香港
安全対策基礎データ
- 犯罪発生状況、防犯対策
1 概況
香港の犯罪発生率は高くはなく、比較的安全な都市であると言えますが、2024年の犯罪発生件数は94,747件で、2023年と比較して4,471件(5.0%)増加しました。しかし、殺人、強盗、傷害、窃盗など、詐欺以外の犯罪の多くが減少しており、2023年の増加率(2022年比28.9%増)と比べて増加率は低いと言えます。
増加している主な犯罪は詐欺事件(44,480件)であり、前年と比較して4,656件(11.7%)増加しています。このうち約62%がインターネット関連の詐欺事件であり、被害総額は約1,800億円に上ります。
2 詐欺事案
(1)一般詐欺事案
様々な種類の詐欺が発生しており、中でも2024年初めから「カスタマーサービスの職員になりすます」という新しい手口が発生し、2024年中、この手口による詐欺事件が5,575件発生しています。
香港警察(ADCC(Anti-Deception Coordination Centre))のホームページでは、最新の詐欺手口等が紹介されていますので、詐欺被害を未然に防止するためにご活用ください。また、香港警察では、不審な電話や電子メールなどを識別するための検索エンジン「Scameter」やモバイルアプリケーション「Scameter+」を一般公開していますので、こちらも併せてご活用ください。
ア 詐欺被害防止対策
○ 少しでもおかしいと思ったら、すぐに周りの人(家族、知人、同僚、在香港日本国総領事館、香港警察の詐欺相談ホットラインなど)に相談する。
○ インターネット上でクレジットカード番号などの個人情報を取り扱う際は、ブックマークや正規のアプリケーションを活用する。電子メール中のリンクはクリックしない、本来のウェブサイトであるかどうかを確認するなどして、細心の注意を払う。
○ 最新の詐欺手口を香港警察のウェブサイトなどで確認し、防犯意識を高める。
イ 参考情報
● 香港警察の詐欺相談ホットライン(ADCC(Anti-Deception Coordination Centre))
電話番号:18222(緊急の場合:999)
24時間対応(英語、広東語、普通語対応)
https://www.adcc.gov.hk/en-hk/alerts.html
● Scameter
https://cyberdefender.hk/en-us/
(2)日系企業を狙った詐欺電話事案
2021年4月頃から香港の日系企業を狙った電話での詐欺事件が発生しています。詐欺事件の手口と被害防止に向けた取り組み等については、以下のとおりです。
ア 電話詐欺のよくある手口
○ 日本本社の社長を名乗る人物より電話あり。
○ 日本本社の電話番号が着信番号として表示されていることがある。
○ 日本語が流暢であるため、電話している人物は日本人と思われる。
○ 駐在事務所の経理財務責任者が狙われている。
○ 電話の内容は「M&A交渉のため指定の弁護士と連絡をとって、必要額を指定口座に振り込んで欲しい」というもの。
○ 極秘事案のため、本社への確認のための電話・メールは一切止めて欲しいという釘刺し有り。
イ 被害防止に向けた取り組み
○ 電話で口座振込の指示を受けたら、先ず第三者(社内の担当者、在香港日本国総領事館、香港警察の詐欺相談ホットラインなど)に相談する。
○ 自らが把握している連絡先を基にして、電話をかけてきた人物本人又は担当部署に連絡し、事実を確認する(知らない着信番号には架電しない)。
○ 社員(現地職員を含む)に対して上記電話詐欺の手口等を周知させ、防犯意識を高める。
ウ 電話詐欺の事案例
(ア)事案1
○ 日本本社の社長を名乗る人物からお客様相談窓口への電話。
○ 現地職員が英語で対応したところ、日本の駐在員へ転送するように言われる。
○ 現地職員が用件を確認したところで電話が切れる。
○ 電話をかけてきた人物は英語を話していたが日本人と思われる。
(イ)事案2
○ 日本本社の社長を名乗る人物から電話。
○ 声は本物の社長の声とそっくりであった。
