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ネパール
安全対策基礎データ

更新日 2021年04月01日

● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)全般
 ア ネパール国内では、発生する犯罪としては、窃盗事件が最も多く、在留邦人の住居への侵入強盗事件も発生しています。また、観光地や繁華街では、日本人を含む外国人を狙ったスリ・置き引き、薬物事件等が発生しています。警察によれば、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うロックダウン期間中は、殺人事件、女性に対する性犯罪や子供に対する虐待事件などが増加しています。2020年7月以降、強盗、窃盗事件が増加しており、その他では詐欺、サイバー犯罪の発生が目立っています。

 イ ネパールとインドの国境では「オープン・ボーダー」(ネパール・インド人は旅券がなくても通行が可能)というシステムをとっているため、両国国民は入国管理事務所での出入国手続きを行う必要がなく、IDのみで自由に行き来できます。その結果、インドからネパールへ拳銃等の武器や爆薬等が流れ込み、銃器を使用した犯罪や爆発物事件が発生しています。

 ウ 政府に対する国内過激派の抗議活動として、「バンダ」(いわゆるゼネラル・ストライキ)等が行われます。バンダ中は、一般車両・バイクはもとよりバスやタクシーなどの公共交通機関の通行にも支障が出るため、移動は徒歩やリキシャ(人力三輪車)等に制限されるなど影響が広く及ぶ可能性があります。
    
(2)主要都市・地域別の状況
 ア 首都カトマンズ
  住居侵入による強盗・窃盗事件や外国人旅行者を狙ったスリ・置き引きの他、恐喝事件や外国人女性に対する性犯罪等も発生しています。

 イ ポカラ
  西部にあるトレッキングで有名な観光都市です。トレッキング・ルートのひと気のない場所では、外国人トレッカーの現金・貴重品の恐喝、強奪、詐欺事件が発生しています。できるだけ地元のガイドを雇う、あるいはツアーに参加して行動するようにしてください。
 
 ウ チトワン及びルンビニ
  国立公園があるチトワンやブッダ生誕の地として知られるルンビニでは、外国人を狙ったスリや置き引きが発生しています。

 エ その他
  政府関係機関、公共施設、公共交通機関等に対する爆弾・爆発物を用いた事案が発生しています。特に首都よりも地方都市で発生する傾向が高くなっています。
また、バス車内等で他人から勧められた飲食物(クッキーやジュース)を安易に口にしたところ、睡眠薬が仕込まれていたことから意識を失い、荷物を奪われるという事件も過去に発生しています。

2 日本人の被害例

 日本人が被害にあった主な事例は、次のとおりです。

<被害例>
○ホテルにおいて、外出中や就寝中に室内の貴重品を盗まれた。
○ホテルで従業員を装った人物や観光地でガイドを装った人物に話しかけられ、対応中に当該人物の仲間に貴重品を盗まれた。
○レストランでの食事中やバス乗り場や休憩地で、座席(の上または下)に置いたバッグ等を盗まれた。
○バス車内や路上で、バッグ等に入れていた貴重品をすり取られた。
○観光地でひと気のない場所に連れて行かれ、パスポートや現金等を強奪された。
○夜間、オートバイに乗った2人組に荷物を強奪されたり、身体を触られたりした。
○歩きながら携帯電話を操作していたところ、携帯電話を強奪された。
○サドゥー(ヒンドゥー教の修行僧が額につける赤い印(ティカ))をつけてやると話を持ちかけてきた人物に応対している間に、その人物の仲間に財布等を盗まれた。
○女性がマッサージ店や宿泊先ホテルで、男性店員に体を触られるなどの行為を受けた。
○インドから陸路で入国しようとした旅行者が、入国審査を受けるためと付近の建物に連れて行かれ、査証(ビザ)申請料として多額の支払いを要求された。
○深夜のクラブやバーで、飲酒を原因としてトラブルとなり、殴られた。
○深夜自宅に強盗に侵入され、ククリナイフ(ネパールで用いられる、鉈に近い形状の大型ナイフ)で殴られ現金等を強奪された。
○業務上のパートナーとして信頼していた人物に騙され、現金を奪われた。

