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ソマリア

更新日 2019年04月19日

1 概況
 近年,イスラム過激派組織アル・シャバーブ(AS)は,首都モガディシュで,政府関連施設,国際機関関連施設,ホテルやレストランに対する自爆テロ,手榴弾・銃撃による襲撃,要人の暗殺などを頻繁に実行しているほか,中南部地域においても活発にゲリラ戦を展開しています。こうした情勢下において,ソマリアでは「ソマリランド」(ソマリア北部)を含む全土にわたって治安が極めて不安定であり,渡航者がテロに巻き込まれる可能性や誘拐の被害に遭う可能性が非常に高い状況にあります。

2 各組織の活動状況及び各地域の治安情勢
(1)ASは,2011年頃まで,首都モガディシュの一部を占拠するなど,暫定政府との戦闘を続けていましたが,AMISOM(アフリカ連合ソマリア・ミッション)軍の攻勢を受け,同年8月にはモガディシュから,2012年9月には港湾都市キスマヨから撤退するなど,多くの拠点を失いました。2014年9月には米軍の空爆により指導者ゴダネが死亡しましたが,その後も後継者となったディリエの下で一定の勢力を維持し,今日においてもモガディシュで政府・治安機関,外国権益を狙ったテロを敢行しているほか,国内各地のAMISOM軍基地への攻撃を実行し,多大な被害を与えています。「ソマリランド」及び「プントランド」(ソマリア北東部)においては,中南部地域から撤退したASの一部勢力が移動し潜伏していることが報じられています。
(2)ソマリアでは,2017年10月14日に首都モガディシュで数百人に上る死者を出す過去最悪の爆弾テロ事件が発生したのに加え,2019年に入っても,自動車爆弾等を利用したテロ事件が継続して発生しています。更に,ソマリア全土で身代金を目的とした外国人及びNGO活動家を標的とした誘拐事件が多発しています。
(3)ASはアルカーイダ(AQ)に忠誠を誓う組織であり,現在もAQ指導者ザワヒリへの忠誠を表明していますが,組織の中のAS指導部に批判的な勢力は,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)ソマリアに共鳴し,「プントランド」に拠点を置いて首都モガディシュを含むソマリア国内でテロ活動を行っています。
(4)ソマリア沖・アデン湾で活動する海賊は,国際社会の海賊行為への取組強化により2012年以降大幅に減少しましたが,2017年3月には約5年ぶりとなる大型商船に対する海賊事案が発生するなど,再発の兆しが見られます。海賊を生み出す根本原因の一つであるソマリア国内の貧困等の問題が解決しておらず,また,ソマリア政府の海賊を取り締まる能力が不十分であるため,依然として海賊の脅威は存在しています。

3 誘拐事件の発生状況
 過去には,身代金等を目的とした国際機関やNGO等の職員の誘拐事件が発生しています。また,ケニアやエチオピア領内で誘拐された外国人の多くがソマリア領内に連れ去られています。最近では,2018年5月にモガディシュにおいて,国際赤十字に勤務するドイツ人女性の誘拐事件が発生しています。
 一般的に,誘拐事件は一旦発生すると,解放への交渉が難航する上に,最終的に人質が殺害されるケースが見られます。また,解決する場合でも,非常に長期化するケースが散見されます。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 これまでのところ,ソマリアにおいて日本人・日本権益を直接の攻撃対象とするテロの脅威は確認されていませんが,ソマリア国内では,今後も外国人が多く利用するホテルやショッピングモール,レストラン等でテロ攻撃が発生する可能性が極めて高い状況にあり,その場に居合わせた日本人が被害に巻き込まれることが強く懸念されます。
 誘拐については,犯行主体にかかわらず身代金が目的である場合が多いことから,日本人が標的とされる可能性があります。また,海上における危険として,ソマリア沖では日本人を含む外国人や日本関係船舶を含む外国船舶を標的とした誘拐・海賊事件が発生しており,引き続き日本人・日本権益(日本関係船舶を含む)も攻撃対象となる可能性があります。

テロについて

「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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