トルクメニスタン
安全対策基礎データ
- 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
(1)トルクメニスタンでは、犯罪統計を一切公表しておらず、犯罪の発生状況を正確に把握することは困難です。現在のところ政府による治安対策等により、一般的に治安は良好と言えますが、犯罪を誘発する要因は諸外国と差が無いと考えられます。
(2)殺人や強盗などの重大犯罪はほとんど見られませんが、経済的に困窮した者もおり、置き引き等の軽犯罪が発生しているとの情報もあります。
(3)なお、タリバーン政権下におけるアフガニスタンの動向、イランとイスラエルの対立など、周辺国の情勢次第では国内世論の急激な変化により治安が悪化する可能性は排除できません。
2 防犯対策
犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。
この他、以下の対策をとるよう心掛けてください
(1)外出時には、現金や貴重品は肌身離さず持つなど、その管理には十分注意を払ってください。
(2)滞在時の交通手段は車が中心となりますが、無許可タクシー(いわゆる白タク)を利用すると料金支払い時に料金トラブルが発生する場合もありますので、正規のタクシー(白または黄色の車体で緑ナンバー)やバスを利用するようにしてください。
(3)トルクメニスタン国内の正規の飲食店の営業時間は午後11時までです。夜間になれば市内においても人通りが非常に少なくなることから、夜間の不要不急な外出は避けてください。また、昼間であっても人通りの少ない場所へは立ち入らないようにしてください。
(4)外出の際は必ず旅券を携帯するとともに、携帯電話を携行するなど常に連絡できる態勢を保持し、緊急事態に備えてください。
(5)ホテル滞在中は、外出時の施錠はもちろんのこと、在室時においても必ず施錠してください。
3 テロ・誘拐
トルクメニスタンのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_202.html )をご確認ください。
※在留邦人向け安全の手引き
在トルクメニスタン日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.tm.emb-japan.go.jp/files/100608439.pdf )もご参照ください。- 査証、出入国審査等
(手続や規則に関する最新の情報については、駐日トルクメニスタン大使館(電話03-5766-1150、ホームページ:https://japan.tmembassy.gov.tm/ja )に確認してください)
1 査証
トルクメニスタンへの入国にあたっては入国査証が必要です。
入国査証の取得手続きは一般的に下記のとおりですが、事前に駐日トルクメニスタン大使館に確認してください(https://japan.tmembassy.gov.tm/ja/consular-services/visa-application )。
(1)トルクメニスタン側の受入元(観光会社、政府機関および企業等の滞在保証人)が必要な書類を準備し、トルクメニスタン国家移民庁から招待状を取得します。入国者は受入元から電子データ等で同招待状(写し)の送付を受け、駐日トルクメニスタン大使館で事前に査証を申請・取得するか、またはトルクメニスタンの空港到着時に入国審査官に提示して査証を取得します。本邦内の空港や乗り継ぎ空港においても、同招待状(写し)の提示を求められることがありますので、必ず携行してください。
(2)海外に在留中の方は、ロシア、トルコ、中国等に所在するトルクメニスタン大使館において査証申請を行い、査証を取得することができます。
2 税関
(1)トルクメニスタンに入国する際、タバコは2箱(40本)、アルコールは1リットルを超える量は持ち込めません。
(2)出国する際には、2,000米ドル相当を超える現金の持出しは禁止されていますので、注意してください。
(3)滞在中に購入した絨毯を国外に持ち出すためには、出国時の税関申告の際に証明書を提出する必要がありますので、購入時に証明書を入手してください。- 滞在時の留意事項
1 在留届
トルクメニスタンに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡等に必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )を通じて、在トルクメニスタン日本国大使館に「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。
この他、住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。
2 たびレジ
在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、トルクメニスタンで事件や事故、自然災害等が発生し、在トルクメニスタン日本国大使館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。
3 滞在登録
トルクメニスタンに3労働日(土・日、トルクメニスタンの祝日を除く)以上滞在する場合には、滞在登録が必要です。滞在登録の手続きは、トルクメニスタン側の受入元(旅行会社、政府関係機関および企業等の滞在保証人)がトルクメニスタン国家移民庁に対して行うことから、入国後、受入元に確認してください。なお、滞在先が変わった場合には再度滞在登録を行う必要がありますので注意してください。
4 旅券の携帯
トルクメニスタンでは、滞在する外国人に旅券の常時携帯を義務付けていることから、外出時には必ず旅券を携帯してください。ただし、旅券の盗難・紛失には十分注意してください。また、万が一に備え旅券のコピーをとっておいてください。
5 国境地帯の制限区域への渡航
トルクメニスタンでは、一部の国境地帯に滞在制限区域が設定されています。
国境地帯の制限区域内での滞在を計画されている方は、トルクメニスタン国家移民庁に詳細を確認の上、所定の許可を得た上で滞在するようにしてください。
6 通貨・両替・支払い時の留意事項
(1)トルクメニスタンの通貨は「マナト」および補助通貨の「テンゲ」からなり、一部低額マナトでは硬貨も流通しています(1マナト=100テンゲ)。為替は固定レート(1米ドル=3.4913マナト)です。なお、汚れた米ドル紙幣の両替は拒否されることがありますので、両替時には新しい米ドル紙幣を用意しておくことをおすすめします。また、マナトから米ドルへの再両替は非常に困難ですので注意が必要です。
(2)国内では、マナトによる支払いが基本ですが、ホテルおよび一部の商店では米ドルでの支払いも可能です。この場合、店舗によって為替レートが異なる場合があります。
(3)クレジットカードは、一部のホテル以外ではほとんど利用できません。また、キャッシングはごく一部の銀行に限られていますので、入国時には米ドルの現金を準備しておくことをおすすめします。
7 交通事情
