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コロンビア
安全対策基礎データ

更新日 2024年10月16日

1 犯罪発生状況
(1)一般情勢
 コロンビア国内におけるテロ、誘拐、殺人の件数は2000年頃のピーク時より大幅に減少し、国内治安は改善を見せています。コロンビアの反政府武装組織「コロンビア革命軍(FARC)」は、2016年に政府と和平合意に署名し、合法政党となり現在和平プロセスが進展しています。2022年8月に就任したペトロ大統領は、Paz Total(全面和平)を掲げ、複数の武装犯罪組織との和平交渉を継続しておりますが、最終的な和平合意に至っておらず、その見通しは不透明な状況です。また、2016年の和平合意に従わないFARC離反兵や「国民解放軍(ELN)」、「クラン・デル・ゴルフォ」等の武装犯罪組織が依然として治安当局への攻撃を継続し、その他麻薬犯罪組織も、誘拐、殺人、恐喝、麻薬の密造・密売等の犯罪を行っていることから注意が必要です。また、窃盗・強盗等の身近で起こる犯罪は近年増加しており、被害に遭わないために十分な注意が必要です。

(2)テロ関連
 コロンビアではELN、FARC離反兵等のゲリラや武装犯罪組織は、治安当局を標的にテロ攻撃を継続しています。これまでに、コロンビアにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、巻き添えに遭う可能性もありますので、十分に用心して下さい。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人もテロ・誘拐の標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等から最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
 2023年中のテロ発生件数は、192件(前年比-386件)です。
 ELNやFARC離反兵ら武装犯罪組織の活動が活発な地域(アラウカ県、ノルテ・デ・サンタンデール県カタトゥンボ地区等)において治安当局や石油パイプライン、空港等を標的とした爆弾テロが発生しています。
 過去に次のような爆弾テロ事件が発生しています。
○2024年7月、カウカ県のサッカースタジアムにおいて、EMC(中央参謀本部)によると思われる爆発物を積載したドローン攻撃があり、観覧していた住民7名が死傷した。
○2022年9月、ウイラ県ネイバ市でFARC離反兵が警察官の乗車する車両を爆発物で攻撃、警察官8名が死亡。
○2022年3月、ボゴタ市のアルボリサドラ・アルタ地区のCAI(日本の交番のような警察施設)の外周で、FARC離反兵の設置した爆発物が爆発、児童2名が死亡、警察官1名を含む30名以上が負傷したほか、CAI及び近隣家屋に物的被害が発生。
○2022年1月、バジェ・デル・カウカ県サンティアゴ・デ・カリ市(通称:カリ)で、警察部隊が乗車した車両に仕掛けられた爆弾が爆発し、警察官13人が負傷。
○2021年1月、アトランティコ県バランキージャ市の商店街で手榴弾が爆発し、1名死亡、14名負傷。

[テロの被害に遭わないための事前対策]
○テロの標的となりやすい場所(軍・警察施設)を避け、極力近づかない。
○十分な安全対策がとられている滞在先(施設・ホテル)を選ぶ。
○ホテル、レストラン等では、非常口や待避ルートを確認する。
○不特定多数の人が集まる場所(観光施設、イベント会場、ショッピングセンター、レストラン、ホテルのロビー、空港のカウンター)での滞在はできるだけ短くし、不穏な動き(不審者・不審物)を察知したら、直ちにその場を離れる。
[被害を最小限にとどめるための対策]
○決してパニックに陥らない。
○爆発音を聞いたら直ちに伏せる。頭部を保護する。
○できるだけ速やかに、低い姿勢で現場を離れる。現場には決して戻らない、近づかない。
○避難が困難であれば隠れる。
○可能であれば、携帯でメッセージを送るなど、外部の援助を要請する。
(詳しくは、https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/counter-terrorism.pdf を参照してください。)
※なお、テロに関する最新情報については、以下に掲載するスポット情報、広域情報等を参照してください
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_248.html#ad-ima

