バーレーン
テロ・誘拐情勢
更新日 2024年12月31日
1 概況
(1)バーレーンでは、日本権益及び日本人に対する具体的な脅威はこれまでのところ認められませんが、テロの潜在的な脅威には十分な警戒が必要です。
(2)2017年までは、シーア派過激派勢力による、政府・警察をターゲットとする爆弾テロ事件が発生し、警察官や民間人に死傷者が出ています。2018年以降、テロ事件は発生していないものの、2021年2月に銀行ATM2か所を狙った爆弾テロ未遂事件が発生しました。また、2021年11月にバーレーン内務省は、バーレーン国内でのテロ計画に関与していたイランのテロリストグループとつながりのある武装勢力メンバーを逮捕し、イラン製武器・爆発物を押収したと発表しています。
(3)これまでバーレーンで「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」やアル・カーイダによるテロ事件は発生していませんが、ISILは過去に「バーレーンをテロの標的にする」と宣言しており、今後も注意が必要です。
(4)2023年には、サウジアラビアとイエメンの国境付近でバーレーンの兵士数名がホーシー派の無人攻撃で死亡する事件が発生しました。バーレーンは、紅海とアデン湾におけるホーシー派の攻撃を抑止することを目的として米国主導の海上連合作戦「繁栄の守護者」作戦に、アラブ諸国の中で唯一参加したことからも、米海軍第五艦隊司令部等を抱えるバーレーンでテロが発生する可能性に留意しておく必要があります。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
「1 概況」のとおり。
3 誘拐事件の発生状況
近年発生した誘拐事件のうち、日本人が標的となった事件はありませんが、過去には売春を強要するために外国人女性がロシア、タイ、インドネシア等から誘拐され、バーレーンに連れてこられる人身売買事案が複数件確認されており、当局も取締りを強化しています。
4 日本人・日本権益に対する脅威
現在のところ、バーレーンにおいて、テロ・誘拐による日本人の被害は確認されていません。
他方、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。