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ベナン
テロ・誘拐情勢
更新日 2026年02月10日
1 概況
(1)近年のテロ情勢
ベナン北部の国境付近では、2021年11月以降、イスラム過激派組織「イスラムとムスリムの支援団(JNIM)」が国軍や警察施設を標的としたテロを繰り返し、多数の死傷者が発生しています。2025年にはブルキナファソ、ニジェール及びベナンの国境が交差する「トリプル・ポイント」周辺で国軍基地襲撃が続き、北部のアタコラ県及びアリボリ県の国境地帯からアタコラ県中部へのテロの南下傾向が確認されています。これにより地域の治安状況は一段と悪化しています。
(2)国内のテロ組織等について
上記のJNIMに加えて、武装集団による民間人への攻撃も確認されています。ナイジェリアと国境を接するボルグ県東部では武装集団が教会や警察署、保健センターなどを襲撃し、治安悪化が深刻化しています。
(3)近年の誘拐情勢
北部のアタコラ県やアリボリ県でJNIMの関与が疑われる誘拐事件が多発しており、外国人の誘拐も発生しています。ナイジェリア国境付近では遊牧民プル族による身代金目的の誘拐も確認され、人質の殺害事案も報告されているため、警戒が必要です。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)「イスラムとムスリムの支援団」(JNIM)
2021年11月末以降、北部のアタコラ県パンジャリ国立公園、アリボリ県W国立公園、同周辺地域の国境付近を中心として、国軍治安部隊及び国立公園監視員等に対するテロや警察署等の治安関連施設に対する攻撃が頻発し、多くの死傷者が発生しています。これらの攻撃の主な実行主体は、ブルキナファソ等に拠点を置くJNIMの一組織であると見られています。
2025年1月及び4月、ブルキナファソ、ニジェール及びベナンの国境が交差する「トリプル・ポイント」付近等において、JNIMと見られる武装集団がベナン国軍基地を襲撃し、多数の国軍兵士が死亡しました。
2025年5月以降、北部のアタコラ県及びアリボリ県の国境地帯からやや離れた地域に位置する小規模な警察署が連続して襲撃を受けているほか、アタコラ県中部でもテロが発生しており、テロが南下する傾向が確認されています。民間人を対象としたテロも確認されており、その手口も凶悪かつ残忍なものとなっています。
(2)その他の武装集団
ナイジェリアと国境を接するボルグ県東部では、ナイジェリアから侵入した武装集団がカトリック礼拝堂、警察署、保健センター等を襲撃する事件が頻発しています。
2023年5月、北部のアタコラ県ケル地区及びアリボリ県バニコアラ地区トゥラにおいて、武装集団が多数の住民を殺傷する事件が連続して発生しました。
3 誘拐事件の発生状況
(1)ベナンでは犯罪統計が公表されていないため、正確な誘拐事件の発生件数は不明です。報道によれば、2022年1月から2023年12月までの2年間、北部のアタコラ県及びアリボリ県において、106件の誘拐又は誘拐未遂事件が発生し、その内、75件はJNIMによる関与が疑われています。
外国人を標的とした事件として、2019年5月、北部のパンジャリ国立公園において、仏人男性2名がJNIMの一組織である「マシナ解放戦線(FLM)」により誘拐されました。その後、同2名がブルキナファソ東部でフランス軍により救出された際に、ブルキナファソで誘拐された米国人女性1名と韓国人女性1名が同時に救出されています。武装集団の標的は欧米人に限定されていないため、日本人が標的になる可能性も排除されません。
(2)ボルグ県やコリーヌ県のナイジェリア国境付近では、遊牧民であるプル族による身代金目的の誘拐事件が発生しています。被害者がプル族であることが多いものの、プル族以外のベナン人が誘拐されたケースもあります。また、「1 概況」のとおり、ボルグ県東部において、ナイジェリアから侵入した武装集団がカトリック礼拝堂、警察署、保健センター等を襲撃する事件が頻発しており、民間人が誘拐されるケースも複数確認されています。これら誘拐事件の中には、テロ組織による犯行と指摘されるものもあり、身代金の支払いが行われない場合、人質が殺害される場合もあります。
4 日本人・日本権益に対する脅威
現在のところ、ベナンにおいて、日本人及び日本権益を標的とした脅威は確認されていませんが、テロの南下傾向が指摘されており、在留邦人の多いコトヌ等の南部地域でテロが発生する可能性は否定できません。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