3 防犯対策
(1)基本的な対策
 ネパールでは、日本人は「お金を持った警戒心のない人」というイメージを持たれているので、常に狙われていることを忘れず、自分の身は自分で守る意識が重要です。主な対策は次のとおりです。

○多額の現金を持ち歩くことは可能な限り避け、現金を持ち歩く必要がある場合は、靴や財布に分散して携行する。なお、ホテルのセーフティボックスも盗難の可能性があることから安易に信頼して貴重品や現金を収納しない。
○貴重品を持ち歩くときは目立たないように行動する。長距離バスで移動するときは、貴重品(パスポート、現金、航空券等)は常に身につけておく。
○ズボンの後ろポケットに財布を入れない。また、財布を開ける際は中身が他人に見えないようにする。
○人混みはできるだけ避ける。人混みに入ってしまった場合は、カバン等は身体の前にしっかり持つ。
○見ず知らずの人物が勧める飲食物(クッキーやジュース等)を安易に口にしない。
○夜間の外出や単独行動は控える。やむを得ず外出するときは、街灯、電灯の無い場所は避け、場合によっては懐中電灯を携行する。
○強盗と遭遇したときは、身の安全を第一に考え、抵抗しない。
○在ネパール日本国大使館、警察、病院等の緊急連絡先をメモして携行する。

(2)悪質な旅行業者への対策
 法外な料金でトレッキング等の契約を結ばせ、旅行者が、料金が高すぎるとして解約あるいは返金を要求すると、高額なキャンセル料を要求する業者がいます。このような被害に遭わないために、次の点に注意してください。

○トレッキング等の手配は、ネパール渡航前に信頼できる旅行会社を通じて行う。
○現地でトレッキング手配を申し込む場合は、複数の旅行会社から料金やサービス内容を聞き、慎重に比較検討する。その際、料金やキャンセル料を十分に確認する。
○契約時に旅行会社の説明を記録し、その説明と契約書の内容が同じであることを確認する。契約書がネパール語で書かれている場合は、必ず英文等理解可能なものを要求する。
○契約を巡って旅行会社からの被害に遭った場合は、ツーリストポリス(観光警察)に被害届を提出するとともに、在ネパール日本大使館に連絡する(ツーリストポリスでは、旅行者の苦情が正当なものであると判断した場合には、旅行会社との仲裁を行います)。

(3)テロ対策
 テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年では、単独犯によるテロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発するなど、テロの発生を予測し未然に防ぐことがますます困難となっています。
このように、テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

● 査証、出入国審査等
(新型コロナウイルス感染症の影響により、現時点で査証の発給や入国審査には各種制限があり、急な手続きの変更が行われる可能性もありますので、手続きの詳細や最新の情報については、駐日ネパール大使館(電話:03-3713-6241~2)にお問い合わせください。)

1 査証
(1)査証
 ネパールに入国するためには査証(ビザ)が必要です。観光査証は、各国所在のネパール大使館・総領事館の他、トリブバン国際空港(カトマンズ)や国境の入国管理事務所(陸路の場合)で取得できます(2021年3月1日現在、到着査証の発給、陸路での入国には、ネパール政府の事前承認が必要)。
通常、査証取得手続きには、有効な旅券(申請時に有効期限6か月以上必要)及び記入済みの申請書と米ドル現金の申請料が必要です。申請料は滞在期間15日で30米ドル、30日50米ドル、90日125米ドルです(2021年1月1日現在)
なお、陸路による入国時に申請する場合は、写真1葉(タテ45mm、ヨコ35mm)が必要です。

(2)滞在許可の延長手続き
 観光査証で入国した後に滞在日数を延長する場合は、滞在期間が年間150日を超えない範囲で、カトマンズとポカラにある入国管理局で滞在許可(Stay Permit)の延長手続を行うことができます。延長には、申請書と手数料(延長15日まで45米ドル、その後1日につき3米ドル)が必要です。滞在許可の延長手続きをせず許可日数を超えて滞在していた場合は不法滞在となり、超過した日数に応じた反則金が、また超過日数が150日を超える場合は罰金が科せられるとともに、不法滞在者として逮捕され、拘留されることもあります(不法滞在歴が長期にわたる場合や罰金の支払い能力がない場合は、刑務所で服役する場合もあります)。旅行日程が変更になり、延長手続が必要な場合は、必ず滞在期間の残っている間に手続きを行うよう注意してください。