2 主な犯罪と防犯対策
 犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。
 犯罪被害に遭わないための予防策が大切であり、次の点に留意して犯罪被害に遭わないように注意してください。
(1)誘拐
 誘拐事件発生数は2002年(2,882件)をピークに減少したものの、2023年(は223件(前年比+115件)と増加傾向です。近年、邦人被害はないものの、依然として武装犯罪組織による誘拐や一般犯罪組織による短時間誘拐も見られることから注意が必要です。
[注意事項]
 誘拐犯の標的とならないための3原則「用心を怠らない」「行動を予知されない」「目立たない」を日頃から遵守し、具体的には次の事項に注意してください。
○流しのタクシーは利用せず、タクシーアプリ等で呼び出したタクシーを利用する。
○車で移動中に被害に遭う場合もあることから、乗車中も常に周囲を警戒し、日常の移動経路を固定化せず、基本的に窓ガラスは開けない。
○目立つ行動をしない(派手な服装・車・装飾品等、裕福と思われる装いをしない)。
○できるだけ単独行動は避け、複数で行動する。
○住居・宿舎の警備体制(警備機器を含む。)の再点検を行う。
○屋外では、人通りの多い場所を選んで行動する。
○現地の人とは信頼できる者とだけ付き合う(短期間の付き合いで相手を信用しない)。
○使用人を雇う場合は、知人からの紹介等、身元を確認した上で選定する。
○誘拐の予兆を察知したら、直ちに現地警察及び在コロンビア日本国大使館へ連絡する。
(詳しくは https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html を参照してください。)

(2)強盗・窃盗
 強盗・窃盗被害件数は、近年増加しており、路上強盗、自動車強盗、睡眠薬強盗、侵入盗、レストラン、ホテル、空港、公共スペースでの置き引きやスリ等、様々な被害が場所や時間を問わずに発生しています。犯人は隙のある人を標的として選ぶことから、常に注意を怠らないことが必要です。
 コロンビアでは、犯人が刃物や銃器が所持し、複数で犯行に及ぶ場合が多いので、万が一、強盗に遭った場合は、絶対に抵抗せず、犯人の要求に従い、自分の命を守ってください。また、犯人が逃走する際には絶対に追いかけたり、被害品を取り返そうしたりする行為は大変危険です。
<日本人の被害例>
○ボゴタ市
・夜間、車両で自宅アパートに帰宅し、車寄せに駐車したところ、ヘルメットをかぶりけん銃を持った男に頭部を殴打されるも、同アパートの警備員に気づかれたため、付近で待機していた仲間のスクーターに乗り、何も取らずに逃走。
・旧市街を散策中、背後から首を絞められ、金品を奪われた。
・「モンセラッテの丘」登山道で背後から刃物を突きつけられ、金品を奪われた。
・レストランで、突然倒れた近くの席の客を助けていたところ、自分の座席に置いていたバッグを盗まれた。
・トランスミレニオ(バス)、店内、野外コンサート会場で気付かないうちにスマートフォンを盗まれた。
・自転車専用道路(シクロビア)でサイクリング中に親しげに声を掛けられ、しばらく会話したのちに「自転車に乗せてほしい」と頼まれ、乗せたところ、そのまま逃走され自転車を盗まれた。
・徒歩で帰宅途中、スマートフォンにメッセージの着信があり、立ち止まって内容を確認していたところ、近づいてきたバイクに乗った犯人にスマートフォンをひったくられた。
・レストラン前でスマートフォンを手に持って待ち合わせをしていたところ、徒歩で近づいてきた犯人がスマートフォンをひったくり、付近で待機していた仲間のバイクの後部座席に乗って逃走した。
・レストランで食事中、体の脇に貴重品が入ったバッグを置いていたが、気づかないうちにバッグが盗まれていた。
・路上駐車してスーパーで買い物をして車に戻ったところ、窓ガラスが割られ車内においていた現金等の入った鞄が盗まれていた。
○メデジン市
・異性との交友目的でマッチングアプリを利用し、接触したところ美人局の被害にあった。
・路上で金品を奪われ、取り返そうと抵抗したところ、けん銃で撃たれ、命を失った。
・自宅に侵入され、縛られた上で金品を奪われた。
・女性から親しげに声を掛けられ、一緒に観光し、食事をしていたところ、意識を失い、目が覚めたら金品を盗まれていた。
○その他
・カルタヘナ市では短時間誘拐、サンアンドレス島では路上強盗被害など、国内の様々な場所で、路上強盗の被害が発生している。

