ガーナ | Ghana > 安全対策基礎データ

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

● 犯罪発生状況、防犯対策


1 犯罪発生状況
(1)ガーナは,西アフリカ諸国の中では,比較的治安の安定した国と言えますが,毎年多数の日本人を含む外国人が強盗や窃盗などの被害に遭っています。

(2)対外的に発表されている犯罪件数は,決して多くありませんが,ガーナでは被害に遭っても警察へ届け出ないことも多く,また現行犯逮捕以外での検挙も非常に少ないという特徴があるため,実際の発生件数とは乖離しているものと思われます。

(3)ガーナにおける特徴的な路上強盗は,バイクに乗った2人組の犯人が背後から近づき,まずは銃器やナイフ等で襲いかかり,ひるんだ隙に手荷物を奪うという手口です。従って徒歩で移動する際は,周囲の状況に細心の注意を払ってください。また,ガーナでは性犯罪も多いため,特に女性の一人歩きには十分な注意が必要です。

(4)銃器を使用した犯罪が発生しており,被害例では,道路を封鎖し,停車した車両を銃器で脅し,金品などを強奪する事案が報告されています。万一遭遇した場合は,身の安全を最優先し,絶対に抵抗しないでください。

(5)車両強盗の手口としては,道路上に仕掛けられた突起物によりタイヤをパンクさせ,車両から降りてきたところを襲撃する例や,親切を装い車両から煙が出ているなどと伝えた上で車を停車させたり,またフロントガラスに生卵を投げつけ,正面が見えなくなったことで停車したところを強盗するなど様々です。

(6)窃盗の被害例では,夜間就寝中に自宅又はホテルに忍び込まれて金品を盗まれる事例が多く報告されています。また,場所を問わずスリや置き引きが発生しているほか,小型バス(通称「トロトロ」)や乗り合いタクシーでの被害も多く発生しています。また,最近では警備員が配置されているレストランやスーパーでの車上荒らしも増加しています。
 滞在の際は,ホテルであっても貴重品の管理や戸締まりに十分な注意が必要です。また,外出時には手荷物は常に携行するよう注意してください。

(7)警察当局は,繁華街や海岸において,夜間から早朝にかけての外国人の徒歩での移動は控えるよう注意喚起しています。路上強盗,押し込み強盗,タクシー強盗等は,夕方以降に発生するケースが目立ちますが,最近では白昼人通りが多い場所での被害が報告されています。

(8)ガーナにおける主な公共交通機関は,小型バス(トロトロ)とタクシーがあります。トロトロは行き先により料金が決まっており乗車してから料金を支払いますが,タクシーは乗車する前に値段交渉が必要です。ガーナではトロトロ及びタクシーの運転手の多くが無免許運転と言われているほか,十分整備されていない車両も多く,注意が必要です。特にタクシーは,道を知らない運転手が多く,また,他の利用客を勝手に相乗りさせるため,料金交渉の際には,車の状態や運転手以外に人がいないかどうかを確認する必要もあります。なお,タクシーは各市役所に登録する必要があり,その登録番号が車体に表示されています。

(9)タクシー強盗が多く発生しているため,その対策の一環として,コトカ国際空港では登録されたタクシーしか客を乗せることができません。また,乗る場所もタクシー専用駐車場又は一般駐車場に限定されており,空港到着出口の道路上で客を乗せることは違法行為となります。従って,空港からタクシーを利用する場合は,定められた駐車場内で乗るようにしてください。登録されているタクシーがすべて安全とは言い切れませんが,登録されているタクシー運転手は黒いズボンに青いワイシャツ(週末・祝日は青いポロシャツ)を着用しており,料金表を備え付けているタクシーもあります。そのほか,黒いズボンに肩章付き白シャツを着た若干割高な高級タクシーもあります。

(10)空港では,偽警察官,偽職員及び荷物運びによる置き引きや窃盗が発生しています。貴重品は絶対に体から離さないようにしてください。

(11)空港の到着出口では,到着客の出迎えのためにサインボードを掲げている出迎え者が多数みられます。その場で偽のサインボードを作成し,あたかもその到着客を出迎えているように装い,その到着客を自分の車に乗せ込んだ後,強盗を行うという手口も報告されています。空港で,面識のない人物の出迎えを受けることになっている場合は,あらかじめ出迎え者の氏名等確認しておくことが大切です。その上で必ず迎えに来ている人物に身分証明書や運転免許証を提示させる等の手段を講じ,強盗被害に遭わないように注意してください。