2 出入国審査
 ネパール各地の出入国地点は、トリブバン国際空港(カトマンズ)、パシュパティナガル(東部イラム郡)、カカルビッタ(東部ジャパ郡)、ビラトナガル(東部モラン郡)、ラスワ(中部ラスワ郡)、コダリ(中部シンドゥパルチョーク郡:2015年4月の地震後閉鎖中)、ビルガンジ(中部パルサ郡)、ベルヒヤ(通称スノウリ:西部ルパンデヒ郡)、ジャムナハ(通称ネパールガンジ:中西部バケ郡)、モハナ(極西部カイラリ郡)及びガッダチョウキ(極西部カンチャンプール郡)の11か所です。ただし、その時々の治安情勢によっては、当該地点からの出入国を避けた方がよい地点もあります。必ず「たびレジ」に登録し、領事メールの配信により最新の情報を確認するとともに、海外安全ホームページに記載の「危険情報」や「スポット情報」等をご参照ください。
また、入国スタンプが無いことを理由に出国できない事例が報告されています。空路、陸路ともにボーダー(国境)を越える場合は、必ず旅券(パスポート)に出入国スタンプが押されていることを確認してください。

3 外貨申告
 入国時に5,000米ドル相当額を超える外貨を持ち込む場合は、申告が必要です。ネパール・ルピーの国外持出しは禁止されていますので、使い残したネパール・ルピーは出国時に空港内の銀行等で、外貨に交換してください。入国時に外貨から両替した額まで再両替することが可能ですが、両替時に受け取った外貨換金証明書の提示が必要です。なお、空港では外貨が足りず希望額まで再両替ができない可能性もありますので、事前に市内で両替しておくことをお勧めします。

4 通関
(1)持込み制限
○国際線を利用して、以下の個人用品を持込み、または預け荷物とする場合、その物品をネパール国内で売却せず持出すことを条件として免税となります。
・双眼鏡1台
・タブレットまたはノートパソコン1台、ビデオカメラ1台、カメラ1台
・ポータブル音楽システム1セット
・衣類、家庭用品
・乳母車1台、三輪車1台、自転車1台
・時計1個
・携帯電話1台
・金装飾品50グラム、銀装飾品100グラムまで

○携行する次の物品は、免税となります。
・酒類1リットル以下のもの1本、または缶ビール1ダース(容量は問わず本数で規定)まで
・紙巻タバコ200本、葉巻50本または葉タバコ250グラムまで
・カメラフィルム15本、ビデオカメラフィルム12本まで
・1,000ネパール・ルピー(約1,000円)相当額までの医薬品(ネパールへの輸入が禁止されている医薬品を除く)
・5,000ネパール・ルピー相当額までの食料品(缶詰を含む)
・2,000ネパール・ルピー相当額までの新鮮な果物

この規定に反し、税関に申告せず、または隠匿して発送や携行をした場合、物品は没収され、法律により処罰されます。

(2)骨董品等の国外持出し規制
 ネパール国内で購入した骨董品は、製作後100年未満の物に限り、考古局の許可を得て、国外へ持ち出すことができます。購入者において100年未満であると判断しても許可証が無い場合は、出国時に没収される可能性がありますので、購入した骨董品の製作年に関する相談は、考古局に直接ご相談ください。
その他一般的な物品については、ネパール国内で両替した金額相当のネパール・ルピー+5万ネパール・ルピーまでは、購入した物品(土産物含む)を輸出許可なしに発送または携帯により持出しできます。

