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ネパール
安全対策基礎データ

更新日 2024年07月18日

1 犯罪発生状況
(1)全般
 ア ネパール国内では、窃盗事件、薬物事件が多く発生しており、外国人を狙った強盗事件なども発生しています。
 イ ネパールとインドの国境では「オープン・ボーダー」(ネパール人およびインド人は旅券がなくても通行が可能)というシステムをとっているため、両国国民は入国管理事務所での出入国手続きを行う必要がなく、IDのみで自由に行き来できます。その結果、インドからネパールへ拳銃等の武器や爆薬等が流れ込み、銃器を使用した犯罪や爆発物事件が発生しています。
 ウ 政府に対する国内過激派の抗議活動として、「バンダ」(いわゆるゼネラル・ストライキ)等が行われます。バンダ中は、一般車両・バイクはもとよりバスやタクシーなどの公共交通機関の通行にも支障が出るため、移動は徒歩やリキシャ(人力三輪車)等に制限されるなど影響が広く及ぶ可能性があります。
 エ 政治や生活に対する不満などから、政府関係機関、公共施設、公共交通機関等に対する抗議デモ等が頻繁に発生しており、過激なデモに発展するおそれがあります。特に首都よりも地方都市で発生する傾向が強くなっています。

(2)主要都市・地域別の状況等
 ア 首都カトマンズ
  住居侵入による強盗・窃盗事件、身代金目的誘拐事件、置引き事件等が多く発生しています。
 イ ポカラ
  西部にあるトレッキングで有名な観光都市です。外国人観光客の増加を受けて、旅行者同士のもめ事や暴行事件が多発しています。特に夜間の外出はお気をつけください。
(後述「滞在時の留意事項」6(7)航空機事故も参照のこと)
 ウ チトワンおよびルンビニ
  国立公園があるチトワンやブッダ生誕の地として知られるルンビニでは、薬物、詐欺、スリ事件が多発しています。親切を装って近づいてくる者や手荷物の取り扱いに、十分ご注意ください。
 エ その他
  バス車内等で他人から勧められた飲食物(クッキーやジュース)を安易に口にしたところ、睡眠薬が仕込まれていたことから意識を失い、荷物を奪われるという事件も過去に発生しています。

2 日本人の被害例
 過去に、日本人が被害にあった主な事例は、次のとおりです。
<被害例>
○ 深夜タメル地区を歩いていたところ、ネパール人から暴行を受け、金品を強奪された。
○ ネパール入国時、トリブバン空港アライバルビザ代金支払窓口(金融機関)において、ビザ代金を支払おうとした際、「日本人は、日本円でしか受け付けていない。」と窓口職員に言われ、正規の代金より多く請求された。
○ ホテルにおいて、外出中や就寝中に室内の貴重品を盗まれた。
○ ホテルで従業員を装った人物や観光地でガイドを装った人物に話しかけられ、対応中に当該人物の仲間に貴重品を盗まれた。
○ レストランで食事中、座席(の上または下)に置いていたバッグ等を盗まれた。
○ バス車内や乗り場、路上で、バッグ等に入れていた貴重品をすり取られた。
○ 観光地でひと気のない場所に連れて行かれ、パスポートや現金等を強奪された。
○ 夜間、オートバイに乗った2人組に荷物を強奪されたり、身体を触られたりした。
○ 歩きながら携帯電話を操作していたところ、携帯電話を強奪された。
○ サドゥー(ヒンドゥー教の修行僧)が額につける赤い印(ティカ)をつけてやると話を持ちかけてきた人物に応対している間に、その人物の仲間に財布等を盗まれた。
○ 女性がマッサージ店や宿泊先ホテルで、男性店員に体を触られるなどの行為を受けた。
○ インドから陸路で入国しようとした旅行者が、入国審査を受けるためと付近の建物に連れて行かれ、査証(ビザ)申請料として多額の支払いを要求された。
○ 深夜のクラブやバーで、飲酒を原因としてトラブルとなり、殴られた。
○ 深夜自宅に強盗に侵入され、ククリナイフ(ネパールで用いられる、鉈に近い形状の大型ナイフ)で殴られ現金等を強奪された。
○ 業務上のパートナーとして信頼していた人物に騙され、現金を奪われた。