[注意事項]
○貴重品から目や手を離さない。
○車を路上駐車しない。車から離れるときは外から見えるところに荷物を残さない。
○バッグ、上着、ズボンのポケットなどの盗まれやすいところには、貴重品を入れない。
○人混みの中で、体が不自然に押されたり触られたりしたときは、すぐに所持品を確認する。
○カバンはいつも手から離さず、やむを得ず手を離しても体に触れるよう置く。
○カバンから目を離さない。自分の周りで気を引くようなことが起きたら、まず持ち物をしっかりと確認する。
○食事中は鞄が自分の体に密着するように置き、背もたれに掛けない。
○路上でむやみに携帯電話を操作しない。
○強盗に遭った場合は、絶対に抵抗せずに犯人の要求に従う。
○住居選びの際は、24時間警備員が付くアパートの高層階(最上階を除く)が望ましい。
○不要な夜間の外出を避ける。
○単独での行動を避ける。

(手続や規則に関する最新の情報については、駐日コロンビア大使館(電話:03-3440-6451)に問い合わせてください。)

1 査証
 コロンビアの査証には、短期滞在査証(Visa de Visitante)、長期滞在査証(Visa de Migrante)及び永住査証(Visa de Residente)があります。90日以内の観光、商用、親族訪問等、コロンビアで報酬を得ない活動目的で入国する場合、日本人は短期滞在査証の取得は必要ありません。
 婚姻、就労等、短期滞在目的以外の場合は、日本もしくは居住国にあるコロンビア大使館・領事館又はコロンビア外務省ホームページからオンラインで査証の取得が必要です。
※コロンビア外務省のウェブサイト(査証)へのリンク
https://www.cancilleria.gov.co/tramites_servicios/visa
 査証に関連して次のようなトラブルもありますので、滞在目的に合った査証を取得するよう注意してください。
 例えば、就労する目的で、勤務先から就労可能な長期滞在査証を約束されてコロンビアに来たところ、就労が認められない留学の短期滞在査証であったため、約束された報酬を得ることができなかったとの例が報告されています。

2 出入国審査
(1)入国審査
ア 2020年9月から、コロンビア移民庁(Migracion Colombia)の出入国管理アプリ(Check-Mig)に入国フライトの搭乗前に、必要な情報の登録が求められています。入国審査ではパスポートを提示し、滞在目的、滞在期間、滞在先などが確認されます。審査の結果、90日以内の期限で滞在許可が出されるので、滞在許可期限を確認してください。
※Check-Migのウェブサイトへのリンク
https://apps.migracioncolombia.gov.co/pre-registro/public/preregistro.jsf
イ ブラジル等の黄熱流行地を経由して入国される方は黄熱の予防接種証明書の提示が必要です。(下記「● 風俗、習慣、健康等」2(4)参照)
ウ 滞在許可の延長申請の手続きはコロンビア移民庁の公式サイトからオンラインで行う必要があります。滞在許可は最大180日まで延長可能です。

(2)出国審査
ア 2020年9月から、出国前にコロンビア移民庁のアプリCheck-Migに出国の関連情報の登録が求められています。出国時はパスポートを提示し、入国スタンプに記載される滞在許可期限や査証の有効期限を照合されます。長期滞在者は外国人登録証(下記「●滞在時の留意事項」1参照)の提示も求められる場合があります。
※Check-Migのウェブサイトへのリンク
https://apps.migracioncolombia.gov.co/pre-registro/public/preregistro.jsf
イ 永住査証を持つ外国籍の未成年者が単独もしくは父母のいずれかのみに伴われてコロンビアから出国する場合は、当該未成年者の出生証明書(両親の名が記載されたもの。戸籍謄・抄本を基に日本国大使館で発給可能)及び同伴しない親からの出国許可証(PERMISO DE SALIDA)の提示が必要となります。

3 外貨申告
 1万米ドル相当額以上の外貨を持ち込む場合は申告が必要です。申告を怠った場合、30%が没収されます。外貨の換金は銀行や換金所で行うことができますが、一度に換金可能な現金は上限が定められています。

4 通関
 銃器、麻薬類は持込が禁止されています。動物、植物、生鮮食品などは検疫の観点から持込が制限もしくは禁止されています。
文化財、希少動物などは持出が制限又は禁止されています。出国時に所持品検査が行われます。

