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チュニジア
テロ・誘拐情勢

更新日 2025年03月03日

1 概況
(1)2015年3月、チュニスのバルドー国立博物館で銃撃テロ事件が発生し、日本人3名を含む多数の外国人が亡くなりました。
(2)2015年から2016年にかけ大規模なテロ事件が続発したことを受け、チュニジア当局は治安対策を大幅に強化しました。また、諸外国の支援により、当局のテロ対処能力は大幅に向上しました。不安定な隣国リビアやサブサハラ諸国からテロリストや武器が流入するリスクに対応するため、治安当局は国境の警戒を強化しています。
(3)これにより国内のテロ組織は弱体化傾向にあるとみられますが、近年でも国内各地でテロ事件が発生しています。2018年10月にチュニス中心部のブルギバ通りで爆弾テロが、2019年6月にチュニス中心部において治安当局を狙った連続爆弾テロが、2020年3月にチュニスの米国大使館前で爆弾テロがそれぞれ発生しました。また、2020年9月には、北東部スース県の観光地付近で3人のテロリストが車両と刃物で警察官2人を襲撃する事案が発生しました。さらに、アルジェリア国境地域の山中、特に西部カスリン県のシャアンビ山を中心に、テロリストが潜伏しているとみられています。
(3)チュニジア当局によれば、2010年代に「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」に参加するため約3,000人のチュニジア人がシリアやイラクに渡航し、その内、約1,000人がチュニジアに帰還し、内務省の監視下に置かれています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 引き続き治安当局による掃討作戦が進められていますが、近年では主に以下の事件が発生しています。
(1)2023年5月10日、南東部沖のジェルバ島にあるシナゴーグの外で国境警備隊員の男が銃を乱射し、6人が死亡しました。
(2)2024年4月18日、内務省はカスリン県の山地でテロ組織「ジュンド・アル・ヒラーファ」の指導者1人を逮捕しました。
(3)2024年7月25日、カスリン県の山地に入った羊飼いが、テロリストが敷設したと考えられる地雷の被害に遭い負傷しました。

3 誘拐事件の発生状況
 2008年2月にチュニジア南部砂漠地帯で、オーストリア人2人が「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ(AQIM)」によって誘拐された事件が発生(同年10月解放)していますが、それ以降、外国人を標的とした誘拐事件は発生していません。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 2015年から2016年初頭にかけての一連のテロ事件では、日本人を含む多数の外国人が死傷しました。チュニジアの治安状況は改善傾向にありますが、2020年にも首都チュニスで自爆テロ事件が発生するなど、テロの脅威がなくなったわけではありません。チュニジアに帰還した元ISIL戦闘員等の動向にも引き続き注意が必要です。
 また、近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。 
 テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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