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マダガスカル
安全対策基礎データ

更新日 2023年08月09日

1 犯罪発生状況
(1)全般的状況
 近年、首都アンタナナリボ市内のみならず、地方都市を含むマダガスカル全土において武装強盗等の凶悪事件が発生しています。2020年3月以降、新型コロナウイルス対策の一環で外出規制や国境封鎖等の措置がとられたことにより、経済活動が低迷し、失業者が増加したため、経済的困窮に起因する犯罪が増加しているとも言われています。なお、コロナ流行の影響による外国人排斥等の動きや、外国人を標的とする犯罪は特段確認されていません。
(2)スリ、ひったくり等
 スリ、ひったくり、置き引き、車上狙い等も依然として発生しており、マダガスカル人富裕層のみならず、外国人や観光客も被害に遭っています。
 特に、大型市場、ナイトクラブ、乗り合いバス等の大勢の人が集まる場所では、スリ、ひったくり等の犯罪が多発しています。最近の被害事例では、バッグやリュックをナイフで切られ中身を抜き取られたり、身に付けていた装飾品類をひきちぎられ強奪される事案が頻繁に発生しています
(3)誘拐
 マダガスカル全土において誘拐事件が多く発生しており、2022年の誘拐事件は、公開情報だけでも年間242件が報告されています。これらの事件は身代金目的の犯行が大半を占めていますが、被害者が殺害される事案も発生しています。
(4)詐欺
 空港において、単独の旅行者に近づき、低料金での移動・宿泊を紹介すると声を掛け、治安の悪い地区にある安ホテルに案内するといった不法斡旋の事案が発生しています。

2 日本人の被害例
(1)強盗殺人
 マダガスカル人富裕層のみならず、外国人が犯罪の標的となる事件も発生しています。外国人は金持ちとみなされており、日本人も例外でなく、2021年4月には、日本人の住宅に武装強盗が侵入し、日本人を殺害して金品を強奪する事件も発生しています。
(2)窃盗
 渋滞時の車内で携帯電話を使用していたところ、開いていた車の窓から携帯電話を奪い去られるという事案も発生しています。
(3)恐喝
 過去には、日本人観光客が多く訪れるアンタナナリボ市内の独立大通り周辺において、夜間、複数の警察官が検問と称して、法律違反等をしていない日本人観光客を車から降ろし、執拗に金銭を要求し、進路を阻んだり、警察署に連行するといった事案が発生しました。
(4)その他の金銭トラブル
 また、地方において、現地住民と一緒に写真撮影しようとしてカメラを向けたところ、金銭を要求され、トラブルとなる事案も発生しています。

3 犯罪被害危険地域・場所
 アンタナナリボ市内では、中心部周辺のイスチィ、アンダバマンバ、アノシベ、アナラケリ、ツァラララナ、アンタニメナ、ベオリリカ、アヌシ、67ヘクタール地区において、スリやひったくり等の犯罪が頻繁に発生しています。特に夜間は十分に注意してください。また、アンボヒマンガケリー、アンドワラノフチ、イタオシでは武装強盗が頻発しています。
 これまで地方都市は首都圏に比べ犯罪は少なく、比較的安全と言われていましたが、近年地方都市でも外国人に対する武装強盗、殺人事件が発生しており、首都圏と同様、常に危険に遭遇する可能性があることを念頭に置いて行動してください。

4 防犯対策
(1)強盗、誘拐等
 ひと気がなく狭い路地は、逃げ道がないため、強盗被害に遭いやすい場所と言えますので、立ち入らないようにしてください。また、単独での徒歩による移動は極力避け、夜間における不要不急の外出は控えてください。
 万一、強盗や誘拐等、身体・生命の危険にかかわる事件に遭遇した場合には、決して抵抗することなく、「身の安全の確保」を最優先に行動してください。過去の事例においても、犯行目的の大半は金品の強奪・窃取であり、抵抗することによって却って犯人を刺激し、傷害や殺害に発展するケースがありますので、十分ご注意ください。
(2)窃盗(スリ、ひったくり等)
ア 大型市場、ナイトクラブ等の大勢の人が集まる場所にはなるべく立ち入らないようにしてください。また、こうした場所では、バッグ類は常に体の前に抱える等の細心の注意を払い、特に貴重品類はバッグの中に入れて持ち運ばず、ウエストポーチ等を利用し身体に密着させた上で、さらに上着で覆い隠すなど、人目に付かないような工夫が必要です。
 イ 乗り合いバス等は利用しない方が安全です。また、車両での移動中は、常にドアをロックするとともに、窓を閉めるようにし、また外から見えるところにバッグ等を置かないようにしてください。
(3)詐欺・恐喝等
ア 言葉巧みに近寄ってくる者をむやみに信用しないようにしてください。
イ 警察官や偽警察官による金銭要求については、たとえ要求額が少額であっても、明らかに不当な金銭の要求であると考えられる場合には、毅然とした態度で支払いを断ることが肝要です。また、この様な事案に遭遇したら可能な限り警察官の所属と氏名を確認し、在マダガスカル日本国大使館までお知らせください。
ウ 無用な金銭トラブルを避けるため、写真撮影にあたっては事前に相手方の同意を得る等十分注意してください。
(4)タクシー利用上の注意点
 タクシー(料金メーター制ではなく交渉制)を利用する場合、運転手が他の客を同乗させることがあります。同乗者が強盗を働く事件も発生していますので、同乗を許可しないよう運転手に伝えておくことが賢明です。

