンゲン領域内において、パスポートを紛失(盗難を含む)した場合には、速やかに紛失した場所(国)において、現地警察等への届出および最寄りの在外公館にてパスポート(または帰国のための渡航書)の発給手続きをするよう留意してください。
なお、紛失(または盗難)として一度現地警察に届け出た日本国パスポートは、紛失・盗難パスポートとして各国に通知されるため、その後無事見つかったとしてもそのまま使用できません。使用した場合、紛失(盗難)パスポートと判断されて没収され、渡航者は出発地に送り返される等のトラブルになる可能性がありますので、十分注意してください。
なお、ETIASについては2026年第4四半期から導入予定となっております。詳細は、EUホームページでご確認ください。
https://travel-europe.europa.eu/etias_en
2 出入国時の注意事項
出入国審査は人定確認が主で比較的簡便ですが、乗り換え等で「帰国のための渡航書」によりイタリアに立ち寄る場合は、確実にチェックを受け、場合によっては入国を拒否されます。その他、ブラックリスト(テロリスト、国際指名手配者等のリスト)に該当しないかのチェックも行われています。
なお、EU諸国のシェンゲン協定加盟国からイタリアに入国する、あるいは同諸国へイタリアから出国する場合もパスポートを携行する必要があります。航空会社はパスポートの提示なしには基本的には搭乗を認めません。
3 現金等の持込み、持出し申告
10,000ユーロ相当額以上の通貨や小切手、その他の有価証券の持込み、持出しには申告が必要です。
4 通関
通関の際、無作為抽出的に検査が行われています。多くの場合は、税官吏の前を通過するだけですが、時折、荷物を開けるよう要求される場合があります。
1人あたりの価値相当額の合計が430ユーロ(陸路の場合は300ユーロ)を超える物品を持ち込む場合は、税関に申告が必要です。これを怠っていたことが発覚した場合は、当該物品を没収され、関税の支払の他に多額の罰金が科せられます。没収された物品を取り戻すためには、関税と罰金に加え、当該物品の価値相当額を支払わなければなりません。特にパソコン、ビデオカメラ等の電子機器の持ち込みは厳しく取り扱われるので、注意が必要です。- 滞在時の留意事項
1 滞在地住所等の届出
イタリアに滞在する全ての外国人は、入国日から8執務日(土・日・祝日等を除いた日)以内に滞在地の警察署に対し、滞在地住所等の届出が義務づけられています。これを怠ると国外退去処分の対象となる可能性がありますので、上記届出につき滞在地の警察署に照会されることをおすすめします。
ただし、ホテルおよびそれと同様の施設に宿泊する場合には、チェックインの際にホテル側が用意した所定のフォームに署名することにより、上記警察署への届出は不要とされていますので、チェックインの際に確認することをおすすめします。
2 在留届
イタリアに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡等に必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )を通じて、在イタリア日本国大使館または在ミラノ日本国総領事館に「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。
この他、住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。
3 たびレジ
在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、イタリアで事件や事故、自然災害等が発生し、在イタリア日本国大使館または在ミラノ日本国総領事館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。
4 写真撮影
一般に写真撮影の制限はありませんが、空港施設、警察・軍関係施設、刑務所での撮影は禁止されています。古い教会や美術館では撮影の可否、撮影が可能な場合はフラッシュ使用の可否について掲示が出ているので、掲示の内容に従うことが必要です。なお、掲示の有無にかかわらず、教会内でミサの最中にフラッシュを使用することは控えてください。
5 薬物
若年層を中心とする薬物の乱用が深刻な社会問題となっています。また、EU諸国域外からの不法入国者、若年失業者等による薬物購入資金欲しさの強盗、窃盗等も多発しています。薬物には絶対に関わらないでください。
6 犯罪行為
警察官に対して、暴言を浴びせる、唾を吐きかける等の行為は処罰の対象となります。また、公衆の面前での酩酊も犯罪になります。
7 レシートの所持
レストランや商店等で飲食や買い物をした際は、レシートを必ず受領し、しばらく保管しておく必要があります。財務警察の職務質問を受けた際に、所持していないと、店側の脱税を助けるものとして罰金刑を科されることがあります。
