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ベトナム
安全対策基礎データ

更新日 2024年06月25日

1 犯罪発生状況
 ベトナム国内における2022年中の犯罪件数は以下のとおりです(ベトナム公安省発表)。
【犯罪件数】
○犯罪発生件数: 44,353件
被逮捕者数: 76,658人
○経済犯罪検挙件数: 5,772件
○薬物犯罪検挙件数: 25,937件
薬物犯罪被逮捕者数: 36,126人
薬物押収量:ヘロイン741キロ、合成麻薬4.7トンと20,000錠、マリファナ268キロ等

 近年の経済発展による貧富の差の拡大や地方貧困層の都市部流入等に伴い治安状況は悪化傾向にあります。現在のところ、殺人、強盗等の凶悪犯罪の発生は少ないものの、外国人住宅への忍び込み、繁華街周辺でのひったくり、スリや置き引き等が発生しています。日本人旅行者も、観光地、市場、路上等で旅券、現金などの貴重品を盗難に遭うケースが頻繁に報告されています。

2 銃器および火薬類の密輸に伴う犯罪・事故
 これまで国境からの銃器等密輸ルートが検挙されたとの報道や戦争当時の軍用銃器が発見されたといった報道がありましたが、最近ではSNSを通じて違法改造拳銃などを入手した者による犯罪の例も見られます。

3 テロ、反政府活動をめぐる動向
 ベトナム治安当局は、これまでベトナム国内にテロ組織や反政府組織は存在しないとしていましたが、国外においては2016年に在外反政府組織「ベトタン」を、2018年に「臨時ベトナム国家政府」を、2021年には「大越朝」をテロ組織として扱うとの報道がなされました。ベトナム当局は、ベトナム人海外移住者(以下「越僑」)を主体とする反政府活動家の活動に対して警戒を強めています。
 また、ベトナム政府の土地収用をめぐり、国内の至る所で争議が頻発しており、2020年1月にはハノイ市内近郊において警察官3名が死亡する大規模な騒擾事件が発生するなど、政府に対する抗議行動が散見されています。

4 日本人が巻き込まれやすい犯罪やトラブル等
 街中を散策中、後方から近付いてきたバイクに乗った犯人に携帯電話等をひったくられる例があるほか、繁華街、空港、レストラン、長距離バス・列車の車内、バスターミナル、大規模商業施設等において、スリや置き引き被害に遭う例が散見されます。ほかにも種々の犯罪被害事例が存在しますが、以下は在ベトナム日本国大使館、在ホーチミン日本国総領事館、または在ダナン日本国総領事館が報告を受けたり、解決のための支援を行ったりした実際の事例です。

(1)ひったくり
 日本人街と呼ばれるハノイ市キンマー地区、リンラン地区を中心に、携帯電話、セカンドバッグ、アタッシュケース、ポーチ等を持って歩いている人を狙い、後方からバイクに乗った犯人が近づき、追い越しざまに携帯電話等をひったくる事例が多く発生しています。
 特にこれらの地域において、夜間時間帯に屋外で携帯電話を使用する際には十分な注意が必要です。

(2)スリ
 混雑した市場や路上、大規模ショッピングモール、または長距離バスや列車等の公共交通機関の車内において、気付かないうちに携行しているバッグやウエストポーチのジッパーを開けられて財布等を奪われる例が散見されます。
 バッグを前掛けするなど常に目の届くかたちで携帯するよう心掛けるとともに、貴重品や現金は分けて持ち歩くなどの配意が必要です。
 また、財布内に入っているカードを不正に使用される二次的な被害も起こっており、このような犯罪についてはベトナムでは犯罪認定されないケースもありますので、カード補償の観点から、速やかにカード会社へ盗難にあった旨を連絡するなどの措置が必要です。

