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中華人民共和国(中国)
安全対策基礎データ

更新日 2023年06月30日

1 基本的な注意事項
 中国には独自の政治・法制度や社会文化、また、過去の歴史認識等をめぐる複雑な対日感情があることを強く認識し、トラブルに巻き込まれないよう十分注意してください。
 犯罪被害に遭った場合は、直ちに警察(110)に通報し、公安局(最寄りの派出所)に被害を届け出ることが肝要です。被害の届け出が遅れたり、現場管轄外の公安局派出所へ届け出たりした場合、被害届が受理されないことがあります。なお、届出書が受理されると、担当警官の氏名と連絡先を記した受理票(「報案」)が発行されます。諸手続きに「報案」を含めた関係書類を提示してください。
 交通事故を含む各種被害の届出は、発生後直ちに公安局に報告するように努めてください。時間の経過により、現場や被害状況の確認等が難しくなります。
 万一暴力や強盗等の被害に遭った場合は、相手が凶器を所持している可能性があるため、身の安全を第一に考え、抵抗せず、避難の方法を検討してください。金品より生命の方が大切です。

2 犯罪発生状況
 中国政府の統計によると、2021年の各種刑事事件の立件数は合計502万7,829件で、前年比約5%増加しています。刑事事件のうち、殺人事件の立件数は6,522件(前年比約9%減)、傷害事件の立件数は8万2,476件(前年比約4%増)、強盗事件の立件数は9,700件(前年比約14%減)、強姦事件の立件数は3万9,577件(前年比約18%増)、女性・子供の誘拐事件の立件数は2,860件(前年比約6%減)、窃盗事件の立件数は160万2,450件(前年比約3%減)、詐欺事件の立件数は195万4,276件(前年比約2%増)となっています。

3 被害やトラブルの例及びその対策例
(1) スリ、ひったくり、置引等
<被害例>
○両替時、パスポートやクレジットカード、現金等が入ったバッグを両替所のカウンターに置き、両替商とのやりとりに気をとられている間に置き引きに遭った。
○レストランでの食事の際、空いていた隣の椅子に貴重品が入ったバッグを置いていたところ、置き引きに遭った。
○上着を椅子の背もたれにかけて食事をしていたところ、内ポケットに入れていた財布を盗まれた。
○空港でチェックイン等の手続中、スリ・置き引きの被害に遭った。
○空港での保安検査後に、荷物を受領する際、別の旅行客に旅券や自分の荷物を誤って持って行かれた。
○利用予定であった航空便が天候不良等によりキャンセルされた際に、空港の出発ロビー等で、航空会社職員を称する者に、航空券があたかも変更や払戻し等ができないかのように説明され、実際には、当該航空券の変更が可能であったにもかかわらず、新規に別会社の航空券を購入させられた。
○空港チェックイン時、係員を装った人物から声を掛けられ、航空券が無効である、またはチェックイン時間は既に終了していると言われ、新たに航空券を買わされた。
○空港の出発ロビーで、係員を装った人物から、航空会社へのチェックインを「代行」すると言われ、パスポートや航空券を預けた結果、手続後に法外な「手数料」を要求され、支払いに応じないとパスポート等を返還しないと脅された。
<対策>
○周囲の状況を常に確認・警戒する。
○貴重品の管理は怠らない。
○パスポートや財布、携帯電話等の貴重品は、一つにまとめずに分散して管理をするよう心掛ける。身体に密着するバックやウエストポーチなどに入れ、常にバックが自分の前面の目の届く位置になるよう携行する。また、人目の多い場所でパスポートの出し入れをする際は細心の注意を払う。
○外出の際は、多額の現金や各種カード、高価な物品をむやみに携行しない。
○スーツケース等の大型荷物からは目を離さない。
○座席の間隔が狭いレストランや現地の人でにぎわう食堂、また、ホテルや空港のカウンター等は、置き引きに遭いやすい場所となるので、バッグなどは、椅子にかけたり、床等目の届かない場所には置いたりしない。
○椅子の背もたれに上着をかけない。かける場合には、貴重品は必ずポケットから取り出す。
○空港における保安検査時は、パスポートの所在に注意する。
○天候不良等により搭乗予定便がキャンセル・遅延等した場合、必ず所持する航空券の航空会社カウンター(または航空券の購入先)で確認し、変更手続をする(空港等で声をかけてくる見知らぬ人物をむやみに信用しない)。