(12)空港や職場から出発した車両を尾行し,自宅に到着した際に金品や車両を強奪する事件も多く発生しています。尾行されていると気づいた場合は自宅へは戻らず,近くの警察署や人が多く集まる施設へ避難するようにしてください。

(13)当地では,金やダイヤモンドの商取引を装った詐欺事件が多く発生しており,日本人を含む外国人の被害が多数報告されています。詐欺事件の多くは偽物を掴まされる手口です。中には偽造の証書を使うケースや送付前の金やダイヤモンドを空港内の保税倉庫で被害者に確認させるものまで,非常に大がかりな仕組みで詐欺行為が行われるケースもあります。また,様々な理由をつけてガーナへの訪問を求め,訪れた被害者に対し,拉致,監禁等暴力的行為に及ぶ例も報告されています。
ガーナにおいて金の取引を行う際には,高価値鉱物マーケティング公社(PMMC)を通じてアドバイスを得るようお勧めします。必ずしもPMMCを介さなければ金及びダイヤモンドの取引ができないというわけではありませんが,PMMCは金及びダイヤモンドの取引の真正性を保証できる国内唯一の公的機関であり,PMMCを介さず採掘会社又は販売会社と直接取引を行おうとして詐欺に遭う被害が増加しています。
 PMMCを介しての金の取引による相場については,ロンドン金属取引所における輸出当日の現物価格をベースに決定されるため,取引会社等からの提示価格が市況価格より著しく安価である場合は,詐欺の可能性が高いと考えられます。なお,詐欺事件においてもPMMCを介しての取引を装い同様の手順を踏んでいるケースが多くみられますが,使用されるほとんどの書類が精巧に作成された偽造書類の可能性が高いので,信頼できる弁護士などにより書類が真正なものかどうか確認することをお勧めします。

(14)日本人を含め外国人が被害者となる通称「419事件」(国際詐欺事件)が増加しています。「419事件」とは,インターネットや電子メールを利用して,アフリカ諸国の政府高官や政府関係者の名をかたり,様々な儲け話を持ちかけ,連絡を取り合ううちに「手数料」や「政府高官への賄賂」などの名目で「前渡し金」をだまし取ろうとする手口が特徴です。種類としては,マネーロンダリング型(資金洗浄型),貿易取引型,入札型,遺産相続型,黒塗り紙幣洗浄型及び金保管型等が存在しています。相手を信用させるために見せ金を見せたり,弁護士と称した人物を紹介するなど,年々手口も巧妙化しています。本件に関しての被害は詐欺だけにとどまらず,犯人グループによる拉致監禁,身代金要求といった凶悪犯罪にまで及ぶことがあります。

(15)インターネットや電子メールを利用した恋愛・結婚詐欺が増加しています。主な手口は,ガーナに滞在している外国籍の異性(被害者が男性の場合には外国籍の白人女性,被害者が女性の場合には米国籍の軍人など)を名乗り,写真を送りつけて信用させ,交際や結婚などといった話題で連絡を続け,最終的には日本への渡航費用や査証(ビザ)の取得に必要だとして数千米ドル(数十万円)の送金を要求し,送金した後は音信不通になるというものです。この場合,信用させるために日本の査証(ビザ),航空券,パスポートなどを偽造し電子メールで送付するケースが多く,大規模な組織の犯行であると指摘されています。また,手口も多様化してきており,電子メールに限らず手紙で行われる場合もあります。相手の国籍も多様ですが,犯行グループの目的は金銭を詐取することにあり,振り込みや送金による詐取が困難と判断した場合には,被害者を現地に呼び寄せて身代金誘拐を行うといった手口の報告もあります。最近では,一度でも金銭を支払ったことのある被害者を複数回にわたって執拗に狙うという事例もあるので,十分に注意してください。

(16)以上のほかにも,商取引を装った詐欺が継続して発生しています。手口は様々ですが,日本にいる間に一定金額を支払わせた後,被害者をガーナへ呼び出し,高級車での送り迎えや,ガーナの役所の会議室などで打ち合わせを行うなど,巧妙な手口の犯罪が特徴です。ガーナでは,部外者が役所内の会議室を借りることも難しくはないため,役所の施設を使っているからといって安易に信用することなく,十分に注意してください。