3 防犯対策
(1)基本的な対策
 ネパールでは、日本人は「お金を持った警戒心のない人」というイメージを持たれているので、狙われている可能性があることに常に留意し、自分の身は自分で守る意識が重要です。主な対策は次のとおりですが、詳しくは、在ネパール日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き(https://www.np.emb-japan.go.jp/files/100305536.pdf )」をご参照ください。また、残念ながら被害に遭った場合、警察等への連絡とともに、再発防止の観点から、日本国大使館にもご連絡ください。
○ 多額の現金を持ち歩くことは可能な限り避け、現金を持ち歩く必要がある場合は、分散して携行する。なお、ホテルのセーフティボックスも盗難の可能性があることから、安易に信頼して貴重品や現金を収納しない。
○ 貴重品を持ち歩くときは目立たないように行動する。長距離バスで移動するときは、貴重品(パスポート、現金、航空券等)は常に身につけておく。
○ ズボンの後ろポケットに財布を入れない。また、財布を開ける際は、中身が他人に見えないようにする。
○ 人混みはできるだけ避ける。人混みに入ってしまった場合は、カバン等は身体の前にしっかり持つ。
○ 見ず知らずの人物が勧める飲食物(クッキーやジュース等)を安易に口にしない。
○ 夜間の外出や単独行動は控える。やむを得ず外出するときは、街灯、電灯の無い場所を避け、場合によっては懐中電灯を携行する。
○ 強盗と遭遇したときは、身の安全を第一に考え、抵抗しない。
○ 後述の日本国大使館、警察、病院等の緊急連絡先をメモして携行する。

(2)悪質な旅行業者への対策
 法外な料金でトレッキング等の契約を結ばせ、旅行者が、料金が高すぎるとして解約あるいは返金を要求すると、高額なキャンセル料を要求する業者がいます。このようなトラブルを防ぐために、次の点に注意してください。
○ トレッキング等の手配は、ネパール渡航前に信頼できる旅行会社を通じて行う。
○ 現地でトレッキング手配を申し込む場合は、複数の旅行会社から料金やサービス内容を聞き、慎重に比較検討する。その際、料金やキャンセル料を十分に確認する。
○ 契約時に旅行会社の説明を記録し、その説明と契約書の内容が同じであることを確認する。契約書がネパール語で書かれている場合は、必ず英文等理解可能なものを要求する。
○ 契約を巡って旅行会社とトラブルになった場合は、ツーリストポリス(観光警察)に被害届等を提出する(ツーリストポリスでは、旅行者の苦情が正当なものであると判断した場合には、旅行会社との仲裁を行います。)。

4 テロ・誘拐対策等
 ネパールにおけるテロ・誘拐対策等は、「テロ・誘拐情勢」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_010.html )をご確認ください。

(手続きの詳細や最新の情報については、駐日ネパール大使館(電話:03-3713-6241~2)にお問い合わせください。)

1 査証
(1)査証
 ネパールに入国するためには査証(ビザ)が必要です。観光査証は、各国所在のネパール大使館・総領事館のほか、トリブバン国際空港(カトマンズ)や国境の入国管理事務所(陸路の場合)で取得できます。空港または国境の入国管理事務所での査証取得手続きには、有効な旅券(申請時に有効期限6か月以上必要)および記入済みの申請書と申請料が必要です。2024年7月1日現在、申請料は滞在期間15日で30米ドル、30日50米ドル、90日125米ドル、9歳以下の幼児・児童は無料です。なお、陸路による入国時に申請する場合は、写真1葉(タテ45ミリメートル、ヨコ35ミリメートル)が必要です。

(2)滞在許可の延長手続き
 観光査証で入国した後に滞在日数を延長する場合は、滞在期間が年間150日を超えない範囲で、カトマンズとポカラにある入国管理局で滞在許可(Stay Permit)の延長手続を行うことができます。延長には、申請書と手数料(延長15日まで45米ドル、その後1日につき3米ドル)が必要です。滞在許可の延長手続きをせず許可日数を超えて滞在していた場合は不法滞在となり、超過した日数に応じた反則金が、また超過日数が150日を超える場合は罰金が科せられるとともに、不法滞在者として逮捕・拘束されることもあります(不法滞在歴が長期にわたる場合や罰金の支払い能力がない場合は、刑事罰として拘禁されることもあります)。旅行日程が変更になり、延長手続が必要な場合は、必ず滞在期間の残っている間に手続きを行うよう注意してください。

