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ドイツ
安全対策基礎データ

更新日 2025年03月10日

1 犯罪発生状況・防犯対策
(1)一般的にドイツは、ヨーロッパの中では比較的安全な国とのイメージを持たれています。しかしながら、ドイツ連邦警察の発表によれば、2023年のドイツ国内全体の犯罪発生件数は約594万件であり、人口当たりの犯罪発生件数は日本の約12倍に上ります。日本の生活感覚のままでは思わぬ犯罪の被害に遭うおそれがあります。

(2)犯罪種別は、スリやひったくり等の窃盗、強盗や詐欺などといった財産に関わる犯罪がほとんどですが、傷害や暴行(性犯罪を含む)といった身体の安全に関わる犯罪も発生しています。特に、観光客が多く訪れる大都市や観光地は、外国人犯罪グループの流入、麻薬の蔓延等の様々な要因から犯罪発生率が高くなっています。

(3)基本的な防犯対策
 犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが大切です。
 具体的な対策のポイントは、「目立たない」、「行動を予知されない」、「用心を怠らない」です。犯人側は予めターゲットを絞った上で犯行に及んでいることを意識し、犯罪被害に遭わないよう注意してください。

(4)犯罪発生状況の詳細(都市別犯罪状況含む)および防犯対策については、ドイツにある在外公館(日本大使館・総領事館)が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.de.emb-japan.go.jp/files/100294519.pdf )のII安全の手引き(1~6)をご参照ください。

2 テロ・誘拐
 ドイツのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_165.html )をご確認ください。

 手続きや規則に関する最新の情報等については、駐日ドイツ連邦共和国大使館(電話:03-5791-7700)または在大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館(電話:06-6440-5070)に直接お問い合わせください。

1 査証
(1)短期滞在
ア 日本とドイツの間には査証免除取決めが締結されているため、観光や知人訪問等を目的とした90日以内の短期滞在については、査証の取得は免除されています。

イ ドイツはシェンゲン協定に加盟していますが、同協定の領域内において査証を必要としない短期滞在については、「あらゆる180日の期間内で最大90日間を超えない」範囲でのみ認めると規定されています。これにより、ドイツを含むシェンゲン領域内に無査証で滞在できる期間は最大「90日」となり、過去180日以内のシェンゲン領域内での滞在日数が全て短期滞在の期間として合算されます。
 また、短期滞在査証免除の対象者は、パスポートの残存有効期間が(シェンゲン協定加盟国からの)出国予定日から3か月以上残っている必要があります。
※参考:外務省ホームページ『欧州諸国を訪問する方へ』(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page4_000122.html

※参考:シェンゲン協定加盟国(2025年2月現在29カ国)
アイスランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、クロアチア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、ルーマニア

(2)長期滞在
ア ドイツで90日を超える長期滞在(留学、就労、研修、研究等)を予定している場合であっても、日本国籍者は査証を取得することなくドイツに入国することができます。ただし、入国してから2週間以内に居住地を管轄する住民登録局(Einwohnermeldeamt)に住民登録を行うとともに、速やかに居住地を管轄する外国人局(Auslaenderbehoerde)で滞在許可を申請・取得する必要があります。
 ドイツ滞在のための入国査証、滞在許可取得等についての詳細(必要書類等)は、駐日ドイツ連邦共和国大使館(電話:03-5791-7700)または在大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館(電話:06-6440-5070)に直接照会するか、次の同大使館・総領事館ウェブサイトで確認してください。
※駐日ドイツ連邦共和国大使館・総領事館(ビザ)
 https://japan.diplo.de/ja-ja/service/0-visa/899238

※現在、ドイツ国内における滞在許可申請の窓口である州、市の外国人局の予約がとれず、査証免除の滞在期間上限である90日以内に滞在許可取得に至らないケースが多く発生しています。この場合、シェンゲン領域内の移動や一旦領域外に出てから再度領域内に入ることが困難となりますので、長期滞在予定の方は、ドイツ入国前から駐日ドイツ連邦共和国大使館または在大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館もしくは滞在予定の各州、市の外国人局から最新の情報を入手するとともに、ドイツ入国後、できる限り早く滞在許可申請手続をすることをおすすめします。

イ 就労目的の滞在許可申請に当たって、事前に労働許可を取得する必要はありませんが、雇用主との雇用契約書、受入確認書等の文書の提出を求められますので、日本出国前に雇用主あるいは関係者との間であらかじめ調整・入手しておくことをおすすめします。

ウ 入国後に滞在資格(目的)を変更すること(たとえば、「留学」の滞在許可から「就労」に滞在資格を変更すること等)は原則として認められていません。ただし、滞在の具体的必要性があると当局により認められ、かつ、法的な条件が整っていれば、他の目的の滞在許可取得申請には応じているとのことです。詳しくは居住地を管轄する外国人局に相談してください。

エ 日本とドイツとの間で、ワーキングホリデー制度が導入されています。ワーキングホリデー制度は、日独の青年がそれぞれ互いの国で最長1年間にわたり生活し、互いの国の政治、経済、文化、日常生活を体験して、日独相互理解と友好関係の促進を図ることを目的としています。一定の要件(日本国籍を有し、滞在許可申請時に18歳以上31歳未満であること等)の下で、1年間を限度にワーキングホリデーのための滞在が許可されます。この滞在許可を取得した場合は、労働許可取得義務を免除され、ドイツでの滞在費用を補うために、働くことができます(2010年6月から労働可能日数の制限は撤廃されましたので、1年間の期間内であれば何日でも働くことが可能です)。なお、日本人のドイツワーキングホリデー制度の申請は1回に限り可能です。
 詳細は駐日ドイツ連邦共和国大使館・総領事館ウェブサイトを確認してください。
※駐日ドイツ連邦共和国大使館・総領事館(ワーキングホリデー・ビザ)
 https://japan.diplo.de/ja-ja/service/wh/957786
※現在、到着後90日以内にワーキングホリデーの滞在許可が取得できないとの相談が多く寄せられていますので、ドイツ入国前にワーキングホリデービザを申請・取得することをおすすめします。