(17)これまでに,ガーナにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,パリ,ブリュッセル,イスタンブール,ジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。


2 防犯対策
防犯対策は次のとおりです。
(1)多額の現金は持ち歩かない。
(2)貴重品は肌身に付けて携行する。
(3)手荷物は絶対に手から離さない。
(4)路上ではオートバイ等によるひったくりがあるので,バッグは必ず道路側と反対の手で持つ。
(5)外出は出来る限り車を使用する。
(6)車中の見える場所に貴重品は置かない。
(7)車に乗っている時には窓ガラスを開放しない。
(8)タクシーの相乗りはしない。
(9)自宅,ホテルなどの出入り時は,周囲に気を配り不審者の有無を確認する。また,室内の窓は出来る限り解放しない(窓,扉は常時施錠が望ましい)。
(10)ホテルの部屋に貴重品を放置しない。
(11)連絡出来る通信機器を常時身につけておく。
(12)使用人を含む第三者に,不用意に行動予定を教えない。
(13)通勤,通学ルートを不定期に変更する。
(14)警備員の配置,番犬の配置,警備機器(監視カメラ等)の設置,身辺警護などを勧める。
(15)在ガーナ日本国大使館などから最新の情報を入手する。

● 査証、出入国審査等


(手続きや規則に関する最新の情報については,駐日ガーナ大使館(03-5410-8631)等に確認してください。)

1 査証
 ガーナへの入国に際しては,入国査証(ビザ)の事前取得が必要です。空港での査証取得手続きはできませんので,必ず駐日ガーナ大使館若しくは第三国にあるガーナ大使館で目的に応じた査証をあらかじめ取得してください。

2 出入国審査
(1)入国の際は,出入国カード,パスポート(査証を含む)及びイエローカード(黄熱の予防接種証明書)をチェックされます(まれに搭乗した航空券の提示を求められる場合もあります)。

ア 黄熱の予防接種は,渡航予定日の10日前までに接種する必要があります。また,WHOは10年であった黄熱予防接種証明書(イエローカード)の有効期間を2016年7月11日より生涯有効に延長することを勧告したことに伴い,日本で発行される黄熱予防接種証明書の有効期間も1回の摂取で生涯有効となりました。ガーナにおいても,有効期間の過ぎた証明書であっても入国可能となります。

イ 入国時は,目的にかかわらず30日若しくは60日以内の滞在を認めるスタンプを押印(注:滞在期間の日数は手書き)されるため,査証の条件と必ずしも一致しないことに注意してください。滞在期間の延長は入国管理局各事務所で手続きを行い,6ヶ月を限度に認められます。

(2)出国の際は,出入国カード,パスポート,搭乗券,黄熱予防接種証明書をチェックされ,出国スタンプを押印されます。

3 持ち込み,持ち出し現金外貨
(1)居住者を含むすべての渡航者に対する外貨の持ち込み限度額は,10,000米ドル相当額以下に制限されています。10,000米ドル相当額を超える持ち込みを希望する場合は,銀行等を経由し送金する必要があります。外貨の持ち出しについても10,000米ドル相当額以下に制限されています。10,000米ドル相当額を超える持ち出しを希望する場合は申請が必要です。右外貨の対象となるのは,硬貨,紙幣,トラベラーズチェック,株券及び債券等が含まれます。

(2)現地通貨(ガーナ・セディ(GHC))の持ち込み及び持ち出しについても上記(1)と同額相当までに制限されています。

4 通関
 銃器類,麻薬類,わいせつ物等は持ち込みが禁止されています。ダイヤ原石や金貨,動植物等の持ち込みはガーナ政府の許可が必要です。また,カカオ豆や鉱物資源,儀式道具や歴史的・文化的価値を有する工芸品の持ち出しもガーナ政府の許可が必要です。