2 出入国審査
 ネパールの入国管理局によれば、ネパール各地の出入国地点は、トリブバン国際空港(カトマンズ)、カカルビッタ(コシ州ジャパ郡)、ビラートナガル(コシ州モラン郡)、ビルガンジ(マデシ州パルサ郡)、ベルヒヤ(通称スノウリ:ルンビニ州ルパンデヒ郡)、ジャムナ(通称ネパールガンジ:ルンビニ州バケ郡)、モハナ(スドゥール・パスチム州カイラリ郡)、ガッダチョウキ(スドゥール・パスチム州カンチャンプール郡)、ラスガワティ(バグマティ州ラスワ郡)及びコダリ(バグマティ州シンドゥパルチョーク郡)の10か所です。ただし、その時々の治安情勢によっては、当該地点からの出入国を避けた方がよい場合もあります。在ネパール日本国大使館からのメール(後述の「滞在時の留意事項」1(2)在留届または(3)「たびレジ」に登録することにより受信可能)のほか、海外安全ホームページに記載の「危険情報」や「スポット情報」等により、事前にご確認ください。また、入国スタンプが無いことを理由に出国できず、不法入国として罰金を請求される事例が報告されています。空路、陸路ともにボーダー(国境)を越える場合は、必ず旅券に出入国スタンプが押されていることを確認してください。

3 外貨申告
 入国時に5,000米ドル相当額を超える外貨を持ち込む場合は、申告が必要です。ネパール・ルピーの国外持出しは禁止されていますので、使い残したネパール・ルピーは出国時に空港内の銀行等で、外貨に交換してください。入国時に外貨から両替した額まで再両替することが可能ですが、両替時に受け取った外貨換金証明書の提示が必要です。なお、空港では外貨が足りず希望額まで再両替ができない可能性もありますので、事前に市内で両替しておくことをおすすめします。

4 通関
(1)持込み制限
○ 国際線を利用して、以下の個人用品を持込み、または預け荷物とする場合、その物品をネパール国内で売却せず持ち出すことを条件として免税となります。
・双眼鏡1台
・タブレットまたはノートパソコン1台、ビデオカメラ1台、カメラ1台
・ポータブル音楽システム1セット
・衣類、家庭用品
・乳母車1台、三輪車1台、自転車1台
・腕時計1本
・携帯電話1台
・金装飾品男性は25グラム、女性は50グラムまで
・銀装飾品100グラムまで

○ 携行する次の物品は、免税となります。
・酒類1リットル以下のもの1本、または缶ビール1ダース(容量は問わず本数で規定)まで
・紙巻タバコ200本、葉巻50本または葉タバコ250グラムまで

・1,000ネパール・ルピー(約1,000円)相当額までの医薬品(ネパールへの輸入が禁止されている医薬品を除く)
・5,000ネパール・ルピー相当額までの食料品(缶詰を含む)
・2,000ネパール・ルピー相当額までの新鮮な果物
 この規定に反し、税関に申告せず、または隠匿して発送や携行をした場合、物品は没収され、法令に基づき処罰の対象となります。

(2)骨董品等の国外持出し規制
 ネパール国内で購入した骨董品は、製作後100年未満の物に限り、考古局の許可を得て、国外へ持ち出すことができます。購入者において100年未満であると判断しても許可証が無い場合は、出国時に没収される可能性がありますので、購入した骨董品の製作年に関しては、考古局に直接ご相談ください。その他一般的な物品については、ネパール国内で両替した金額相当のネパール・ルピー+5万ネパール・ルピーまでは、購入した物品(土産物含む)を輸出許可なしに携行または別送品として持ち出すことができます。

(3)動植物、昆虫
 動植物、昆虫をネパール国外に持ち出す場合は、森林保全省の許可が必要です。無許可でこれらの物を持ち出すことは、法律によって禁止されています。

<過去の日本人が検挙された例>
○ クワガタムシ271匹を密輸出しようとした日本人2名が検挙された。
○ クワガタムシ214匹を密輸出しようとした日本人が検挙された。

(4)医薬品の持込み、持出し
 医療用麻薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続きについては厚生労働省の以下のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html

1 滞在時の各種届出
(1)ネパール政府に対して外国人登録を行う必要はありませんが、滞在の目的に見合った査証を取得しておく必要があります。

(2)在留届
 ネパールに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡などに必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )を通じて、在ネパール日本国大使館に「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。
 この他、住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。

(3)たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、ネパールで事件や事故、自然災害等が発生し、在ネパール日本国大使館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