(1)トルクメニスタンは、日本が批准している道路交通に関する条約(ジュネーブ条約)に加盟していないものの、日本で取得した国際運転免許証での車の運転は可能です。なお、日本の運転免許証はトルクメニスタンの運転免許証に切り替えが必要です。免許証とその翻訳を交通警察に提出し、トルクメニスタンの運転免許証を取得してください。
(2)トルクメニスタンは運転マナー、道路事情ともに日本とは異なりますので、事故に巻き込まれないように十分注意してください。
(3)郊外の道路状況は悪く、道路が陥没しているところ、標識や街灯、路側帯が少ないところがあります。特に夜間は、視界が著しく悪化するので、走行には十分注意が必要です。また、郊外はタクシーやバスの数も少ないので、計画的な交通手段の確保を心がけてください。
(4)トルクメニスタンでは、必ずしも歩行者優先ではありませんので、道路を横断する場合には細心の注意が必要です。現地人の中には、横断歩道のない場所を横断する人もいますが、このような行為は大変危険ですので決して真似することなく、道路を横断する際には必ず横断歩道、歩道橋、地下道などを利用して下さい。場合によっては、警察の取り締まりを受けることもあります。
(5)大規模行事が行われる際には、予告なく大規模な交通規制が行われる場合があります。交通規制に遭遇すると、長時間移動できなくなることもあります。特に、通過査証でトルクメニスタンに入国し、第三国に向かう場合には、日数に余裕を持った計画を立てるようにしてください。
(6)カスピ海を渡るフェリーは実際には貨物船であり、余裕がある際には乗船も可能です。しかし、トルクメンバシ港では船の空きを見つけるのに1週間ほどかかる可能性もありますので、査証期限が短い場合などにはおすすめできません。
8 各種取締法規
(1)写真撮影
バザール(市場)、政府施設や軍施設、警察官の撮影は法律で禁止されているほか、事件事故等の写真・ビデオ撮影は慣習により禁忌とされています。むやみに撮影を行うと、警察にカメラ機器等を没収される可能性がありますので、撮影の可否等については事前にガイドなどに確認してください。
(2)違法薬物
麻薬類の所持および使用は法令により厳しく禁じられていることから、絶対に関わらないようにしてください。
9 ハーグ条約
トルクメニスタンは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去りまたは留置した場合は、原則的に子が常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html
10 その他留意事項
通信状況により、LINE、 Facebook、 X(旧Twitter)、WhatsApp等の一部アプリが使用できません。アプリによる連絡に頼らず、電話番号による連絡、もしくは電子メールなど、複数の連絡手段を確保するようにしてください。- 風俗、習慣、健康等
1 宗教
トルクメニスタンではイスラム教(スンニ派)が主な宗教となりますが、旧ソ連域内ということもあり、戒律は比較的緩やかで、酒類や豚肉の飲食も禁止されていません。
2 気候・健康
トルクメニスタンは、一年を通じて雨も少なく空気も乾燥しています。特に夏季は、日中摂氏50度近くまで気温が上昇することがあり、且つ非常に乾燥します。日焼け止め、サングラス、帽子、日傘の準備が必要です。また、熱中症対策として十分な水分(ミネラルウォータ等)を持参してください。冬季には積雪もあり、マイナス10度以下になることもありますので防寒対策が必要です。
3 衛生
一部レストラン、カフェ等飲食店で衛生管理に問題がある状況が認められます。食あたりを防ぐため、生水、生野菜、生の魚卵等は避け、よく火の通ったものを食べる等の注意が必要です。
飲料水は、市販のミネラルウォーターを利用してください。
また、携帯除菌シートやポケットティッシュ等を携帯しておくことをおすすめします。
4 医療
医療水準は低く、十分な治療を受けることは期待できません。健康な人であっても常備薬(特に下痢止めや胃腸薬)を多めに持参することをおすすめします。トルクメニスタンで市販されている薬は、日本で販売されているものより成分が強い場合が多いので、服用には注意が必要です。また、長期の出張や滞在を予定している方は事前に健康診断を受け、歯科治療を済ませておくことをおすすめします。
「世界の医療事情」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/europe/turkmenistan.html )において、トルクメニスタン国内の衛生・医療事情等を案内していますので、必ずご覧ください。
5 感染症
トルクメニスタン国内での感染症の発生について、正確な統計データは公表されていませんが、肝炎(A型、B型)、狂犬病、破傷風等の予防接種を受けておくことをおすすめします。
その他、必要な予防接種等については、以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
◎感染症情報(http://www.forth.go.jp/ )
6 海外旅行保険
病気や事故の際、日本や西欧諸国に移送して治療を受けることが必要となりますので、出発前に緊急移送アシスタントサービスが付加されている、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。
7 医薬品の持込み、持出し
医療用麻薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続きについては厚生労働省の次のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html- 緊急時の連絡先
◎消防:Tel 01
◎警察:Tel 02
◎救急:Tel 03
◎在トルクメニスタン日本国大使館
住所:Trading Centre “Paytagt”,Street 1945,building 60 Ashgabat Turkmenistan
電話:(国番号993)-(市外局番12)477081または477082- 問い合わせ先
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2853
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局政策課(感染症関連)(内線)4919
○領事局ハーグ条約室(一般案内窓口)03-5501-8466
○外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)
(現地大使館連絡先)
○在トルクメニスタン日本国大使館
住所:Trading Centre “Paytagt”,Street 1945,building 60 Ashgabat Turkmenistan 744000
電話:(市外局番12)477081または477082
国外からは(国番号993)-12-477081または477082
ファックス(市外局番12)477083
国外からは(国番号993)-12-477083
ホームページ: https://www.tm.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。