● 滞在時の留意事項



1 ガーナに事業,留学,就労などの目的で60日以上滞在する場合は,入国管理局各事務所に届け出て滞在許可証を取得する必要があります。手続きには「警察証明書」及び「雇用期間の記載された雇用契約書等」の提出が義務付けられており,必要に応じて「ガーナ国内の認可された病院の診断書」の提出が求められる場合もあります。なお,警察証明書は,在ガーナ日本国大使館でも取得できますが,通常発給までに1~2か月を要するため,日本を出発する前に各都道府県警察本部で受領されることをお勧めします。

2 ガーナ政府機関(National Identification Authority。以下NIA)は,ガーナ国内に3か月以上滞在する外国人に対し,外国人IDカード(non-citizen identity card)の取得を勧めています。NIAによると,この措置は国内法規(Regulation 7 of the National Identity Register Regulations,2012(L.I.2111)に依拠したものであり,外国人は,入国管理局の各種手続き(滞在許可申請等),運転免許証申請,その他公的機関における各種申請等に外国人IDカード(non-citizen identity card)が必要となります。
申請方法,申請場所,不明点等につきましては直接NIAへ問い合わせてください。
・名称:National Identification Authority
・電話番号:+233(0)50 126 7262/+233(0)50 126 7280
・ホームページ:http://www.fims.org.gh/

3 空港,政府関連施設,軍事施設及び警察施設等多くの撮影禁止場所が存在します。撮影中に警察官などから注意を受けた場合は必ずその指示に従ってください。

4 麻薬の使用,所持,売買,生産及び輸出入は厳しく禁止されており,初犯であっても厳罰が科せられます。

5 通貨,両替
(1)日本円をガーナ・セディに両替することはできません。両替可能な主な通貨は,米ドル,英国ポンド,ユーロです。両替は銀行,空港,ホテルの両替所及び両替商で行えます。路上で両替をしている業者もありますが,両替の際に犯罪に巻き込まれるおそれもあるので,避けてください。

(2)トラベラーズチェックは取り扱いができない銀行が多いほか,取扱店においても1日当たりの換金金額に上限が設けられている等種々の制限が課されている場合が多いため,事前に確認することをお勧めします。

(3)クレジットカードは一部の高級ホテルやATMで特定のカードのみ使用できますが,スキミングなどで不正使用される可能性があるためお勧めはできません。

(4)ATM機には引き出し限度額が設定され,且つ,日々変更する可能性があります。

(5)ガーナ国内の銀行では米ドルを現金で引き出す場合,引き出し額に制限がある可能性があります。

6 労働許可を取得することなく就労することは禁止されています。就労に関しては,入国後に入国管理局各事務所へ居住許可及び労働許可を申請し取得する必要がありますが,取得には時間を要します。

7 在留届の提出
 ガーナに3か月以上滞在する方は緊急時の連絡などに必要ですので,到着後在ガーナ日本国大使館に「在留届」を提出してください。また,住所その他の届出事項に変更が生じたとき又はガーナから転出する(一時的な旅行を除く)ときは,必ずその旨を届け出てください。在留届は,オンライン在留届電子届出システム(ORRネット: http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )による登録をお勧めします。

8 「たびレジ」への登録
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者など)についても,現地での滞在予定を登録していただけるシステムとして,2014年7月1日から,外務省海外旅行登録「たびレジ」の運用を開始しています(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )。登録された方は,滞在先の最新の海外安全情報や緊急事態発生時の連絡メール,また,いざという時の緊急連絡などの受け取りが可能ですので,是非ぜひご活用ください。

● 風俗、習慣、健康等



1 ガーナでは国民の約69%がキリスト教,約16%がイスラム教,そして残り約15%が伝統宗教を信仰していると言われています。なお,イスラム教では,金曜日が集団礼拝の日とされており,その機会を利用して政治的スピーチやデモが行われ,それが大規模化,暴徒化する場合があります。また,その際,モスク等宗教施設やデモ等を狙ったテロや襲撃が行われることもありますので,特に金曜日には不用意に宗教施設等に近づかないようにしてください。

2 アシャンティ族(クマシ周辺),ガ族(アクラ周辺),エヴェ族(ボルタ地域),ダゴンバ族・マンプルシ族・ゴンジャ族(いずれも北部)等,100以上の部族が存在すると言われており,各地に伝統的首長が存在します。

3 健康管理と医療事情
 以下の在外公館医務官情報において,現地の医療事情や,予防接種に関する情報も記載していますので,併せてご参照ください。
●「在外公館医務官情報」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/ghana.html