2 出入国審査等
(1)シェンゲン領域外から域内に入る場合、最初に入域する国において入国審査が行われ、その後のシェンゲン領域内の移動においては、原則として入国審査が行われません。
 ただし、シェンゲン領域内の国境を越える移動(陸路、空路、海路)であっても、出入国審査の有無にかかわらず、常にパスポートを携行してください。
 シェンゲン領域内において、パスポートを紛失(盗難を含む)した場合には、速やかにパスポートを紛失した場所(国)において、現地警察等へ届け出るとともに、最寄りの在外公館でパスポート(または帰国のための渡航書)の申請手続きを行ってください。なお、紛失(または盗難)として現地警察に届け出された日本国パスポートは、その後無事見つかったとしても使用できませんので十分注意してください(紛失届が受理された時点で、紛失・盗難パスポートとしてシェンゲン協定加盟国に通知されています)。

(2)過去に、ドイツ以外のシェンゲン協定加盟国に長期滞在を目的として渡航しようとした日本人が、経由地であるドイツで入国審査を受ける際に、ドイツの入国管理当局から(ア)最終滞在予定国の有効な滞在許可証、(イ)ドイツ滞在法第4条のカテゴリーD査証(ナショナル・ビザ)(注)、または(ウ)同D査証に相当する滞在予定国の長期滞在査証の提示を求められ、これを所持していないために入国を拒否される事例が発生しています。
 このため、最終滞在予定国に到着してから滞在許可を取得することを予定している場合には注意が必要です。
 ドイツ以外の国では同様の事例は発生していませんが、シェンゲン協定加盟国での長期滞在を目的に渡航する場合には、滞在国および経由国の入国審査、滞在許可制度の詳細につき、各国の政府観光局、日本に所在する各国の大使館等に問い合わせるなどして、事前に確認するようにしてください。

(注)ドイツのカテゴリーD査証:ナショナル・ビザ
ドイツに3か月以上長期滞在する場合のビザです。また、このビザを保有することにより、(1)ビザの発行目的によってドイツでの永住または一時滞在、(2)シェンゲン協定加盟国のトランジットまたはドイツへの入国の許可が取得できます。

 シェンゲン協定の詳細等につきましては駐日欧州連合代表部(電話:03-5422-6001、ウェブサイト:https://eeas.europa.eu/delegations/japan_ja )、ドイツの措置に関する情報は駐日ドイツ連邦共和国大使館・総領事館にお問い合わせください。

(3)未成年者(18歳未満)が一人で、または片方の親のみと、あるいは親権者以外の方とともにドイツに渡航する場合は、パスポートなど必要な渡航書類とあわせ、親権者による同意書および親権者のパスポート・身分証明書の写しの携行が推奨されています。
 同意書の書式および記入例は駐日ドイツ連邦共和国大使館ウェブサイト(https://japan.diplo.de/ja-ja/service/-/1032284?openAccordionId=item-1032288-1-panel )をご参照ください。
 なお、入国時のみでなく、滞在中(ホテルへのチェックイン)や出国にあたっても必要となることがありますので、同意書はパスポートとともに保管・携行することをおすすめします。

3 通関
(1)現金等の持込み・持出し申告
 ドイツを含むEU加盟国への出入国に際しては、居住者であるか否かを問わず、1万ユーロ相当額以上の現金(外貨含む)や有価証券等を持ち込む、または持ち出す場合には、税関への申告が義務付けられています。
 なお、日本からの出国に当たって、100万円相当額以上の外貨等を持ち出す場合には、日本の税関当局に対しても申告が義務付けられています(「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」)。
 不明な点がある場合には、ドイツもしくは日本の税関当局にお問い合わせください。
※ドイツ税関(入国に当たっての現金の取り扱い)
 https://www.zoll.de/EN/Private-individuals/Travel/Entering-Germany/Restrictions/Cash/cash_node.html
※日本税関(現金等の持出し、持込み)
 https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/keitaibetsuso/7305_jr.htm

※参考:EU加盟国(2025年2月現在27カ国)
ベルギー、ブルガリア、チェコ、デンマーク、ドイツ、エストニア、アイルランド、ギリシャ、スペイン、フランス、クロアチア、イタリア、キプロス、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、ハンガリー、マルタ、オランダ、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロベニア、スロバキア、フィンランド、スウェーデン
 最新のEU加盟国情報については以下のサイト等で確認してください。
 https://europa.eu/european-union/about-eu_en

(2)ドイツに持込み可能な物品の免税範囲
 日本等のEU域外から直接ドイツに入国する際の免税範囲は以下のとおりです。EU域外からドイツ以外のEU加盟国に最初に入国する場合には、その国の規定が適用されます。
 なお、免税範囲を超える場合には、税関窓口にて課税申告手続きを行ってください。空港免税店や航空機内で購入した免税品も超過分は課税対象となりますので、注意してください。

ア タバコ、酒類、医薬品、その他物品
(ア)タバコ類(17歳以上に限る)
 ○紙巻タバコ200本、または
 ○小型葉巻タバコ(シガリロ)100本、または
 ○葉巻タバコ50本、または
 ○刻みタバコ250グラム、または
 ○これらを組み合わせた量
(イ)アルコール飲料(17歳以上に限る)
 ○アルコール度数22度以上の蒸留酒または80度以上の非変性エチルアルコール1リットル、または
 ○22度以下の蒸留酒、リキュール、発泡ワイン、甘味果実酒、日本酒等2リットル、または
 ○これらを組み合わせた量、および
 ○非発泡ワイン4リットル、および
 ○ビール16リットル
(ウ)医薬品
短期滞在者が滞在中個人的に服用する範囲内の量
(エ)その他物品(EU域内に留まる物品)
 ○空路、海路での入国の場合:物品の合計価値が430ユーロ相当額まで(15歳未満の短期滞在者  は175ユーロ相当額まで)
 ○陸路(スイスからボーデン湖を渡って水路で入国する場合を含む)での入国の場合:物品の合計価値が300ユーロ相当額まで(15歳未満の旅行者は175ユーロ相当額まで)。
 EU域内に留まる物品とは、EU加盟国に居住する親類・知人へのお土産、EU加盟国居住者が自己のために購入した商品等を指します。衣服や宝石等の分割できない物の価値を他の人に振り分けてカウントすることはできません。なお、販売目的の商用品や職業上使用する物品(撮影機材、商品見本等)の場合は、価格、分量にかかわらず税関申告が必要です。

