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アルジェリア
テロ・誘拐情勢

更新日 2021年05月27日

1 概況
(1)アルジェリアでは、2013年1月のイナメナス事件後から2021年1月までに治安当局により殺害、逮捕された、または自ら投降したテロリストが1,000人以上にのぼる(うち700人以上は「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ」(AQIM)関係者。)といわれており、国内の残存テロリスト数、潜在的な攻撃能力及び活動地域は抑えられています。
(2)テロリストの主たる潜伏地域はカビリー(Kabylie)地方、中部及び国境地帯とみられ、小型武器を携行して治安当局の警戒網をすり抜けながら移動しているとされています。2017年には、他地域と比べて警戒態勢が厳重な首都アルジェにおいても、テログループ支援者の逮捕事案(2件)や、アル・カーイダ指導部からテロ攻撃の指示を受け潜伏していたテロリストの拘束事案が発生しています。
(3)また、シリア、イラクで「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)に参加したアルジェリア人戦闘員の帰還による新たなテロの脅威が大きな問題になりつつあり、既に多くの戦闘員がアルジェリアに帰還していると報じられています。治安当局は、国内はもとより国境全域に対する警戒態勢の強化を図っていますが、国境・沿岸線が長大なアルジェリアにとってこれら全てを監視することは困難であり、元ISIL戦闘員が密入国により帰還する危険性も指摘されています。

2 各組織の活動状況及び各地域の治安情勢
(1)イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ(AQIM)
 2007年に首都アルジェにおいて国家機関、国連機関を狙った大規模自爆テロを敢行して以降、治安当局による掃討作戦・取締強化により国内でのテロ活動が困難になり、現在、AQIMの活動範囲は北東部山岳地帯(カビリー地方)が中心となっています。AQIMの指導者ドゥルークデルは2020年6月にフランス軍によって殺害され、その後、新たな指導者としてアブ・オベイダ・ユスフ・アル・アンナビが指名されていますが、掃討作戦の強化によりその活動も限定的になっています。
(2)イスラムとムスリムの支援団(ジャマーア・ヌスラ・アル・イスラーム・ワル・ムスリミーン、JNIM)
 2013年1月のイナメナス事件の実行犯である「覆面旅団」を率いていたモフタール・ベルモフタール(MBM。死亡説もあるが未確認。)は、2013年8月、同旅団と「西アフリカ統一聖戦運動」(MUJAO)を統合し、「ムラービトゥーン」を結成しました。MBMは、その声明の中でISILとの連帯を否定し、アル・カーイダへの忠誠を表明しています。その後、2017年3月に、同組織を含むサヘル地域のテログループが統合してJNIMが組織され、地元部族(トゥアレグ族)等とのつながりをいかし、アルジェリア国境地帯、リビア、ニジェール及びマリ北部を中心にサヘル地域の広域で活動しています。
(3)アルジェリアのカリフ国家の戦士(ジュンド・アル・ヒラーファ、JaK-A)
 北東部のカビリー地方では、2014年、AQIMを離反した分子がISILへの忠誠を表明する新たな組織(JaK-A)を結成しました(後にISILは、アルジェリアをISILの支部(州)とした旨の声明を発出。)。同年9月、JaK-Aは、ティジ・ウズ県南部山岳地帯でフランス人登山家1名を誘拐して人質に取り、フランスによるISIL攻撃を中止させる交渉材料として利用した後、同人を殺害する事件を起こしました。また、同年11月には、ブイラ県東部において中国・トルコ合弁企業の外国人労働者の車列に対する襲撃未遂事件が発生しており、真相は不明ですが、JaK-Aの犯行であるとの報道もあります。その後、JaK-Aの指導者ゴーリ・アブデルマレク及びその後継者は掃討作戦により次々と殺害されており、治安当局は現在も他のメンバーを継続して追跡しています。
(4)グラバー旅団
 グラバー旅団は、AQIMから離脱してISILに忠誠を誓ったアルジェリアにおける3番目のテロ組織と言われ、コンスタンティーヌ県北東部の山岳地帯を活動拠点にしています。2017年3月、指導者ラウイラが治安当局による掃討作戦により殺害されました。同人は、2016年10月に発生したコンスタンティーヌ警察官殺害事件に直接関与した人物とみられていました。
(5)2020年のテロ事件の発生件数(新聞報道に基づく集計)は2件(死亡者3人)で、2019年と同数でした。発生した2件はともに治安機関を対象としたもので、1件は兵舎に対する自爆テロ、もう1件はテロリスト掃討作戦中の手製爆弾の爆発でした。

3 誘拐事件の発生状況
 新聞報道に基づく集計によれば、2020年中、2件の誘拐事件が発生しています(いずれも邦人被害はなし。)。
(1)9月、アイン・デフラ県において16歳の少女が3人組の男に誘拐されましたが、警察による検問で犯人は逮捕され、被害者も無事救出されました。
(2)12月、ティジ・ウズ県において自宅前で遊んでいた4歳の男児が誘拐され、後日、殺害された状態で発見されました。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 アルジェリアでは、過去、日本人10名が犠牲となったイナメナス事件のようなテロ攻撃や観光目的の外国人に対する誘拐・殺害事件が発生しており、今後も日本人・日本権益がテロ等の標的となり被害に遭うことが懸念されます。アルジェリアにおける治安状況は改善傾向にありますが、単独犯によるローンウルフ(一匹狼)型テロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロは世界各地で発生しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。また、アルジェリア人帰還兵の動向等にも引き続き注意が必要です。
 このような情勢を十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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