(1)概況
ガーナ共和国は,通年,高温(年間平均最高気温30.8度)で多湿(60~85%)な気候に加え,断水や停電が頻繁に起こります。上下水道の整備が不十分なため衛生状態が悪く,食べ物や飲み物を介した感染症(下痢,発熱,嘔吐)が多くみられます。また,多くの風土病があります。特にマラリアは当国の病院受診者の受診理由の中で最も多く,1年中流行し,治療が遅れれば死亡する熱帯熱マラリアです。熱帯熱マラリアを疑ったら素人判断せず必ず病院で検査し,診断を受け,治療を受ける必要があります。当国に滞在し生活するためには,これら感染症への対策が不可欠です。また,日頃から健康に留意するとともに,ガーナ渡航前までに,虫歯などの歯科治療を済ませてください。
 当国の医療水準は極めて低く,医療従事者数は極度に不足し,例えば医師数は対人口あたりで日本の25分の1のため,公立病院は通常多くの患者で溢れています。また,医療機関の設備や医療機器の整備が十分でなく衛生基準も十分ではありません。血液製剤は十分に検査されていません。輸血を受けるとHIV・肝炎・マラリア等に感染するおそれあります。大都市に限り富裕層や外国人向け検査・入院施設を完備した私立病院がありますが,多くは軽症の対応しかできません。救急の場合,救急車が十分に配備されていので病院へはタクシーか自家用車を利用するのが一般的です。
 当国で脳卒中や心臓病など重病の場合や手術・処置が必要となった場合には,海外旅行保険会社等の担当医あるいはかかりつけ医に相談してください。万一の緊急移送に備えて,医療先進国で医療を受けられる十分な補償内容の旅行傷害保険に必ず加入してください。薬局は市内に数多くあるので主要な薬は容易に手に入れることが出来ます。しかしながら,偽薬や期限切れの薬が出回っている可能性は否定できません。服用中の薬がある方は十分な量の使い慣れた処方薬を出国前に準備しておくことをお勧めします。予防接種と予防薬についてもあらかじめ旅行医学専門医等と相談し渡航の準備が必要です。

(2)注意を要する病気
ア マラリア(ハマダラカが媒介)
 最も注意すべき病気です。年間約100万人以上が罹患し死亡原因の1位(12.3%)を占めます。一年を通じて感染者が報告されており,また首都アクラでも感染例が報告されています。ガーナにおいては,致命率の高い熱帯熱マラリアがほとんどです。予防として,蚊に刺されないように蚊が活動する夕方から明け方の外出を控え,外出するときはなるべく長袖・長ズボンを着用し,虫除けスプレー等蚊の忌避剤の使用をお勧めします。さらに室内への蚊の侵入を防ぐために,窓に網戸を張り,窓を閉めてエアコンを使用してください。蚊取り線香や電気式蚊取り器,蚊帳も有効です。ガーナ滞在中及び帰国後1か月以内に万一,38度以上の発熱があった場合には,マラリアを疑い,直ちに最寄りの医療機関を受診してください。また,前述のとおり,近年,首都アクラでのマラリア感染例が増えていることもあり,駐在外国人の中で予防薬を服用する人が増えています。予防薬服用については,その要否も含め,滞在の期間や形態を勘案し,必ず事前に旅行医学,熱帯医学などの専門医に相談してください。なお,予防薬は,同国内の薬局でも購入することができます。

イ 黄熱(シマカ類が媒介)
 ガーナは,黄熱汚染地域となっており,特に2011年から感染例が増加しています。黄熱は,激しい頭痛や腰痛と発熱が初期症状の,死亡率の極めて高い病気です。黄熱予防接種は,ガーナの入国条件になっていますので,必ず渡航10日前を目安に事前に同予防接種を受けて黄熱予防接種証明書(イエローカード)を取得し,同カードを持参して入国してください。

ウ デング熱(ネッタイシマカが媒介)
 デング熱は,都市部に棲息するネッタイシマカが媒介し感染します。この蚊は日中に活動するので旅行者の感染例も多く報告されています。症状は急な頭痛,関節痛,筋肉痛を伴う発熱で発疹を伴うこともあります。急性症状は10日程続き,回復には2~4週間程かかります。出血傾向や血圧低下を伴うものはデング出血熱と呼ばれます。

