コートジボワール
テロ・誘拐情勢
更新日 2023年07月11日
1 概況
2016年3月のグラン・バッサムにおけるテロ襲撃(コートジボワール人、フランス人、レバノン人、ドイツ人、マケドニア人、マリ人、ナイジェリア人を含む19人が死亡、33人が負傷)以降、コートジボワール国内において大規模なテロは発生していませんが、北部のマリ、ブルキナファソ国境付近を中心として、治安機関等に対する襲撃事件が発生しています。
テロ組織の活動は、マリ、ブルキナファソ等の内陸部からギニア湾沿岸の国々へと南下する傾向にあります。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)コートジボワールでは、隣国から侵入するテロリストの襲撃と、それに対抗する 政府の掃討作戦が繰り返されています。
(2)特にコートジボワール北部のブルキナファソ側の国境地帯では、2018年以降、イスラム過激派組織の活動領域が拡大しており、近年も、治安機関等を対象とした、襲撃事件等が散発的に発生しています。
(3)ギニア湾周辺の海域では、武装集団による誘拐、強盗等の海賊事案が発生しています。同海域を航行する船舶の運航事業者及び当該船舶に乗船を予定されている方は、同海域において海賊等事案による被害に遭遇する危険性を十分認識し、情勢によってはこれらの海域を航行する船舶への乗船を控えてください。
3 誘拐事件の発生状況
コートジボワールにおいて、外国人を標的とする誘拐事件の発生は近年確認されていませんが、2019年11月、コートジボワール北東部国境から約100km北側に位置するブルキナファソのシデラドゥグゥにおいて、ファーウェイ社の中国人技術者4名が武装集団に拉致される事案が発生しています。
マリ、ブルキナファソの治安情勢の不安定化がギニア湾沿岸諸国に大きな影響を与えており、サヘル地域一帯では、テロ組織のみならず、武器・麻薬の密輸などを行う強盗集団が暗躍しています。ギニア湾沿岸諸国へと南下する傾向にあるこれらの集団が、テロリストと提携し、誘拐事件を引き起こす可能性は排除できません。
4 日本人・日本権益に対する脅威
テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。