カタール
テロ・誘拐情勢
更新日 2024年05月22日
1 概況
(1)カタールにおいては、2005年3月、ドーハ市内の劇場前において1名の市民が死亡する自爆テロ事件が発生したものの、近年「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」や「アル・カーイダ(AQ)」等の国際的なテロ組織及びその関連組織の活動は確認されていません。
(2)一方、周辺諸国の情勢等を考慮すると、欧米諸国の権益等に対しテロ攻撃が行われる可能性は排除できません。カタール国内には、米軍関係者及び対テロ・オペレーションに参加する各国要員あわせて1万人程度が駐留する湾岸地域最大規模のアル・ウデイド空軍基地があり、AQをはじめとするイスラム過激派組織が同基地を度々攻撃対象とする旨表明しています。また、2020年5月には、ISIL報道官により、カタール権益を標的とするとの声明が出され、2020年9月にはAQの指導者がカタールを非難する声明を出しています。さらに、2022年に開催されたFIFAワールドカップ・カタール大会に際しては、ISIL及びその支持者らが、カタールに対する攻撃を呼びかけました。カタール国内では今後も大規模な国際的イベントの開催が予定されており、それらイベントを標的としたテロへの警戒が必要です。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
「1 概況」のとおり。
3 誘拐事件の発生状況
2023年中、カタールにおける誘拐事件の発生は確認されていません。
4 日本人・日本権益に対する脅威
これまでに、カタールにおいてテロによる日本人の被害は確認されていません。他方、テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年、世界的な傾向として、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。