(3)動植物、昆虫
 動植物、昆虫をネパール国外に持ち出す場合は、森林保全省の許可が必要です。無許可でこれらの物を持ち出すことは、法律によって禁止されています。

<日本人が検挙された例>
○クワガタ虫271匹を密輸出しようとした日本人2名が検挙
○クワガタ虫214匹を密輸出しようとした日本人が検挙

(4)医薬品の持込み、持出し
 医療用麻薬を含む医薬品の携帯により持込み、持出しの手続きについては厚生労働省の以下のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html

● 滞在時の留意事項

1 滞在時の各種届出
○ネパール政府に対して外国人登録を行う必要はありませんが、滞在の目的に見合った査証を取得しておく必要があります。

○在留届
 ネパールに3か月以上滞在される方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後遅滞なく在ネパール日本国大使館に「在留届」を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、在留届電子届出システム(オンライン在留届、https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をお勧めしますが、郵送、ファックスによっても行うことができますので、在ネパール日本国大使館まで送付してください。

○「たびレジ」
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、ネパールで事件や事故、自然災害等が発生した際に、在ネパール日本国大使館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

2 旅行制限
 ヒンドゥー教の施設の主要部分には、宗徒以外は立入りができませんので御注意ください。また、牛革靴など牛革製品を身につけての入場を禁止されている施設もありますので、注意してください。

3 写真撮影の制限
 空港及び軍関係施設の写真・動画の撮影は禁じられています。また、観光客がよく訪れるカトマンズ市内にあるクマリ寺院の「生き神様」と呼ばれる少女及びいくつかのヒンズー教寺院、一部の博物館等の撮影も禁じられています。その他、一部の大使館を含む外国施設でも撮影を禁じられている場所がありますので、十分注意してください。

4 各種取締法規
(1)薬物
 ネパールでは薬物に対する取締りが厳しく、空港での荷物検査も例外ではありません。外国人であっても違反した場合には禁固刑及び罰金刑に処せられます。観光客の集まる場所では薬物の購入を勧める密売人をよく見かけますが、安易に手を出すと取り返しのつかない結果になります。また、「日本にいる友人に荷物を届けてほしい」と頼んでくるネパール人がいますが、知らないうちに薬物の運び屋として利用されることがありますので、そうした依頼は決して引き受けないでください。さらに、お金に困っている日本人に荷物を運べば高額の報酬を支払うと声を掛けられ、親切心や打算から安請け合いをして、想像しなかった事態に陥る例が報告されています。慎重に考えて行動してください。

(2)喫煙
 ネパールでは、公共施設等、喫煙禁止場所が法律で指定されています。この法律に違反した場合は、100~1,000ネパール・ルピーの罰金が科せられます。具体的な場所は以下のとおりです。これらは例示的な場所であり、これ以外の場所でも取り締まられる場合もあります。不用意に喫煙をすることのないよう十分注意してください。

○政府施設及びその関連施設
○教育施設、図書館及び学生寮
○空港施設内
○公衆トイレ
○文化センター、ホテル(喫煙可の自室除く)、レストラン
○公共交通機関(マイクロバス、テンプー)及びその待合所

(3) 刑法の改正(「宗教に関する犯罪」)
 ネパールでは、2018年8月に刑法規定の「宗教に関する犯罪」部分が改正されたことにより、宗教活動(布教活動のみならず、改宗を持ちかけたと疑われるような行為を含む)に対する取締まりが厳しくなっています。実際に、外国人の逮捕例もありますので、十分注意してください。なお、この法律に違反した場合は、5年以下の懲役および5万ネパール・ルピー以下の罰金が科せられます。

5 交通事情
(1)交通マナー
 ネパールの道路事情として、陥没や未舗装、歩道の未整備等が多く見受けられます。また、信号機の多くは使用されておらず、横断歩道も少ないため、歩行者は車両の合間を縫って横断しなければなりません。さらに、交通ルールやマナーに対する意識は非常に希薄であることに加え、歩行者優先という概念はなく、交差点での一時不停止、無理な追い越し、違法駐車、無秩序な道路横断等が日常化しており、慣れない外国人旅行者にとっては非常に危険です。