1 滞在時の各種届出
(1)外国人登録
 長期滞在査証、永住査証を有する7歳以上の外国人は、入国後15日以内にコロンビア移民庁に外国人登録する必要があり、外国人登録証(CEDULA DE EXTRANJERIA、有効期間は最長5年)が発行されます。7歳未満の外国人は、コロンビア移民庁で査証登録が必要で、7歳の誕生日を迎えてから15日以内に外国人登録する必要があります。
住所、職業など登録事項に変更が生じた場合、15日以内にコロンビア移民庁に変更を届け出ないと罰金が科せられます。

(2)在留届
 現地に3か月以上滞在する方は必ず在留届を提出してください。緊急時の連絡などに必要です。日本から海外に転出される方は現地到着の90日前から在留届電子届出システム(ORRネット)を通じて届出することが可能です。また、住所未定であっても届出をすることができますので、遅滞なく在コロンビア日本国大使館に「在留届」を提出してください。また、住所その他、届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をお勧めしますが、郵送によって行うこともできますのでご相談ください。

(3)たびレジ
在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、コロンビアで事件や事故、自然災害等が発生した際に、在コロンビア日本国大使館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

2 旅行制限
 公の旅行制限区域は設けられていませんが、治安上の問題から、立入りを避けることが必要な地域があるので、注意が必要です。

3 写真撮影の制限
 写真撮影が一般的に禁止されている場所や施設はありませんが、軍事施設等では写真が許可されているか確認した上で撮影してください。無用なトラブルを防ぐため、他人を撮影する場合は必ず本人の了承を得ることが必要です。

4 各種取締法規
(1)麻薬
 コロンビアではコカインの密造、密売、密輸の拡大が大きな問題となっています。麻薬犯罪に対しては最長30年の禁固刑が定められ、厳しい取締りが行われているので絶対に関与しないでください。麻薬隠匿の事実を知らせずに荷物運搬を依頼する手口もありますが、事情を知らずに麻薬運搬に関与しても処罰の対象となるので他人から荷物を頼まれても引き受けないでください。

(2)不法就労
 短期滞在資格で就労することはできません。就労が認められた長期滞在査証又は永住査証を予め取得する必要があります。不法就労した場合、罰金が課され、強制退去処分となります。

(3)外国人の政治活動
 永住査証を持つ外国人には地方選挙の投票権が認められていますが、外国人には被選挙権や政治活動の自由は保証されていません。

(4)銃器
 銃器所持には国防省の許可が必要ですが、密輸入や改造銃等の違法銃器が数多く出回り、強盗・殺人等の犯罪に利用されています。街中での流れ弾による負傷・死亡事案も発生しており、注意が必要です。

(5)外出禁止令
 自治体が個別に夜間外出禁止令(16歳以下の未成年は午前1時以降の外出禁止等)を出したり条例で定めたりしています。大きなイベント(選挙、大規模デモ、重要なサッカーの試合など)が予定されている時には禁酒令(LEY SECA)が発令される場合があります。

5 交通事情
 コロンビアは車社会で、メデジン市を除き日常利用できる公共交通機関としての鉄道が存在しません。車両は右側通行です。一般的に車両優先で歩行者を優先する運転マナー意識は見られません。横断歩道を渡る場合も車の通行がないか注意が必要です。
 一般車両、バイク、タクシー、公共バスの運転マナーは自己中心的で、急停車、急発進、無理な割り込みや進路変更が横行しています。運転が荒いバス、タクシー付近での走行は特に注意が必要です。歩行者の飛び出しにも注意が必要です。
 交通事故も多いことから、強制保険のほか、対人・対物保険や盗難保証のついた任意保険への加入をお勧めします。

6  ハーグ条約
 コロンビアは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去り又は留置した場合は、原則的に子が元の常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧下さい。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html

 コロンビアは位置的には国全体が熱帯地方に属していますが、熱帯性気候である低地と温暖性気候である高地では、自然環境も感染症の発生状況も大きく異なっています。首都ボゴタは2,600mの高原に位置し、インフラも整備されており、マラリア、デング熱、ジカ熱の原因となる蚊がいないため、これらの感染症は比較的少ないです。しかし、ブラジルのアマゾンに接する地域や太平洋岸はこれらの感染症が蔓延しているので注意が必要です。一方で最近は温暖化の影響で、高地であるボゴタでもデング熱、ジカ熱の発生の危険性が高まっています。
(参考)厚生労働省FORTH コロンビア情報
https://www.forth.go.jp/destinations/country/suriname.html