(3)置き引き
 ホテルや空港のロビー、レストラン、大規模ショッピングモールといった多数の人が出入りする場所で置き引き被害が発生しています。ホテルでのチェックイン手続時やロビーで人に話しかけられたときなど、荷物から目を離した一瞬の隙に被害に遭っています。持ち物からは絶対に目を離さないことが肝要です。

(4)昏睡強盗
 ほとんどは、観光スポット等において、日本人男性がベトナム人女性から声をかけられることに端を発しますが、自宅やホテルに女性を連れ込んで飲食をしたところ意識を失い、目覚めてから気がつくと所持金がすべてなくなっていたなどというケースが跡を絶ちません。
 見知らぬ人物からの誘いには軽々しく応じないようにすることはもちろんのこと、初対面の人物には常に警戒心を持ち、安易に飲食などを共にすることはないよう注意してください。

(5)賭博
 ベトナムにおいては、法令に基づきベトナム政府発行の正式なライセンスを受けたカジノを除き、私的賭博行為は禁止されており、違法賭博には非常に厳しい処罰が科せられます。 
 日本人街などで時に日本人を誘引するパチンコ店や麻雀店を見かけることがありますが、店側が合法であると主張していても、過去に摘発が行われた事例もありますので、十分注意してください。

5 特殊詐欺・闇バイト  
 「海外で短期間に高収入」「簡単な翻訳作業」といった、いわゆる闇バイトの謳い文句に誘われ、海外において特殊詐欺事件のいわゆる「かけ子」や「受け子」として犯罪に加担させられた結果、組織内のトラブルにより暴行を受けるなどの被害や、加害者として現地警察に拘束される事案が多く発生しています。
 このような求人に安易に応募することがないよう、また、意図せず犯罪の加害者になることがないよう、十分慎重に行動してください。
 詳しくは外務省海外安全ホームページ( https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2023C035.html )をご参照ください。

6 犯罪被害危険地域
 都市部にはベトナム人でも近づかないような危険地域はほとんどありませんが、以下の地域・場所でトラブルに巻き込まれる旅行者等が多いので留意してください。なお、特に夜間は大通りから入り組んだ小路(路地裏)を歩くのは避けてください。

(1)ハノイ市
ア スリ、ひったくり等盗難被害多発地域等
 ホアンキエム湖周辺、旧市街、ドンスアン市場、ハンガイ通り、統一公園周辺、キムマー通り、リンラン通り、ダオタン通り、大規模ショッピングモール、バスターミナル等
イ 置き引き被害多発地域等
 ホアンキエム湖周辺、旧市街、ホテルロビーやレストラン、大規模ショッピングモール、空港、列車、バス内等

(2)ホーチミン市
ア ひったくり被害多発地域
 グエン・フエ通り、パスター通り、ドン・コイ通り、ハイ・バー・チュン通り、 トン・ドック・タン通り、チャン・フン・ダオ通り、レ・ライ通り、 レ・タィン・トン通り、ベン・タイン市場周辺等
イ スリ被害多発地域
 グエン・フエ通り、ベン・タイン市場等の市場、ドン・コイ通り、 ハイ・バー・チュン通り、レ・タィン・トン通り、大規模ショッピングモール等
ウ 置き引き被害多発地域等
 市内の公園、ホテルロビーやレストラン、大規模ショッピングモール、空港、列車、バス内等
エ 恐喝・睡眠薬強盗被害地域
 バック・ダン公園、サイゴン大教会、統一会堂前の公園、2区~7区(フーミー橋)、10区、タンビン区、フーニャン区、ビンタン区、ゴーバップ区、トゥードゥック

7 テロ・誘拐
 テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_015.html )をご確認ください。

※ 在留邦人向け安全の手引き
 在ベトナム日本国大使館、在ホーチミン日本国総領事館および在ダナン日本国総領事館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」もご参照ください。
 ○在ベトナム日本国大使館: https://www.vn.emb-japan.go.jp/files/000570908.pdf
 ○在ホーチミン日本国総領事館: https://www.hcmcgj.vn.emb-japan.go.jp/files/100139805.pdf
 ○在ダナン日本国総領事館: https://www.danang.vn.emb-japan.go.jp/ryoji/anzennotebiki.pdf

