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テロ・誘拐情勢

2016年05月18日

1.概況
(1)近年,ミャンマーにおいては,テロ事件,国際的なテロ組織やその関連組織の活動は確認されていません。
(2)ただし,以下のとおり少数民族武装組織等が存在し,政府と衝突を繰り返していることから,十分な注意が必要です。
(ア)ミャンマー政府は,少数民族武装組織との間で和平協議を進めており,2015年10月,ミャンマー政府と8の少数民族武装組織との間で,全国規模の停戦合意(NCA)に署名し、2016年1月には政治対話が開始されました。一方,NCAに署名していないカチン独立軍(KIA),シャン州軍北(SSPP),ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA,コーカン軍),タアン/パラウン民族解放軍(TNLA)等の,カチン州及びシャン州北部の中国国境付近を拠点とする少数民族武装組織との間では,依然,散発的に戦闘が発生しています。
(イ)一方,ラカイン州北部では,2012年6月以降,ラカイン族仏教徒とベンガリ(ロヒンジャ)回教徒との間で衝突が発生し,2013年3月以降,ラカイン州以外の地域においても,仏教徒と回教徒との間で衝突が発生しました。2014年後半以降,情勢は比較的安定しており,2016年3月には,2012年6月以降ラカイン州全体に発出されていた非常事態宣言が解除されましたが、現在もコミュニティ間の緊張状態が継続しています。
(ウ)しかし,現在,カチン州,シャン州北部及びラカイン州北部以外の地域では治安情勢は平穏を保っており,テロの発生は概して少なく,外国人を標的とした誘拐は発生していません。

2. 各組織の活動状況及び各地域の治安情勢
(1)国軍と,カチン州とシャン州北部を拠点とするKIAとの間では,2011年6月以降戦闘が発生しており,現在も一部地域では散発的に衝突が発生しています。
(2)国軍と,シャン州北部を拠点とするシャン州進歩党/SSA(N))/SSPP)との間では,2014年以降,国軍との戦闘が再発し,2015年10月から,シャン州北部において大規模な戦闘が発生しました。
(3)国軍と,2007年までシャン州北部コーカン地域を実質統治していたMNDAAとの間では,2014年末に戦闘が再発し,2015年2月9日以降,同地域において,空爆等を伴う大規模な戦闘が発生しました。2015年11月,ミャンマー政府は,同年2月以来発出されていた,コーカン自治地帯における非常事態宣言及び軍事行政命令を解除しましたが,現在も同自治地帯周辺では不安定な情勢が続いています。
(4)その他,カチン州とシャン州北部には, TNLAが拠点を置いており,2013年6月以降,国軍との間で断続的な衝突が発生し,2015年11月以降、シャン州復興評議会/シャン州軍南(RCSS/SSA(A))との間で,新たな戦闘が発生しています。また,アラカン軍(AA)は,2015年3月以降,ラカイン州とチン州の州境付近にて,国軍との小規模な衝突を繰り返しています。
(5)カレン民族同盟(KNU),民主カレン慈善軍(DKBA), RCSS/SSA(A)等の8の少数民族武装組織は,2015年10月,ミャンマー政府との間で,全国規模のNCAに署名しました。2015年7月,カレン州ミャワディ・コーカレイ間の幹線道路にて,国軍とDKBA分派との間での戦闘が発生しましたが,カレン州とモン州の情勢は概ね安定しています。
(6)一方,2012年6月及び10月,ラカイン州北部にてラカイン族仏教徒とベンガリ(ロヒンジャ)回教徒との間で大規模な衝突が発生し,200名以上の死者及び約14万人の国内避難民が発生しました。また,2013年3月以降,マンダレー地域,バゴー地域,ヤンゴン地域等においても,仏教徒と回教徒との衝突が発生しました。2014年後半以降,情勢は比較的安定しており,2016年3月,2012年6月以降発出されていたラカイン州全土に対する非常事態宣言が解除されましたが,双方のコミュニティ間の緊張状態は依然継続しています。
一部衝突において,イスラム系武装勢力であるロヒンジャ連帯機構(RSO)の関与が疑われたこともありましたが,ミャンマーでは現在まで,イスラム過激派によるテロ事件は発生していません。

3.誘拐事件の発生状況
 日本人を含めた外国人の誘拐事件は,現在までのところ把握されていません。

4.日本人・日本権益に対する脅威
日本人・日本権益を標的としたテロや誘拐については,これまでのところ,具体的な兆候や脅威は把握されていませんが,近年,シリアやチュニジアにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,パリ,ブリュッセル,イスタンブール,ジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(注記)  
「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の 情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。