○ 現地職員が対応したところ、経理関係の責任者に転送するよう言われる。
○ 着信番号として、日本本社の代表電話番号が表示されている。
○ 企業買収のために至急資金を送金する必要がある旨説明がなされる。
○ 極秘の案件であるため、他言厳禁と言われる。
○ 送金のための情報をメールで送信するので、早急に確認するよう言われる。
○ 送金先として指定されていた企業名は、実在の法人であった。
3 スリ及びひったくり事案
2024年の窃盗件数は22,433件で、2023年と比較して3.0%減少しています。スリ事案は前年比29.3%減少、ひったくり事案も前年比21.0%減少していますが、これらの犯罪は誰もが被害に遭う可能性があり、また、2024年は香港行きの航空機内で手荷物として持ち込んだ金品が盗まれる事案が多数発生したとの報道もありますので、こうした事案について、決して他人事と思わず、被害に遭わないようご注意ください。万が一、被害に遭われた際には、香港及びマカオの緊急ホットライン(999)等へご相談ください。
被害防止対策は以下のとおりです。
○ 常に荷物から目を離さず、所持品を体から離さない(特に空港やMTR等の交通機関、繁華街、観光地、商業施設等、人通りが多い場所)。
○ 周囲の状況を確認し、警戒を緩めない。
○ 旅券や財布等の貴重品は、一つにまとめずに分散して管理をするよう心掛ける。
○ バッグ等は開口部を閉じ、道路とは反対側に持ち、ショルダーバッグはたすき掛けにする。特にリックサックは、人混みでは前に抱えるなど、常に自分の視界に入るよう気をつける。
○ 周囲の状況が分かりにくくなるため、「スマートフォンを使用しながら」、「音楽を聴きながら」などの「ながら」歩きは行わない。
○ 航空機内においては、貴重品は自分の目の届く範囲で管理する(頭上の荷物棚に収納する荷物に財布、腕時計、貴金属などを入れない)。
4 クレジットカード情報の詐取
報道によると、ダーク・ウェブ上で不正に売買されているクレジットカード情報のうち、香港で発行されたものは約40万件に上るとされています。これは、被害件数としては米国及び豪州に次ぎ世界で三番目に多いとされるほか、人口との比率で見ると最も高いこととなるため、特に注意が必要です。
(1)手口
○ フィッシング詐欺
虚偽のインターネットサイトを設けた上、e-mailやSMSを送信し、様々な口実(例:アカウント情報の更新や未払いの支払いがあるなど)を用いてクレジットカード情報を入力させるようにする。
○ 店頭端末(POS端末)システムへのハッキング
店頭端末システムをハッキングし、顧客のクレジットカード情報を詐取する。
(2)予防方法
○ 信頼性の高いオンラインショップを利用する。
○ “https”により暗号化されウェブサイトにおいてのみオンライン決済をする。
○ 共用パソコンやフリーWi-Fiから、オンラインバンキングにログインしたり、クレジットカード情報を入力したりしない。
○ POS端末にウイルス対策ソフトを導入し、内部ネットワークにのみ接続する。
○ フィッシング詐欺サイトやe-mailに注意し、怪しいe-mailの添付ファイルやリンクをクリックしない。
○ クレジットカードの請求書をいつも確認するとともに、怪しい請求についてはカード会社に報告する。
○ クレジットカード情報を含む個人情報の取扱い、管理に注意する。
○ クレジットカード情報を含む個人情報の開示を求められた際は、注意し、慎重に対応する。
○ オンライン決済をする際に必要となるワン・タイム・パスワードを第三者に教えない。
○ 見たことのないアプリやウェブサイトにおいて、クレジットカード情報やセキュリティ・コードを入力しない。
5 テロ・誘拐対策
テロ・誘拐対策については、こちらをご参照ください
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_016.html
6 安全の手引き
香港の在留邦人向けに安全の手引きを作成していますので、併せてご参照ください。
● 一般編 https://www.hk.emb-japan.go.jp/files/100189268.pdf