(手続や規則に関する最新の情報については、駐日ベトナム大使館(03-3466-3311)、駐大阪ベトナム総領事館(072-221-6666)、駐福岡ベトナム総領事館(092-263-7668)等に確認してください。)

1 査証(ビザ)
 有効な旅券(パスポート)を保持する日本国民に対しては、45日以内の滞在であれば査証(ビザ)取得が免除されます。ただし、ベトナム入国時点で旅券の有効期間が6か月以上あり、帰国またはトランジット出国のチケットを保持し、ベトナム国内法により入国禁止措置を受けていないことが条件となります。これらの目的、期間または条件を満たしていない場合はあらかじめ査証を取得する必要があります。一定の条件を満たしていれば、観光目的の場合に限り、ベトナム到着時に空港でビザを取得することができます。
 また、査証免除により入国を認められた場合、原則として滞在期間の延長は認められません。なお、査証を取得して入国した場合であっても、一部例外を除き、原則としてベトナム入国後に滞在資格を変更することはできません(資格変更が必要な場合は、一旦ベトナムを出国し、ベトナムの在外公館で適正な査証を取得した上で再度入国する必要があります。)。
 詳しくは、在ベトナム日本国大使館のホームページ(https://www.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/JP_Shuttsunyukoku.html )をご参照ください。
 
2 出入国審査
 入国の際は、空港ターミナルのイミグレーションカウンターにおいて入国審査官に旅券を提示します。一般に出入国審査は旅券写真と本人の照合を含め、かなり入念に行われます。国際空港を利用する場合、入出国カードの提出は不要ですが、陸路で入国する場合など地方都市のイミグレーションでは入出国カードの記入および提出が求められます。

3 外貨申告
 入国時の外貨持込み額に制限はありませんが、現金5,000米ドルあるいは同額相当の外貨、または1,500万ドン(10,000ドン=約57円(2022年12月現在))のいずれかを超えて所持して入国する場合は、空港で申告する必要があります(申告用紙は税関係官に請求してください)。この申告をせず、出国時に上記の額を超える現金を持ち出そうとした場合、所持金を没収される可能性があります。 
 ベトナム滞在中に外貨から両替した現地通貨(ドン)の外貨への再両替については、500米ドルあるいは同額相当の外貨までは旅券および航空券の提示のみ、それ以上の額の場合は更に外貨をドンに両替した際の外貨交換証(記名のあるもの)の提示が必要です。 ただし、再両替の規定は流動的なため、外貨からドンへの両替は必要最小限に留めておくことをおすすめします。
 また、ベトナム居住者は、ベトナム国内で銀行から引き出した外貨のうち、限度額(5,000米ドル)を超える額をベトナム国外に持ち出す場合、当該銀行から許可証の発給を受け、それを携行する必要があります。

4 通関
 空港の税関検査では、原則X線による検査を受けます。
 申告書(薄緑色)は航空機内で配布されませんので、空港税関係官に請求の上、入手してください。税関申告書は審査が終了すると検証印が押されて申告者に渡されますが、この申告書は出国の際、あるいは別送荷物通関手続きの際に提出する必要がありますので、大切に保管してください。
(1)持込み、持出し禁止品等
 持込みおよび持出しが禁止されているものは、銃、爆発物、麻薬等違法薬物、骨董品、ベトナム人のモラルに悪影響を及ぼすおそれのある出版物(「滞在時の留意事項」の4(2)を御参照ください。)・写真・ビデオ等があります。なお、ビデオテープ、DVD、CD等の持込みはその内容のチェックを受けることになり、わいせつ物と判断された場合は多額の罰金を徴収されることがあります。内容のチェック時に物品が紛失する等の可能性を考慮し、必要な物以外は持ち込まないことをおすすめします。その他、別送荷物、免税範囲を超えるアルコール類、タバコ、金などについても申告が必要です。
(2)免税範囲
 免税範囲は、アルコール類は、アルコール度数が20度以上のものは1.5リットルまで、それ未満の度数のものは2リットルまで、またはその他(ビール等)3リットルまで。タバコ類は、紙巻きタバコは200本まで、葉巻20本まで、葉タバコ250gまで、金は300gまでです。

