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ソマリア
テロ・誘拐情勢

更新日 2022年01月28日

1 概況
 近年、イスラム過激派組織アル・シャバーブ(AS)は、首都モガディシュで、政府関連施設、国際機関関連施設、ホテルやレストランに対する自爆テロ、手榴弾・銃撃による襲撃、要人の暗殺などを頻繁に実行しているほか、中南部地域においても活発にゲリラ戦を展開しています。こうした状況にあることから、ソマリアでは、ソマリランドを含む全土にわたって、治安は極めて不安定であり、渡航者がテロに巻き込まれる可能性や誘拐の被害に遭う可能性が非常に高い状況にあります。

2 各組織の活動状況及び各地域の治安情勢
(1)ASは、2011年頃まで、首都モガディシュの一部を占拠するなど、暫定政府との戦闘を続けましたが、AMISOM軍(アフリカ連合ソマリアミッションの部隊)の攻勢を受け、同年8月にはモガディシュから、また2012年9月までに港湾都市キスマヨから撤退し、多くの拠点を失いました。さらに、2014年9月には、米軍の空爆により指導者ゴダネが死亡し、その勢力が低下していくと思われましたが、その後も後継者となったディリエの下に一定の力を維持し、今日においてもモガディシュでの政府・治安機関、外国権益を狙ったテロを敢行しているほか、同国各地にあるAMISOM軍の基地への攻撃を実行し、多大な被害を与えています。2017年10月14日には、首都モガディシュで数百名にのぼる死者を出す過去最悪の爆弾テロ事件が発生していることに加え、2020年に入っても自動車爆弾を利用したテロ事件が頻繁に発生しています。さらに、ソマリア全土で身代金を目的とした外国人及びNGO活動家を標的とした誘拐事件が多発しています。
(2)また、ソマリランド及びプントランドにおいては、中南部地域から撤退したASの一部勢力が移動し、潜伏していることが報じられています。
(3)ASは、アルカーイダ(AQ)に忠誠を誓う組織であり、現在もAQ指導者ザワヒリへの忠誠を表明していますが、組織の中のAS指導部に批判的な勢力が、「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)ソマリア」に共鳴し、ソマリア北部のプントランドに拠点を置いて、首都モガディシュを含むソマリア国内においてテロ活動を行っています。
(4)ソマリア沖・アデン湾で活動する海賊は、国際社会の海賊行為への取組強化により2012年以降大幅に減少しました。しかし、海賊を生み出す根本的原因の一つであるソマリア国内の貧困問題等は解決しておらず、また、ソマリアの海賊を取り締まる能力は未だ不十分であるため、依然として海賊の脅威は存在しています。

3 誘拐事件の発生状況
(1)過去には国際機関、NGO等の職員、及び日本人を含む外国人を標的とした身代金目的等の誘拐事件が発生しています。また、ケニア領内で誘拐された外国人の多くがソマリア領内に連れ去られています。
(2)最近では、2018年5月に、モガディシュにおいて、国際赤十字に勤務するドイツ人女性の誘拐事件が発生しています。
(3)また、2019年4月に、ケニア北東部マンデラ郡において、武装集団に襲撃され2人のキューバ人医師が拉致される事案が発生し、その後ソマリア国内に身柄を移送されたとの情報があります。
(4)一般的に、誘拐事件は一旦発生すると、解放への交渉が難航する上に、最終的に人質が殺害されるケースがみられます。また、解決した場合でも非常に長期化するがケースが散見されます。

4 日本人・日本権益に対する脅威
(1)現在のところ、ソマリアにおいて、日本人・日本権益を直接の攻撃対象とするテロの脅威は確認されていませんが、ソマリア国内では、今後も継続して外国人が多く利用するホテルやショッピングモール、レストラン等でテロ攻撃が発生する可能性が極めて高い状況にあり、その場所に居合わせた日本人も被害に巻き込まれることが強く懸念されます。
(2)近年では、世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロが発生しており、チュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。加えて、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
(3)誘拐については、犯行主体にかかわらず、身代金の要求が目的である場合が多いことから、邦人が標的とされる可能性があります。
(4)さらに、海上における危険として、ソマリアにおいては、日本人を含めた外国人、日本関係船舶を含めた外国船舶を標的とする誘拐、海賊事件が発生しており、引き続き日本人、日本権益(日本関係船舶を含む)も攻撃対象となる可能性があります。
 以上のような状況を踏まえ、どのような目的であれ、ソマリアへの渡航は止めて下さい。

 

テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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