アイルランド
安全対策基礎データ
- 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
2020年の年間犯罪発生総件数は、188,061件で前年比16.5%の減少となりました。2019年と比べ、強盗、侵入窃盗、スリ・ひったくりなどの財産犯を含め、多くの犯罪は減少傾向を示しているものの、当地ギャング団の関連する監禁・誘拐、脅迫・恐喝、薬物・銃器犯罪等は増加傾向を示しています。
ダブリン市内および近郊では、ギャング団同士の抗争とみられる銃撃・殺人事件が発生しており、警察は武装部隊による警戒活動を強化していますが、巻き添えにならないよう注意してください。
また、ダブリン市内および近郊では、少年少女の不良グループによる移民に対する暴行・傷害事件等の粗暴犯罪が複数発生しており、日本人も被害に遭っているため、注意が必要です。目立つ格好は避けて、市内を歩く際は、よく周囲の状況を確認し、大声で騒ぐ少年少女のグループを見かけたら、近付かないようにしてください。
2018年1月にアイルランド北東部ダンドーク市の路上において、同市在住の日本人男性が刃物で刺殺される事件が発生しています。
(1)2020年犯罪統計(出典:アイルランド中央統計局。カッコ内は対前年比)
殺人:38件(増減なし)
屋内強盗:680件(25.2%減)
屋外強盗:1,201件(22.9%減)
強制性交:767件(6.7%減)強制わいせつ:1,560(13%減)
放火:1,386件(12.7%減)
監禁・誘拐:114件(8.6%増)
暴行・傷害:15,691件(16.7%減)
脅迫・恐喝:3,183件(8.7%増)
侵入窃盗:10,336件(36%減)
自動車盗:3,781件(20.5%減)
スリ・ひったくり:1,7878件(58.5%減)
万引き:19,568件(20.8%減)
車上狙い・自転車盗・その他窃盗:26,338件(23.6%減)
詐欺・横領・背任:7,818件(1.9%減)
薬物犯罪:23,285件(8.8%増)
銃器所持:230件(11.7%増)
銃器使用::87件(9.4%減)
(2)主な犯罪とその対策
在アイルランド日本国大使館ホームページの「安全の手引き」(https://www.ie.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000138.html )の該当箇所をご参照ください。
2 テロ・誘拐
テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_151.html )をご確認ください。- 査証、出入国審査等
手続や規則等に関する最新の情報については、駐日アイルランド大使館(電話03-3263-0695)にお問い合わせください。
※新型コロナウイルス感染症対策のため、入国制限措置や入国に際しての条件・行動制限がとられていることがありますので、海外安全ホームページ(https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html )等により事前に最新の情報をご確認ください。
1 査証
日本とアイルランドとの間には査証免除取決めがあるため、観光等の非営利活動および短期商用(出張)の場合、滞在期間が6か月以内であればアイルランド入国に際して査証は不要です入国時最長許可期間は90日)。
2 入国審査
(1)アイルランド入国時に必要な旅券の残存有効期間は、滞在予定期間プラス6か月です。
(2)アイルランドと英国とは共通旅行区域(Common Travel Area)となっており、英国経由でアイルランドに入国する場合は、英国の空港でもアイルランドへの入国審査が行われます。
(3)最近アイルランドへの入国審査が非常に厳しくなっています。就学予定の場合、滞在が3か月以内であっても、事前に学校の入学許可を得ておくことをお勧めします。例えば、英国経由でアイルランドに入国する場合、英国の空港で学校からの入学許可等のレターおよび入学金等の支払い済み証明書の提示を求められる事があり、入国してから学校を探すと申し出た場合、不法就労目的と見なされ、乗り継ぎを拒否されることがあります。また、過去には、日本人のケースで、入国してから語学学校を決めると説明し、6か月先の帰国航空予約券を提示して申し出たところ、不法就労と見なされ、ダブリン空港で入国を拒否された例があります。
(4)短期商用でも、商用目的であることの証拠書類を求められることがありますので、訪問先からのInvitation Letterまたは派遣元の英文レター(目的、訪問先、滞在期間、滞在先等を記載)を携行してください。
(5)片道切符しか所持していない場合や入国後の当面の宿泊場所が決まっていない場合、また、所持金が少ない場合は入国を拒否されたり、滞在期間を限定されたりすることがあります。バックパッカーや一人旅の場合も入国審査が厳しいことがあります。
(6)18歳未満の単独旅行者(保護者と一緒でない入国)は、未成年者保護の観点から、入国審査で滞在先や滞在予定日数、日本の連絡先等について質問されたり、両親からの英文の渡航同意書(形式自由)の提出を求められる場合があります。
(7)アイルランド政府は、テロリストや不法移民排除のための水際対策を強化しています。査証免除だからといって安易な考えで渡航すると、入国できないという事態にもなりかねず、十分な注意が必要です。
3 滞在許可、就労許可
(1)アイルランドに3か月以上滞在する場合は、ダブリン以外の地方は最寄りの警察署(Garda)で「外国人登録」を行うと同時に「滞在許可」を取得する必要があります。
ダブリンではIrish Naturalisation and Immigration Service(13-14 Burgh Quay, Dublin 2, DO2 XK70)で申請します。以下のアドレスからオンラインシステムにて事前予約が必要です。