5 医薬品の持込み・持出し
 医療用麻薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続については厚生労働省の次のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html

6 検疫
 検疫(特に新型コロナウィルス感染症対策の措置)については、在ベトナム日本国大使館ホームページ(https://www.vn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html )において状況に変更があり次第、随時更新しておりますのでご確認ください。

1 滞在届
 滞在する場合は、管轄の公安局に対し滞在登録を行う必要があります。1日の滞在であっても滞在登録義務は生じますが、ホテル等の施設に宿泊・滞在する場合、当該施設が行います。

2 旅行制限
 軍事関連施設については、事前許可を取得した場合を除き、立入禁止となっています。

3 写真撮影の制限
 軍事関連施設を除き、特に制限はありません(特に制限のある場所には撮影禁止の掲示があります。)。

4 各種取締り法規
(1)麻薬等違法薬物
 麻薬等違法薬物の所持、使用は厳しく取り締まられており、違反した場合、外国人であっても厳罰に処せられます。過去に外国人がヘロイン密輸で検挙され、死刑判決を受けた事例があります。

(2)所持禁制品(わいせつ図書)
 ベトナムでは、肌の露出度が高いグラビア写真や性的な表現のある漫画等が掲載された雑誌などは、ポルノ雑誌等と同等の所持禁制品(わいせつ図書)として扱われる場合があり、罰金(300万ドン以上、4、000万ドン以下)が科されることがあります。日本ではどこでも手に入る週刊誌等も「わいせつ図書」として取り締まりの対象となる可能性がありますので、日本から携行する書籍・雑誌類は慎重に選定するようにしてください。

(3)輸入制限品
 酒類、化粧品、携帯電話機の個人輸入は禁止されています(入国時の携行輸入は可)。中古品(特に電気製品や自動車・バイク)については、輸入不可あるいは没収されることがありますので、輸入しようとする場合は、予めベトナム税関当局に確認しておくことをおすすめします。

(4)不法就労
 外国人による不法就労は禁止されています。なお、観光目的の査証で入国した旅行者が就労すると資格外活動となり、1,500万~2,500万ドンの罰金が科せられる場合があります。

(5)国家への批判
 ベトナムの政治体制や国情等に関し、批判的な言動をとることは、取締の対象となる場合があり、注意が必要です。

(6)売買春
 都市部を中心に女性が接待するカラオケバーが数多くありますが、これらのバーは売春やわいせつ行為を目的として営業しているものもあり、治安当局も取締りを強化しています。節度ある行動心掛けてください。

5 交通事情
 ベトナムでは交通安全マナー教育が徹底されていないことから、交通事情は劣悪で自動車、バイク、自転車が通行区分や各種規制を無視して道路にあふれ大変危険な状況です。過去には、日本人旅行者がハノイ市内で道路を横断中、オートバイに跳ねられて死亡する事故も発生しています。歩行中は常に周囲に気を配り、交通事故に巻き込まれないよう十分注意を払う必要があります。ベトナム交通運輸省が公表した2021年中の交通事故の発生状況は以下のとおりです。

【交通事故】(※日本とは統計システムが違うことに注意が必要です。)
<2021年の状況>
○発生件数:11,486件
○死者数:5,788人
○負傷者数:8,018人