※駐日ドイツ連邦共和国大使館・総領事館(ドイツに持込み可能な免税範囲)
  https://japan.diplo.de/ja-ja/service/zolleinreise/951368
※ドイツ税関(免税範囲)
 https://www.zoll.de/EN/Private-individuals/Travel/Entering-Germany/Duties-and-taxes/Travellers-allowances/travellers-allowances_node.html

イ その他免税となる物品
(ア)個人的に使用する物品
 短期滞在者が日本等のEU域外からドイツを含むEU加盟国に入国する場合は、携行する荷物(機内持込み荷物およびスーツケース等の預け荷物)のうち、個人的に使用する物品については、基本的には帰国時にEU域内に残さない物品であるとみなされ、課税対象になりません。
 しかし、近年ノートPC等の高額物品を携行し、申告する物が無い場合に利用する緑のゲートを通過したところ、税関職員の抜き打ち検査にあって没収された例があります。また、複数台のノートPCを持っているなど、個人使用として扱うには不自然であり、現地で他人に販売・譲渡される可能性があると税関職員に判断された場合には、当該物品はEU域内に残される物品としてみなされ、課税対象とされることがあります。
 申告すべきかどうか判断に迷う場合や高額物品を携行して入国する場合は、税関窓口(申告する物がある場合に利用する赤のゲート)で、その物品は帰国時に持ち帰るものであることを説明してください。申告する物が無い場合に利用する緑のゲートを通過し、その後の税関職員による抜き打ち検査によって持込み物品が課税対象であると判断された場合には、申告義務違反となります。
(イ)引越荷物(Übersiedlungsgut)
 EU域外に12か月以上居住した後に住所をEU域内に移動する場合、個人的所有物(Personal Property)については、非課税物品とされます。ただし、アルコール類、タバコ、商用品については非課税となりません(上記(2)ア参照)。
 これらの個人的所有物が非課税とされるためには、原則として引越し前に少なくとも6か月以上使用したものであること、EU域内に住み始めてから12か月以内にEU域内に運送されることが条件となります。
 上記引越し荷物を非課税とするためには、税関で書面による手続きが必要です。(運送業者を利用する場合は、当該業者が通関手続を代行することが通例ですが、念のために業者に確認することをおすすめします。)
また、この手続きによって非課税となった物品を、届いてから12か月以内に他人へ譲渡・販売することは禁止されています。
※ドイツ税関(ドイツ滞在に当たっての手続き等)
 https://www.zoll.de/EN/Private-individuals/Staying-in-Germany/staying-in-germany_node.html

(3)持込み禁制品
 ドイツへ入国するに当たっての持込み禁止品および規制品については、次の日本郵便およびドイツ税関のウェブサイトを参考としてください。
※日本郵便(ドイツ-禁制品)
 https://www.post.japanpost.jp/cgi-kokusai/nonmailable_articles.php?cid=6
※ドイツ税関(持込み規制品)
(英語)
 https://www.zoll.de/EN/Private-individuals/Travel/Entering-Germany/Restrictions/restrictions_node.html
(ドイツ語)
 https://www.zoll.de/DE/Privatpersonen/Reisen/Reisen-nach-Deutschland-aus-einem-nicht-eu-Staat/Einschraenkungen/einschraenkungen_node.html

(4)ペットの持込み
 ドイツ入国に当たってのペットの持込みについては、次のドイツ税関およびドイツ連邦食料・農業省のウェブサイトをご確認ください。
※ドイツ税関(EU域外からのペットの持込み)
(英語)
 https://www.zoll.de/EN/Private-individuals/Travel/Entering-Germany/Restrictions/Animals-and-plants-products-containing-animal-or-vegetable-substance/Protection-against-animal-diseases/Provisions-on-the-import-of-pet-animals/provisions-on-the-import-of-pet-animals_node.html

(ドイツ語)
 https://www.zoll.de/DE/Privatpersonen/Reisen/Reisen-nach-Deutschland-aus-einem-nicht-eu-Staat/Einschraenkungen/Tiere-und-Pflanzen/Schutz-Tierseuchen/Regelungen-Heimtiere/regelungen-heimtiere.html
※ドイツ連邦食料・農業省(ペットと動物)
(英語)
 https://www.bmel.de/EN/topics/animals/pets-and-zoo-animals/pets-and-zoo-animals_node.html
(ドイツ語)
 https://www.bmel.de/DE/themen/tiere/haus-und-zootiere/haus-und-zootiere_node.html

(5)販売目的の商用品や職業上使用する物品の持込み
ア ATAカルネ(注)を所持している場合を含め、原則として全ての商用品や職業上使用する物品について通関手続きを行う必要があります(下記イの「楽器」を除く)。
 商用品(展示会出品貨物・商品サンプル等)および職業用具(取材用カメラ等の高額機材等)については、日本出国前にATAカルネを取得するなどの必要な手続きをした上で、入国時には通関手続き(申告するものがある場合に利用する赤のゲートで税関申告)を行ってください。
※駐日ドイツ連邦共和国大使館・総領事館(ドイツ入国の際の税関手続きについて)
 https://japan.diplo.de/ja-ja/service/zolleinreise/951366
※日本税関ウェブサイト(物品の一時輸入のための通関手帳(ATAカルネ))https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/atacarnet.htm

(注)ATAカルネとは、世界の主要国の間で結ばれている「物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)」に基づく国際的制度による通関用書類のことです。詳しくは、日本税関ウェブサイトを確認してください。
 https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/atacarnet.htm