(2) タクシーでの被害(ぼったくり、荷物の持ち去り等)
<被害例>
○利用したタクシーの運転手から不当に高い料金を請求された。
○空港のタクシー乗り場に行列ができていたので、到着ロビーで声をかけてきた、いわゆる「白タク」に乗ったところ、降車の際、数万円に相当する料金を請求されたため、高額すぎると苦情を言ったところ、運転手が罵声を上げはじめたことから、恐怖を感じ、言われたままの額を払わざるを得なかった。
○空港で「白タク」に乗車し、目的地とは違う人里離れた暗い場所へ連れて行かれ、車から引きずり降ろされた上に暴力を振るわれ、身ぐるみ剥がされた。
○タクシー降車の際、トランクからスーツケースを取り出す前に走り去られ、スーツケースを盗まれた。
○空港にある正規のタクシー乗り場から乗車したところ、メーターを使用することなく値段交渉してきた。
○タクシーの支払いで100元札を出したところ、運転手から「このお札は受け取れない。他の札を出してくれ。」と紙幣を巧妙にすり替えられてつき返され、偽札を渡されていたことが後刻判明し、数百元の被害に遭った。
○街中や有名観光地で「白タク」や無許可営業の三輪車を利用したところ、法外な料金を脅し取られた。
<対策>
○タクシーを利用する際は、極力携帯アプリでの利用を心がけ、空港や観光地で見られる「白タク」や「無許可の三輪車」の利用は避ける。
○メーターを搭載していないタクシーの利用は避け、やむを得ず利用する場合に備え、あらかじめ相場を調べる等した上で事前交渉を行い、不当な請求に応じないよう予防する。ただし、利用者側が相場以下の値段を主張して、逆に運転手から暴行を受けるおそれもあるので注意する。
○料金の支払いには電子決済をする。現金の場合釣り銭を用意していない運転手が多いので、100元札の使用を避け、小額紙幣(10元、20元)による支払いを心掛ける。
○トランクに入れた荷物の持ち去り等の被害を回避するため、乗車前に利用する車の外観やナンバープレートを撮影する、運転手の名前を控える、運転手の様子に不審な点を感じる場合はその車に乗らない、降車時にトランクの開扉を指示して荷物を全部下ろした後に料金を支払う。
○降車時の車内に忘れ物がないかどうか必ず確認する。万が一のために領収書は必ず受領する。
○できる限り女性一人では乗らず、複数人で乗るように心掛ける。
○正規の会社が提供する配車アプリを使用し、利用中の運転手に不審な動きがあった場合には、アプリ上の「安全中心」ボタン及び「一鍵報警」を押し、すぐに警察に通報する。
○配車アプリ上で表示された車のナンバーとは異なる車が来た場合には、乗らないようにする。

(3) 決済時の被害(偽札、カードのスキミング)
 中国では電子決済が広く普及しており、日常生活で現金を使用することはほとんどありません。しかし、電子決済利用のためには原則として中国国内の銀行口座が必要であることから、一時的に滞在する外国人による利用は困難です。現金の使用は引き続き可能ですが、偽札防止のため、支払時に偽札検知器が使用されることがあります。
<被害例>
○出張時にデビットカードを使用したところ、その後10分以内に、口座から覚えのない理由で数百万円が引き落とされた。
○ショッピングモール内のATMで現金を引き出したところ、偽札が多く含まれていた。
○街中の両替所で中国元に両替しようとしたところ、中国元ではなく交換レートが低い台湾ドルを渡されたが、気が付かずそのまま受け取った。
<対策>
○クレジットカードやデビッドカードの暗証番号を他人に見られたり盗撮されたりしないよう、入力時には手元を隠す。また、目の前で従業員がカードの操作を行うことを確認する。
○被害を認知したら直ちに銀行やカード会社に支払い停止の手続をするとともに、公安に被害を届け出る。
○信頼性の高い銀行で引き出しや両替を行う(「冠字号碼」の表示のあるATMは、引き出した紙幣の番号を控える機能を備えているので、引き出した札が偽札であった場合、金融機関に訴えることが可能)。
○両替は、空港や銀行、ホテルフロントで行い、換金証明を受け取る。また、受け取った金額や通貨の種類が間違っていないか、その場で確認する。

(4) 繁華街での被害(「買春」は違法です)
 売買春行為や性的サービスは違法であり、「治安管理処罰法」の適用を受け、サービスを受けた側も処罰の対象となります。検挙された場合、最高15日以内の拘留及び5,000元以下の罰金が科せられるほか、国外退去処分を受け、その後中国へ一定の期間入国禁止になる場合があります。また、このようなサービスを受けたことを家族に伝えるなどの脅迫を受ける可能性もあります。
<被害例>
○繁華街の路上で「日本語を勉強しているので教えてくれないか」等と片言の日本語で声をかけられ、一緒に入店した飲食店で高額な料金を請求された。
○白昼から営業している「茶館」の客引きに声をかけられ入店したところ、いかにも怪しげな「バー」ではなかったので安心していたが、ワイン等が提供され、最終的には数十万円相当の高額な料金を請求された。支払いには応ない旨伝えたものの、脅されてクレジットカードの暗証番号を明かして全額支払わされた。
○「マッサージ」店に入店したところ、店内で「性的サービス」を強要或いは提供され、その後屈強な男に囲まれ数十万円相当の金銭を恐喝された。
<対策>
○見知らぬ人物(特に日本語話者)を安易に信用せず、知らない店舗について行かない。話しかけられたら用心を怠らず常に警戒心を持ち続ける。
○怪しいマッサージ店の勧誘には乗らないよう十分注意する(特に上海市において多くの事案報告あり)。

(5) 振り込め詐欺
<被害例>
○「公安」を名乗る者から携帯電話に連絡があり、「あなたは検察により起訴されている。証拠の文書とあなたの写真があるので送付する。」と言われ、それらしき画像が送付されてきた。その後、「ただちに銀行振込で罰金を支払うことでこの刑が免除される。最高人民検察院のホームページにログインし、必要な個人情報を入力するように。」との連絡があり、誘導されたホームページに、カード番号等個人情報を入力した結果、多額のお金が口座から引き落とされた。
<対策>
○検察、裁判所、公安などの公的機関、銀行、携帯電話会社、ネットショップを自称する不審な問い合わせや通報には応対しない。また、不審なメールやショートメッセージのリンクは開かず、クレジットカードや銀行のキャッシュカードの番号や暗証番号等は決して明かさない。
○不審と感じたら、相手の氏名や所属先を聴取し、インターネット等で存在を確認し、存在する場合には所属先にかけてみる。

