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モロッコ
テロ・誘拐情勢

更新日 2021年05月27日

1 概況
(1)2018年12月、年間数万人が訪れるオート・アトラス山脈のモロッコ最高峰トゥブカル山の玄関口であるイムリル村(Imlil)から約10キロ離れた山岳地帯で、デンマーク人女性1名(24歳)及びノルウェー人女性1名(28歳)がナイフによる首への傷痕がある状態で遺体となって発見されました。当事件は、モロッコ当局がテロと断定し、ISILに感化された実行犯4名及びスペイン国籍を併せ持つスイス人1名を含む容疑者22名がマラケシュを中心にモロッコ国内で逮捕され、2019年7月、実行犯3名に対して死刑判決が言い渡されました。
 他方、大規模テロは、2011年4月に発生した、外国人観光客が多数訪れるマラケシュ旧市街のジャマ・エル・フナ広場に面したカフェ「アルガナ」での遠隔操作による爆破テロ事件以降、発生していません。
(2)モロッコでは、過去、「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ」(AQIM)や「アラビア半島のアル・カーイダ」(AQAP)等の関連組織が摘発されていましたが2015年以降は、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)の関連組織が多く摘発されています。また、最近の傾向として、戦闘員のリクルートのような支援活動だけでなく、モロッコ国内においてテロ行為を企図したテロ細胞も摘発されています。
 モロッコ当局は、ISIL等過激派組織の一員としてシリア及びイラクでの戦闘に参加したモロッコ人の数は1,600人を越えるとしています。モロッコ治安当局は、これらモロッコ人元戦闘員がモロッコ国内でテロ行為を行うことを特に警戒しており、2014年11月以降、警察に加え軍もテロ警戒の任務に就いています。また、2015年11月に発生したパリ連続テロ事件を踏まえ、警戒監視を更に強化し、特に政治・治安関連施設、外交団、教会等の宗教施設及び大規模商業施設等の監視を強めています。
(3)モロッコは、貧富の格差、若年層や高学歴者の高失業率等の社会問題を抱えており、過激主義勢力はこれらの諸問題を土壌として、特に貧困層の若者等を対象にリクルート活動を行っているとみられています。
 これに対しモロッコ政府は、2011年から2015年までの5年間にわたり、農村部の貧困状況の改善及び地域的・社会的格差の是正等を図るための「人間開発に係る国家イニシアチブ(INDH)(第2期)」を実施しました。モロッコ政府が同イニシアチブに基づき地域的・社会的格差を解消し、過激主義が浸透する土壌をなくしていくことが期待されています。しかし、地域的・社会的格差は容易に解決しない問題であり、このような政策の恩恵を受けられていないと考える人々の間には、依然として過激主義思想を受け入れる素地が残っていると考える必要があります。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 「1 概況」のとおり。

3 誘拐事件の発生状況
 2020年中、モロッコにおいて外国人を標的とした誘拐事件は確認されていません。

4 日本人・日本権益に対する脅威 
 テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。 
 近年では、単独犯によるテロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発するなど、テロの発生を予測し未然に防ぐことがますます困難となっています。
 このように、テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報等に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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