イ 旅行者が職業用具として使用する持ち運び可能な楽器を一時的に輸入する旅行者は、税関において、申告する物が無い場合に利用する緑のゲートを通過できます。
 ただし、一時的ではなく、長期にわたり継続的にEU域内に留まる場合には、税関での申告が必要となります。また、EU域内在住者が楽器等を一時的にEU域外に持ち出して再びEU域内に持ち込む場合には、EU域外へ出国する際に、あらかじめ輸出申告(ATAカルネ)等が必要となる場合がありますので、EU各国の税関当局(再入国の際に利用する空港を所管する国の税関)に問い合わせてください。

(6)税関申告手続き
 ドイツ入国の際に、課税対象物品を持ち込む場合は、次の手続きに従って税関申告手続を行う必要があります。

ア 手続きの流れ
(ア)申告手続きは、税関窓口(申告するものがある場合に利用する赤のゲート)において口頭で行います(商用品、引越し荷物は書面で行う)。税関職員が支払うべき関税額を計算しますので、課税対象物品を提示してください。
(イ)窓口で物品を提示すると、税関職員は課税対象品であるかどうかを確認し、物品の数量、価値を基に課税額を決定します。購入価格の証明となる資料がない場合、税関に備え付けられたリスト上の類似品を参考に課税額が決められるため、購入時のレシート等を持っていると役に立ちます(特に土産用の民芸品等、一見して価値が判断できない物を持ち込む際には有効です)。なお、税関窓口で税金を納付した場合には、そのレシートを保管しておくと、EU域内の他国に移動する際に有効です。
(ウ)課税対象物品の価値が、短期滞在者一人につき700ユーロ相当額以下の場合には、関税率は一律17.5%になります。ただし、タバコ、アルコール類(ビールを除く)については、数量によって関税額が決まります(ビールは簡易算定の対象ではありませんので、関税法およびビール税法に従って関税額が算定されます)。具体的な関税額については、ドイツ税関のウェブサイトで確認してください。
(エ)課税対象物品の価値が、短期滞在者一人につき700ユーロ相当額を超えている場合、または700ユーロ相当額以下であっても、定額関税ではなく個別物品ごとの関税の支払いを希望する場合は、税関職員が個々の物品について関税率表や関連する税法に基づいて関税額を算定します。
(オ)関税の支払いはその場で行います。関税額が3ユーロ以下の場合は、徴収されませんが、算定結果のレシートのオリジナルを入手できます。
(カ)関税の支払いをその場で行うことが不可能な場合、10日の支払い猶予期間が与えられますが、課税対象物品は一時的に接収され、関税納入後に返却されます。

イ 手続場所
 通関手続きは、EU域外から入国する場合に必要となりますが、空港によってはシェンゲン協定域内の移動か否かによって利用フロアが異なる場合もあるため(例:フランクフルト、ミュンヘン等)、次を参考に通関手続きに当たって間違いのないように注意してください。
(ア) EU域外から到着した空港が最終目的地である場合(フランクフルト、ミュンヘン等)
a すべての携行品(機内持込み荷物およびスーツケース等の預け荷物)が通関手続きの対象となりま   す。ただし、EU域内の他の空港を経由し、その際に機内持込み荷物の通関手続きを済ませていれば、その機内持込み荷物は課税対象となりません(支払い証明書が必要)。
b 課税対象物品を所持していない場合は「申告するものが無い場合に利用する緑のゲート」を申告なしに通過することができます。課税対象物品を持っている場合は、「申告するものがある場合に利用する赤のゲート」に進み、税関職員に該当する物品を提示して申告を行ってください。
(「申告するものが無い場合に利用する緑のゲート」と「申告するものがある場合に利用する赤のゲート」の表示(https://www.anzen.mofa.go.jp/attached2/attached_germany201209.jpg ))
(イ)到着した空港からEU域内へ乗り継ぐ場合(EU域外→ドイツの国際空港→EU域内)
a 日本等のEU域外からドイツの国際空港を経由して他のEU域内空港(ドイツ国内の他の空港を含む)へ乗り継ぐ場合、最終目的地までスルーチェックインしているスーツケース等の預入荷物については、経路の最終目的地の税関で申告すればよいことになっていますが、機内持込荷物については、最初にEU域内に入る地点で申告義務があります(ATAカルネに記載された物品の一部のみが手荷物に入っている場合も同様に申告義務があります)。
 ただし、乗り継ぎの際に預入荷物を一旦受取り、再度預け入れを行う場合には、手荷物同様に到着した空港の税関で申告を行う必要があります。
b 乗り継ぎの場合、入国審査を経た後、搭乗フロアに移動する途中に税関の申告窓口がありますが、窓口には通路の色分け等の表示がない場合がありますので、見落とさないように注意してください。通関手続きが必要であるにもかかわらず窓口の職員が不在のときは、備え付けの電話等で職員を呼び出してください。あとになって、窓口がわからなかった、職員が不在だったなどと説明しても聞き入れられませんので、ご注意ください。
 また、シェンゲン協定非加盟のEU国(アイルランド等)に乗り継ぐ経路には税関窓口が無いこともあるため、次の到着地で通関手続きを行ってください。ただし、乗継移動中に税関職員に呼び止められた場合は、正直に手荷物中の課税対象物品の有無および関税申告の意思はあるが税関窓口が見当たらなかったので次の到着空港にて手続きを行うつもりである旨を説明し、指示があれば通関手続きを行ってください。
(ウ)到着したドイツの国際空港からEU域外へ乗り継ぐ場合(EU域外→ドイツの国際空港→EU域外)
a 通関手続きは必要ありません。
b 乗り継ぎ移動中に抜き打ち検査を行っていることがありますが、声を掛けられたら航空券等を見せ、非EU国行きの便に乗り継ぐことを説明してください。
※参考:EU加盟国(2025年2月現在27カ国)(*はEU加盟国だが、シェンゲン加盟国ではない国)
アイルランド*、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、キプロス*、ギリシャ、クロアチア、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、ルーマニア
※参考:シェンゲン協定加盟国(2025年2月現在29カ国)(*はシェンゲン加盟国だが、EU加盟国ではない国)
アイスランド*、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、クロアチア、スイス*、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー*、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン*、ルクセンブルク、ルーマニア