(6) 市内観光時の被害
<被害例>
○街中で勧誘された観光ツアーに参加したところ、予定されていた観光地に行けず、更に法外な料金を請求された。
○土産物店において、不要なものを強引に買わされた。
<対策>
○無許可営業の旅行会社が企画している可能性があるため、現地で観光ツアー等に参加する場合は、あらかじめ信頼できる旅行会社を通じて手配する。
○強引な押売は毅然と断る。

(7) ホテル等における対策
○貴重品は、室内またはフロントのセーフティーボックスを利用するよう心がける。(ただし、フロントやセーフティーボックスが絶対安全というわけではない)
○ホテルの室内であっても貴重品は放置しない(ベッドメーキング等で入室したホテル従業員が貴重品を盗む可能性もあるので注意する)。
○ホテル、マンション内の自室に見知らぬ人物が訪ねてきたら、ドアを開けることなく、フロントや管理人等に通報し、確認を依頼する。

(8) 麻薬等違法薬物犯罪
 中国政府は、大麻・麻薬類や覚醒剤等の密輸、販売、運搬、製造、所持、譲渡を厳しく取り締まっており、いわゆる「運び屋」行為をした日本人が検挙されるケースも多数発生しています。違反者には厳罰(最高刑は死刑)が科せられ、1972年の日中国交正常化以降7人の日本人に対して死刑が執行されています。
 麻薬等違法薬物犯罪に巻き込まれないためには、薬物に関係しているような怪しい人物とは関わらないように留意し、薬物使用等に関する誘いや、怪しい物品の保管や運搬の依頼は断固として断ることが肝要です。
 また、薬物の「運び屋」として利用されないよう、空港等においては、他人の荷物は絶対に預からない、知らない間に手荷物に薬物などを入れられたりしないよう、荷物の自己管理を徹底する必要があります。他人に騙されたこと等による麻薬密輸についても、重い刑罰が科せられます。例え他人に騙された、知らない間に手荷物に混入していた等と弁明しても、弁明が裁判所など中国当局に受け入れられる可能性は極めて低いとされています。見知らぬ人はもとより、たとえ知り合いであっても、他人の荷物を安易に預かり、中国国外に持ち出したり、中国国内に持ち込んだりすることは絶対に避けて下さい。

4  テロ情勢
 近年では、単独犯によるテロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発するなど、テロの発生を予測し未然に防ぐことがますます困難となっています。
 このように、テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_009.html )や報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

5  在留邦人向け安全の手引き
 中国各地に所在する日本国大使館や総領事館等が現地在留邦人向けに作成した「安全の手引き」もご参照ください。
 https://www.anzen.mofa.go.jp/manual/china_manual.html

1 査証(ビザ)、出入国審査
(1) 査証の申請
 一般旅券を所持する日本国民に対する中国滞在15日までの査証免除措置については停止されています。
 2023年3月15日から、観光を含むすべての査証について申請が可能になっています(査証申請時に指紋を採取される)。また、有効な「居留許可」を所持する方、APEC・ビジネス・トラベル・カード(ABTC)を所持する方などは査証取得不要とされています。また、2020年3月28日以前に発給された有効期限内の査証は有効とされています。

(2) PCR検査、隔離等
 現在、中国出入国前48時間以内のPCR検査または抗原検査、入国後のPCR検査、指定施設における隔離及び出入国する際の健康申告は不要となっています。

(3) 出入国審査
 外国人(14歳~70歳)は中国入国時に指紋を照合されるとともに顔画像を撮影されます。
 また、中国の出入国審査においては「自動化ゲート」が利用可能です(長期滞在者のみ、要事前登録)。しかし、「自動化ゲート」を利用すると出入国印がパスポートに押されません。ホテルでの宿泊の際に入国日を確認されることがあるため、「自動化ゲート」利用の際には、出入国の証憑を印刷するサービスがあるので、これを併せ利用することをお勧めします。

2 税関・検疫手続
(1) 現金
 海外から中国へ無申告で持ち込める外貨は、5,000米ドル相当額と人民元20,000元までです。これを超える外貨や人民元を持ち込む場合は、税関での申告が必要です。外貨から人民元への換金は、空港内、市中銀行、主要なホテルで可能です。
 中国から海外へ無申告で持ち出せる外貨も5,000米ドル相当額までであり、加えて、人民元は20,000元までです。5,000米ドル相当額を超えて10,000米ドル相当額までの外貨を持ち出す場合は、中国国内の預金している銀行から許可証を取得する必要があります。さらに10,000米ドル相当額以上を持ち出す場合は、中国国内の預金している銀行から許可証の取得に加え、外貨管理局の許可を受ける必要があります。
 過去には、数百万円の日本円の現金を無申告で持ち出そうとした日本人旅行者が、税関で指摘され、約50万円(5,000米ドル相当額)のみ持出すことが認められたものの、残りの数百万円は留置扱いにされ、返還手続に相当の時間と費用を要した事例があります。無申告で多額の現金を持ち出す行為は控えてください。

