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テロ・誘拐情勢

2017年10月23日

1.概況
(1)2015年8月,首都バンコクにおいて爆発事件が発生し,20人が死亡,日本人1人を含む多数が負傷しました。現地当局によれば,実行犯数人が逮捕されましたが,未だに多くの関係者が逃亡しているとみられています。
 また,2016年8月には,観光地であるプーケットやフアヒン等中南部7県において,連続爆発事件が発生しました。
(2)2004年以降,タイ南部において,イスラム分離独立主義系過激派の活動が活発化し,軍の武器庫襲撃・武器強奪事件,警察署襲撃事件,学校等への放火事件,空港,市場,歓楽街等での爆弾テロ事件,教師,仏教徒及び公務員に対する殺害事件等が頻発しています。
 
2.各組織の活動状況又は各地域の治安情勢
(1)タイ南部・分離独立派武装組織
 タイ南部で発生している事件の背景は不明な部分が多く,タイ南部で「パタニー王国」の復活を標榜する分離独立派武装組織のほか,地元マフィア等の犯罪組織の関与が指摘されています。タイ政府は,南部における治安情勢の回復を最重要課題の一つに掲げていますが,爆弾テロ事件や暗殺事件等は依然続発しており,事態が収まる兆しはみられません。報道等によれば,2004年から13年間で7000人近くが死亡したとされています。
(2)ISIL(イラク・レバントのイスラム国),ジェマ・イスラミーヤ等イスラム過激派組織
 2002年10月のインドネシア・バリ島における爆弾テロ事件の発生を受けて,タイ治安当局は外国人が多く集まる観光地を中心に警戒を行ってきました。2015年8月のバンコクでの爆発事件や,近年の東南アジアにおけるイスラム過激派組織ISILに影響を受けたとされるテロ等の発生を受け,より警戒が強化されています。
 現在,タイ政府は,国内にはISILやジェマ・イスラミーヤ(JI)等のイスラム過激派組織の活動はないとしていますが,ISIL関係者が複数名タイに入国したとの報道もあります。
 また,これまで,JIによるテロ事件の発生は確認されていませんが,2003年,同組織の主要メンバーがタイで逮捕されています。
(3)バンコク
 バンコクにおいては2015年8月17日,中心部のラチャプラソン交差点において爆発事件が発生し,20人が死亡,日本人1人を含む多数が負傷しました。現地治安当局によれば,ウイグル人を主体とする組織犯罪集団による報復目的の犯行とされ,未だに多くの事件関係者が逃亡しているとみられているため,引き続き注意が必要です。

3.誘拐事件の発生状況
 2016年には誘拐事件は1件発生しましたが,日本人を対象とした誘拐事件は確認されていません。

4.日本人・日本権益に対する脅威
(1)タイにおいては,日本人・日本権益がテロや誘拐の直接の標的にされる可能性は低いとみられていますが,2015年8月のバンコクにおける爆発事件においては日本人も被害に遭いました。
(2)また,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件があったほか,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,トルコ,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
(3)このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが,一般には,特定の主義主張に基づき,国家等にその受け入れを強要し,又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は,このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず,外務省が,報道等の情報等に基づき,海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり,本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。