ウ 注意事項
(ア)申告する物が無い場合に利用する緑のゲートでは、税関職員による抜き打ち検査が行われています。緑の表示のある通路を通過した場合は、課税対象物品や輸入禁制品を持っていないと宣言したことになりますので、通路通過中または通過後に税関職員に呼び止められ、課税対象物品や輸入禁制品を所持していることが発覚した場合は、故意・過失に関わらず申告義務違反として高額の罰金が課せられることがあります。悪質な違反については、懲役を科されることもありますので正しく申告手続きを行ってください。
(イ)税関で徹底した事情聴取が行われた結果、旅行者が搭乗する便を変更しなければならなくなった例が報告されています。急いでいるなどの事情はあっても、税関職員の制止を振り切ってその場を立ち去ろうとした場合には、その行為が公務執行妨害等の犯罪とみなされて身柄を拘束される場合がありますので十分に注意してください。
 詳細は、次のドイツ税関または駐日ドイツ連邦共和国大使館のウェブサイトを確認してください。
※ドイツ税関(税関手続)
 https://www.zoll.de/EN/Home/home_node.html
 https://www.zoll.de/EN/Private-individuals/private_individuals_node.html
※駐日ドイツ連邦共和国大使館・総領事館(ドイツ税関での諸注意)
 https://japan.diplo.de/ja-ja/service/0-zoll/2207098
※駐日ドイツ連邦共和国大使館・総領事館(ドイツ入国の際の税関手続きについて)
 https://japan.diplo.de/ja-ja/service/zolleinreise/951366

(7)付加価値税(VAT)の還付
 EU域外に居住する短期渡航者が、旅行中にEU域内の同一店舗で一定金額(ドイツの場合は50.01ユーロ)以上の買い物をした場合、付加価値税の還付が受けられます。
 還付手続き(税関スタンプの押印等)は空港等にある免税窓口(TAX Refund Office)で行います。税還付手続き用紙(購入店舗が作成)、パスポート、航空券または搭乗券、商品購入時のレシート、購入した物品(現物)を用意してください。
 還付手続きはEU加盟国内であれば、どこの国でも行うことができますが、現品を提示する必要がありますので、最初に出国手続きをする空港で還付手続きを行うことをおすすめします。
 なお、窓口は混み合いますので、時間に余裕をもって早めに空港に到着するようにしてください。

1 一般的留意事項
(1)住民登録および滞在許可
 ドイツに90日を超える長期滞在を予定している場合には、入国後住所が決まり次第、その地区の住民登録局(Einwohnermeldeamt)で住民登録を行ってください。住民登録はドイツ入国後、原則として2週間以内に行うこととされています。なお、住民登録に当たって契約済の住居賃貸借契約書等の提示が必要です。住民登録後、遅滞なく居住地を管轄する外国人局(Auslaenderbehoerde)に届け出て、滞在許可を取得してください(入国査証をあらかじめ取得している場合は滞在許可へ切り替えてください)。なお、近年、外国人局の予約が取りづらい状況が続いていますので、時間に十分な余裕を持って、許可申請を行ってください。

 滞在許可申請に必要な書類については以下のとおりです。
 ○ 滞在許可申請書(外国人局で入手)
 ○ 住民登録証明書
 ○ 旅券(パスポート)
 ○ 写真(3.5cm×4.5cm)
 ○ ドイツ滞在期間中にドイツ国内で有効な医療保険に加入していることを証する保険証券等
 ○ 滞在目的を証する書類(※就労,留学,家族滞在など目的により異なりますので、詳細は駐日ドイツ連邦共和国大使館ウェブサイト(https://japan.diplo.de/ja-ja/service/arbeitsaufnahme/973582 )をご覧ください。)
 ○ 滞在目的によっては滞在費用の証明(※詳細は上記ウェブサイトをご覧ください。)

※ 現在、ドイツ国内における滞在許可申請の窓口である州、市の外国人局の予約がとれず、査証免除の滞在期間上限である90日以内に滞在許可取得に至らないケースが多く発生しています。この場合、シェンゲン領域内の移動や一旦領域外に出てから再度領域内に入ることが困難となりますので、長期滞在予定の方は、ドイツ入国前から駐日ドイツ連邦共和国大使館または在大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館もしくは滞在予定の各州、市の外国人局から最新の情報を入手するとともに、ドイツ入国後、できる限り早く滞在許可申請手続をすることをおすすめします。

(2)長期滞在(留学や就労)にあたっては、ドイツ国内の銀行に口座を開設する必要があります。
 ドイツへ到着してから銀行口座を開設する場合は、パスポートと住民登録証明書が必要となります。その他、本邦出発前にインターネットを通じてインターネット専業銀行(いわゆるネット銀行)に口座を開設する方法があります。
 留学の場合は、滞在を予定している全期間につき月額992ユーロ以上(例:留学期間が1年の場合は11,208ユーロ以上)を入金した閉鎖口座(Sperrkonto / blocked account)を開設した旨の証明書が必要となります。閉鎖口座については、ドイツ外務省ウェブサイト(https://www.auswaertiges-amt.de/en/sperrkonto/388600 )をご覧ください。

(3)パスポートの携帯義務
 ドイツでは、パスポートの常時携帯義務はないとされています。しかし、ドイツの官憲からパスポート原本の提示を求められたときは、その場で提示できなくても、指示された場所、時間内にパスポート原本を提示する義務があり、提示できなければ法令違反となります。また、場合によっては、パスポートを確認するため、官憲がパスポートを保管している住居、ホテル等の宿泊先まで同行することもあります。従いまして、いつでも身分を明らかにできるようパスポート原本を携行する、または少なくともコピーは携行するようにしてください。ただし、パスポート原本を携帯する場合は、盗難・紛失等に十分注意してください。
 なお、シェンゲン領域内の国境を越える移動(陸路、空路、海路)に当たっては、出入国審査の有無にかかわらず、常にパスポート原本を携行してください。