(2) 物品
 入国時の持込み禁止品としては、武器、中国の政治・経済・文化・道徳に有害な印刷物や記憶媒体等、麻薬類などがあります。中国以外では一般的とされる書籍や刊行物であっても、中国税関で「中国の政治・経済・文化・道徳に有害」とみなされて没収される場合があります(特に地図)。税関窓口の担当官に抗弁しても聞き入れないケースが多いので、持込みには十分注意してください。
 中国からの持出し禁止品は、上記以外に、貴重文物(古美術・骨董類)、絶滅に瀕する貴重動植物(標本も含む)及びその種子・繁殖材料等があります。
 わいせつな書籍や画像等の持込み、持出しは処罰の対象になります。起訴され、刑の執行が終了するまで、長期間、中国から出国できなかった例があります。
 貴重文物の持出しについては、「文物保護法」等に基づき、1911年以前の文物は一律に持出しが禁止されています。また、1911年以降の文物であっても分類分けされ、厳しく制限されていますので注意が必要です。文物の持出しの許可については、各地の文物局が担当となりますので、文物を購入する際には、購入先や文物局に海外への持出しが可能であるのかを確認してください。たとえ「自由市場」等で購入した文物であっても、貴重文物に該当する品物を国外に持ち出そうとすると、密輸罪が適用され、重刑(最高は無期懲役。中国の「刑法」第151条)を科されることがあります。
 楽器の「胡弓」には、ワシントン条約に基づいて日本への持込みが規制されているニシキヘビの皮が通常使われていることから、中国の関係当局が発行した輸出許可証を所持せずに持ち出すことができないため、注意が必要です。
 本人が滞在中に個人で使用することを目的としてカメラ、ビデオカメラ、ノートパソコン等を持込む場合には、税関申告をする必要はありません。ただし、これら物品の中で、出国時に持って出る予定のない2,000元以上の価値を有するものがある場合は、入国時に、税関に対し、「税関申告書」に必要事項を記入して提出する必要があります。

(3) 動植物の検疫
 動植物及びその製品の持込み(別送手荷物を含む)は、原則禁止されています。具体的には肉類・魚類及びその加工品、乳製品(ミルク、バター、チーズ等)、卵・マヨネーズ、果物や野菜、その種子や苗木、動物の死体・標本、土壌などです。
 ペットの持込みは、検疫に合格した犬と猫のみが認められます。ウサギやハムスター、カメ、鳥類などその他の動物の持込みは認められません。なお、持込み可能な数は、飼い主1人に対し1匹に限られます。

(4) 医薬品の持込み
 処方薬を中国に持込む場合、税関への申告が必要です。処方薬の持込みは、個人で使用する合理的な量に限られ、薬とともに、処方箋、処方量、診断書等(英文)を税関に提示して持込み可否の判断を受けます。医療用麻薬・向精神薬についても基本的な手続は同じです。
 医療用麻薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続については厚生労働省の以下のホームページをご確認ください。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html

1 パスポートの携帯
 「出入国管理法」により、16歳以上の外国人はパスポートを携帯し、公安機関の検査に備えなければならないとされています。また、ホテルへの宿泊、交通機関(航空機や長距離の鉄道・バス)の利用、主要観光地への入場の際にパスポートの提示を要求されます。
 万一の紛失に備えて、パスポートの写しや写真(人定事項を記載したページ)をとり、パスポートとは別に保管してください。
 パスポートを紛失した場合には、(1)最寄りの派出所における「事案発生証明」入手、(2)出入境管理局における「パスポート紛失証明」入手、(3)大使館(総領事館)におけるパスポート再発給、(4)出入境管理局における中国ビザ取得が必要となります。特に(4)について、北京では最長10営業日が必要とされています。

2 滞在期間の延長
 悪天候による帰国便の欠航や、急病で入院した等、本人の責に帰すものでない理由から滞在期間を延長せざるを得ない場合は、滞在地の公安局に対し、航空会社の欠航証明書や病院の診断書などを添えて滞在期間の延長申請ができるとされています。個別に公安局の出入境管理部門に照会してください。

3 居留・宿泊の際の「登記」
 「出入国管理法」により、外国人は、居住または宿泊開始後24時間以内に管轄の公安機関において「登記」をする必要があり、これを怠ると2,000元以下の罰金が科せられます。
 サービスアパートやホテルに居住、宿泊する場合は施設が「登記」を行いますが、友人宅や会社社宅などに宿泊する場合、日本から来た親族や友人を自宅に泊める場合、個人でアパートの長期賃貸契約を結ぶ場合は、自ら「登記」を行う必要があります。
 なお、「居留許可」の申請や居留期間延長等の手続を行うためには、「登記」に基づいて発行される「臨時住宿登記表」が必要となります。

4 「居留許可」
 入国後「居留許可」手続きを要するとされている外国人(就労または180日を超える長期滞在者)は、中国入国後30日以内に管轄の公安機関において「居留許可」を申請する必要があります。
 居留期間を延長する場合は、「居留許可」有効期間満了の30日前までに申請が必要です。「居留許可」の発行や居留期間の延長には最長15営業日が必要とされています。
 また、パスポート番号の変更など「居留許可」の内容に変更が生じた場合は変更事由が生じた日から10日以内に変更の申請が必要です。

5 就労
 あらかじめ、労働部局から「就労(工作)許可」を受けた上で、就労査証(Zビザ)を取得する必要があります。短期間の渡航であっても、現地受入先への技術指導や興行等は就労にあたるとされます。渡航目的が就労に当たるか否かについては、個別に確認してください。
 中国入国後は、労働部局から「外国人工作許可証」の発行を受け、管轄の公安機関において「居留許可」を申請します(手続前に就労した場合出入境管理法違反で罰則を受ける可能性があるので注意してください)。居留期間の延長の際に「外国人工作許可証」の更新も行う必要があります。
 「出入国管理法」には、不法滞在には1万元以下の罰金または15日以下の拘留を科す、不法就労には2万元以下の罰金及び15日以下の拘留を科し悪質な場合は国外退去処分とするとあります。なお、留学生やインターンシップの資格保持者はアルバイトが可能とされてはいるものの、その手続は極めて複雑で、実際に許可を得られることはほとんどないようです。

