ベトナム
テロ・誘拐情勢
更新日 2024年12月31日
1.概況
(1)近年、ベトナム国内では反政府組織によるテロ事件等が複数確認されており、ベトナム治安当局は、ベトナム人海外移住者を主体とする反政府活動家の活動に対して警戒をしています。これまでのところ、これら反政府組織によるテロ攻撃は日本や在留邦人等をターゲットにはしておらず、今後もその可能性は低いと考えられます。他方、ベトナム国内において、ひとたびテロ事件や騒擾事件が発生すれば、日本人がこれらの被害に巻き込まれる可能性は排除できません。
(2)2001年9月11日の米国同時多発テロ以降、ベトナム国内でイスラム過激派によるテロは発生しておらず、ベトナム治安当局は、現時点ではベトナム国内でイスラム過激派の存在は確認されていないとの見解を示しています。しかし、ISILにはアジアから多数の戦闘員が参加しており、ベトナム近隣東南アジア諸国においてもISILの帰還兵問題に対して深刻な懸念を抱えていることから、ベトナム政府としても他国との連携や出入国管理の強化等を通じて、イスラム過激派などのテロリスト及びその周辺者の入国を注視するとともに警戒を強化しています。
2.各組織の活動状況又は各地域の治安情勢
「1.概況」のとおり。
3.誘拐事件の発生状況
2024年中の誘拐事件については、4月にホーチミン市においてベトナム人女児2名がベトナム人女性に誘拐される事案が発生したものの、犯人は警察に逮捕されており、その動機は外国人男性に提供する児童ポルノ動画撮影のためのものであったと報道されています。その他、大きな事案は発生しておらず、外国人を標的とする誘拐事件の報告もありませんでした。
4.日本人・日本権益に対する脅威
現在までのところ、日本人や日本権益を直接の標的としたテロや誘拐の脅威は低いとみられますが、他方、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。