6 テロ・誘拐
 テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_119.html )をご確認ください。

7 在留邦人向け安全の手引き
 在マダガスカル日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.mg.emb-japan.go.jp/files/000562984.pdf )もご参照ください。

手続きや規則に関する最新の情報については、駐日マダガスカル大使館(電話:03-3446-7252、7254)等にお問い合わせください。

1 査証
(1)短期滞在
 マダガスカルに入国するには査証が必要です。60日以内の短期滞在査証であれば、到着空港で取得(料金は期間により異なる)することが可能です。
しかし、空港の入国管理窓口では、申請時に多大な時間を要しますので、可能な限り渡航前に駐日マダガスカル大使館等で査証を取得しておくことをおすすめします。
(2)長期滞在
 長期滞在査証については、駐日マダガスカル大使館等にて申請・取得する必要がありますので、事前に駐日マダガスカル大使館等にご確認ください。
(3)変更可能査証
 滞在査証(ビザ)の延長は、内務省に申請する必要がありますが、通常、短期滞在査証の延長はできません。入国後に滞在査証の延長または変更を予定している場合は、事前に変更可能査証(ビザ・トランスフォーマブル)を取得して入国する必要があります。
 なお、近年、滞在期間の延長手続きを代行すると持ちかけ、高額な料金と引き換えに偽の滞在許可証を作成する業者が現れていますので、絶対に利用しないようにしてください。

2 出入国審査
(1)入国時は、旅券(パスポート)、入国カードおよび復路航空券の提示が必要です。入国カードは航空機の機内で配布されない場合もありますので、その際は、入国審査ゲート前に備え付けられている入国カードに必要事項を記入のうえ入国審査を受けてください。なお、入国カードの記入を代行するとして、謝金を要求する事例が見られますが、空港でそのようなサービスは行っていませんので、自ら記入するようにしてください。
(2)黄熱の汚染地域に渡航したことのある入国者は、入国(トランジットを含む)の際に、黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示が必要となる場合があります。なお、イエローカードの有効期間について、2016年7月11日以降は生涯有効と変更され、すでに所持する有効期間が過ぎた証明書も生涯有効なものとして取り扱われます(参考:厚生労働省ホームページ https://www.forth.go.jp/news/2016/06210854.html )。黄熱の詳しい説明は、厚生労働省検疫所ホームページ(https://www.forth.go.jp/useful/yellowfever.html )をご参照ください。
(3)学術調査およびテレビ撮影(取材)などの目的で入国する場合には、事前の許可を必要とする場合がありますので、駐日マダガスカル大使館にお問い合わせください。

3 外貨申告
 1,000ユーロ相当額以上の外貨を持ち込む場合には、申告が必要です。申告をせず入国し、出国時に1,000ユーロ相当額以上の外貨を所持していた場合、没収されるおそれもありますので、必ず申告するようにしてください。申告は手数料無料ですが、税関職員が旅行者に対し違法な業者を紹介し、本来無料であるはずの手数料を搾取する事案が報告されていますので、ご注意ください。

4 通関
(1)免税範囲
 タバコ2カートン、酒類2リットル(瓶は2本)までは無税で持込みが可能です。
(2)持ち出し禁止品目
 恐竜の化石、ワニ・海亀のはく製、未加工の貴石、高級木材等は持出禁止品目です。土産物で輸出申告書が必要な物(アンモナイトの化石の加工品等)は、購入店で作成してもらう必要があります。
 なお、市内の市場では、国外に持出しが禁止されているマダガスカル固有種の原猿類、亀、カメレオン等を観光客に売りつけることがありますが、絶対に購入しないでください。