6 出国制限
 「出入国管理法」には、未結了の民事事件を抱え裁判所が出国を許可しない場合、外国人は出国できないとあります。実際に、民事事件の被告となり中国を出国できなくなった日本人のケースがあります(パスポートを差し押さえられることもあります)。
 また、「出入国管理法」には、刑事事件の被告人または被疑者である場合、刑事罰の執行が完了していない場合、外国人は出国できないともあります。

7 二重国籍者
 父母の一方を日本人、もう一方を中国人として中国で出生した者は、日本と中国の国籍を取得します。
 中国政府は二重国籍を認めていないので、中国国内において日本人として長期滞在や就学する予定である場合、中国において「退籍」(国籍離脱)の手続を検討する必要が生じる可能性が高くなります。中国の「退籍」手続が完了するまでには長期間(2~3年程度)を要しますので、あらかじめご留意ください。
 二重国籍状態の者が、中国旅券を使用して中国に入国した場合、中国政府は中国人として取り扱うため、邦人援護を行う必要が生じた時に困難が生じる可能性がありますので、あらかじめご注意ください。

8 交通事故
 2021年の中国における交通事故による死亡者数は6万2,218人となっています(同年の日本では2,636人)。
 交通ルールの大きな違いは走行車線が逆の右側通行であることや多くの交差点では赤信号でも車両の右折が可能であること等です。また、電動自転車、バイク等の小型車両が交通ルールを守らず信号無視や逆走、歩道上を走行することもあるので、車を運転する時はもとより、歩行中であっても十分な注意が必要です。また、当然のことながら飲酒運転は中国でも違法行為です。違反した場合には法律によって厳正に処罰されますので、飲酒運転は絶対にしないでください。
 万一、交通事故に遭遇した場合は、まず交通警察(122)に通報してください。事故現場の保存が義務づけられていますので、警察官の到着までは車両は決して移動させないでください。
 なお、被害に遭っても、日本と中国の経済格差や賠償に関する法制度の違いから、事故を起こした相手方から十分な賠償を受けられるという保障はありません。渡航の前に海外旅行保険に加入することをお勧めします。

9 いわゆる「スパイ行為」等
(1)中国は、2014年に「反スパイ法」(反間諜法)を制定し、2023年4月には「スパイ活動」への対策を強化する改訂を行う(7月1日施行)等、「国家安全」に危害を及ぼす行為への対策を強化しており、注意する必要があります。

(2)2023年改訂「反スパイ法」第4条にはスパイ行為の類型について新たな内容が追加されています。また、「(六)その他のスパイ活動を行うこと」との規定が引き続き置かれており、列挙されているもの以外にも様々な行動が幅広くスパイ行為とみなされる可能性があります。

○2023年改訂「反スパイ法」(下線部は改訂前同法第38条と改訂同法第4条との比較で追加された箇所です。)
第4条 本法に言うスパイ行為とは以下の行為を指す。
(一)スパイ組織及びその代理人が実施する、若しくは他人に指示、資金援助して実施する、又は国内外の機構、組織、個人がそれと互いに結託して実施する、中華人民共和国の国家安全に危害を及ぼす活動。
(二)スパイ組織に参加する、若しくはスパイ組織及びその代理人の任務を引き受けること、又はスパイ組織及びその代理人に頼ること
(三)スパイ組織及びその代理人以外のその他の国外の機構、組織、個人が実施する、若しくは他人に指示、資金援助して実施する、又は国内の機構、組織、個人がそれと互いに結託して実施する、国家秘密、インテリジェンス及びその他国家の安全と利益に関わる文書、データ、資料、物品の窃取、偵察、買収、不法提供、又は国家の職員を策動、誘惑、脅迫、買収し、裏切るようにさせる活動。
(四)スパイ組織及びその代理人が実施する、若しくは他人に指示、資金援助して実施する、又は国内外の機構、組織、個人がそれと互いに結託して実施する、国家機関、秘密に関わる機関若しくは重要情報インフラ等に対するサイバー攻撃、侵入、妨害、制御、破壊等の活動
(五)敵に攻撃目標を指示すること。
(六)その他のスパイ活動を行うこと。
 スパイ組織及びその代理人が中華人民共和国の領域内において、又は中華人民共和国の公民、組織その他の条件を利用し、第三国に対するスパイ活動に従事し、中華人民共和国の国家安全に危害を及ぼすものは、本法を適用する
※中華人民共和国反間諜法(https://www.gov.cn/yaowen/2023-04/27/content_5753385.htm

(3)刑法上の「スパイ罪」の罰則規定等
ア 刑罰(いわゆる「スパイ罪」)
(ア)「刑法」第110条:次の各号に掲げるスパイ行為の一つがあり、国家の安全に危害を及ぼした場合、10年以上の懲役又は無期懲役に処する。情状が比較的軽い場合は3年以上10年以下の懲役に処する。
  (一)スパイ組織に参加し、又はスパイ組織及び代理人の任務を引き受けること
  (二)敵に攻撃目標を指示すること
(イ)「刑法」第111条:国外の機構、組織又は人員のために、国家秘密又はインテリジェンスを窃取し、偵察し、買収し、又は不法に提供した者は、5年以上10年以下の懲役に処する。その情状が特別に重い場合には、10年以上の懲役又は無期懲役に処する。その情状が比較的軽い場合には、5年以下の懲役、拘留、管制又は政治的権利の剥奪に処する。
(ウ)「刑法」第113条:上記刑法第110条の罪や刑法第111条の罪等について、国及び人民に対する危害が特別に重大であり、または情状が特別に悪辣である場合には、死刑に処することができる。
  この章の罪を犯した場合には、財産没収を併科することができる。