(1)公共交通機関
ア タクシー
 比較的安全で利用しやすい乗物ですが、乗車後にメーターを作動させずに車を発進させたり、目的地到着と同時にメーターの表示金額を消したりして不当に高い料金を要求したり、勝手に運転手の知っているホテルへ乗り付けて、無理矢理そこへ泊まらせようとする悪質な運転手もいますので注意が必要です。タクシーを利用する場合は、ホテルやレストランなどにタクシーの配車を依頼する、または街中でよくみかける大手タクシー会社や車両情報の追跡可能なGrabタクシーを利用することをおすすめします。
イ バス
 料金が比較的安く、また最近では新型でエアコン付きのものも増えてきていますが、英語を理解しない車掌や運転手がほとんどであり、不測の事態が発生した場合の意思疎通が困難であることが予測されます。また、長距離バスで置き引きやスリの被害が発生していますので利用する際には十分注意してください。
ウ レンタルバイク
 過去に日本人旅行者がレンタルバイク店から100ccのバイクを借りて運転中、道路を横切ってきた通行人に接触して重傷を負わせ、本人も負傷するという事故が発生しています。
 ベトナムには観光客相手のレンタルバイク店が数多く存在し、日本の旅行雑誌の中にもレンタルバイクを推奨するような記事を掲載しているものが見られますが、前述のとおりベトナムの交通マナーは劣悪です。交通事故は自分が注意するだけで完全に防げるものではありませんので、レンタルバイクの利用の是非を慎重に検討してください。

(2)交通制度
ア 運転免許証
 ベトナム政府は日本が加盟する国際運転免許に関する条約を批准しておらず、日本人旅行者等がベトナム国内で車両を運転する場合には、日本で取得した運転免許証からベトナム当局が発行する運転免許証に切り替えなければなりません。それ以外は無免許運転となり、ベトナムの刑法によれば3年以上10年以下の懲役刑が科せられる場合があります。
イ 保険
 ベトナムでは車両の強制保険制度がありますが、充分な補償額とは言えません。また、任意保険に関してもあまり普及していない上、補償額も上限があり日本などに比して十分なものではないため、保険に入っていても交通事故が起きた場合の賠償は、当事者個人が一部負担しなければならないことがあります。また、自分が被害者となった場合は、ベトナム人運転者に賠償能力がないことがほとんどで、かつ、多くの場合、加害者は自分の過失を認めようとしないので、賠償を求めることができないケースや賠償を得るまでに多くの時間や労力を費やすケースがあります。

6 在留届
 ベトナムに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡等に必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )を通じて、在ベトナム日本国大使館またはベトナム国内の各日本国総領事館に「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。
 この他、住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。

7 たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、ベトナムで事件や事故、自然災害等が発生し、ベトナムにある日本国大使館・総領事館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

1 国民性
 ベトナム人は民族の独立と自主を尊ぶ国民です。社会制度上、民族、性別、職業・職種の違いにかかわりなく国民はすべて平等となっており、一般大衆にそうした意識が定着しています。

2 衛生状況
 都市部は一見きれいに見えますが衛生状態は良いとは言えず、特に屋台などの衛生状態は劣悪です。ベトナムには日本で見られるような食中毒のほか、多くの消化器感染症があります。代表的なものとして、A型肝炎、E型肝炎、細菌性赤痢、腸チフス、回虫、アメーバ赤痢、ジアルジア、条虫、肝吸虫などがあります。ベトナム料理では生野菜をよく使いますが、感染症のリスクがあることを十分に留意してください。

3 飲酒
 飲酒に関しては宗教上の制約も特にない上、社会習慣的にも寛容です。レストランや市場で洋酒、外国製ビール等を購入できますが、中には古いものやニセ物もあるので注意してください。ベトナム製のビールもあり、おいしく飲めますが、手作りのビールや酒を飲んで死亡する事故も発生していますので、銘柄のわからないアルコール飲料は絶対に飲用しないでください。