2 SIMカードの契約
 ネパール警察では、トレッキング中の遭難など不測の事態が発生した場合に、携帯電話会社と連携して、携帯電話・スマートフォンのGPSを活用した捜索活動を行っています。
 他方で、携帯電話会社のSIMカードを契約していなかったために、GPSを活用した捜索活動が出来ず、未だに発見に至っていない行方不明者もいるとされています。
 ネパール警察は、特にトレッキングなど山岳地帯を旅行される方に対して、可能な限り携帯電話会社のSIMカード(事務手数料100ネパール・ルピー、28日間20GB利用で599ネパール・ルピーなど)の契約をおすすめしています。例えば、トリブバン国際空港到着ゲート内にはネパールの携帯電話会社(ネパールテレコム、Ncell)のSIMカード契約用受付カウンターがあります。

3 旅行制限
 ヒンドゥー教の施設の主要部分には、宗徒以外は立入りができません。また、牛革靴など牛革製品を身につけての入場を禁止されている施設もありますので、ご注意ください。

4 写真撮影の制限
 空港および軍関係施設の写真・動画の撮影は禁じられています。また、観光客がよく訪れるカトマンズ市内にあるクマリ寺院の「生き神様」と呼ばれる少女およびいくつかのヒンドゥー教寺院、一部の博物館等の撮影も禁じられています。その他、一部の大使館を含む外国施設でも撮影を禁じられている場所がありますので、十分注意してください。

5 各種取締法規
(1)違法薬物
 ネパールでは違法薬物に対する取締りが厳しく、空港での荷物検査も例外ではありません。外国人であっても違反した場合には禁固刑および罰金刑に処せられます。観光客の集まる場所では薬物の購入を勧める密売人をよく見かけますが、安易に手を出すと取り返しのつかない結果になります。また、「日本にいる友人に荷物を届けてほしい」と頼んでくるネパール人がいますが、知らないうちに違法薬物の運び屋として利用されることがありますので、そうした依頼は決して引き受けないでください。荷物を運べば高額の報酬を支払うと声を掛けられ、親切心や打算から安請け合いをして、想像しなかった事態に陥る例が報告されています。慎重に考えて行動してください。

(2)喫煙
 ネパールでは、公共施設等、喫煙禁止場所が法律で指定されています。また、カトマンズ市内では、路上喫煙が禁止されています。違反した場合は、100~100,000ネパール・ルピーの罰金が科せられます。具体的な場所は以下のとおりですが、これらは例示的な場所であり、これ以外の場所でも不用意に喫煙をすることのないよう十分注意してください。
○ 政府施設およびその関連施設
○ 教育施設、図書館および学生寮
○ 空港施設内
○ 公衆トイレ
○ 文化センター、ホテル(喫煙可の自室を除く)、レストラン
○ 公共交通機関(マイクロバス、テンプー)およびその待合所

(3)刑法の改正(「宗教に関する犯罪」)
 ネパールでは、2018年8月に刑法規定の「宗教に関する犯罪」部分が改正されたことにより、宗教活動(布教活動のみならず、改宗を持ちかけたと疑われるような行為を含む)に対する取り締まりが厳しくなっています。実際に、外国人の逮捕例もあるので、十分注意してください。なお、この法律に違反した場合は、5年以下の懲役および5万ネパール・ルピー以下の罰金が科せられます。

6 交通事情
(1)交通マナー
 ネパールの道路事情として、陥没や未舗装、歩道の未整備等の場所が多いです。また、信号機の多くは使用されておらず、横断歩道も少ないため、歩行者は車両の合間を縫って横断する状況が見られます。さらに、交通ルールやマナーに対する意識は非常に希薄であることに加え、歩行者優先という概念はなく、交差点での一時不停止、無理な追い越し、違法駐車、無秩序な道路横断等が日常化しており、慣れない外国人旅行者にとっては非常に危険です。

(2)道路状況等
 ネパールは、インフラの整備が遅れており、街灯等の設備が不十分です。夜間に徒歩で移動することは、道路の穴や側溝等に足を取られ転倒するなどして怪我をするおそれが高く非常に危険であるほか、強盗、ひったくり等にあう可能性も高くなります。また、カトマンズ市内では、道幅が狭いことや自動車・オートバイの増加により、日中の渋滞が恒常化しています。さらに、道路にはオート三輪、自転車、歩行者、野犬等が混在し、その隙間を縫って自動車が走行するため、路上では細心の注意が必要です。自身で運転する場合はスピードを出しすぎないように注意してください。また、脇道からの車両・バイク・人等の飛び出しに十分注意してください。