イ 行政罰
  反スパイ法第54条により、行政拘留(15日以下)や罰金(5万人民元以下または違法所得の2倍以上5倍以下)に処される可能性があります。

(4)留意事項
上記の刑法、反スパイ法で規定された行為のほか、中国では、「軍事施設保護法」、「測量法」等に違反するとされる行為も「国家安全に危害を及ぼす」として取り調べの対象となり、国家安全部門による長期間の拘束を余儀なくされるのみならず、懲役等の刑罰を科される可能性があります。
具体的にどのような組織や人物が「スパイ組織及びその代理人」に該当し、どのような行為が「スパイ行為」として取り調べや拘束、刑罰の対象となるかが明らかにされておらず、また、これらの法律の内容が当局によって不透明かつ予見不可能な形で解釈される可能性もあるところ、特に以下の諸点に十分留意してください。また、最近の行為のみならず、過去に行った行為についても調査や拘束等の対象になり得ますので注意が必要です。

ア 中国の反スパイ法にあるように、中国政府の国家秘密、インテリジェンス等を持ち出したり、国外の組織に国家秘密、インテリジェンス等を提供したりするのみならず、国家秘密、インテリジェンス等に該当するとされる情報(文書、データ等を含む)を何らかの手段で取得、保有しただけで、「スパイ行為」とみなされ、厳罰に処されるおそれがあります。特に(手書きのものを含む)地図を所持しているだけで、その対象とみなされる可能性があります。

イ 「軍事禁区」や「軍事管理区」と表示された場所は、軍事施設保護法により、許可なく立ち入ったり撮影したりすること等が禁止されていますので、特に注意する必要があります。

ウ 無許可のまま国土調査等を行うことは違法です。GPSを用いた測量、温泉掘削などの地質調査、生態調査、考古学調査等に従事して地理情報を収集、取得、所有等をした場合も、「国家安全に危害を及ぼす」として国家安全部門に拘束される可能性があります。

(5)その他
また、「統計法」では外国人による無許可の統計調査も禁止されており、学術的なサンプル調査(アンケート用紙配布等)を実施する場合などでも、調査行為が法律に抵触することがありますので、共同調査を実施する中国側機関(学校等)との十分な打合わせが必要です。活動内容が「調査」や「情報収集」に該当する可能性がある場合には、細心の注意が必要です。

10 写真撮影、政治活動、宗教活動、集会等
 軍事関係の施設・設備、国境管理施設などの一部の公的施設等では写真撮影が厳しく制限されており、逮捕に至らなくても当局から一時拘束され、撮影した写真を調べられ、削除を求められる事例が少なくありません。また、一般市民や少数民族等による街頭デモなどの政治活動を写真撮影していて、警察官から撮影データの削除をその場で求められたり、記憶媒体を取り上げられたりした例もあります。撮影した対象が国家機密に触れると判断された場合は重罪となりますので、決して興味本位でこれらの施設等を撮影しないようにしてください。スケッチも取締り対象になる可能性があります。なお、一部の博物館、美術館等では写真撮影が禁止されています。撮影可能な場所なのか事前によく確認しておくことが肝要です。
 政治的と見なされる外国人の集会や行進、示威的な活動等を行うことは厳しく制限されています(「集会遊行示威法」等)。これらの活動に参加し、公安局等主管機関の関係法令等に違反した場合、活動の種類や程度によって処罰を受けます。単にビラを配布しただけでも、その記載内容が違法または犯罪と認定されれば、厳罰が科せられることになります。
 中国では外国人の宗教活動は厳しく制限されており、2018年に全面改正された「宗教事務条例」や「外国人宗教活動管理規定」等の宗教関連法令の規定に基づき、外国人の宗教活動管理が厳格化されています。個人の「信教の自由」は認められているものの、中国政府の宗教当局から許可を受けていない外国人や外国の宗教団体が、独自に対外的な宗教活動を行うことは事実上困難です。非公認の宗教団体の活動、非公認場所での宗教活動、許可を得ていない外国人による宣教活動や集会等はすべて取締り対象となり、特に外国人が中国人に対して布教することを禁止しています。外国人が「違法宗教活動」に従事したとみなされると、当局に拘束され、拘留や強制退去処分を受ける場合があります。
 中国では、集会の開催が厳格に規制されており、特に外国人による集会の開催は強く警戒されます。50人以上の集会の開催は公安局(派出所)への届出が必要であり、規模によっては公安の上級機関において集会の許可を取得する必要があります。さらに、政府の重要な会議の期間など、各地の警備強化期間には、集会の届出が受理されないこともあります。開催を予定している場合には、主催団体により、早めに公安局に届け出る必要があります。50人未満であっても、外国人が定期的に集まっているだけで監視対象となり、仮に中国の政治体制や社会秩序に反する活動(反政府集会、非合法宗教集会等)とみなされた場合には関連法令によって取締りの対象となるとされています。
 なお、中国においては、携帯電話やパソコンといった通信機器については、盗聴されている可能性もあることを認識し、また、WeChat等のSNSの他、電子メールのやり取りについても、同様な状況にあることを意識して利用してください。