● 緊急事態編 https://www.hk.emb-japan.go.jp/files/000529744.pdf- 査証、出入国審査等
1 短期滞在
香港政府は、観光等の目的で90日以内の滞在を予定している日本旅券所持者に対して査証免除措置を適用しています。入境のための条件や防疫措置は日々変更されますので、最新情報は香港入境事務處、在日中国大使館・総領事館等に照会してください。
● 香港入境事務處:https://www.immd.gov.hk/eng/services/index.html
● 在日中国大使館:https://jp.china-embassy.gov.cn/jpn/
2 長期滞在等
観光以外の目的で長期滞在する11歳以上の方は、入境事務處で身分証明書(IDカード)の交付を受ける必要があります。
3 現金等の持込み、持出し
12万香港ドル以上の現金等(現金、小切手、約束手形、無記名債権、トラベラーズチェック、為替、郵便為替)の香港への持込みは申告義務があります。また、香港から12万香港ドル以上の現金等を持ち出す場合、香港税関職員から質問があった場合には応じる義務があります。これらに違反した場合、最大罰金50万香港ドルと禁錮2年が科される可能性がありますので注意が必要です。両替は市中の銀行、ホテル、両替商で自由にできますが、レートは両替する場所によって異なります。
4 持込み、持出し禁止物品
(1)麻薬、銃器等の持込み、持出しについては厳しくチェックされています。
(2)時計、ハンドバッグ等の模造ブランド品についても、持込み、持出しの取締りが厳しく実施されています。
(3)PHS機器の持込みは禁止されています。香港域内での所持や使用も禁止されており、違反者は最大5万香港ドルの罰金と禁錮2年が科される可能性があります。
(4)代替喫煙製品(加熱式タバコ製品、電子タバコ、ハーブタバコ等)の輸入等は禁止されています。
5 免税範囲
タバコの持込みにおける免税範囲は、タバコ19本、葉巻1本、刻みタバコ25グラムのいずれかまでとされています。この範囲を超えて持ち込む場合や商業目的で持ち込む場合は、申告及び関税の支払いをする必要があります。
6 医薬品の持込み
医薬品(Dangerous Drug ordinance First Schedule Part1において指定されているものや同成分を含有するもの等を含む)を所持して香港に渡航する場合には、自己の疾病の治療に用いる場合であっても、事前に香港政府当局の承認が必要です。承認が必要な医薬品の確認や申請方法については、香港衛生署薬物辨公室(電話:+852 3974 4180、Eメール:pharmgeneral@dh.gov.hk)にお問合せください。なお、承認が必要な医薬品を香港に郵送したり、知人等に託して持ち込むことはできません。
(参考)
● 香港衛生署薬物辨公室ホームページ
https://www.drugoffice.gov.hk/eps/do/en/consumer/news_informations/faq.html
● Dangerous Drug ordinance First Schedule Part 1
https://www.elegislation.gov.hk/hk/cap134?xpid=ID_1438402701417_001
● 厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html
7 その他留意事項
(1)金地金の密輸
金地金(金塊に加えて一部加工された金製品を含む)の日本への密輸事件が増加しており、2024年の摘発件数は493件(前年比約2.3倍)、押収量は約1,218キログラム(前年比約4倍)でした。密輸仕出地別でみると摘発件数のうち281件が香港からであり、金の密輸入の多くは、暴力団などの犯罪組織が旅行者等に日本までの運搬を依頼する手口によるものです。また、最近は航空貨物を利用した事案も増加しており、2025年3月には日本行きの航空貨物便を利用した金の密輸事件が摘発されています。金の密輸入は脱税を伴う重大犯罪であり、違反者には厳格な処分が行われますので、こういった犯罪に巻き込まれないように、十分注意してください。