(3)運転免許証
 ネパールで自動車を運転するには、現地の運転免許証の取得が求められます。2024年7月1日現在、日本の運転免許証からネパールの免許証への切り替えは行われておりませんので、運転免許証をネパールで新規に取得する必要があります。取得には、交通局で筆記(ネパール語)・実技試験を受験し、合格する必要があります。なお、ネパールでは、国際運転免許証で運転することはできません。
また、外国人であっても、バイク・自動車を購入する際にはネパール保険(日本の自賠責保険に相当)への加入が義務付けられています。

(4)交通事故
 交通事故の被害者になった場合、加害者の加入保険には限界があり、ネパールでは日本と異なり多くの場合十分な補償を受けられません。事故に遭わないよう十分注意してください。また、当地の交通事情に慣れないうちは、レンタカーを利用する際も自身で運転せず、必ず運転手付きのレンタカーを使用してください(これまでも、多数の日本人の交通事故例の報告を受けています。路上で歩行中、バイクや車に衝突されて大けがした事例や、逆にバイクを運転していて交通事故を起こし、相手に大けがをさせて賠償金を払った加害例もあります)。万一、交通事故の当事者となった場合は、すぐに警察に通報してください。

(5)検問
 カトマンズ市内を始め各地において、武器や違法薬物の密輸を取り締まるため、恒常的に警察や軍による検問が行われています。陸路で移動する場合、検問所で乗客全員がバスから降ろされ、全員の身分事項、荷物検査が終わるまで出発する事ができず、長時間待たされた例も報告されています。

(6)タクシー、バス
 タクシーはスピードの超過や無理な追い越しを行う傾向があります。そのためタクシーを利用する際は、危険を感じたら運転手にすぐ注意することが必要です。地方への長距離バスは、転落事故・追突事故が毎年各地で多数発生しており、多くの死傷者が出ています。安価なローカルバスや夜行バスの利用は避け、安全のため、長距離の移動は飛行機を利用してください。

(7) 航空機事故
 当国では、急峻な地形や不十分な航空設備等もあり、散発的に航空機事故が発生しています。2022年5月には、ムスタン郡でTara航空の国内線が墜落し22名が死亡、2023年1月には、ポカラでYeti航空の国内線が墜落し、乗員・乗客70名以上が死亡する事故が発生しました。ついては、旅行等で国内線等をお使いの場合は、旅行会社等から比較的安全なルートや航空会社の情報を入手することをおすすめします。

1 風俗、習慣
 ネパールの多数の国民が信仰するヒンドゥー教は、牛を「聖なる動物」として扱っています。例えば、路上にいる牛を自動車ではねた場合は、厳しい罰則が適用される可能性があります。地元民との接触の際は、「牛肉を食べる」等の牛に関わる話題は避けるとともに、左手は不浄とされていることを理解し、食事の際は右手のみを使って食べることをおすすめします。また、頭に神が宿っているとの宗教的な考えがありますので、むやみに他者の頭を触ることのないよう注意してください。

2 衛生事情
 水と食べ物には十分な注意が必要です。ネパールは衛生状態が非常に悪いため、外食する際は生野菜や生ものはなるべく避け、熱の十分通っているものを選んでください。水道水からは大腸菌が検出されていますので、そのまま飲用しないでください。飲用には信頼できるミネラルウォーターや浄水器の使用をおすすめしますが、それでも気になる場合は、一度煮沸して飲むようにしてください。地方でのトレッキングでは、川の水や湧き水は絶対に飲まないようにしてください。さらに、飲食店での氷が入っている飲物にも注意が必要です。
 都市部では、特に乾季は大気汚染が酷いため、外出の際にはマスクの着用をおすすめします。

3 病気
(1)概要
 ネパールは地形的に変化に富んでいるため、気候や風土が地域によって大きく異なります。したがって、健康上注意すべき点も、高山病からマラリアなどの熱帯病にいたるまで多岐にわたります。
 首都圏のカトマンズ盆地で注意すべきものは、第一に感染性腸炎(いわゆる旅行者下痢症)で、雨季にはコレラ、赤痢、腸チフスなどが流行することがあります。このほかにも、ウイルス性肝炎や狂犬病、蚊によって感染するデング熱などがあり、2022年、2023年は、カトマンズを含むネパール全土で、デング熱が大流行しましたので十分な防蚊対策を行ってください。
 南部亜熱帯のタライ地域では、これらに加えマラリア、日本脳炎、蛇咬傷などにも注意が必要です。

