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ネパール

2016年01月29日

1 概況
(1)ネパールでは,1996年から2006年にかけて行われた武力闘争当時,ネパール統一共産党毛沢東主義派(マオイスト)が活発なテロ活動を行っていましたが,2006年の包括的和平合意が転機となり,近年のテロ活動は限定的なものとなっています。
(2)ネパール国内におけるイスラム過激派の活動は確認されていませんが,パキスタン・タリバーン運動(TTP),ラシュカレ・タイバ,インディアン・ムジャヒディーン等のテロ組織の構成員がネパール経由でインドに潜入しているという情報があります。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)マオイスト
  マオイストは,1996年以降,テロ活動を活発に行っていましたが,2006年11月に政府との間で包括的和平合意を締結し,2008年8月から2013年3月までは政権与党として国政の運営に参画したこともあり,最近のテロ活動は,以下の分派の活動を含め,限定的なものとなっています。2012年9月には,米国政府がマオイストのテロ組織指定を解除しました。
  一方,マオイスト幹部のモハン・バイディアは,2012年6月にマオイストから分離し,バイディア派を新たに結成しました。同派は,制憲議会選挙が実施された2013年11月に発生した多数の爆発や不審物の放置,火炎瓶投てき,放火等の事件に関与していると言われています。なお,2015年11月,バイディア派は勢力拡大を図るため,マオイストのパリ・タパ派と統合し,革命的マオイスト派を結成しました。
  2014年11月には,バイディア派幹部のネトラ・ビクラム・チャンドが同派から分離し,最左翼政党のチャンド派を新たに結成しました。同派は,政府は汚職等で腐敗しているとして,行政への妨害活動を各地で行う一方,諸外国によるネパールへの干渉を嫌い,特にインドに対しては,インドの車両に対する放火等の活動を行っています。

(2)タライ地域
  タライ地域(インド国境に接する南部平原地帯)には,民族独立・自治を目指す地下武装組織が複数存在し,目的達成のためには,爆弾,火炎瓶,銃等を使用する等,実力行使も辞さない傾向にあります。最近は,これら武装組織の指導者がインドに逃走し,遠隔で指示を出す等していることから活動は低調です。

(3)東部地域
  民族独立・自治を目指す地下武装組織の活動が比較的活発です。目的達成のために,バンダ(ゼネラル・ストライキ)の実施や,爆弾,武器を使用した実力行使に及んでいます。革命的マオイスト派やチャンド派に近いグループも存在します。最近,警察の取締強化により,活動は低調です。

(4)中西部地域山間部
  マオイスト発祥の地でもあり,革命的マオイスト派及びチャンド派等の関係者が多いとされています。過去,人民解放軍(PLA)の兵士として内戦に参加した者が多く生活しており,当時の武器を隠匿所持している可能性があると言われています。革命的マオイスト派やチャンド派が反政府活動を実施した場合,追従者が多く現れる可能性もあります。

3.誘拐事件の発生状況
  ギャング等による組織的犯行が中心です。誘拐の多くは身代金目的で,ネパール人の会社経営者や裕福な農家,政府関係者等が主な標的とされています。最近,外国人を標的とした事件は発生していません。
  
4.日本人・日本権益に対する脅威
  現時点において,ネパールでは,日本人・日本権益に対して直接脅威を与えるテロ組織は存在しませんが,爆発物が使用される事件も発生していることから,その巻き添えにならないよう注意することが必要です。
  また,近年,シリアやチュニジアにおける日本人が殺害されたテロ事件や,パリでの同時多発テロ事件等が発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。

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