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中華人民共和国(中国)
テロ・誘拐情勢

更新日 2021年03月03日

1 概況
(1)中国政府の発表によれば、中国におけるテロ事件は主として新疆ウイグル自治区内で発生しています。
(ア)新疆ウイグル自治区では、ウイグル族を主体とする少数民族の一部がいくつかの地下組織を結成し、同自治区全域を領土とするイスラム国家「東トルキスタン国」の建設を目的として民族独立運動を行っているといわれています。
(イ)特に1990年代以降、新疆ウイグル自治区では、無差別殺傷事件、地元の政府・共産党要人の暗殺、行政府庁舎への襲撃等の凶悪事件が頻発するようになったとされています。2014年にはウルムチ市等で多数の一般市民が犠牲となった事件、2015年には海外の過激組織から指揮を受けたテロ集団が同自治区アクス地区の炭鉱を襲撃し、多数の死傷者が出た事件、2016年には、警察幹部等が死傷した同自治区ホータン地区における爆破事件、2017年には同自治区皮山県の住宅区で暴徒3名が刃物で襲撃し、住民5名が死亡、5名が負傷した事件が発生しています。同自治区においては引き続きテロとされる事案が発生しているほか、同自治区以外においてもテロ襲撃未遂事件が検挙されています。

(2)中国政府は、2003年12月、東トルキスタン・イスラム運動、東トルキスタン解放組織、世界ウイグル青年代表大会及び東トルキスタン情報センターの4つの組織をテロ組織として認定し、これらの組織の幹部等11名をテロリストとして認定したと発表しました。さらに、2008年10月及び2012年4月、東トルキスタン・イスラム運動の幹部等をテロリストとして認定したと発表しました(2008年:8名、2012年:6名)。中国政府によれば、これらの組織のうち、東トルキスタン・イスラム運動及び東トルキスタン解放組織については、国際テロ組織アル・カーイダとつながりがあるとされています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 中国政府が認定した4つのテロ組織のうち、アル・カーイダとつながりがあるとされた2つの組織の活動状況は、中国政府の発表や報道によると次のとおりです。
(1)東トルキスタン・イスラム運動:Eastern Turkistan Islamic Movement(ETIM)
 政教一致の「東トルキスタン国」の独立を目指すテロ組織で、1997年にハサン・マフスームとアブドゥルカディル・ヤプカンが組織しました。1998年から1999年にかけて活発にテロ活動を行っており、2002年9月11日に国連によりテロ組織と認定されました。2013年11月にトルキスタン・イスラム党を名乗る団体が北京市天安門前で発生した車両突入・炎上事案を「聖戦」と評価し、今後、人民大会堂を含む中国国内の複数の地点で襲撃活動を行うとする声明を出しましたが、中国政府は、この声明を出した団体は、東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)と同一組織であるとしています。また、このトルキスタン・イスラム党を名乗る団体は、2014年3月に雲南省昆明市の昆明駅周辺で発生した事案及び4月に新疆ウイグル自治区ウルムチ市のウルムチ南駅周辺で発生した事案について、評価する声明を出すなどしています。また、報道によれば、2015年に密出国しようとしていた者5名が東トルキスタン・イスラム運動への参加を企てていたとされます。

(2)東トルキスタン解放組織:Eastern Turkistan Liberation Organization (ETLO)
「東トルキスタン国」の独立を目指すテロ組織で、別名は東トルキスタン民族党。1996年にムハンメテミン・ハズレットによって組織されました(本部はイスタンブール)。中国や中央アジアでテロを行っており、2003年には、メンバーがキルギスで新疆ウイグル自治区に向かうバスを焼き討ちし、中国人16名、キルギス人4名を死亡させました。2005年9月には、同組織に属する「天山獅子隊」を名乗るグループが、今後あらゆる手段を使って中国政府に対する武装闘争を発動すると宣言したことが報じられました。

3 誘拐事件の発生状況
 中国国家統計局によれば、全国の公安機関による児童及び婦女の誘拐・人身売買事案の立件数については、2019年中4571件となっています。
 誘拐の主な対象は中国人の富裕層、幼児を含む若年層等であり、外国人を狙った誘拐事件は多くありません。しかし、かつては、日本人を被害者とする誘拐事件も発生しています。

4 日本人・日本権益に対する脅威
(1)2013年10月に北京市天安門前で発生した車両突入・炎上事案により日本人も負傷しました。また、トルキスタン・イスラム党を名乗る団体は、今後、人民大会堂を含む中国国内の複数の場所で襲撃活動を行うと宣言したとされます。報道によれば、2015年中、遼寧省瀋陽市、浙江省温州市等において、襲撃を計画等していたテロリストも検挙されています。
(2)中国において、日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年では、単独犯によるテロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発するなど、テロの発生を予測し未然に防ぐことがますます困難となっています。
 このように、テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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