1 衛生事情
(1)水
 水系感染症として、コレラ、腸チフス、A型肝炎などが挙げられますが、コロンビアを訪問する前に、腸チフスとA型肝炎の予防接種を受けることは勧められています(他にB型肝炎、破傷風、黄熱病なども推奨)。大都市においては水道水の質の問題は少ないとされていますが、飲料水としては未開封であるミネラルウォーター類(容器入り飲料水)の方がより安全です。

(2)食べ物
 外食する場合は、衛生的に信頼のおける飲食店を選び、生野菜や海産物などの生もの(あるいは半煮え、半焼けの物)の摂取には十分気をつけてください(殺菌は75度、1分以上の加熱が必要です。)。

2 病気
(1)高地障害(高山病)など
 首都ボゴタは標高2,600メートルの高地に位置し、雨季と乾季がありますが、一年中冷涼で日本の晩秋を思わせる気候です。山岳地特有の天候で、一日の中で晴れと雨があります。同日内での気温の変化が著しく、健康を維持するためには、これら気温の変化に対する注意が必要です。具体的には、日中、晴れの際は半袖半ズボンで過ごせますが、夜は長袖長ズボンが必要になります。

(2)高地障害(高山病など)
 前述通りボゴタは2,600メートルの高地にあるため、気圧は約0.75気圧となります。大気中の酸素濃度は変わりなく約21%ですが、気圧が低いため体内に取り込まれる酸素濃度が低地より25パーセント程低くなります。高山病症状として、短期的には頭痛、息切れ、吐き気、不眠などの症状が現れ、長期的には多血症などが起こることが確認されています。高山病は、1,500メートル以上の高地で発症する可能性があり、予防対策として次の事項に留意することが必要とされています。
また、紫外線が強いので、屋外では帽子やサングラスの着用、日焼け止めクリームの使用等、日焼け止め対策も必要です。高山病の予防対策として次の事項に留意することが必要とされています。

[予防対策]
○高山病の発生には体調が大きく影響するので、余裕のある日程で行動する。
○高地に着いた際には、アルコールの摂取、睡眠薬の服用及び喫煙は避ける。
○水分を十分摂取し、食べ過ぎない。
○激しい運動は避ける。
高地に年単位で生活をしていて、いったん低地に降りた後にまた高地に戻った際に、寝不足や激しい運動が誘発因子となり、重症の高山病症状である肺水腫を発症することがあり、十分な水分摂取並びに余裕のある日程を心がける必要があります。なお、特に循環器系、呼吸器系、血液系の持病や不安がある場合は、高地への渡航前に主治医と相談をしておいた方が良いでしょう。

(3)蚊や昆虫によって媒介する感染症
ア マラリア
 ハマダラカに刺されることで感染します。標高1,700メートル以下のほぼ全域がマラリア汚染地域であり、特に太平洋沿岸地方のチョコ県、ナリーニョ県、アンティオキア県およびアマゾン地方の熱帯雨林地域に多く発生しています。これらの地域に滞在中、又は旅行半年後までに38度以上の発熱を起こした場合にはマラリア、デング熱など熱帯性発熱性感染症は否定できません。日本へ帰国後発熱した場合は、必ず渡航した地域を医師に伝えてください。メデジン市やカリ市などの大都市(ボゴタ市・カルタヘナ市を除く)においても感染の危険が存在します。悪性マラリアと呼ばれる熱帯熱マラリアと三日熱マラリアが報告されているほか、抗マラリア薬であるクロロキンに耐性のあるマラリアも多く報告されています。熱帯雨林地域に滞在する場合は、肌の露出を避けた服装を着用し、事前に防虫剤、蚊取り線香などの準備をして、蚊に刺されないよう注意をしてください。抗マラリア薬の予防内服については必ず、渡航前に専門医に相談してください。
(参考)厚生労働省FORTH マラリアについて
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/20190628.html
https://www.forth.go.jp/useful/malaria.html#top