https://inisonline.jahs.ie/user/login
※予約が取りにくい状況が想定されるため、入国前から予約手続きを行うことをお勧めします。
E-mail: immigrationsupport@justice.ie
(2)滞在目的に合った滞在許可を得ていない場合や滞在許可の期限を過ぎたままの滞在は不法滞在となり、また、労働許可を得ずに就労した場合(ワーキングホリデーを除く)は不法就労となります。これらの場合、国外退去および処罰の対象となりますので、注意してください。
(3)入国時(英国の空港を含む)に許可された滞在期間を超えて滞在する場合は、滞在許可期間内に更新手続きを行う必要があります。
4 税関・検疫
申告手続等の詳細は以下にお問い合わせください。
Revenue(Irish Tax and Customs)
電話:(国番号353)1-738-3685
https://www.revenue.ie/en/contact-us/customs-ports-and-airports/customs-clearance-and-import-or-export-controls.aspx
(1)外貨申告
10,000ユーロ相当額以上の現金・小切手類をEU圏内に持ち込む場合、あるいは持ち出す場合は、税関への申告が必要です。
(2)EU圏外から持ち込める主な免税範囲
ア 土産類
土産物、香水、洋服等の免税品の合計額は、430ユーロ相当額(15歳以上)または215ユーロ相当額(15歳未満)が限度
イ たばこ類
たばこ200本、または細葉巻たばこ100本、または葉巻50本、または刻みたばこ250グラム
ウ 酒類
(ア)23度以上の酒(ウィスキー、ウォッカ、ジンなど)1リットルまたは22度以下の酒(シェリー酒、ポルトワイン、スパークリングワインなど)2リットル
(イ)ビール16リットル
(ウ)非発泡性ワイン4リットル
(3)持込み禁止・規制品目
ア EU圏内から持ち込む場合
犬猫(ペット)、不法・危険薬物、ポルノ関係品、一部食料品(主に肉・肉製品、牛乳・乳製品、魚製品等)、絶滅危惧種を使用した商品、国際的遺産として保護されている物・医薬品、銃器・兵器・花火・爆発物、動物・魚・鳥等
イ EU圏外から持ち込む場合
上記に加え、無煙タバコ等- 滞在時の留意事項
1 滞在先情報等の届出
(1)在留届
アイルランドに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後住所または居所が決まり次第遅滞なく在アイルランド日本国大使館に「在留届」を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をお勧めしますが、郵送またはファックスによっても行うことができますので、大使館宛てに送付してください。
(2)たびレジ
在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、アイルランドで事件や事故、自然災害等が発生し、在アイルランド日本国大使館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。
2 旅行・写真撮影の制限
(1)旅行制限は特にありません。
(2)軍事施設の写真撮影は禁止されています。
(3)空港での撮影は、公共スペースでは問題ありませんが、それ以外の空港施設については禁止されています。
3 交通事情
(1)運転免許証
ア アイルランドで自動車を運転する場合、渡航前に日本で国際運転免許証を取得する必要があります。
イ 入国後に日本の運転免許証からアイルランドの免許証に切り替える場合は、在アイルランド日本国大使館において日本の運転免許証の抜粋翻訳証明の発給を受けた後、アイルランド側に申請します(切替え対象者:アイルランドに1年以上滞在する(予定の)者)。
(2)交通ルール
アイルランドは日本と同じ左側通行です。
住宅街はT字路や行き止まりの道路が多いですが、標識は比較的整備されています。信号機のない交差点では右側からの車両が優先となります(YIELDの標識)。郊外の交差点はラウンドアバウトと呼ばれるロータリー式が多いですが、市内では多くの交差点に信号機があります。信号機について注意することは、表示位置が日本より低く、直進表示が緑矢印灯だけで表示される場合もあり、慣れるまでは見にくく感じられる点です。また、工事や故障・停電などのために信号機が点灯していないこともあります。
片側2車線以上の道路では、バス専用レーンが設定されていることが多く、標識に示された時間帯においては、一般車両は専用レーンを通行できません。
なお、踏切前での一時停止は必要ありません。一時停止は追突される原因にもなりますので、注意してください。
速度違反や飲酒運転の取締まりが年々強化されています。シートベルト着用は乗車する全ての者に義務づけられており、12歳未満の者を助手席に乗車させることは禁止されています。
(3)交通マナー
運転マナーは一般的に良好ですが、信号無視や無理な割り込み等のマナーの悪いドライバーも見受けられます。
幹線道路でも横断歩道以外を横断する歩行者が通勤時間帯を中心に多く見られますので、十分注意してください。
また、通勤・通学での自転車利用が多いので、通勤・通学の時間帯は、自動車走行中に接触しないよう注意してください。
(4)交通事故
交通事故を起こした場合には、直ちに警察(負傷者がある時は救急車も)に連絡してください。(電話番号は999または112)。警察・救急車が来るまでの間に目撃者を確保するのが得策です。警察を呼んで実況見分をしてもらい、後に事故を証明できるようにしておくと共に、事故の相手方の氏名、住所、電話番号、車種、登録番号、保険会社名を控えておくことをお勧めします。
4 ハーグ条約