(2)道路状況等
 ネパールは、インフラの整備が遅れており、道路や歩道等が整備されていない場所が多く、そのうえに、街灯等の設備がありません。夜間に徒歩で移動することは道路の穴や側溝等に足を取られ転倒するなどして怪我をするおそれが高く非常に危険であり、強盗、ひったくり等にあう可能性も高くなります。カトマンズ市内では、道幅が狭いことや自動車・オートバイの増加により、昼間帯の渋滞が恒常化しています。さらに、道路にはオート三輪、自転車、歩行者、牛、野犬等が混在し、その隙間を縫って自動車が走行するため、路上では細心の注意が必要です。自身で運転する場合はスピードを出しすぎないように注意してください。また、脇道からの車両・バイク・人等の飛び出しに十分注意してください。

(3)運転免許証
 ネパールで自動車を運転するには、現地の運転免許証の取得が求められます。現在、日本の運転免許証からネパールの免許証への切り替えは行われておりませんので、運転免許証をネパールで新規に取得する必要があります。取得には交通局で筆記(ネパール語)・実技試験を受験し、合格する必要があります。なお、外国人であっても、バイク・自動車を購入する際にはネパール保険(日本の自賠責保険に相当)への加入が義務付けられていますので、注意してください。

(4)交通事故
 交通事故の被害者になった場合、加害者の加入保険には限界があり、ネパールでは日本と異なり十分な補償を受けられない場合が多いため、病院での高額な治療は期待できません。道路を横断する際には十分注意してください。また、当地の交通事情に慣れないうちは、レンタカーを利用する際も自身で運転せず、必ず運転手付きのレンタカーを使用してください(これまでも日本人の交通事故例は多数報告を受けています。路上で歩行中、バイクや車に衝突されて大けがした事例や逆にバイクを運転していて交通事故を起こし、相手に大けがをさせて賠償金を払った加害例もあります)。
 万一、交通事故の当事者となった場合は、すぐに警察に通報してください。

(5)検問
 カトマンズ市内を始め各地において、武器や薬物の密輸を取り締まるため、恒常的に警察や軍による検問が行われています。陸路で移動する場合、検問所で乗客全員がバスから降ろされ、全員の身分事項、荷物検査が終わるまで出発する事ができず、長時間待たされた例も報告されています。

(6)タクシー、バス
 タクシーはスピードの超過や無理な追い越しを行う傾向があります。そのためタクシーを利用する際は、危険を感じたら運転手にすぐ注意することが必要です。
地方への長距離バスは、転落事故・追突事故が毎年各地で多数発生しており、多くの死傷者が出ています。安価なローカルバスや夜行バスの利用は避け、安全のため、長距離の移動は飛行機を利用してください。

● 風俗、習慣、健康等

1 新型コロナウイルス
 新型コロナウイルスに関する感染症危険情報が発出されていますので、外務省ホームページなどを通じて動向を注視してください。ネパールへの出入国制限等については、駐日ネパール大使館等に問い合わせるなどして最新情報を確認してください。

2 風俗、習慣
 ネパールの多数の国民が信仰するヒンドゥー教は、牛を「聖なる動物」として扱っています。例えば、路上にいる牛を自動車ではねた場合は、厳しい罰則が適用される可能性があります。地元民との接触の際は、「牛肉を食べる」等の牛に関わる話題は避けるとともに、左手は不浄とされていることを理解し、食事の際は右手のみを使って食べることをお勧めします。また、頭に神が宿っているとの宗教的な考えがありますので、むやみに子供の頭を触ることのないよう注意してください。

3 衛生事情
 水と食べ物には十分な注意が必要です。ネパールは衛生状態が非常に悪いため、外食する際は生野菜のサラダはなるべく避け、熱の十分通っているものを選んでください。また、カトマンズであっても上下水道が完備されていないため生水は飲用に適さず、風呂やシャワーの水質も劣悪です。飲用には信頼できるミネラルウォーターを口にすることをお勧めしますが、それでも気になる場合は、ミネラルウォーターを一度煮沸して飲むようにしてください。地方でのトレッキングでは、川の水や湧き水は絶対に飲まないようにしてください。さらに、飲食店での氷が入っている飲物も控えてください。カトマンズでは、大気汚染が酷いため、外出の際にはマスクの着用をお勧めします。

