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テロ・誘拐情勢

2017年06月29日

1.概況
(1)豪州政府が公表しているテロ警戒レベルは,全体で5段階のうち上から3番目の「起こりそうである(PROBABLE)」となっています。
(2)治安当局は年間を通じて,シドニーやメルボルンにおいて,テロ容疑者の摘発を累次行い,2016年には国内で7件のテロ攻撃を未然に摘発しましたが,1件が実際に発生しました。同年9月には,ISIL(イラクとレベントのイスラム国)がウェブ雑誌「ルーミーヤ(Rumiyah)」上において,いわゆるローン・ウルフ(一匹狼)に対して,豪州の象徴的な場所で豪州人を刺す,撃つ,毒を盛る,車で轢くなどして殺害するよう呼びかけました(具体的な地名は下記2項を参照)。
(3)2017年6月5日,メルボルンで男がサービス・アパート入口で男性を射殺し,女性1人を人質に取った上で同アパートに立て籠もり,駆けつけた警察と銃撃戦の末,射殺されました。ターンブル豪首相は,この事件をテロ攻撃であるとし,更なるテロへの警戒を呼びかけています。
(4)豪州政府は,引き続きテロ容疑者の摘発を推進し,連邦議会議事堂や警察等政府関係施設の警備を強化するとともに,若者の過激化防止対策に力を入れています。最近欧州でテロが頻発していることに伴い,大規模なイベント等における警戒態勢を見直す等の動きも見られます。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)上述のISILのウェブ雑誌上に挙げられた具体的地名は以下の通りです。
● シドニー:バンクスタウン(Bankstown),ボンダイ(Bondi),シドニー・クリケット・グランド(SCG)及びオペラハウス
● メルボルン:ブランスウィック(Brunswick),ブロードメドウズ(Broadmeadows)及びメルボルン・クリケット・グランド(MCG)
(2)上述の通り,連邦・各州当局では最近のテロ情勢を踏まえ,各地域の大規模なイベント等における警戒態勢を見直す等の動きが見られます。このような状況を考慮し,不測の事態に巻き込まれないよう,(ア)最新の関連情報の入手に努める,(イ)テロ・誘拐等の標的となりやすい場所(※)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等,安全確保に十分注意を払う,といった対応に努める必要があります。
(※)リゾート施設,各種イベント会場,観光施設,レストラン,ホテル,ショッピングモール,スーパーマーケット,劇場,コンサート会場等人が多く集まる施設,教会・モスク等宗教関係施設,公共交通機関,政府関連施設(特に軍,警察,治安関係施設)等

3.誘拐事件の発生状況
豪州国内では,犯罪統計上は毎年500~600人程度(2014年中は550人,2015年中は523人,2016年分は未集計)が誘拐・略取(kidnapping/abduction)事件の被害者となっていますが,近年においては,社会的関心を引くような重大事案の発生はほとんど見られておりません。
しかしながら,特に夜間の一人歩きや目立つ服装・行動をしない,用心を怠らない,行動を予知されない,周囲の不審者・不審物に注意を払うなど,万が一に備えた予防策を講じることが大切です。

4.日本人・日本権益に対する脅威
これまでに,豪州において日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,トルコ,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
(注記)
「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。