アイルランドは、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の締約国です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締約国から他のハーグ条約締約国へ連れ去りまたは留置した場合は、原則的に子が常居所地国に返還されることとなります。ハーグ条約についての詳細はこちらのページをご覧ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html- 風俗、習慣、健康等
1 カトリック信者が多く、日曜日の午前中は一部の施設、店舗が閉まっており、また、公共交通機関の運行本数も少なくなります。
2 公共施設内や乗り物内などは禁煙です。
3 水道水は、近年、一部の浄水施設において殺菌行程に不備が生じた可能性があるとして、水道事業者から、煮沸してから利用するよう一時的な警告が出たことがあります。
4 食中毒、肝炎等の発症例がありますので、生ものには十分注意してください。また、食品の安全に関する情報は、以下のアイルランド食品安全局のホームページもご参照ください。
https://www.fsai.ie/
5 医療事情
(1)アイルランドの医療水準は比較的高いといえます。アイルランドでは、疾病等の際には、まず、ホームドクター(GP、General Practitioner)の診察を受け、その紹介状を持って専門医に行くというホームドクター制度が採用されています。このため、ホームドクターを経ずに直接受診できる専門医は急患を除き歯科医のみです。
緊急医療体制は整備されているとはいえ、医師不足、看護師不足、病床不足の影響は深刻で、公立病院(Public Hospital。無料または低料金)の場合、入院が必要であっても直ちに入院できない場合が多くあります。私立病院(Private Hospital)の料金は高額ですが、公立病院より早く治療・入院することができます。
なお、救急車で搬送されても差し迫った生命の危険がないと判断されると、場合によっては長時間待たされることがあります。
「世界の医療事情」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/europe/ireland.html )において、アイルランド国内の衛生・医療事情等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。
その他、必要な予防接種等については、以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
◎感染症情報(https://www.forth.go.jp/ )
(2)新型コロナウイルスに関する感染症危険情報が発出されていますので、引き続き外務省ホームページなどを通じて動向を注視してください。
6 日本人団体等
(1)アイルランドに日本人会はありません。
(2)ダブリンに日系企業の団体「在アイルランド日本企業懇話会」があります。同団体の問い合わせ先につきましては、在アイルランド日本国大使館経済班にご照会ください。
(3)ダブリンに補習授業校が2校あります。詳細については、同大使館領事班にご照会ください。
7 医薬品の持込み、持出し
医療用麻薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続きについては厚生労働省の以下のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html
8 参考ウェブサイト
アイルランド政府の公共サービス案内サイト「Citizens Information」では、当地の生活に関する情報を多分野にわたり掲載しています。
ホームページ:https://www.citizensinformation.ie/en/- 緊急時の連絡先
1 警察・消防 999 または 112
2 在アイルランド日本国大使館
大使館の休館日につきましては、在アイルランド日本国大使館ホームページでご確認ください)。
ホームページ: https://www.ie.emb-japan.go.jp/itpr_ja/taishikan.html
代表電話:(市外局番01)202-8300
国外からは(国番号353)1-202-8300
ファックス:(市外局番01)283-8726
国外からは(国番号353)1-283-8726
領事班Eメールアドレス:consular@ir.mofa.go.jp- 問い合わせ先
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2853
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局ハーグ条約室(一般案内窓口)03-5501-8466
○海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)
(現地大使館連絡先)
○在アイルランド日本国大使館
住所:Nutley Building, Merrion Centre, Nutley Lane, Dublin 4, D04 RP73, Ireland
電話:(市外局番01)202-8300
国外からは(国番号353)1-202-8300
ファックス:(市外局番01)283-8726
国外からは(国番号353)1-283-8726
ホームページ:https://www.ie.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
領事班Eメールアドレス:consular@ir.mofa.go.jp
※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。