4 病気
(1)概要
 ネパールは地形的に変化に富んでいるため、気候や風土が地域によって大きく異なります。したがって、健康上注意すべき点も、高山病からマラリアなどの熱帯病にいたるまで多岐にわたります。首都圏のカトマンズ盆地で注意すべきものは、第一に感染性腸炎(いわゆる下痢症:腸チフスを含む)であり、次に、ウイルス性肝炎と狂犬病があります。南部のタライ地域では、これらの他に蚊に媒介されるマラリア、デング熱、日本脳炎などが加わります。ちなみに、2019年は、カトマンズを含むネパール全土で、デング熱が大流行しました。防蚊対策は充分行ってください。
(参考)感染症広域情報:
◎アジア大洋州におけるデング熱の流行
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2017C013.html
◎狂犬病~もし咬まれたらすぐに医療機関へ
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2016C034.html

(2)予防接種
 日本からネパールへの入国に際して義務付けられている予防接種はありませんが、健康管理の点から、A型肝炎・B型肝炎・破傷風・日本脳炎・狂犬病・腸チフス・経口コレラの予防接種が薦められます。小児は日本の定期予防接種に加えて、成人同様、上記ワクチンの接種が推奨されます。ワクチンによって接種可能な年齢が異なることがあります。成人、小児とも母子手帳をもとに、接種すべきワクチンを主治医と相談することが必要です。特に、成人で見落とされやすい、麻疹、風疹、水痘、おたふく風邪のワクチン接種歴を確認しておくことはネパールに限らず海外渡航の際には必要です。また、狂犬病ワクチンは、咬まれた後すぐに注射を始めても有効ですので、すぐにワクチンを接種できる場所に滞在する場合は、事前接種は必須ではありません。狂犬病は発病すると致死率の非常に高い病気であるため、接種スケジュールに余裕がある場合は、3回の事前接種を受けておくと安心です(最短3週間で接種可能です)。
その他、必要な予防接種等については、厚生労働省検疫所ホームページ(http://www.forth.go.jp/)を参考にしてください。

(3)高山病
 登山、トレッキングをする場合は、事前に高山病について知っておくことが重要です。ネパールにおける日本人死亡事案のほとんどがトレッキングや登山中のもので、一番多いのが高山病による病死です。高山病は、トレッキングに慣れた人やプロの登山家でもかかる病気です。仲間や友達と一緒に行動している場合、自分のせいで日程やスケジュールを変更させるのは心苦しく、言い出しにくいことから、無理をして最終的に重症化してしまう例が見られます。高山病は早急に対処すれば重症化しないため、体調がおかしいと感じた場合はすぐに同行者に相談するとともに、自分だけは大丈夫と思い込まず、常に高山病の可能性を頭に置いて行動してください。高山病死を減らす目的でヒマラヤ救助協会は、カトマンズ市内のトレッカーが多く宿泊するタメル地区や人気のトレッキングコースのあるペリチェ、マナンで高山病についての啓蒙活動( http://www.ueda.ne.jp/~sherpa/hsa/hra.html (邦訳))を行っています。
日本旅行医学会の高山病の項を参照することもお勧めします。( http://www.jstm.gr.jp/knowledgemebio08
カトマンズで、高山病の予防と啓発を行っている機関の連絡先は次のとおりです。
○ヒマラヤ救助協会(The Himalayan Rescue Association)
電話番号:(国番号977)1-4440292、4440293
ホームページ: http://www.himalayanrescue.org/

5 医療事情
 ネパールは医療施設が不十分なため、旅行中に病気・怪我等で入院したとしても、ネパール国外への緊急移送等が必要となる場合が多くあります。ネパールへの旅行を計画している場合は、万一に備えて、緊急移送サービス等十分な補償内容の海外旅行保険に必ず加入してください。

「世界の医療事情」において、ネパール国内の衛生・医療事情等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。
◎世界の医療事情(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/nepal.html
 
