ナミビア
テロ・誘拐情勢
更新日 2025年01月29日
1 概況
ナミビア共和国は、独立以来、政治的に安定しており、治安は概ね落ち着いた状況にありますが、近年、失業率の高まりを受けて一般犯罪は増加傾向にあります。テロ組織やその関連組織、反政府組織等の活動は確認されていません。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
「1 概況」のとおり。
3 誘拐事件の発生状況
身代金を要求する等の誘拐事件の発生は確認されていませんが、昨今、外国人観光客が強盗集団に襲われ、犯行車両に連れ込まれ、拉致されるという事件が発生しています。強盗集団が被害者を拉致する目的としては、犯行車両内でキャッシュカードの暗証番号を聞き出したり、身に着けている腕時計等、貴金属を奪い取るためです。また、被害者が犯行車両に連れ込まれている間は、警察官及び警備員が発砲できず、追跡から逃れるため被害者を盾として利用しています。以下、直近で発生した拉致事件の概要です。
(1)2023年11月9日午前10時頃、首都ウィントフック市内のホテル駐車場で外国人観光客4名に対して強盗集団5名が襲撃しました。犯行車両に乗った強盗集団は、宿泊客を装いホテルのゲートから侵入、容疑者3名がナイフを所持して車両から飛び出し、被害者を殴り、バッグや携帯電話を強奪、さらに、容疑者らは被害者1名を車両に連れ込み走り去りました。その後、被害者1名は自力で逃げ出しホテルに戻ったとされています。
(2)2024年1月8日午後8時22分頃、スワコップムント市内の宿泊先ホテルに向かって歩いていた外国人観光客2名に対して強盗集団3名が襲撃しました。犯行車両に乗った強盗集団は、被害者と通り過ぎざまに車から飛び出し、被害女性を突き飛ばし財布を強奪しました。被害男性は、犯行車両に連れ込まれ拉致されましたが、その後、スワコップムント市内のモンデサ地区で解放されました。
4 日本人・日本権益に対する脅威
これまでナミビアにおいてテロによる日本人の被害は確認されていません。
他方、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。