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イラン

2018年02月20日

1.概況
(1)2017年6月7日,首都テヘラン市内の国会事務所建物内及び同市近郊のイマームホメイニ廟周辺において,複数の武装グループによる銃撃や自爆攻撃によりイラン人18人が死亡,約50人が負傷するテロ事件が発生しました(ISILが犯行声明を発出)。ISILはシーア派国家であるイランに対する明確な敵対意思を依然として有しており,同テロ事件のほか,国境地域等において国内でのテロを企図していた関係者が逮捕又は殺害される事案が複数確認されるなど,予断を許さない状況にあります。
(2)また,2017年中,南東部国境付近(シスタン・バルチスタン州)に存在する「ジェイシュ・アルアドル(「正義の軍隊」の意)」及び「ジュンドッラー(「神の軍」の意)」と呼ばれるスンニ派反政府組織による治安関係者等に対するテロ行為が複数報じられました。
(3)さらに,クルド系の住民が多数を占めるクルディスタン州や東アゼルバイジャン州,西アゼルバイジャン州では,特にイラク・トルコとの国境付近で,クルド人反政府組織「PKK(クルド労働者党)」及びその系列組織「PJAK(クルド自由生活党)」等がテロ行為を行っているとの報道もみられます。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)南東部
 南東部アフガニスタン・パキスタン国境付近においては,「ジェイシュ・アルアドル」によるテロ事件や治安部隊との戦闘が複数発生しています。
 また,同地域では武装した麻薬密輸組織による誘拐事件や暗殺事件,行政機関や治安機関に対
する襲撃事件も多く報じられています。
(2)北中西部
北中西部イラク・トルコ国境付近においては,「PJAK」によるイラン治安部隊に対するテロや武装襲撃が複数発生しています。
(3)ISIL関係
 ISILについては,上記のとおり,同組織はシーア派国家であるイランに対する明確な敵対意思を依然として有しています。治安・情報機関はイランの治安を完全にコントロール下に置いている旨強調していますが,予断を許さない状況にあります。

   
3.誘拐事件の発生状況
 2017年から2018年初めにかけて,以下の人質・誘拐事件が発生しています。今後とも同様の事件が発生する可能性が排除されないことから,十分な注意が必要です。
・ 2017年4月12日,北東部ホラサーンラザヴィ州マシュハドにおいて,銃を所持した犯人(男)が女性1人及び子供2人を人質に取り家屋に立て籠もった。警察部隊の解放作戦により人質の女性が軽傷を負った。
・ 同年12月14日にシスタン・バルチスタン州ザボール近郊においてイラン人技師が身代金目的で誘拐された。10日後に革命ガード部隊の救出作戦により救出され,犯人5人が逮捕された。
・ 2018年1月13日,シスタン・バルチスタン州イランシャフルにおいて,外国人5人が金銭目的で誘拐された。警察による救出オペレーションにより, 13時間以内に全員解放され,誘拐犯人3人が警察に逮捕された。

4.日本人・日本権益に対する脅威
現在のところ,イランにおいて,日本人及び日本権益を標的としたテロの発生はありません。近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,米国,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,トルコ,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。

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