エ 経口感染症(食べ物や飲み物で感染)
 食べ物等を介して感染するサルモネラ,腸チフス,赤痢,アメーバ症,コレラ及びA型肝炎等多くの経口感染症がみられます。上下水道のインフラが不十分で衛生環境が悪いためで,ガーナ国内で下痢症は死亡原因の3位(6.0%)を占めるとされています。先進国からの旅行者が同地に滞在し,対策無しに飲食を続けると1か月で80%が感染性下痢症に罹患するとのデータがあります。嘔吐や発熱を伴うことがあります。ホテル内を含むレストラン等で食事をする場合は,十分加熱した物を食べ,生野菜やカットフルーツも警戒してください。飲料水は,蓋のされたミネラルウォーターを使い,水道水や氷等は避けてください。また,A型肝炎と腸チフスについては,事前に予防接種を行うことをお勧めします。

オ 髄膜炎菌髄膜炎(咳やくしゃみで感染)
 ガーナはアフリカ髄膜炎流行ベルト地帯に位置し,北部を中心に乾季に流行します。まれな疾患ですが,発症すれば重篤になります。感染者と接触すると感染する危険があります。特に地方に長期滞在する方は予防接種を検討してください。現地で一般的に接種されるワクチンは二価(A,C)ですが,最近はWタイプの流行が多く報告されているため四価(A,C,Y,W)ワクチンがより有効とされています。なお,同予防接種は日本では未認可ですので,トラベルクリニックなどで相談してください。

カ 狂犬病(犬など動物が媒介)
 狂犬病はウイルス疾患で主に犬などの動物が媒介します。ガーナでは動物に咬まれたり引っ掻かれると感染する危険があるので,動物とは一定の距離をおいて,接触しないように注意してください。狂犬病に感染すると神経に沿ってウイルスがひろがり麻痺を引き起こします。やがて,ウイルスが脳に到着し,昏睡,死亡にまで至ります。発症すると治療法がないので,動物に接触する機会が多い方はあらかじめ予防接種を検討して下さい。狂犬病に感染した疑いのある動物に咬まれるなどした場合には,直ちに医療機関を受診し,1回目のワクチン接種を受ける必要があります。ガーナ国内でワクチンが手に入らない場合は,速やかに医療先進国への移送を検討してください。また帰国時に検疫所に申告してください。

キ 住血吸虫症(水浴で感染)
 住血吸虫症は淡水に棲息する寄生虫が直接皮膚に侵入することで感染する疾患です。ガーナでは西アフリカ最大の湖沼地帯(ボルタ湖およびボルタ川)があり,その流域を中心にガーナ全土がWHOによりビルハルツ住血吸虫の流行地に指定されています。ビルハルツ住血吸虫の感染は,河川や湖沼等で水浴中に皮膚より感染する事が多く,素足やサンダル等での入水は感染の危険を高めます。ビルハルツ住血吸虫症は膀胱壁の障害に基づく血尿,排尿障害,腎尿路系の二次感染などが主症状で,さらに慢性期には膀胱癌をともなうことが問題といわれています。

ク HIV/AIDS,B型,C型肝炎(血液や体液で感染)
 国民(15歳から49歳)の1.8%前後がHIV感染者と報告されています。HIV/AIDSは死亡原因の2位を占めます。HIV,B型,C型肝炎は主に血液,体液を介して感染します。ガーナでは肝炎を多く認めますので,輸血を要する事態が発生すればこの点に十分な注意してください。B型肝炎は,抗体の有無を確認のうえ,事前のワクチン接種をお勧めします。

ケ 結核(咳やくしゃみで感染)
 ガーナでは2012年に15,198人の結核感染者を認め,そのうち10.7%の方が死亡しています。感染者と接触してもすぐに感染することはありませんが,感染者と長時間接触していると感染する可能性があります。運転手やメイドなどを雇用される方は使用人の健康にも留意してください。

