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スリランカ
テロ・誘拐情勢

更新日 2025年02月10日

1 概況
 2019年4月21日、キリスト教の復活祭を祝う日曜日の朝、コロンボ市内の複数の高級ホテルと、国内の複数の教会等において、自爆犯による爆破テロ事件が発生しました。一連の爆破事件により約270人が死亡、500人以上が負傷し、日本人も被害に遭いました。
 これら自爆犯は、全てスリランカ人とされ、スリランカ国内のムスリム団体「ナショナル・タウヒード・ジャマート(NTJ)」や「ジャマーティ・ミラーティ・イブラヒム(JMI)」の関与が疑われています。自爆犯のうち、シャングリラホテルにおける自爆で死亡したと見られるNTJ創設者ザハラン・ハシムが、本事件を主導したとみられています。
 一方で、爆破テロ事件から2日後の4月23日、イスラム国(IS)は、本事件への関与を主張する声明を発表しており、本事件に国際テロネットワークが関与した可能性も否定できないものの、これを裏付ける直接的な証拠は発見されていません。
 2019年のテロ事件以降、各治安機関は連携を強化し、情報を共有することで、各種過激派を厳しく取り締っており、現時点において大規模テロ事件が発生する可能性は低いと見られていますが、2024年10月には、国外からの指示を受けたスリランカ人が、スリランカ南東部の観光地において外国人を標的としたテロを計画していたとして逮捕されています。また、スリランカ国内では、毎月数十件の誘拐事件が発生していますが、外国人が標的にされるケースはほとんどなく、その手口は事件ごとに異なります。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
  「1 概況」のとおり。

3 誘拐事件の発生状況
 スリランカ警察によれば、2024年の略取誘拐及び身代金目的誘拐の発生件数は、それぞれ492件(前年比52件減)、188件(前年比80件減)でした。略取誘拐は、スリランカ人同士が私怨や復讐心から犯すことが多く、外国人が標的にされるケースは稀です。また、近年では物価高騰に伴う生活困窮から富裕層を狙った身代金目的誘拐の発生が増加していますが、各事件に共通する特定の傾向は無く、その手口は事件ごとに異なります。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 日本人・日本権益を標的とした脅威は認められませんが、2019年4月21日に発生した連続爆破テロ事件では、発生日時(キリスト教の復活祭を祝う日曜日)、発生場所(カトリック教会、ホテル)等から、キリスト教徒や欧米人観光客が主な標的にされたと考えられており、現場に居合わせた多くのスリランカ人以外に、日本人を含む外国人が被害に遭っています。犯人グループは死亡又は検挙されたと見なされていますが、残党がいまだに逃走・潜伏中であったり、隠匿された爆発物が未発見である可能性は残されており、更なるテロ攻撃の危険性は排除されません。
近年は、世界的傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
 

テロについて

「テロ」については国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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