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バングラデシュ

2017年03月13日

1.概況
 2016年7月1日にダッカ市内において、襲撃テロ事件(ダッカ襲撃テロ事件)が発生し、日本人7名を含む多数の犠牲者を出しました。その後、バングラデシュ政府により、容疑者・国内の過激派が摘発され、テロを計画、実行したとされる過激派組織の構成員が多数殺害されました。しかし、同国のテロ対策は今も継続中であり、バングラデシュ国内における新たなテロ事件が発生する可能性は否定できず、引き続き警戒が必要です。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)グループ
ア JMB(ジャマトゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ)
 JMBは、長年にわたりテロ事件を多数引き起こしており、国際的イスラム過激派組織「ISIL」との繋がりも疑われています。その構成員がダッカ襲撃テロ事件を計画、実行したものとして、警察は摘発を続けています。

イ AQIS(インド亜大陸のアル・カーイダ)
 国際テロ組織AQISの影響を受けているものと見られる「アンサール・アル・イスラム」、「ハルカトゥル・ジハード・アル・イスラミ・バングラデシュ」(HuJI-B)や「シャヒード・ハムザ・ブリゲード」(Shaheed Hamza Brigade)といった存在が確認されています。AQISの影響を受けたこれらのグループは、2015~2016年にはダッカの大学院生(世俗主義的ブロガー)の殺害や地方でのヒンドゥー教聖職者の殺害等に関与してきたとされています。

(2)地域
ア ダッカ市及び周辺地域
 外国人も多く居住するダッカ市内及びその周辺地域においては、警察の過激派摘発作戦により多くの銃撃戦が発生し、また過激派アジトからは銃火器、ナイフ、爆発物原料、自爆ベスト等の新たなテロを企図していたものと推察される証拠が多数発見されています。また、過激派幹部の妻や息子が過激化した事例や、市内の学校を拠点にして関係者の過激化を促そうとしていた事例等が報告されています。

イ チッタゴン丘陵地帯
 チッタゴン丘陵地帯では、以前から民族間抗争が発生しており、治安情勢が不透明な状態が続いています。2016年10月には、バングラデシュと国境を接するミャンマーのラカイン州において、[ロヒンギャ(ラカイン州に居住するベンガル系イスラム教徒)]がミャンマー国境警備隊を襲撃する事件が発生しました。これを受けてミャンマー当局による対[ロヒンギャ]掃討作戦が行われ、多数の[ロヒンギャ]がバングラデシュ側に避難しています。[ロヒンギャ]に対しては、イスラム系援助団体をはじめ、多くの団体が支援を行っていますが、中には過激派組織による支援も含まれている可能性があるとされており、今後の動向を注視する必要があります。

ウ その他
 上記以外の地域においてもテロ事件が発生しており、今後も全土でテロ事件の発生を警戒する必要があります。

3.誘拐事件の発生状況
 2005年10月には、日本人男性が軟禁され身代金を要求される事件が発生しましたが、近年、外国人を標的とする誘拐事件の発生は確認されていません。しかし、バングラデシュ人を対象に身代金や労働力等を目的とする誘拐事件は多数発生しており、今後外国人がターゲットとされる可能性も否定できません。
 対策としては、目立たない(犯罪者は標的を選ぶ際、目立つ人物に目をつける傾向がある)、行動を予知されない(行動のパターン化は、犯罪者の襲撃計画を立てやすくする)、用心を怠らない(定期的に気持ちを引き締める機会を持つ、また、自分だけは大丈夫とは決して思わない)という、いわゆる「安全のための三原則」を守ることが重要です(詳細は「海外における脅迫・誘拐対策Q&A」https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html を参照してください)。

4.日本人・日本権益に対する脅威
(1)2015年10月のロングプール邦人殺害事件、2016年7月のダッカ襲撃テロ事件と、立て続けに邦人が被害に遭うテロ事件が発生し、いずれも「ISILバングラデシュ」を称する組織による犯行声明が発出されました。また、イスラム過激派は、7月の襲撃テロ事件を称賛するメッセージや、新たなテロを呼びかけるメッセージを、映像や雑誌等の様々なメディアを通じて発出しています。
(2)日本はバングラデシュに対する最大の二国間援助国であり、バングラデシュ国民の多くは極めて親日的であると言われていますが、こうしたテロ事件によって邦人の命が奪われたことを考慮すると、日本人がテロの標的となる可能性は排除されません。また、前述のとおり過激派に対する摘発によって大量の爆発物原料や自爆用ベスト等が押収されたこと等を踏まえると、今後も、テロの発生が続くことが懸念されます。
(3)イスラム過激派組織によるテロだけでなく、こうしたテロ組織の主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型のテロも警戒する必要があります。誘拐、脅迫、テロ等に遭わないよう、また、巻き込まれることがないよう、海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が、報道等の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。

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