5 医薬品の持込み、持出し
 医療用麻薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続きについては、厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html )をご確認ください。

1 旅行制限 
 特段の旅行制限はありません。

2 写真撮影
 大統領府、首相府、空港、港湾、治安機関等政府関連施設等の撮影は禁止されています。マダガスカル国旗を掲げた建物も政府関連施設ですので、撮影は避けたほうがよいでしょう。
 また、マダガスカルの慣習上、王族の墳墓等についても撮影は禁止されています。取材等で撮影をする必要がある際は、事前の許可が必要な場合がありますので、詳しくは駐日マダガスカル大使館にお問い合わせください。
地方の部族によっては写真を撮られることを嫌うこともあります。写真を撮ろうとしてカメラを向けたところ、いきなり暴力行為を受けたり、金銭を要求されたりした事例もあることから、現地の人を撮影する際は、無闇に撮影することなく、事前に相手方の同意を得る等十分注意してください。

3 各種取締り法規
(1)違法薬物
 麻薬等所持の刑罰は、懲役、罰金等の刑罰が科せられますので、絶対にかかわらないようにしてください。。
マダガスカルでは、麻薬に類する植物が自生している場所がありますが、近年、当局の麻薬等の取締りは強化されており、国内各地で検問が実施されています。 また、噛みタバコのような素性のわからない植物を勧められても絶対に口にしないでください。
(2)不法就労
 外国人の就労許可申請には、雇用主との契約書、犯罪経歴証明書(警察証明書)等が必要ですが、許可取得までに長期間を要します。不法就労が摘発された場合には、国外退去となる可能性があります。
(3)治安維持
 外国人が新聞、テレビ、ラジオ等を通じて政治的意見を発表することやスパイ行為は禁止されています。そのような治安維持上違法と認められる活動を行った場合には、国外追放、懲役、罰金の刑に処せられます。
(4)身分証明書の携帯義務
 旅券等の身分証明書は常時携帯が義務付けられています。
(5)その他留意事項
 ア 両替は、銀行、両替商、ホテル等の認可された場所において行ってください。空港等で違法両替商が勧誘してくることがありますが、絶対に利用しないでください。
 イ 繁華街(特にナイトクラブ周辺)では、トラブルに巻き込まれないためにも売春婦には近づかないように注意してください。
 ウ 外国人が違法行為により罰金刑を科せられた場合、その罰金額は非常に高額です。罰金が支払えない場合には懲役刑となります。
 エ マダガスカル国内において、犯罪に関与した場合、司法手続き終了まで長期間拘留されることがあります。
 オ マダガスカル国内法では、一方の親のみによる子の居所の移動について定めている法律はありませんが、訴訟のケースに応じて裁判により判決が下される仕組みとなっています。したがって、配偶者(離婚後の元配偶者を含む)の同意なく子を日本に連れ帰る場合、犯罪とされる可能性があるので注意が必要です。こうしたことを防ぐためには、子を連れ帰る前に、配偶者の同意を得るか、または第一審裁判所(Tribunal de premiere instance)において、配偶者との離婚調停および親権調停を行っておく必要があります。

4 交通事情
(1)運転免許証
 外国人は有効な国際運転免許証で運転することが可能です。(国際運転免許証を発行した国の運転免許証を所持している必要あり)
(2)道路事情・交通マナー等
マダガスカルの道路は右側通行です。
道路は幅が狭いうえ、舗装状況も良くなく、雨季には冠水することもあります。車道および歩道の区別のない道路が多く、歩行者は交通量の多い道路において車の間を縫うように横断するため、交通事故が頻発しています。
 アンタナナリボ市では、狭い道路が複雑に入り組んでおり、路上駐車も多く、通行が困難になっています。また、標識のない一方通行が多い上、交差点ごとに優先道路が異なっています。
交通マナーは劣悪で、ドライバーは自己中心的な運転をしています。車や道路の整備状況が劣悪であることに加え、近年オートバイが増加したことにより大事故になるケースが発生しています。
交通事情に慣れていない日本人旅行者が、車を運転することはおすすめできません。マダガスカルでは運転手付きレンタカーを利用するのが一般的です。

5 通貨に関する注意
 2017年に紙幣が刷新されており、旧紙幣は使用できなくなっていますので注意してください(旧紙幣の交換については2021年の6月30日をもって終了)。また、偽造紙幣の製造で摘発される事案も発生していますので、注意してください。