4 注意を要する病気
(1)蚊媒介の病気
 デング熱、マラリア、チクングニア熱、ジカ熱、フィラリアなどがあります。いずれも蚊に刺されないようにすることが最も効果的な予防方法です。
デング熱は毎年雨期に流行が見られ、特にホーチミン市などベトナム南部では毎年多くの患者が発生します。治療薬はなく、重症化すると命の危険があります。
 マラリアは、都市部で感染する可能性はほとんどありませんが、中部山岳地帯では感染リスクがあります。マラリアは適切に治療すると治癒する病気ですが、ベトナムにもある熱帯熱マラリアは治療が遅れると死亡率の高い病気です。
チクングニア熱、ジカ熱はあまり多くありませんが、時折流行することがあります。フィラリアは都市部で感染する危険はありませんが、山岳地帯では感染リスクがあります。

(2)結核
 ベトナムの結核罹患率は、日本の10倍と大変多く、結核リスクの高い国です。結核は空気感染するため、換気の悪い部屋では患者と距離があっても感染する可能性があります。熱や咳といった症状が長引く場合は結核の可能性を疑う必要があります。

(3)狂犬病
 狂犬病ウイルスによるほ乳類の病気で、犬だけではなく猫やコウモリなども感染します。ベトナムではつながれていない犬が多く、動物咬傷が多く発生しています。一方、犬や猫に対する狂犬病ワクチン接種は十分行われておらず、毎年50人前後の人が狂犬病で亡くなっています。狂犬病ウイルスは狂犬病を発病したほ乳類の唾液中に存在しており、咬まれるのみならずなめられたり引っ掻かれたりしても感染する可能性があり、発病した場合の致死率はほぼ100パーセントです。犬、猫、コウモリなどのほ乳類と感染の可能性がある接触をした場合、直ちに病院を受診してワクチン接種など適切な処置を受けてください。犬や猫などのほ乳類と接触する機会の多い方や犬などに咬まれたりしてもすぐに病院に行けない地域に行かれる方は、予防的に狂犬病ワクチンを接種することを検討してください。

(4)皮膚から感染する病気
 レプトスピラ、糞線虫、鉤虫などがあります。ベトナムでは大雨が降るとしばしば道路が冠水しますが、レプトスピラはそうした水との接触で感染することがあります。糞線虫、鉤虫は土の中にいるため、裸足で土の上を歩いたりすると感染する可能性があります。

(5)HIV/AIDS・B型肝炎
 ベトナムのHIV/AIDS患者数は約25万人で、アジア大洋州地域では5番目に多い国とされています。またB型肝炎ウイルス陽性者は人口の約10パーセントともいわれています。どちらも性行為で感染する病気で、不用意な性行為で感染する可能性があります。

5 大気汚染
 ハノイ市やホーチミン市といった都市部の大気汚染の問題は深刻です。特にハノイ市は冬場には空が見えることがまれなほどです。大気汚染は呼吸器や循環器などに大きな影響を与えます。これらの病気をお持ちの方は特に注意してください。

6 医療事情
 ベトナムの医療は主に公立病院が担ってきましたが、最近では私立病院もたくさんできています。外国人や富裕層をターゲットにした高級感のある病院や、最新の医療機器を取り揃えた病院もあります。しかし、全体の医療レベルは高いとは言えず、入院や手術を必要とするような場合は近隣の医療先進国か日本へ行くことを検討したほうがよいでしょう。
 ベトナム国内の衛生・医療情報については、外務省ホームページ「世界の医療事情」で案内していますので、渡航前に必ずご覧ください。
 https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/viet.html