11 対日感情
 一般的に、中国人は日本人の言動に敏感なところがあるため、節度ある言動が望まれます。特に、日本語の罵り言葉は比較的広く浸透しており、思わぬトラブルになることがあります。
 また、過去の歴史にかかわる以下のような「記念日」においては、日本関連の行事開催には慎重な検討が望まれます。
 5月4日(1919年)  五・四運動(反帝国主義、反封建主義運動)
 6月5日(1941年)  重慶爆撃
 7月7日(1937年)  廬溝橋事件
 8月15日(1945年)  終戦記念日
 9月3日(1945年)  「抗日戦争勝利記念日」
 9月18日(1931年)  柳条湖事件(満州事変)
 12月13日(1937年) 南京入城(「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」)
 日本や日中関係を巡って中国人の対日感情が悪化した場合、日本の大使館や総領事館、企業や商店を標的としたデモ等が発生することがあります。街中でデモ等を見かけた場合には、近づかないようにしてください。2012年には、尖閣諸島を巡って中国国内で中国人の反日感情が高まり、各地で抗議デモが発生し、大使館、総領事館や日系企業が被害に遭った他、日本人が暴行を受ける、日本人をタクシーには乗せない、ホテルに宿泊させない等の事案も発生しました。

12 旅行制限
 チベット自治区への入域に際しては、旅行会社を通じて「入境証」を事前に取得する必要があります。
 中国には、外国人が特段の許可を取ることなく自由に行ける「開放地区」と制限区域に該当する「未開放地区」(立入禁止区域)があります。かつては多くの場所が未開放地区でしたが、最近では市や県といった行政区画単位で丸ごと「未開放地区」である場所はほとんどなくなりました。しかし、ごく一部の地域で「未開放地区」が設けられており、そのリストが公開されていないことから、外国人にとってはその存在が非常に分かり難くなっています。特に、外国人がほとんど訪問することのない地域を訪れる場合には、同地が「未開放地区」である可能性が高いので、事前に旅行会社等に確認してください。

13 在留届の届出
 中国に3か月以上滞在される方は、旅券法第16条により、「在留届」を提出することが義務付けられています。また、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後または連絡先が確定次第、遅滞なく最寄りの日本国大使館または各日本国総領事館に「在留届」を提出してください。なお、日本への帰国や他国に転居することにより、届出事項に変更が生じたとき(一時的な旅行を除く)には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、在留届電子届出システム(「オンライン在留届」、(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録が便利ですが、郵送、FAXでも受け付けておりますので、最寄りの在外公館まで送付してください。

14 「たびレジ」への登録
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、中国で事件や事故、自然災害等が発生した際に、日本国大使館や各日本国総領事館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

1 少数民族
 中国では漢族のほかに55の少数民族があり、総人口の約8%を占めています。都市部においても教義にのっとり飲酒をしない者(回族など)がおり、チベット自治区や新彊ウイグル自治区においては、独自の信仰を有する少数民族が多数居住しています。それぞれの民族の風俗、習慣への配慮が必要です。
 また、新疆ウイグル自治区については、民族問題に起因すると思われる無差別殺傷事件や社会不満を背景とした爆発事件が発生し、極めて厳しい治安対策がとられており、各所で警察官による職務質問、身分証の提示や金属探知機による検査等が求められているので十分な注意が必要です。

2 飲酒
 中国では、年配者や地方在住者を中心に、宴席においてお酒の一気飲みを要求する習慣があります。「白酒(バイチュウ)」というアルコール度数の高い蒸留酒もあり、これを何度も一気飲みするのは危険です。実際にお酒の飲みすぎで死亡した日本人もいます。また、酩酊状態からパスポートを含む貴重品を紛失する方も多数います。無理をせず節度のある飲酒に努めてください。

3  健康等
(1) 大気汚染
 北京など華北地方を中心に、地域・季節によって、中国の各地で粒子状物質(PM2.5)を主因とする深刻な大気汚染が発生することがあります。大気汚染が深刻な時には、外出時にはマスクをする、室内では空気清浄機を使用する等の対策が必要です。

(2) 食の安全、衛生
 地域によっては衛生状態は必ずしも良くありません。伝染病や寄生虫病予防のために、生ものは口にしないなど衛生面に注意してください。特に、小さな飲食店の中には衛生上の問題がある店もあり、露店での飲食等にも注意が必要です。農薬の使用や粗悪な食品の販売など、食品安全上の問題も心配されますので、食料品の購入にあたっては、多少高くても信頼できる店や商品を利用し、野菜や果物はよく洗浄する等注意してください。水道水はかなり硬度が高いので、料理・飲用には必ず沸かしてから使用してください。ミネラルウォーターのペットボトルは簡単に購入できます。

(3) その他感染症
 鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染症例が各地で発生しており、A(H5N6)等その他の型のヒト感染例も報告されています。現段階では持続的なヒト-ヒト感染の事例はありませんが、特に地方に赴く場合、不用意に家畜・鳥に近寄ったり触れたりしない、外出先から帰ったときは手洗いを励行するなど、衛生管理に十分留意してください。
 A型、B型肝炎の感染例も比較的多く、長期滞在する場合は予防接種をお勧めします。また、中国では狂犬病による死者が毎年出ていますので、特に地方での滞在が長くなるような場合は、狂犬病の予防接種をお勧めします。

