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ヨルダン
テロ・誘拐情勢

更新日 2024年01月31日

1 概況
(1)2016年12月中旬、カラク県において警察署やカラク城等が銃撃されるテロ事件が発生、外国人観光客1名を含む10名が死亡し、外国人を含む30名以上が負傷しました。本件に関しては、「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)から犯行声明が発出されています。
(2)2018年8月、アンマンの北西に隣接するバルカ県フヘイスにおいて、音楽祭警備のため駐車中の治安機関車両を狙った爆破テロが発生し、治安機関員2名が死亡、5名が負傷しました。さらに、その翌日、同県サルトにおいて、犯人グループの隠れ家を治安機関が摘発した際、犯人グループが応戦して建物を爆破するなどした結果、治安機関員4名が死亡、多数が負傷したほか、犯人3名が死亡し、4名が逮捕されています。
(3)2019年11月、首都アンマンの北方に位置するジェラシュ県ジェラシュ市のローマ遺跡において、刃物を使用した襲撃事件が発生し、外国人観光客4名を含む8名が負傷しました。犯人は、インターネット上でISILの思想に触れて過激化したローンウルフであり、ISIL指導者バクダーディ殺害の報復を意図したとされています。
(4)2022年12月、南部マアーン県において、燃料の高騰を背景としたデモに対応していた警察官1名が、過激主義者とされる者に襲撃・殺害されました。さらに後日、同事件の被疑者検挙に赴いた治安機関員と犯人グループとの間で銃撃戦となり、治安機関員3名が殉職する事件が起きました。ヨルダン当局の発表によれば、この事件は過激な思想の信奉者のグループによるものとされており、翌年の2023年7月には逃亡していた同グループのメンバー1名が治安当局との銃撃戦の末に射殺されたほか、1名が治安当局に出頭し検挙されています。これらは、ヨルダン国内においてテロの脅威が依然として存在していることを示す事案といえます。
(5)ヨルダンは、イラク、シリア、イスラエル、レバノン、サウジアラビア、エジプトといった周辺国の情勢の影響を受けやすい地理的位置にありながら、これまで外的な影響による様々な国内治安の不安定化の危機を乗り越えてきました。しかしながら、隣国のイスラエル、イラク及びシリアの情勢が不安定であることや、国境管理の困難さなどから、テロリストや武器・爆発物の流入を治安当局が完全に阻止することは難しい状況にあります。このような状況の中、ヨルダン政府はテロ防止のため、法令整備、体制強化等に取り組んでいるほか、治安当局の指導の下、主要なホテルやショッピングモール等における入場者のチェックを強化するなど、各種対策を実施していますが、今後もテロ事件等が発生する可能性は排除できませんので、引き続き注意が必要です。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 ISILは、2019年3月以降、シリアでの最後の「支配領域」を喪失するなどしており、ヨルダン北部国境地域等におけるISILによる直接的なテロの脅威は低下したと考えられています。ただし、これ以降もISIL等の過激派組織と直接連絡を取ることなく、インターネット等により影響を受け過激化したテロリストによる「ローンウルフ型テロ」が発生しています。

3 誘拐事件の発生状況
 2022年には、外国人を標的としたテロリストによる誘拐事件や身代金目的等の誘拐事件は発生していません。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 現在のところ、ヨルダンにおいて、日本人及び日本権益を標的とした脅威情報及びテロ事件による日本人の被害は確認されていません。しかし、「1 概況(3)」のとおり、外国人観光客が負傷するテロ事件も発生しているため、現地を訪れるにあたっては十分な警戒が必要です。
 また、近年、世界的な傾向として、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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