6 その他の留意事項
(1)トレッキング、登山
 トレッキングをする場合、トレッキング許可証が必要となる山やトレッキング・ルートが制限されている地域がありますので、カトマンズの出入国管理事務所や旅行会社での確認が必要です。トレッキング許可証は出入国管理事務所で取得できます。登山の場合、27の指定された山であれば、ネパール山岳協会で許可証を取得できますが、それ以外の山の場合は、登山許可証を観光省で取得する必要があります。必ずネパール政府に登録しているトレッキング会社を通じて手続きを行ってください。事前手続きをせずに現地に赴き、旅行中止を余儀なくされた例や逮捕事案となった事例も報告されています。なお、国立公園には入園料が必要な公園があります(ジバプリ国立公園、チトワン国立公園等)。ネパールでは、トレッキングと言っても標高3,000メートル以上のルートが多く、常に高山病にかかる危険を伴います。体調に異常を感じたら、その場に留まり休憩をとるか下山をしてください。上述のとおり、仲間に迷惑をかけるからもう少し我慢しようなどと考えることは命取りになります。十分注意してください。最近トレッカーが道に迷ったり、不慮の事故に遭ったりする例も報告されていますが、そのほとんどがガイドを付けない単独行動によるものです。不案内な土地のため事故の予見ができなかったことや事故発生後の対応が後手に回った結果、死亡した事例もあります。必ず信頼できるガイドを付けるようにしてください。

(2)マオイスト
 マオイスト(王制打倒をけん引した統一共産党毛沢東主義派)から分派した団体の中には、現在政党として活動しているものもあり、過激な活動は行っていません。しかし、内戦時代の暴力部分を踏襲したマオイスト・チャンド派等の一部過激派グループは、外国企業を含む企業に対する恐喝や外国人トレッカーに「通行料」や「寄付金」と称して金銭の支払を強要しているという報告があります。また、マオイストを名乗る偽マオイストが同様の行為を行っている例も確認されています。トレッキングを計画している場合は次の点に注意してください。

○旅行会社から目的地に関する最新の情報を入手した上でトレッキングコースを決める。
○マオイストに遭遇する可能性を極力減らすため、次の点に注意する。
・政府・軍施設に隣接した宿泊施設の利用は避ける。
・政府・軍関係車両には近づかない。
・「ここからマオイストの支配地域である」とネパール語で岩に書かれていたり、横断幕が掲げられていたりする地域があるので、書かれた内容をガイドに確認し、マオイストの支配地域である場合には立ち入らない。
○マオイストに遭遇した場合は、次の点に注意して行動する。
・相手を刺激するような言動はしない。
・交渉はガイドに任せる。「通行料」の支払いに備え、あらかじめ小銭を用意しておく。
・国籍を確認された場合は、パスポートの写しを提示する。
・「通行料」を支払った場合は、必ず領収書をもらう(二重徴収を避けるため)。なお、マオイストに遭遇した場合には、現地警察に届けるとともに、旅行会社及び在ネパール日本国大使館に報告してください。

(3)野犬
 都市部であっても、夜間になると野犬の活動が活発になり、襲われる危険があります。危険を避けるため外出はできるだけ車を利用してください。万一、徒歩で出かける必要があるときは、通り道に野犬を確認したら迂回することお勧めします。むやみに棒などで追い払おうとすると、かえって怒らせ危険な状況になる可能性があります。

● 緊急時の連絡先

◎警察:TEL 100(緊急時)
    TEL 1144、4247041(ツーリストポリス:カトマンズ市)
◎消防:TEL 101
◎在ネパール日本国大使館
   :TEL(代表)(国番号977)-1-4426680
※在留邦人向け安全の手引き
 在ネパール日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」もご参照ください。

(問い合わせ先)
○外務省領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)5139
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)   (内線)3047
○領事局政策課(感染症関連)(内線)5367
○外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
https://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

○在ネパール日本国大使館
住所:1253 Narayan Gopal Sadak Panipokhari, Ward No.3, Kathmandu(North), Nepal (P. O. Box 264)
電話:(市外局番01)4426680
国外からは(国番号977)-1-4426680
  FAX :(市外局番01)4414101
  国外からは(国番号977)-1-4414101
ホームページ:https://www.np.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

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