(4) 海外旅行保険
 中国で診察や治療を受けるにはまずその代金を支払う必要があります。また、保険に入っていないと高額な医療費・移送費を全て自己負担しなければならなくなります。急病で入院した旅行者の中には、入院保証金として1日あたり1万元を請求された例もあるほか、日本への緊急移送には商用機利用でも百万円以上、チャーター機では数百万円がかかります。万一に備え、十分な補償内容の海外旅行保険に加入しておくことを強く勧めます。
 なお、クレジットカードに付帯されている保険については、緊急移送等十分な補償が付帯されているか等の付保内容や渡航地での連絡先等を確認しておくことが肝要です。

4 辺境旅行
 辺境地区では、外国人が宿泊できる施設が全く存在しない地域もありますので、施設の有無を事前に確認してください。
 チベット自治区(区都ラサの標高は3,650m,シガツェは3,850m,チベット・青海(青蔵)鉄道全線の平均海抜は約4,500m(最高地点は5,072m)等)や雲南省、新疆ウイグル自治区において、日本人旅行者が高山病、心筋梗塞や脳溢血、肺炎を発症して死亡したり、緊急入院したりするケースが見られます。無理な旅行計画は立てず、体調が芳しくないときには十分休息をとり、水分補給を心掛けてください。特に、高齢の方は健康面の留意が必要です。
 また、辺境地区は自然環境が厳しく、農村部は交通や通信も不便なため、事前に十分な準備をしておくことが不可欠です。毎年、南部を中心とした中国各地で台風や大雨による洪水や土砂崩れが発生し、多くの被災者が出ており、気象関係の情報にも留意が必要です。なお、新疆ウイグル自治区からパキスタンへの移動を予定している場合は、事前にパキスタンの情勢を十分に把握し、不要不急の渡航中止を含めて慎重にご検討ください。

◎警察:110※
◎消防署:119※
◎交通事故:122※
◎救急車:120※(北京は999も)
 (※国内共通)
 なお、在中国日本国大使館及び各日本国総領事館の連絡先については、(問い合わせ先)をご参照ください。

○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、f2903

(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)5145
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局政策課(感染症関連)(内線)5367
○外務省海外安全ホームページ
  http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地公館連絡先)
○在中国日本国大使館 (管轄地域:北京市、天津市、陝西省、山西省、甘粛省、河南省、河北省、 湖北省、湖南省、青海省、新疆ウイグル自治区、寧夏回族自治区、チベット自治区、内蒙古自治区)
  住所:北京市朝陽区亮馬橋東街1号
  電話:(市外局番010)- 8531-9800(代表)、(市外局番010)-6532-5964(邦人援護)
   国外からは(国番号86)-10-8531-9800(代表)、(国番号86)-10-6532-5964(邦人援護)
  FAX:(市外局番010)-6532-9284
   国外からは(国番号86)-10-6532-9284
  ホームページ:https://www.cn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在広州日本国総領事館(管轄地域:広東省、海南省、福建省、広西チワン族自治区)
  住所:広州市環市東路368号花園大厦
  電話:(市外局番020)-8334-3009(代表)、(市外局番020)-8334-3090(領事・査証)
   国外からは(国番号86)-20-8334-3009(代表)、(国番号86)-20-8334-3090(領事・査証)
  FAX:(市外局番020)-8333-8972(代表)、(市外局番020)-8388-3583(領事・査証)
   国外からは(国番号86)-20-8333-8972(代表)、(国番号86)-20-8388-3583(領事・査証)
  ホームページ:https://www.guangzhou.cn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在上海日本国総領事館(管轄地域:上海市、安徽省、浙江省、江蘇省、江西省)
  住所:上海市万山路8号
  電話:(市外局番021)-5257-4766
   国外からは(国番号86)-21-5257-4766
  FAX:(市外局番021)-6278-8988
   国外からは(国番号86)-21-6278-8988
  ホームページ:https://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在重慶日本国総領事館(管轄地域:重慶市、四川省、貴州省、雲南省)
  住所:重慶市渝中区鄒容路68号 大都会商廈37階
  電話:(市外局番023)-6373-3585
   国外からは(国番号86)-23-6373-3585
  FAX:(市外局番023)-6373-3589
   国外からは(国番号86)-23-6373-3589
  ホームページ:https://www.chongqing.cn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在瀋陽日本国総領事館(管轄地域:遼寧省(大連市を除く)、吉林省、黒龍江省)
  住所:瀋陽市和平区十四緯路50号
  電話:(市外局番024)-2322-7490
   国外からは(国番号86)-24-2322-7490
  FAX:(市外局番024)-2322-2394
   国外からは(国番号86)-24-2322-2394
  ホームページ:https://www.shenyang.cn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在瀋陽日本国総領事館大連領事事務所(管轄地域:大連市)
  住所:大連市西崗区中山路147号 森茂大廈3F
  電話:(市外局番0411)-8370-4077
   国外からは(国番号86)-411-8370-4077
  FAX:(市外局番0411)-8370-4066
   国外からは(国番号86)-411-8370-4066
  ホームページ:https://www.dalian.cn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在青島日本国総領事館(管轄地域:山東省)
  住所:青島市香港中路59号 国際金融中心45F
  電話:(市外局番0532)-8090-0001
   国外からは(国番号86)-532-8090-0001
  FAX:(市外局番0532)-8090-0024
   国外からは(国番号86)-532-8090-0024
  ホームページ:https://www.qingdao.cn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

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