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イスラエル
テロ・誘拐情勢
更新日 2026年02月17日
1 概況
(1)近年、イスラエル並びにパレスチナ自治区(ヨルダン川西岸地区及びガザ地区)では、主にイスラエル人やパレスチナ人を狙ったテロ・暴力事案が高い水準で推移しています。2023~2024年にかけては、イスラエルでは1,400人以上の民間人、兵士、治安要員等が死亡しました(2023年10月7日に発生したハマス等によるテロ攻撃による死者約1,200人を含む)。また、同期間中、ガザ地区における戦闘により、パレスチナ人に4万 5,500人以上の死者、10万 8,300人以上の負傷者が発生する事態となりました。2025年10月10日に発効した「ガザ紛争終結のための包括的計画」に基づくイスラエル・ハマス間の停戦合意により、ガザ地区における戦闘は停戦しました。
(2)ヨルダン川西岸地区では、イスラエル人入植地(入口付近のバス停等)や、イスラエル軍兵士が配置されている交差点や検問所等において、イスラエル治安要員を狙った銃器・刃物等による刺傷事案や車両での突入事案が散発しています。また、過激なイスラエル人入植者によるパレスチナ人に対する暴行、車両や家屋に対する放火が頻発するなど、治安が悪化傾向にあります。
(3)テルアビブやエルサレム等の都市部においても、過激な武装勢力や自己過激化した個人による無差別の銃撃や車両突入事案が散発し、死傷者が出ています。ガザでの戦闘開始から1年を迎えた2024年10月には、イスラエル国内で5件のイスラエル人を狙ったテロが発生し、80人以上の死傷者(11人死亡)が出ました。また、2025年においても、エルサレムやハイファを含む各地においてテロが散発し、同年中のテロによる死者数は25人に上るなど、引き続き不安定な治安情勢が続いています。特に、2002年前後に多発した自爆テロは、2009年以降発生していませんでしたが、2024年8月、テルアビブ市内で 自爆テロが発生(死傷者なし)しました。加えて、2025年2月には、テルアビブ市近郊でバス爆発・炎上又は爆発物が発見される同時多発テロ事案が発生(死傷者なし)しました。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)パレスチナの武装組織
パレスチナ自治区では、ハマス、「パレスチナ・イスラミック・ジハード(PIJ)」等の武装組織がガザ地区を拠点に活動を続けています。
(2)国際的なテロ組織
近年、イスラエルにおいて、「アル・カーイダ」や「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)による組織的なテロは確認されていません。しかし、アル・カーイダやISILは、2023年10月以降のガザ情勢等に関連付け、イスラエル、欧米、中東諸国の関連権益等を標的にするよう繰り返し呼びかけています。また、ISILは、2024年1月に公開した幹部演説において、軍よりも、民間の施設やシナゴーグ・教会等の宗教的な施設を標的とするよう呼びかけています。実際に、2023年10月7日以降、ISIL支持者による複数のテロ計画が治安機関に摘発されており、近隣国のISIL関連組織や、自己過激化した個人が、イスラエル国内でテロを実行する可能性は排除されません。
(3)レバノンの武装組織
イスラエル北部と国境を接するレバノン南部には、対イスラエル抵抗運動を標榜するイスラム教シーア派武装組織「ヒズボッラー」やパレスチナ人過激派組織が存在しています。2023年3月には、イスラエル北部で道路脇に設置された即席爆発装置(IED)が爆発し負傷者が出ており、イスラエル軍はヒズボッラーが関与した可能性が高いと明らかにしました。また、同年10月7日のハマス等によるテロ攻撃の翌日(8日)、ヒズボッラーはハマスへの連帯を示すため、イスラエルに対する攻撃を開始し、イスラエルとの間で攻撃の応酬が発生しました。2024年11月、米仏の仲介の結果、イスラエルとレバノンの間で停戦合意が成立しました。
3 誘拐事件の発生状況
2024年に「誘拐及び逮捕・監禁」の罪状で683件(前年932件)が検挙され、586人(同788人)が逮捕されています。近年、外国人を標的とした誘拐事件は公表されていませんが、誘拐の被害に遭わないよう、自分の身分や行動予定を安易に他人に知らせないなど、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
4 日本人・日本権益に対する脅威
これまでに、イスラエル及びパレスチナ自治区において、日本人及び日本権益を直接の標的としたテロ事件は発生していません。他方、イスラエル及びパレスチナ自治区におけるテロ事案が近年増加傾向にあることに留意する必要があります。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等の不特定多数の人が集まる施設や警備や監視が手薄な施設はテロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、上記3に記載のとおり、近年、外国人を標的とした誘拐事件は公表されていないものの、そのリスクは排除されず、注意が必要です。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