(4)就労
 就労するためには、通常、管轄の外国人局(Auslaenderbehoerde)が発行する就労可能な滞在許可が必要です(ドイツの在外公館で入国前に発行されたワーキングホリデービザを所持する場合を除く。)。短期滞在者の就労等、許可のない者の就労は固く禁じられています。また、訪問販売や路上販売を許可なく行うことは不法就労として取り扱われ、強制退去処分等の対象となります。

(5)子の親権問題
 ドイツでは、離婚後も原則として父母共同親権(監護権)となります。

ア ハーグ条約
 ドイツは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去りまたは留置した場合は、原則的に子が常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧ください。
※外務省ウェブサイト:ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html

イ 子の連れ去り
 ドイツでは、一方の親が、18歳未満の子を他方の親の同意を得ずに国外に連れ出すことは、刑罰の対象となる可能性があります。他国においては、実際に、居住していた国への再入国に際し、子を誘拐した犯罪被疑者として逮捕されたり、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配されたりする事案も生じていますので、注意してください。
 単独で子どもを同伴し出国する必要がある場合には、他方の親から同意書(独語・英語で記載)をとってから渡航することをおすすめします。

(6)在留届
 ドイツに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡等に必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )を通じて、在ドイツ日本国大使館またはドイツ国内の各日本国総領事館に「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。
 この他、住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。

(7)たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報等を日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、ドイツで事件や事故、自然災害等が発生し、在ドイツ日本国大使館または各総領事館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受取先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

2 各種取締法規等
(1)写真・ビデオ撮影等
 軍事・公安施設や空港等は、写真撮影を禁止している場所がありますので注意してください。
 なお、ドローンについては、その重量や飛行高度により異なる義務が課されます。また、全ての政府関係施設、空港、工業地帯、住宅地、自然保護区域、多くの人が参集している場所(デモや集会等)、警察や消防が出動している場所は飛行禁止となっています。ドローンに関する規則については、連邦デジタル・交通省のウェブサイトをご覧ください。
 https://bmdv.bund.de/SharedDocs/DE/Artikel/LF/drohnen.html

(2)違法薬物
 麻薬類の取締りは非常に厳しく、空港、駅、国境等においては、密輸防止のため警察、税関等による徹底した監視が行われています。
 コカイン、ヘロイン、覚醒剤等の麻薬類に関する規制は、刑法および麻薬法に基づき行われており、麻薬の定義に該当する薬物であれば、犯罪行為と認められ、法に基づき法定刑に処されます。
 特に麻薬の運搬、所持、提供、譲渡、取得、輸入等に関与した者は、状況に応じて拘禁刑および罰金刑が科せられることとなります。また、麻薬犯罪は捜査当局が徹底した取締りを行っており、もし麻薬の所持等が発覚すれば、身柄を拘束される可能性がありますので、いかなる麻薬にも絶対に手を出さないようにしてください。街頭で麻薬の購入をすすめられるケースもありますが、声を掛けられても相手にせず、そのまま立ち去ってください。また、不審なもの(ばら売りのタバコ等)を不用意に購入せず、見知らぬ人物から物品の運搬を依頼されても絶対に応じないでください。
 なお、ドイツでは2024年4月1日から大麻(マリファナ)の所持、消費が合法化されていますが、所持量、使用場所等の制限があり、法令に違反する場合には起訴される可能性があります。
 また、大麻(マリファナ)の安全性が確認されたわけではなく、引き続き健康被害のリスクが指摘されていることから、特に18歳未満の者への譲渡などはむしろ罰則が厳罰化されているところ、日本およびドイツの法令を遵守の上、トラブルに巻き込まれたり、自身の健康を損ねたりすることのないようにご注意ください。

(3)危険物等の携行
 ドイツでは、武器法により銃器、刃物や催涙スプレー等の危険物を正当な理由なく携帯することは禁じられており(銃砲刀剣類の所持は許可制)、2024年10月31日からは、大規模スポーツイベント、クリスマス・マーケットやその他の公共のイベントへの刃物の持込みが全面的に禁止されています。
 また、テロ対策の観点から、公共の場所(駅、空港や公園等)に一時的にでも荷物(スーツケースや段ボール等)を放置した場合には、不審物と判断され、警察の爆発物処理班が出動することになります。その結果、列車や航空機が遅延した場合には、損害賠償を請求されるなど、重大な責任を問われるほか、警察が対応にあたった時間の長短に応じた罰金の支払いを命じられることがあります。自分の荷物は必ず携行するか、コインロッカー等に預けるなどし、責任をもって管理してください。

(4)喫煙/禁煙
 法令により、ドイツ国内の公共施設等(公共交通機関や職場を含む)では喫煙が禁止されており、違反者には罰金が科されます。また、各州の規則により、さらなる禁煙措置が取られています。なお、一般的に屋内では禁煙となっていますので、屋外の灰皿が設置されている場所で喫煙してください。

(5)飲酒運転
 ドイツでは道路交通法(StVG)および刑法(StGB)により、血液中に0.05パーセント(=0.5パーミル)以上、または呼気1リットルあたり0.25mg以上のアルコールが認められる場合には、(車両を安全に運転できるかどうかにかかわらず)罰金および免許停止処分となります。また、血中アルコール濃度が0.11パーセント(=1.1パーミル)以上の場合には、罰金または逮捕/拘禁に加え、免許取り消しとなります。
 さらに、「飲酒のために安全に運転できない状態にある」と警察官が判断した場合には、事故を起こしたか否かにかかわらず罰則を受けることとなりますので、少量とはいえ飲酒した際には車両の運転を控えてください。
 なお、運転手の飲酒が発覚した場合には、同乗しているか否かを問わず、車両所有者(オーナー)も罰せられます。

3 一般的な交通事情
(1)自動車を運転する際の留意事項
ア 携行書類等
 運転の際には常に免許証、車両証(Zulassungsbescheinigung Teil1)および身分証明書を携帯してください。また、自動車に常備しておくものとして、保険関連書類(コピー可)、事故表示三角板、救急箱、車両故障時等に着用する上衣(ビブス)等があります。