イ デング熱
 コロンビアでは毎年のようにデング熱の流行が見られますが、2024年は3年毎の流行の最初の年になっています。重症のデング出血熱も報告されています。2023年の致死率は0.10%であったが、2024年は第37週現在0.054%です。(2022-2031年公衆衛生10か年計画の目標は、致死率0.10%未満)デング熱の発生地域はマラリア汚染地域とほぼ一致しますが、病原体を媒介するネッタイシマカやヒトスジシマカが大量発生する雨季に、都市部などの人口密集地域で大流行する傾向があります。デング熱については、現在のところ有効な予防ワクチンや治療薬がありませんので、蚊に刺されないようにすることが一番の予防法となります。
(参考)厚生労働省 デング熱について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000131101.html

ウ ジカウイルス感染症
 コロンビアでは、標高の高いボゴタ市を除くほぼ全域(標高2,000m以下)での感染が報告されています。ジカウイルス感染症は、ジカウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染するほか、母胎から胎児への感染、輸血や性交渉による感染リスクも指摘されています。ジカウイルス感染症は感染しても症状がないか(不顕性感染)、症状が軽いため感染に気づきにくいことがありますが、妊娠中にジカウイルスに感染すると、胎児に小頭症等の先天性障害を来すことがあることから、特に妊娠中又は妊娠を予定している方は、流行地域への渡航を可能な限り控えるなど、十分な注意が必要です。
(参考)厚生労働省 ジカウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109881.html

エ 黄熱
 蚊が媒介するウイルス感染症です。コロンビアでの報告数は毎年数件のみですが、これはワクチン接種が普及しているためで、依然として標高2,300メートル以下の全域(特にアマゾン川・オリノコ川流域)で感染の危険があります。これらの地域に滞在する場合はワクチン接種を推奨します。ボゴタのエル・ドラード空港では、黄熱病ワクチンを無料で接種できます(令和6年10月1日現在)。ワクチンは接種後10日後から効果を発揮し、生涯有効とされています。

(参考)厚生労働省FORTH 黄熱について
https://www.forth.go.jp/useful/yellowfever.html

オ 狂犬病
 犬に限らず猫、コウモリ、家畜、リスなど野生動物に噛まれた場合に感染することがあります。特に小さなお子さんは動物に触らぬように注意が必要です。噛まれた動物が狂犬病に感染しているかは不明の場合が多いので、予めワクチン接種を受けておくことが良いでしょう。動物に噛まれた場合には、クリニック、病院を直ぐに受診し相談することをお勧めします。予防を目的とした接種は、日本では、4週間間隔で2回皮下注射、さらに6~12か月後に3回目の皮下注射を接種します。渡航までに時間が無ければ、最初の2回が大切です。予防効果は1年程度、長期予防には1~2年に1回の追加接種が必要です。世界保健機構(WHO)は、0日、7日、28日の3回接種を勧めています。噛まれた後に発症予防を目的とした接種スケジュールは、0日、3日、7日、14日、30日、90日の6回皮下接種ですが、噛まれた日に接種できる可能性は低いですが、その後の5回の接種は必要です。

(参考)厚生労働省 狂犬病
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/

カ リーシュマニア症
 サシチョウバエに刺されて感染し、皮膚疾患や内臓疾患などを引き起こします。標高1,500メートル以下の熱帯雨林地域で発生しています。
(参考)厚生労働省FORTH リーシュマニア症
https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name41.html

キ シャーガス病
 森林や原始的な家屋を好む昆虫であるサシガメ(Chinche:チンチェ)に刺されて感染する疾患で、マグダレナ川東岸の山麓地帯で多く発生しています。
(参考)厚生労働省FORTH シャーガス病について
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2017/03211408.html

ク その他
 その他、虫が媒介する感染症として、サシチョウバエが媒介するバルトネラ症(オロヤ熱とも呼ばれ標高3,000メートル以下のアンデス渓谷でみられる。)、ブユに刺され感染するオンコセルカ症、淡水中のセルカリアと呼ばれる寄生虫が皮膚に侵入して感染する住血吸虫症などがあげられます。
 蚊やハエなどに刺されないよう注意するとともに、突然の発熱や頭痛、関節痛や筋肉痛、発疹等が現れた場合には、直ちに専門の医療機関の診断を受けてください。虫除けは、日本からDEET30%が含まれているものを持参することをお勧めします(小児であれば、イカリジン含有のもの)。

(参考)厚生労働省FORTH オンコセルカについて
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2017/02011141.html