6 在留届
 マダガスカルに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後住所または居所が決まり次第遅滞なく、在マダガスカル日本国大使館に在留届を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、オンラインによる在留届電子届出システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をおすすめしますが、郵送によっても行うことができますので、在マダガスカル日本国大使館宛てに送付してください。

7 たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、マダガスカルで事件や事故、自然災害等が発生し、在マダガスカル日本国大使館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受取先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

1 衛生事情
 衛生状態は社会階層により極端な格差があります。アンタナナリボ市などの中級以上のホテル、富裕層や外国人向けのレストランの衛生状態は比較的良好です。一方で低所得者層の衛生状態はいまだに劣悪で、農村や都市のスラム街ではしばしば伝染性疾患の流行が見られます。アンタナナリボ市の中流層以上の居住地域では浄化槽が普及していますが、近代的下水道はありません。農村やスラム街ではトイレそのものがなく、汚水が流れる川や池で水浴びや洗濯も行われているのが現状です。したがって、安宿やホームステイ、大衆食堂の利用はウイルス・細菌・寄生虫による感染症への感染リスクが極めて高いと考えられます。
 野菜・肉・魚は必ず加熱調理をしたものを食べ、生食は避けてください。露店などで皮をむいて売っている果物は、病原体で汚染されている可能性が高く危険です。
 水道水は、うがい・洗顔・食器洗いに使う分には問題ありませんが、飲用には適しておらず、下痢の原因となる可能性があります。煮沸して飲むか、市販のミネラルウォーターを飲むようにしてください。
 また、雨季(11~3月)には蚊・ノミ・ダニなどの害虫発生がみられますが、同じ都市でもそれぞれの地区の衛生状態によって大きな差があります。