8 野外泊
野外(駅等の公共施設内も含む)での寝泊まりは、全国各地にあるキャンプ場以外では禁止されており、これに違反すると浮浪者行為として罰せられることがあります。また、盗難や強盗のおそれがありますので、絶対にやめてください。
実際に、ナポリにおいて野外泊していた方が、犯罪に巻き込まれるケースが発生しています。
9 禁煙
公共施設屋内での全面的な禁煙を定める法律により、レストランやカフェ、バール、オフィス等において、厳しい基準を満たした喫煙室内を除き全面禁煙とされています。これに違反すると喫煙者のみならず、喫煙をやめさせなかった経営者や管理者も処罰されます。航空機の国内線、電車内、その他の公共の場所で、禁煙となっている場所における喫煙はかなり重い罰になることがあるので注意が必要です。
10 自動車の運転
イタリアにおいて自動車を運転するためには、日本の都道府県公安委員会の発給する国際運転免許証を取得しておく必要があります。
イタリアにおいて国際運転免許証を利用して運転できる期間は、国際運転免許証の発給から1年です。その期間を超えて、イタリアに滞在する場合は、イタリアで新たに運転免許証を取得するか、日本の運転免許証をイタリアの運転免許証に切り替える必要があります。免許証の切替手続に関する詳細は、在イタリア日本国大使館ホームページ(https://www.it.emb-japan.go.jp/itpr_ja/ryoujijouhou_menkyo_kakikae.html )をご参照ください。
自動車の運転者は、市街地以外の道路において、高速道路・一般道路の種別にかかわらず、日中でも前照灯の点灯が義務づけられています。また、二輪車の運転者は、走行中常に前照灯を点灯しなければなりません。
都市部では、混雑の緩和や文化財保護の観点から許可を得ていない車両の乗り入れが禁止されている地区があります。乗り入れ禁止地区には監視カメラが設置されており、知らずに乗り入れ、後日罰金を請求された事例もありますので、運転される場合には事前にレンタカー会社や観光案内所等に必ず確認してください。
11 イタリアの公共交通機関
イタリアの公共交通機関を利用する場合は、乗車前に駅やキオスク、タバコ屋(Tabacchi)等で乗車券を購入し、駅のホームやバスの車内に取り付けられている機械で使用開始日時を刻印しなければなりません。切符を購入せずに乗車していたり、切符を購入しても日時が刻印されていない状態で検札に遭うと、高額の罰金を請求されますのでご注意ください。また、日時を刻印する機械が壊れている場合や混雑のため打刻できない場合には、切符に自らボールペン等で乗車日時を記載する必要があります。
最近では、クレジットカードをかざすだけで乗車できる「Tap&Go」サービスが普及していますが、当該サービスを利用後、バス車内などで検札された際に、データベース上に購入履歴が反映されておらず、罰金を請求されるケースが報告されています。ご利用時には、サービスの内容を十分理解して、ご自身の責任でご利用頂くようにしてください。
12 子の居所移動
イタリアにおいては、親権を持つ親であっても、他の親権者の同意を得ずに子の居所を移動させること(親が日本へ帰国する際に子を同行する場合を含む。)は、子を誘拐する行為として重大な犯罪となる可能性があります。他の国においては、実際に、結婚生活を営んでいた当該国への再入国や、当該国と刑事司法上の共助関係を有する第三国への入国の際に、子を誘拐した犯罪被疑者として日本人が逮捕される事案も生じていますのでご注意ください。
13. ハーグ条約
イタリアは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去り、または留置した場合は、原則的に子が常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/ha/page25_000840.html (在外公館で入手できる具体的な情報提供・支援一覧)- 風俗、習慣、健康等
1 風俗・習慣等
(1)教会に入る時には、半ズボン、肩の出る服装では入場を拒否されることが多くあります。
(2)商店の昼休みは長く、銀行も午前中および午後の一部しか営業しません。また官公庁窓口の大部分は午前中のみの受付で、郵便局も午後の早い時間帯に終業するので留意が必要です。
8月は、イタリア人の多くが長期休暇を取るため、観光客が集中する場所のファストフード店以外のレストラン、商店等の大部分が1か月近く閉店します。
(3)商店等での支払の際には、習慣として、小銭を先に出し、その後お札を出します。お釣りをもらう場合も同様の順番になりますが、必ず、全額を受け取って、額を確認してから財布等にしまいます。先にもらった小銭だけしまってしまうとお札がもらえないことがあるようです。また、銀行での両替の際には、換金証明書が最後に渡されますが、先に渡された現金を財布にしまってしまうと、証明書の額と受け取った額が違っていても差額の請求ができないので注意が必要です。