(4)一般的感染症
 途上国一般に見られる経口感染症(コレラ、腸チフス、細菌性赤痢などの細菌感染、アメーバ、ジアルジア、回虫などその他の寄生虫感染、A型肝炎など)はコロンビアでも依然蔓延しています。さらに、有鉤嚢虫(ゆうこうのうちゅう)症も広く存在します(豚肉で感染し、屋台の調理などの手から料理に感染することもあります。)。生水、生ものの飲食を避ける、手洗いを頻繁に励行するなど、日頃から注意が必要です。また、血液・体液を介してうつる性感染症、B型肝炎、C型肝炎、HIV、梅毒などの感染症にも注意が必要です。

(5)新型コロナウイルス
 2024年年初と7月にピークがありました。年初のピークは週3,000名前後の新規患者数でしたが、7月のピークは週800名前後と、右肩下がりで新規感染者数は減少傾向です。9月末では週150名程度の新規感染者数でしたが、時々身の回りで遭遇しますので、実数は多いのではないかと推測しています。新型コロナウイルスに関する情報は、外務省ホームページなどを通じて動向を注視してください。

(参考)外務省 海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/search/pcinfectioninfo.html#widearea
新型コロナウイルス感染症について|厚生労働省 (mhlw.go.jp )

(6)予防接種
 日本からコロンビアに直接入国される方は黄熱ワクチン接種証明書(イエローカード)の提示は不要ですが、黄熱流行地を経由して入国される方はイエローカードの提示が必要です(例:ブラジルからコロンビアに入国)。また、コロンビアからイエローカード提示要求のある国(コスタリカ、パナマ等)へ渡航する場合は、イエローカードの提示が必要となりますので、十分注意してください。黄熱流行地に渡航する場合は、出発の10日前までの黄熱ワクチン接種を推奨します。
 なお、黄熱予防接種証明書(イエローカード)の有効期限について、2016年7月11日以降は生涯有効と変更され、既にお持ちの有効期限が過ぎた証明書も生涯有効なものとして取り扱われます。
 黄熱の詳しい説明は以下の厚生労働省検疫ホームページをご参照ください。
 https://www.forth.go.jp/news/2016/06210854.html

 長期滞在される方は、罹患されたことがない場合、麻疹、風疹、水痘ワクチンの接種(それぞれ二回)、また、ジフテリア、破傷風、百日咳の追加接種をお勧めします。お子さんは日本の定期予防接種をしっかり受けてきてください。当地幼稚園、小学校へ入園、入学する場合には証明書の提出が求められることがあります。
 また、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、腸チフス、流行性耳下腺炎などの予防接種も行い、十分な病気対策を済ませておくことが必要です。
その他、必要な予防接種等については、以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
◎感染症情報(http://www.forth.go.jp/

3 医療事情
(1)ボゴタの私立病院の医療水準は先進国並みで問題はありませんが、持病がある場合は、病名、治療(処方薬剤名)などの記録又は主治医の紹介状(英語でも大丈夫ですが、可能であればスペイン語)を携帯しておく方が良いでしょう。その他、大抵の病院は治療費の支払い能力が確認(クレジットカード等の提出)できない場合、重傷で病院に運ばれても、治療を受けられない場合がありますので、注意してください。また、治療費は高額になることが多いので、万一に備えて、緊急移送サービスを含む十分な補償内容の海外旅行保険に加入しておくことをお勧めします。

(2)在外公館医務官情報
「世界の医療事情」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/cs_ame/colombia.html )において、コロンビア国内の衛生・医療事情等を案内していますので、渡航前に必ずご覧ください。

4 海外旅行保険への加入
 海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが少なくありません。
 旅行・滞在中の予期せぬトラブルに備え、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。

◎警察・消防:TEL 123
◎救急車:TEL 125
◎在コロンビア日本国大使館
 電話:(市外局番601) 317-5001

○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902、2903

(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)5145
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局政策課(感染症関連)(内線)4475
○領事局ハーグ条約室03-5501-8466
○外務省海外安全ホームページ
 https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
 http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地公館連絡先)
○在コロンビア日本国大使館
 住所:CARRERA 7 NO. 71-21, TORRE B, PISO 11, EDIFICIO AVENIDA CHILE,BOGOTA D.C., COLOMBIA
 電話:(市外局番601) 317-5001
    国外からは(国番号57)-601-317-5001
 FAX :(市外局番601)317-4989
    国外からは(国番号57)-601-317-4989
 ホームページ:
  https://www.colombia.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

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