イ 運転上留意すべき点
 ドイツでは、一般的に交通ルールが遵守されています。しかし、優先権がある自動車や自転車がスピードを緩めずに突っ込んでくることが往々にしてあり、事故も多く発生しています。
 また、左ハンドル右側通行であることに加えて、次のとおり日本人にとってはなじみのないものを含め、独特の規則や習慣がありますので、運転の際は注意してください。
(ア)信号のない交差点で、特に一時停止や優先道路の表示が無い場合は、常に自分の右手の道路から進入してくる車が優先です(右側優先の原則)。
(イ)交差点を左折する際は、特に指定のない場合「小回り」(交差点の中心のすぐ内側を徐行)です。
(ウ)信号機と並んで右を指した緑色の矢印が付いている場合は、赤信号であっても右折車は安全確認のうえ右折可能です(旧東独地域に特に多くみられます)。
(エ)バス・タクシー専用車線では、一般車両の通行は禁止されています。
(オ)身体障害者用車両や医療機関車両専用の駐車スペースは駐車禁止です(厳しい取り締まりの対象となります)。
(カ)冬期(一般的に10月から3月)には、冬タイヤの装着が義務付けられています(特に降雪時に冬タイヤを装着していない場合は罰金の対象となります)。なお、スパイクタイヤやチェーンの装着は禁止されています。
(キ)「12歳未満または、身長150cm未満の子供」に対してはチャイルドシートの使用が義務付けられています。

(2)交通違反および交通事故
ア 交通違反および罰金
 交通ルールはほぼ日本と同様です。軽度の違反についても反則金が科されますが、反則金は現場の警察官に直接支払う場合と、後日振込用紙が送付され、指定口座に振り込む場合があります。

イ 交通事故
 交通事故を起こした場合には、一般的に次の手順で処理します。
(ア)事故を起こしたら、些細なものであってもすぐにその場で車両を止め、エンジンを切ってください。なお、けが人がいる場合にはその救助を第一に考えてください(救急112番)。
(イ)必ず警察(110番)を呼び、現場検証を受けてください。警察に連絡しないと罰せられる可能性があります。車両は通常動かしませんが、交通量の多い交差点等では例外的に車を脇に寄せることもあります。なお、事故責任については警察が判断しますので、事故相手に対して謝罪と取られるような言葉は一切言わないよう注意してください。
(ウ)当事者間で住所、氏名、所属、保険会社名を交換してください。もし自分に非があるとされた場合は、自分の加入している保険会社に対し、事故の内容、相手の氏名、住所、保険会社名などの情報を伝えてください。もし相手方に全責任がある場合は、相手方保険会社からの連絡を待つこととなります。
(エ)自分に非がないと判断する場合は、目撃者を確保してください。通行人や自車の後方を走行していた車のドライバー等、誰でもかまいません。住所、氏名を聞き、証人になってもらうことにつき同意を得ておくとよいでしょう。

4 災害対策
 ドイツは比較的災害の少ない国であるとされていますが、2021年7月、ドイツ西部(特にラインラント・プファルツ州およびノルトライン・ヴェストファーレン州)において短時間に激しい雨が降り、多数の死傷者が出る豪雨災害が発生しました。 ドイツには、ライン川、エルベ川、ドナウ川、マイン川、ヴェーザー川、シュプレー川、モーゼル川等の大きな河川があり、これらの河川が、大雨や雪解けの影響を強く受けることで氾濫が起こり、水害が発生しています。
 緊急事態が発生した場合、在外公館では正確な情報収集に努め、事実関係を確認し、必要な情報を迅速に提供するとともに、安否確認に力を尽くしますが、状況によっては通信インフラに問題が生じ一切の情報が途絶し孤立化することも考えられます。
 平素から緊急事態に備えた心構えを持ち、各緊急連絡先や連絡手段を家族、所属先等で共有しながら、いざという時の行動要領を検討するなど、自らの安全対策に万全を期すことが大切です。
 緊急事態発生時の心構えや対処要領の詳細は、「安全の手引き」P30~P34をご確認ください。
 https://www.de.emb-japan.go.jp/itpr_ja/konsular_tebiki.html

(参考~ドイツ政府機関:自然災害)
・ドイツ気象庁(DWD)
 https://www.dwd.de/DE/wetter/warnungen/warnWetter_node.html
・ドイツ気象庁(DWD)X(旧ツイッター)
 https://twitter.com/dwd_presse
・ドイツ国民保護・災害支援庁ウェブサイト
 https://warnung.bund.de/meldungen
・独政府の災害警告アプリ(NINA)
 NINA(グーグル)https://play.google.com/store/apps/details?id=de.materna.bbk.mobile.app&hl=en_US&gl=US
 NINA(アップル)https://apps.apple.com/de/app/nina/id949360949?l=en

1 風俗、習慣、国民性
(1)ドイツ人と話をする際には意思をはっきり伝え、言うべきことをきちんと主張し、相手が納得するまで筋道を立てて説明するよう心がけることが肝要です。

(2)ドイツで生活する上で最も大切なことは、周囲に配慮し静かで清潔な生活を心がけることです。各州でそれぞれ祝祭日や騒音防止等に関する法令を定めていますが、一般的に日曜日を除く週日は午後1時~3時(Mittagsruhe)および午後10時~翌朝7時(Nachtruhe)、ならびに日曜日と祝祭日については終日(Sonn- und Feiertagsruhe)、騒音を出すことが禁じられていますので、家屋の賃貸契約書等をよく読んで無用のトラブルを起こさないように十分注意してください。

2 衛生事情
 ドイツの衛生事情は、病院、レストラン、食料品店、ホテル等、いずれにおいても問題はありません。また、上下水道も完備されており、環境衛生上も特に問題はありません。
 水道水はそのまま飲むこともできますが、石灰分(カルキ)が多く含まれているため、硬度を下げるために簡易浄水器を利用したり、市販のミネラルウォーターを飲用する方も多いようです。

