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ベトナム

2019年05月09日

1.概況
(1)ベトナム治安当局は,ベトナム人海外移住者を主体とする反政府活動家の活動に対して警戒を強めています。また,過去にはベトナム国内で反政府組織によるテロ未遂事件等が発生しています。最近でも反政府活動や民主化を求める個人や団体が反国家宣伝等の罪状で当局に拘束,実刑判決を言い渡される等の事案が発生しています。ただし,これまでのところ,反政府組織は日本や在留邦人をターゲットとはしておらず,今後も在留邦人等がターゲットとなる可能性は低いと考えられます。しかし,ひとたびテロ事件や騒擾事件が発生すれば,これらの被害に巻き込まれる可能性は排除できません。
(2)2001年9月11日の同時多発テロ以降,ベトナム国内でイスラム過激派によるテロは発生しておらず,現時点ではベトナム国内でイスラム過激派の存在は確認されていないとの見解を示しています。しかし,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)にアジアから多数の戦闘員が参加しているとの情報もあることから,ベトナムにおいても出入国管理の強化等を通じてイスラム過激派などテロリストや関係者の入国を注視するとともに,警戒を強化しています。

2.各組織の活動状況又は各地域の治安情勢
(1)ベトナムは共産党一党支配体制の下,反体制運動,宗教活動,少数民族が自治拡大を求める活動等に対しては,当局は必要な取締りを行っていくものと思われます。当地におけるこれらの活動は,非暴力・平和的手段を原則としていますが,当局の出方によっては,参加者の過激な抗議につながるおそれがあります。
(2)また中国との関係では,南シナ海問題などの懸案事項があるものの,引き続き政治体制や経済関係において密接な関係を継続させ,今後もその影響を強く受けていかざるを得ないことから,嫌中意識が根強いベトナム国内においては,政府の対応如何によって,反中感情の高まりがデモなどの具体的行動へ現れる可能性があります。
(3)こうした情勢は,現時点で直ちにテロの脅威に結びつくものではありませんが,地理的な状況などからも,国際テロ組織の経由地や中継点となるおそれは完全に払拭できません。

3.誘拐事件の発生状況
 2018年中の誘拐事件の発生状況については当局から公表されていませんが,報道等によると,子どもを対象とした身代金目的の誘拐事件や,ベトナム人女性を対象とした組織的人身売買事案の発生がみられます。外国人を標的とする誘拐事件の報告はありませんでした。

4.日本人・日本権益に対する脅威
 これまでに,ベトナムにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア,バングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また,テロは,日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており,特に,近年では単独犯によるテロや,一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから,こうしたテロの発生を予測したり未然に防ぐことが益々困難となっています。
 このようにテロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的となり得ることを十分に認識し,テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。

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