(2)予防接種
 日本からネパールへの入国に際して義務付けられている予防接種はありませんが、長期滞在される方には、A型肝炎・B型肝炎・破傷風・日本脳炎・狂犬病・腸チフス・コレラの予防接種が推奨されます。小児は日本の定期予防接種に加えて、成人同様、前記ワクチンの接種が推奨されます。
麻疹や風疹の流行も時々見られますので、未接種の方には接種をおすすめします。
ネパールには野犬や放し飼いの犬が多い一方、犬への狂犬病ワクチン接種は義務化されていません。狂犬病は発病すると致死率が非常に高いため、長期滞在予定の方や医療機関の少ない地方を旅行される方には、渡航前あるいは渡航後早期に3回の予防接種を受けておくことを強くおすすめします(最短3週間で接種可能)。もし犬にかまれた場合は、直ちに医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
その他、必要な予防接種等については、厚生労働省検疫所ホームページ(https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/useful_vaccination.html )を参考にしてください。

(3)高山病
 登山、トレッキングをする場合は、事前に高山病について知っておくことが重要です。2500m以上の高度で頭痛および食欲不振、倦怠感、めまい、睡眠障害などの症状が出現するのが急性高山病で、通常、徐々に高所に体が慣れて症状が改善していきますが、時に、悪化して高地肺水腫や高地脳浮腫になり、呼吸困難や意識不明の状態になってしまうことがあります。最大の予防策は、ゆっくり登ること、体調が悪かったらそれ以上高度を上げないことです。重症化した場合、一刻も早く高度を下げるしかありません。酸素や薬は時間稼ぎの手段に過ぎませんので、無理せず手遅れになる前に下山してください。
 ヒマラヤ救助協会(Himalayan Rescue Association)は、カトマンズ市内の事務所やペリチェ、マナンの診療所で高山病についての啓蒙活動を行っています。
 ホームページ:https://himalayanrescue.org/
 邦訳: http://www.ueda.ne.jp/~sherpa/hsa/hra.html

4 医療事情
 ネパールでは、特に首都カトマンズ以外では医療施設が不十分なため、旅行中に病気・ケガ等で緊急手術や入院が必要となった場合、地方からカトマンズへ、さらにはネパール国外への緊急移送が必要となる場合が多々あります。ヘリコプターや飛行機による緊急移送費は、国内でも数十万円、国外へは数百万から数千万円に上ります。また、設備の整ったカトマンズの私立総合病院での治療費・入院費は、概して日本より高額です。
 ネパールへの旅行を計画される際には、旅行・滞在中の予期せぬトラブルに備えて、緊急移送サービス等を含む十分な補償内容の海外旅行保険に必ず加入してください。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。

「世界の医療事情」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/nepal.html
において、ネパール国内の衛生・医療事情等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。

5 その他の留意事項
(1)トレッキング、登山
 ネパール政府は、登山者情報管理システム(Trekking Information Management System=TIMS)の手続きを改定し、ネパール国内の国立公園および保護区内において登山をするすべての外国人に対して、政府公認のガイドを雇うことおよび政府に登録された代理店を通じたTIMSカードの取得(日本人の場合は2,000ルピー)を義務づけました(https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=141333 )。
 ガイドを雇わない単独でのトレッキング中に道に迷ったり、高山病や滑落事故などに遭い動けなくなるなどして、行方不明になったり死亡するケースが発生しています。
 ご自身の安全を確保するためにも、トレッキング時には、必ずガイドを雇うようにしてください。

(2)野犬
 都市部であっても、夜間になると野犬の活動が活発になり、襲われる危険があります。徒歩で出かける必要があるときは、通り道に野犬を確認したら迂回することをおすすめします。むやみに棒などで追い払おうとすると、かえって怒らせ危険な状況になる可能性があります。

◎ 警察:TEL 100(緊急時)
TEL 1144、4247041(ツーリストポリス:カトマンズ市)
◎ 消防:TEL 101
◎ 在ネパール日本国大使館
    :TEL(代表)(国番号977)-1-4426680

○ 外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関係課室連絡先)
○ 領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)4965
○ 領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)   (内線)3047
○ 領事局政策課(感染症関連) (内線)4919
○ 外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

○ 在ネパール日本国大使館
 住所:1253 Narayan Gopal Sadak Panipokhari, Ward No.3, Kathmandu(North), Nepal (P. O. Box 264)
 電話:(市外局番01)4426680
 国外からは(国番号977)-1-4426680
 FAX :(市外局番01)4414101
 国外からは(国番号977)-1-4414101
 ホームページ:https://www.np.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

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