3 病気
(1)ダニ脳炎
 中央ヨーロッパから極東ロシアにかけ、吸血性のマダニ(Zecke)を介したウイルス性脳炎が発生しており、ドイツではバイエルン州、バーデン・ヴュルテンベルク州、ヘッセン州、テューリンゲン州、ザクセン州等で感染した事例があります。ドイツでは年間500人ほどの感染例があり、ウイルスをもったマダニに噛まれると発熱、頭痛、意識障害等が起こり、ひどい場合には、死亡することもあります。また、回復しても麻痺等の後遺症が残ることがあるといわれています。
 マダニは樹木の低い部分や藪、草むらに生息し、ダニ脳炎の流行期は通常3月から10月まで(特に6・7月および9・10月)です。草むらや草原など草の茂った場所に入る場合や山歩き、ハイキングなど野外活動をする場合は、長袖、長ズボン、靴下(ハイソックス)、帽子を着用し、サンダルは履かないなど、肌の露出を控えるようにしてください。ダニよけスプレー等も市販されています。
 ウイルス性ですので、抗生物質は効きません。予防接種(FSMEワクチン)を受けることもできますので、検疫所、医院等に相談してください。また、万が一マダニに噛まれた場合には医師の診察を受けてください。

(2)ボレリア症(ライム病)
 同じくマダニが媒介する感染症です。ダニ脳炎が主にドイツ南部で発生しているのに対し、ボレリア症はドイツ全土で発生しています。病原体は野鼠や小鳥が保菌するボレリアという細菌であり、年間の感染者数は年により4万から8万人にも達します。マダニに咬まれて数日から数週間後に、初期症状として環状の紅斑性発疹が現れることが多く、また、発疹が現れない場合でも、発熱、筋肉痛や関節痛、倦怠感等のインフルエンザと似た症状が現れます(インフルエンザと間違われることもあります)。細菌が全身に拡散するのに伴い、皮膚炎、髄膜炎、顔面神経麻痺、心筋炎、不整脈、角膜炎等の重篤な症状が現れますので、早期に医院を受診して、抗菌薬(抗生物質)を処方してもらってください。

4 医療事情
(1)医療事情
 公立、私立を問わず、ドイツの医療水準は非常に高く、また緊急医療体制も整備されています。
 「世界の医療事情」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/europe/germany.html )において、ドイツ国内の衛生・医療事情や現地医療機関の情報を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。

(2)医療保険
 ドイツに長期滞在する場合には、滞在許可取得の一条件として、ドイツで有効な法定医療保険(gesetzliche Krankenversicherung)に加入することが義務付けられています。

(3)医療制度
 ドイツの医療制度は日本とは異なり、入院治療を行うのが病院(KrankenhausまたはKlinik)、通院・外来を扱うのが医院(Praxis)と区別されており、通常、病院にはいわゆる外来部門はありません。また、医薬分業が徹底されており、医薬品は医師の処方箋を持参して薬局で購入するシステムとなっています。

(4)予防接種等
 感染症の最新の流行状況や必要な予防接種等については、以下の厚生労働省検疫所ウェブサイトをご覧ください。
 https://www.forth.go.jp/index.html

(5)在留邦人向け医療支援団体
 医療関係者等で構成されるボランティア団体「在留邦人のための健康支援ネットワーク(JAMSNET)ドイツ」は、ドイツの健康・医療情報を日本語で提供するとともに、定期的に講演会やセミナーを実施しています。詳しくは以下のウェブサイトをご覧ください。
 http://www.jamsnet.de/

5 海外旅行保険への加入
 ドイツにおける診察、入院費用はかなり高額です。海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが少なくありません。
 医療面のみならず、万が一事故・盗難被害に遭った場合など、旅行・滞在中の予期せぬトラブルに備え、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。

6 医薬品の持込み、持出し
 医療用麻薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続きについては厚生労働省の次のホームページをご確認ください。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html

◎警察:電話110
◎救急・消防:電話112
◎在ドイツ日本国大使館:電話030-210-940
◎在デュッセルドルフ日本国総領事館:電話0211-164820
◎在ハンブルク日本国総領事館:電話040-3330-170
◎在フランクフルト日本国総領事館:電話069-2385730
◎在ミュンヘン日本国総領事館:電話089-4176040

○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2853
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局政策課(感染症関連)(内線)4919
○領事局ハーグ条約室(一般案内窓口)03-5501-8466
○外務省海外安全ホームページ
   https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
   http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地公館等連絡先)
○在ドイツ日本国大使館
  住所:Hiroshimastr.6, 10785 Berlin, Bundesrepublik Deutschland
  電話:(市外局番030)-210940
   国外からは(国番号49)-30-210940
  ファックス:(市外局番030)-21094222
   国外からは(国番号49)-30-21094222
  ホームページ: https://www.de.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在デュッセルドルフ日本国総領事館
  住所:Breite Straße 27, 40213 Düsseldorf, Bundesrepublik Deutschland
  電話: (市外局番0211)-164820
   国外からは(国番号49)-211-164820
  ファックス:(市外局番0211)-357650
   国外からは(国番号49)-211-357650
  ホームページ:https://www.dus.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在ハンブルク日本国総領事館
  住所:Domstraße 19, 20095 Hamburg, Bundesrepublik Deutschland
  電話:(市外局番040)-3330170
   国外からは(国番号49)-40-3330170
  ファックス:(市外局番040)-30399915
   国外からは(国番号49)-40-30399915
  ホームページ: https://www.hamburg.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在フランクフルト日本国総領事館
  住所:MesseTurm 34. OG, Friedrich-Ebert-Anlage 49, 60327 Frankfurt am Main, Bundesrepublik Deutschland
  電話:(市外局番069)-2385730
   国外からは(国番号49)-69-2385730
  ファックス:(市外局番069)-230531
   国外からは(国番号49)-69-230531
  ホームページ:https://www.frankfurt.de.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在ミュンヘン日本国総領事館
  住所:Friedenstraße 6 81671 München, Bundesrepublik Deutschland
  電話:(市外局番089)-4176040
   国外からは(国番号49)-89-4176040
  ホームページ: https://www.muenchen.de.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

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