2 感染症
(1)マラリア
 マダガスカルのマラリアの90%以上は重症化リスクの高い熱帯熱マラリアです。治療が遅れると生命に関わる場合がありますので注意が必要です。
東海岸側は高温多湿の熱帯雨林気候で、1年を通じてマラリアが発生しています。北・西・南海岸側でも雨季(11~3月)を中心にマラリア発生がみられます。アンタナナリボ市を含め、国土の約70%を占める中央高地はほぼ標高1000m以上の高原で、年間を通じてマラリアの発生はまれですが、時々感染が報告されており、注意は必要です。
 病原体であるマラリア原虫は、蚊(ハマダラカ)が媒介します。マラリア予防は、何よりも蚊に刺されることを防ぐことが大切です。ハマダラカは日没後に活動を始めますので、海岸地帯での夜間外出の際は白い長袖・長ズボン(ハマダラカは白を嫌い黒を好む)を着用し、防虫剤などを使用することをおすすめします。さらに、寝室では蚊帳や電気蚊取り器などを使用してください。これらの器具はマラリア発生地域の中級以上のホテルではたいてい備え付けられていますが、地方では停電も多いので、電気蚊取り器は電池式のものを日本から持参すると役立ちます。海岸部に10日間以上滞在する場合は、抗マラリア薬の予防内服が有効ですが、必ず事前に専門医にご相談ください。
(2)細菌性下痢症
 マダガスカルは下水道が未整備の地域が多いため、細菌による食物汚染が起こりやすい環境です。病原菌としては、病原性大腸菌・赤痢菌・サルモネラ菌などが多くみられ、コレラが発生することもあります。道端の露店で売っている食物・菓子は不衛生であることが多いので、購入は避けてください。市場で購入した野菜類は清潔な水でよく洗い、肉・魚類は十分加熱してください。
(3)寄生虫症
 回虫・ぎょう虫など、腸に寄生する寄生虫が多くみられます。食べ物に付着した寄生虫卵が人の口から入り、腸管内で成長して腹痛・下痢・肛門周囲の痒みなどの症状を引き起こします。レタス・パセリ・イチゴ・トマトなどの野菜・果物類を生でそのまま食べることは避けてください。
 また、犬や猫などをはじめ、動物との接触にも注意し、手洗い、うがいを励行しましょう。さらに、湖、池などの淡水はビルハルツ住血吸虫、マンソン住血吸虫などに感染する可能性があるので、不用意に入らないようにしてください。
(4)狂犬病
 狂犬病は狂犬病ウイルスをもった動物の唾液から感染し、発症するとほぼ確実に死亡する危険な病気です。マダガスカルでは野犬が多く、特に夜間は群れをなしてうろついているので、夜間の一人歩きは危険です。また、キツネザルなどイヌ以外の野生動物が宿主となっていることも多く、かわいいからといって、これらの野生動物に不用意に手や顔を近づけるのは危険です。
 マダガスカル国内で長期の野外活動を予定している人は予防接種(3回注射が必要)を受けることをおすすめします。また、野犬等に咬まれたときは、予防接種済みでも曝露後ワクチンの追加接種が必要です。ワクチン未接種の方が咬まれた場合は、24時間以内に曝露後ワクチン接種を受ける必要があり、間隔を置いて計6回の接種を行います。ワクチンはアンタナナリボ市のパスツール研究所の狂犬病センター(週7日オープン、週末は午前中のみ)で接種できます。
(5)ポリオ
 マダガスカルは、2023年1月25日の世界保健機構 (WHO) 「ポリオウイルスの国際的な拡散に関する第34回緊急委員会」において、「ポリオウイルス(野生型(WPV1)、ワクチン1型(cVDPV1)または3型由来(cVDPV3))の感染があり、国際的に感染を拡大させるリスクがある国」に指定されています。
アンタナナリボ市では2020年以降、下水から継続的にワクチン1型ポリオウイルスが検出されており、2021年に13人、2022年に15例のワクチン1型ポリオによる急性弛緩性麻痺症例が報告されています。
 石けんを使用した手洗い、生水・加熱していない食品の摂取を避ける等の感染予防を行うとともに、過去にポリオワクチンの接種を受けた方も、渡航前の追加接種をご検討ください。
 感染症広域情報もご参照ください。
(参考)感染症広域情報
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2023C027.html
(6)ペスト
 マダガスカルは世界有数のペスト汚染国です。細菌性の伝染病で、ネズミに寄生しているノミが媒介します。8~4月が流行期です。近年、農村では焼畑や農薬散布のために、野ネズミが人の住むところに移動したことや都市の衛生状態が悪化していることで、流行が危惧されています。特に、肺ペストが流行すると、ヒトからヒトへの感染が起こるため注意が必要です。5~10年ごとに大流行が発生し、2017年は3000名近くの発症があり、200名以上が死亡しました。2021~2022年シーズンの感染者数は207名、死亡者数は18名です。
(7)HIV/AIDS、その他
 マダガスカルはアフリカ圏では比較的HIV感染率が低く、HIV陽性率は全国平均0.5%というデータが出ています。トラニャロ(フォール・ドーファン、トゥリアラ(チュレアール)といった観光地、港町ではより高い陽性率が報告されています。同時にこれらの町では梅毒などの性感染症がまん延していますので十分注意してください。

3 医療事情
(1)アンタナナリボ市には、比較的設備の整った私立病院がありますが、高度な医療や緻密な看護は期待できません。日本人が比較的よく利用する病院としては、 Polyclinique Saint François d’AssiseとPolyclinique D’Ilafyの2院があります。
 地方都市においては、十分な治療を受けることはできません。重症(重傷)の際には、まずアンタナナリボ市の病院を受診することをおすすめします。
 なお、新型コロナウイルスの検査は、アンタナナリボ市および地方主要都市の病院または検査機関において受検可能です。
(2)重症疾患や手術を要する場合、近隣の医療先進国(仏領レユニオン島、南アフリカ等)への移送が必要となりますので、緊急移送サービスを含む十分な補償内容の海外旅行保険等への加入をおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ(https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。
(3)「世界の医療事情」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/madagas.html )において、マダガスカル国内の衛生・医療情報等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。
 その他、必要な予防接種等については、以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
◎感染症情報(http://www.forth.go.jp

◎警察:TEL 17または117
◎救急:TEL 17または117
◎消防:TEL 18または118
◎在マダガスカル日本国大使館(アンタナナリボ市)
TEL:(市外局番020)22-493-57(開館時間08:00~16:45)
または(携帯コード032)07-072-11(閉館時間)

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省内関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)5145
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局政策課(感染症関連)(内線)4919
○海外安全ホームページ:
 https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
 http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)

(現地公館連絡先)
○在マダガスカル日本国大使館
  住所:Villa Chrysantheme III Ambohijatovo Analamahitsy Antananarivo(BP.3863)
  電話:(市外局番020)22-493-57
   国外からは(国番号261)20-22-493-57
  FAX:(市外局番020)22-494-94
   国外からは(国番号261)20-22-494-94
  ホームページ:https://www.mg.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

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