7 予防接種
 ベトナムに長期間滞在する場合には、以下の予防接種をおすすめします。なお、ベトナムではワクチンの在庫がなくなることがありますので、ベトナムに渡航する前に接種を済ませておくことを検討してください。
(1)成人
 推奨:破傷風、A型肝炎、B型肝炎、日本脳炎
 接種を検討:狂犬病、腸チフス
(2)小児(日本の定期予防接種に含まれないもののみを記載)
 推奨:A型肝炎、流行性耳下腺炎
 接種を検討:狂犬病、腸チフス、髄膜炎菌

 その他、必要な予防接種等については、次の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。 
 https://www.forth.go.jp/destinations/country/vietnam_cambodia.html

8 海外旅行保険
 入院治療や国外への患者の移送、治療には高額の費用がかかります。また、海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが多くあります。
 旅行・滞在中の予期せぬトラブルに備え、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。

9 緊急事態発生時のFM放送
 在ベトナム日本国大使館では、安全対策の一環として、大使館事務所にFM放送機器を設置して、内乱・暴動等の緊急事態発生時に、FM放送を通じて必要な情報を提供します。ただし、この緊急FM放送は、継続的に行われるわけではありませんので、ほかに通信手段がない緊急の場合に、お手持ちのラジオを下記の周波数に合わせて待機するようにしてください。
・ハノイ市: 80.00MHz(日本のFMラジオで受信可能)
・ハノイ市: 92.6MHz(ハノイのFMラジオで受信可能)

◎警 察 TEL:113
◎消防署 TEL:114
◎救急車 TEL:115

[ハノイ市]
 ◎在ベトナム日本大使館 TEL:024-3846-3000
 ◎ハノイ市警察(公安) TEL:069-219-4183
  (24時間窓口) TEL:069-2196-777
 ◎ハノイ市交通警察 TEL:069-2196-779
 ◎ハノイ市出入国管理局 TEL:024-3825-7941
  (24時間窓口) TEL:024-3826-0114

[ホーチミン市](市外局番 028)
 ◎在ホーチミン日本国総領事館 TEL:3933-3510
 ◎ホーチミン市公安本部(一般窓口) TEL:3838-7344
 ◎ホーチミン市警察出入国管理局 TEL:3829-9398

[ダナン市](市外局番 0236)
 ◎在ダナン日本国総領事館 TEL:3555-535
 ◎ダナン市警察(公安) TEL:3822-300
 ◎ダナン市警察(機動警察) TEL:113
 ◎ダナン市警察出入国管理局 TEL:0694-260-192 / 0694-260-186

★日本国大使館・総領事館への夜間・休日の連絡方法(緊急時を含む)
 夜間・休日は上記代表電話が留守番電話に替わります。人命に関わる場合、また事件・事故その他緊急の事情でお困りの方は、留守番電話のメッセージに従い番号を押してください。緊急対応の者が応答します。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連をを除く) (内線)4965
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連) (内線)3679
○領事局政策課(感染症関連) (内線)4919
○外務省海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp (PC版・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地公館連絡先)
○在ベトナム日本国大使館
 住所: 27 Lieu Giai Street, Ba Dinh District, Hanoi, Vietnam
 電話: (市外局番024) 3846-3000
    国外からは(国番号+84)-24-3846-3000
 FAX:(市外局番024) 3846-3043
    国外からは(国番号+84)-24-3846-3043
 ホームページ: https://www.vn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在ホーチミン日本国総領事館
 住所:261, Dien Bien Phu Street, District 3, Ho Chi Minh City, Vietnam
 電話:(市外局番028) 3933-3510
    国外からは(国番号+84)-28-3933-3510
 FAX:(市外局番028)-3933-3520
    国外からは(国番号+84)-28-3933-3520
 ホームページ: https://www.hcmcgj.vn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在ダナン日本国総領事館
 住所:Floor 4-5, Lot A17–18–19, 2/9 street, Binh Thuan Ward, Hai Chau District, Da Nang City, Viet Nam
 電話:(市外局番0236) 3555-535
    国外からは(国番号+84)-236-3555-535
 ホームページ: https://www.danang.vn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

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