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イエメン
テロ・誘拐情勢

更新日 2022年08月08日

1 概況
(1)イエメンでは、「アラビア半島のアル・カーイダ」(AQAP)や、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)の関連組織によるテロ活動が行われています。イエメン国内におけるAQAP、ISIL等のイスラム過激派組織又はこれらの主張に影響された者の活動に注意が必要です。また、イエメン北部地域を掌握する反政府勢力ホーシー派とイエメン政府との対立が継続しており、治安の極度な悪化がみられています。
(2)イエメンでは、従来から誘拐・襲撃事件が多発しています。現在も、北部地域では反政府勢力による政治・人権活動家、政治家、ジャーナリスト等の誘拐が多発し、南部地域でも女性の誘拐等が発生しています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)イエメンでは、AQAPによるテロが発生しています。AQAPは、2011年から発生したイエメン国内における政治的混乱の隙を突き、南部で勢力を伸張させました。2012年に誕生したハーディ暫定政権が、国内各地でAQAPの拠点への空爆、幹部の殺害、細胞・分子の摘発等を行いましたが、AQAPは中央政府の支配が及ばない地域に逃走したり、都市部に潜伏したりして勢力を維持し、その後もイエメン軍・治安機関、銀行、石油施設、外国の権益への襲撃を続けました。
(2)2014年9月、反政府勢力ホーシー派が首都サヌアを占拠した後、南部に勢力を拡大すると、各地でAQAPとの間で衝突が発生し、AQAPはホーシー派を標的としたテロ・襲撃を敢行しました。また、最近では、南部地域を中心にAQAPによる軍・治安機関要員の暗殺や自動車爆弾テロが発生しています。
(3)2014年11月、ISILがイエメンに支部(「州」)の設置を宣言しました。ISILのサヌア州、ハドラマウト州、アデン―アビヤン州等がテロ事件の犯行声明を出しており、政府要人やシーア派のモスク等を狙ったテロ事件が発生しています。2015年3月には、サヌア市内の2か所のシーア派モスクで同時自爆テロが発生し、少なくとも142人が死亡、260人以上が負傷しました。また、最近では、南部地域を中心にISILによる軍・治安機関要員の暗殺や自動車爆弾テロが発生しています。

3 誘拐事件の発生状況
 イエメンでは、従来から国籍を問わず誘拐事件が多発しています。近年は、治安悪化で多くの外国人が国外退避したこともあり、外国人に対する誘拐事件発生件数は減少していますが、危険度が下がったわけではありません。また、従来の誘拐事件の多くは部族組織による犯行ですが、AQAPの関与が疑われる事件も少なからずみられます。誘拐の多くは政府への政治的要求目的、身代金目的ですが、人質が最終的にAQAPの手に渡ってしまうケースもあるといわれています。そうした事件に日本人が巻き込まれる可能性は排除できません。
 また、2014年以降、北部地域では、反政府勢力ホーシー派による政治・人権活動家、ジャーナリスト等の誘拐が多発し、複数の外国人の誘拐も報告されています。また、南部地域でも女性の誘拐等が発生しています。2022年2月にはアビヤン県で国連職員5名、同3月には国境なき医師団の外国人スタッフ2名がAQAPと繋がりがあるとみられる武装集団によって誘拐されています。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 イエメンでは、近年、日本人や日本権益を直接対象としたテロ・誘拐事件は発生しておらず、また、日本人や日本権益をテロ・誘拐の標的とする具体的な脅威情報は確認されていません。しかしながら、現在紛争下にあるイエメンでは、政府による統治能力が低下し、治安も極度に悪化していることから、日本人・日本権益がテロ・誘拐事件の標的となる、あるいは、突発的に発生する事件に巻き込まれる可能性があり、極めて危険です。

テロについて

 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報等に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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