コ その他寄生虫症
 リンパ系糸状虫症,オンコセルカ病,腸管寄生虫症(回虫症,釣虫症),トリパノソーマ症,リーシュマニア症等が認められます。

サ ラッサ熱
 この病気は,ネズミ等齧歯類が媒介する死亡率の高いウイルス病です。患者からのヒト-ヒト感染も報告されています。2011年11月頃から,北部を中心に散発的に患者が確認されています。ネズミを見かけるような不潔な住環境で感染の危険性が高まります。また,周囲に患者発生の情報があった場合には,体調の悪い人との接触に留意してください。

シ エボラ出血熱
 エボラウイルスが引き起こす,致命率が50%前後と非常に高い感染症です。2014年に初めて西アフリカで大流行しました。以前はエボラ出血熱と呼ばれていましたが,必ずしも出血の症状を伴わないためエボラウイルス感染症とも呼ばれるようになりました。ガーナでは現時点で発生例はありません。2014年に近隣国のギニア,リベリア,シエラレオネで大流行し,ナイジェリアやセネガルにも波及しました。専門家によると自然宿主はコウモリと言われていて,コウモリから直接あるいはチンパンジーや小動物を介し人間に感染するとされています。ヒトからヒトへの感染は患者やご遺体の血液,分泌物,排泄物などの直接接触を介し,皮膚の傷口や粘膜などからウイルスが侵入することで感染します。また,患者のいる家庭や医療施設での感染率が高いとされています。潜伏期が2~21日と幅が広く,初期には発熱,頭痛,嘔吐,下痢など他の感染症の症状と見分けがつかないため,流行国への渡航歴や患者との接触歴があれば診断には検査が必要です。専門家によると症状を呈していない患者からはウイルスが感染しないので,空港や機内での感染の危険性は低いとされています。感染予防のためには頻回に石けんと流水で手洗いを行うとともに,エボラを疑う患者や遺体の血液・体液・嘔吐物や動物の死体に直接触れないようにすることが重要です。十分量の消毒用エタノールを含む手指消毒剤や0.05%次亜塩素酸ナトリウムでの手洗いもウイルスに有効とされています。
ス脱水および日射病(熱中症)
 同地に滞在中,体感以上に発汗するので,常に水分補給を心がけることが必要です。特に,子供と高齢者には注意が必要です。脱水症状の初期では,強いのどの渇きを感じますが,やがて尿や発汗量が減少し,継続すると,立ちくらみや皮膚の乾燥などを伴うようになり,頭痛,めまい,意識がもうろうとするなどし,致命的な状態に陥ることもあります。外出時や運動する際は,帽子や長袖等の日よけ対策を十分にし,こまめに電解質を含む水分補給を心がけてください。

セ 交通事故
 道路の整備が需要に追いつかず,交通渋滞が頻発しており,運転マナーも悪いことに加え,停電等で信号機が消えていることも多く,特に夜間は街灯も少なく危険です。交通事故に注意してください。唯一の公共交通機関である乗り合いバス(トロトロ)や値段交渉式タクシーは,安全面に難があります。運転手付きレンタカー等の利用を検討してください。

ソ 精神の不調
 ガーナに滞在する間に精神の不調を来す方が見られます。ガーナの環境やガーナ人の気質への順応が容易でないこと,マラリア罹患への不安,着任直後から感染性下痢症を繰り返すこと,ストレスを発散できるレジャーが少ないことなどが原因として挙げられます。しかし,精神の問題は多くの要因の複合である場合が殆どで周囲の状況を改善しても根本的な問題解決に至らないケースも多く見られます。精神の不調を来すことのないように,日頃からストレスの発散とメンタルケアに心がけてください。

● 緊急時の連絡先


◎警   察:TEL 191
            18555(当地VODAFONE及びMTN回線のみ可)
            030-277-3906
            030-278-7373
◎救急・消防:TEL 999
◎在ガーナ日本国大使館:TEL (市外局番030)2765060~1
            国外からは(国番号233)-30-2765060~1

(問い合わせ先)


○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞ヶ関2-2-1
  電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902,2903

(外務省関係課室連絡先)
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
  電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)5140
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
  電話:(外務省代表)03-3581-3311 (内線)3047
○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)

(現地大使館連絡先)
○在ガ-ナ日本国大使館
  住所:Fifth Avenue Extension, West Cantonments Accra, Ghana(P.O.BOX 1637)
  電話:(市外局番030)2765060~1
   国外からは(国番号233)-30-2765060~1
  FAX:(市外局番030)2762553