2 気候
気候は南北に細長い地形のためかなり地域差がありますが、一般に夏は高温乾燥、冬は低温多湿の地中海性気候で、10~12月は雨の日が多くあります。
年平均気温で見ると、東京と比べて、フィレンツェは摂氏0.5度低く、ローマは摂氏1.1度高く、また、ミラノやベネチアは、摂氏1.5~2.0度低い都市です。また、夏の日中には、気温が相当上昇することが多いので、炎天下の行動は日射病や脱水症に十分気をつける必要があります。
3 衛生
街中にある湧き水は飲用可能で、慣れれば問題ないようですが、水質は石灰分の含有量が多く(炭酸カルシウム換算で日本の4~5倍)、短期滞在の場合は1回沸騰させた水かミネラルウォーターを飲用する方が無難です。
一部の魚介類については、遠方から運ばれてくるため保存状態が良くないものもあるので、レストラン等での外食時には、特に鮮度、加熱の状態をよく観察し、不確かなものは避けた方が良いでしょう。
4 医療事情
医薬品は、一般大衆薬であっても、いくつかは医師の処方箋がないと購入できないので、風邪薬、胃腸薬等の常備薬の類や外傷時の応急外用薬は、日本から持参することが賢明です。医療水準には問題ありませんが、公立病院は私立病院に比べて、機能性や清潔感に欠ける傾向が見られ、また英語を解さない医師が多いです。一般に救急車で搬送される公立病院(救急病棟)で治療が受けられますが、常に混雑しており、患者搬送後、何時間も待たされる場合が少なくありません。このような事態をできるだけ避けるには、私立病院での治療を選択する方がよいでしょう。
なお、私立病院での医療費は高額なため、海外旅行障害者保険に加入することをおすすめします。
5 「世界の医療事情」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/europe/italia.html )において、イタリア国内の衛生・医療事情等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。
その他、必要な予防接種等については、以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
◎感染症情報(https://www.forth.go.jp/ )
6 医薬品の持込み、持出し
医療用麻薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続きについては厚生労働省の以下のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html- 緊急時の連絡先
◎ローマ、ミラノ等の大都市圏における緊急時共通番号:電話112
◎国家警察(救急車要請も可):電話113
◎軍警察(救急車要請も可):電話112
◎消防署:電話115、112
◎救急車:電話118、112
[ローマ]
◎在イタリア日本国大使館:電話(国番号39)-(市外局番06) 487991
[ミラノ]
◎在ミラノ日本国総領事館:電話(国番号39)-(市外局番02) 6241141
(イタリア国外から電話をかける場合:国番号39+ 国内電話番号(市外局番「0」を含む)- 問い合わせ先
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2853
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局ハーグ条約室(一般案内窓口)03-5501-8466
○海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)
(現地大使館・総領事館連絡先)
○在イタリア日本国大使館:
住所:Via Quintino Sella, 60 00187, Roma, Italia
電話:(市外局番06)-487-991
国外からは(国番号39)-06-487-991
ファックス: (市外局番06)-487-3316
国外からは(国番号39)-06-487-3316
ホームページ:https://www.it.emb-japan.go.jp/index_j.htm
○在ミラノ総領事館
住所:Via Privata Cesare Mangili 2/4, 20121, Milano, Italia
電話:(市外局番02)-6241141
国外からは(国番号39)-02-6241141
ファックス: (市外局番02)-6597201
国外からは(国番号39)-02-6597201
ホームページ:https://www.milano.it.emb-japan.go.jp/index_j.htm
※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。