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アルジェリア
テロ・誘拐情勢
更新日 2025年12月31日
1 概況
(1)近年のテロ情勢
アルジェリアでは、2013年1月、南東部イリジ県のイナメナス付近において天然ガスプラントが襲撃され、日本人10名を含む多数の外国人が犠牲となりました。同事件以降、アルジェリア政府は、テロリストに対する掃討作戦を継続しており、2025年12月までに、テロリスト1,000人以上が治安当局により殺害、逮捕され、または投降しています(そのうち700人以上は、イスラム過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ」(AQIM)関係者とされています。)。
その結果、アルジェリア国内に残存するテロリストの数は減少し、テロリストの攻撃能力や活動地域は限定的となってきています。テロリストは主に、カビリー地方、中部及び国境地帯の山間部に潜伏し、小型の武器を携行して治安当局の警戒網をすり抜けながら移動しているとされます。
(2)国内のテロ組織等について
アルジェリア国内では、北東部山岳地帯を中心に活動する「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ」(AQIM)や南部国境地帯及び南部隣接国内での活動を主とする「イスラムとムスリムの支援団」(JNIM)が存在しています。また、シリア、イラクで「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)に参加したアルジェリア人戦闘員が多数帰還し、テロの脅威となることが懸念されています。治安当局は、国内はもとより、国境全域に対する警戒態勢の強化を図っていますが、密入国者に紛れて戦闘員が帰還する危険性も指摘されています。
(3)近年の誘拐情勢
公式統計が公表されていないため、実態は明らかではありませんが、近年公表されている誘拐事件は、金銭目的や性的動機、怨恨による一般犯罪として、年数件程度報じられています。
2 各組織の活動状況及び各地域の治安情勢
(1)イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ(AQIM)
2007年以降、治安当局による掃討作戦・取締り強化により活動範囲は縮小し、現在は北東部の山岳地帯(カビリー地方)を中心に活動しています。AQIMの指導者ドルークデルは、2020年6月にフランス軍によって殺害され、その後、新たな指導者が指名されていますが、掃討作戦の継続によりその活動も限定的になってきています。
(2)イスラムとムスリムの支援団(JNIM)
アル・カーイダ系の5つのテログループが、2017年3月に統合して結成されました。地元部族(トゥアレグ族)等とのつながりを活かし、アルジェリアとの国境地帯を含むマリ、リビア、ニジェール、ブルキナファソを中心に、広域で活動しています。この組織には、2013年1月のイナメナス事件の実行犯の流れを汲むグループも参加しています。
(3)その他
カビリー地方の独立を目指す「カビリー分離独立運動」(MAK)、イスラム主義に基づく反政府勢力「ラシャド運動」(いずれも欧州に拠点を置く)が、2021年5月にアルジェリア政府からテロ組織として指定されています。2021年3月の民衆デモに関与した疑い等により多数の関係者が逮捕されていますが、実際の関与については不透明な部分が多く、組織の実態については明らかになっていません。
3 誘拐事件の発生状況
これまでに日本人が被害に遭った事案は確認されていません。2025年1月、南部国境地帯でスペイン人観光客が誘拐される事案が発生しました。被害者はほどなく解放されましたが、犯行主体や目的は明らかになっていません。同年2月、テロ資金獲得を目的としたアルジェリア人を被害者とする誘拐事件が発生しました。同事件の被疑者は2024年にも同種誘拐を実行し、被害者を殺害していたことが明らかになっています。
4 日本人・日本権益に対する脅威
アルジェリアでは、過去、日本人10名が犠牲となったイナメナス事件のような日本権益へのテロ攻撃や観光目的の外国人に対する誘拐・殺害事件が発生しており、今後も日本人・日本権益がテロ等の標的となることが懸念されます。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