(2)ワシントン条約関係
楽器の「二胡」を購入する場合、通常、国際条約に基づいて日本への持込みが規制(香港関係当局が発給した輸出許可証が必要)されているニシキヘビの皮が使用されていますので注意が必要です。- 滞在時の留意事項
1 大規模集会、デモ
2019年に多数発生した大規模な集会やデモ、破壊活動を伴うような違法な抗議活動は現在見られず、当地の情勢や基本的に落ち着きを取り戻した状況が続いています。
一方、抗議活動が突発的に発生する可能性はあります。こうした活動に巻き込まれると、身に危険が及ぶおそれがあるほか、抗議者と間違われて逮捕される可能性もありますので、抗議活動には近づかないようにするとともに、無用な誤解を招くような言動は行わないように注意してください。
2 過去の歴史に関わる記念日に関連した抗議活動
香港における対日感情は一般的に極めて良好であるものの、歴史教育の強化を含む愛国主義教育が進められており、過去の歴史に関わる「記念日」が香港教育局から「国民教育-活動計画カレンダー」に挙げられ、特に以下の「記念日」及び8月15日(1945年)の終戦記念日については、念のため慎重な言動・態度が望まれます(なお、これまで抗議活動などは確認されておりませんが、12月25日(1941年)は香港陥落の日であることも念頭に置いてください)。また、先の大戦等に関連して我が国に対する要求を行う団体、尖閣諸島に関して中国の領有権を主張する団体等による抗議活動が行われることがあるため、該当する記念日に外出等される場合は、以下の点にご留意ください。
○ 最新の治安情報を入手し、外出先の安全を確かめるように努める。外出中は不審者の接近等、周囲の状況に留意するとともに、複数人で外出する等、特にお子様連れの場合には十分な安全確保に努める。
○ 在香港日本国総領事館が所在する中環地区の交易広場(Exchange Square)周辺に近寄る必要がある場合 には、周囲の様子に細心の注意を払う。
○ 抗議活動や衝突等の場に遭遇した場合は決して不用意に近づかない。その様子をスマートフォン等で撮影する等の行為も不用意に行わない。
○ 万が一、警察側に身分確認等を求められる場合に備え、外出時にはID等の身分証明書を携帯する。
○ 不審物や所有者が明らかでない物には近づかない。
○ 万が一、トラブルに巻き込まれた場合には、速やかに在香港日本国総領事館に支援を求める。
(過去の歴史に関わる記念日)
・ 7月7日(1937年) 盧溝橋事件(七七事変、日中戦争の発端)
・ 9月3日(1945年) 抗日戦争勝利記念日
・ 9月18日(1931年)満州事変(柳条湖事件)
・ 12月13日(1937年)南京事件(「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」)
3 香港国家安全維持法等
2020年6月に香港国家安全維持法(以下「香港国安法」)が成立・施行され、さらに2024年3月には国家安全維持条例(以下「国安条例」)が成立・施行されました。国家安全に危害を及ぼす行為への対策が強化されており、注意する必要があります。
香港国安法においては、中国からの香港の分離独立や政権転覆を目的とした行為、テロ行為、外国勢力と結託して国家安全に危害を加える行為などの活動が犯罪として規定されています。また、国安条例においては、国家反逆行為、反乱行為、扇動的意図のある行為、国家秘密の不法開示等の行為、間諜活動(スパイ活動)、国家安全に危害を与える域外干渉行為などの活動が犯罪として規定されており、最高刑は終身刑です。
例えば、国家安全に危害を与えるような抗議活動への参加、扇動的意図や国家秘密を含む内容のインターネット上への投稿、扇動的意図を持つ出版物の発行・所持・輸入、禁止地域(防衛施設、軍事制限区域等)への合理的な理由のない立入りやその撮影その他の違法な活動を行ったと当局がみなした場合、香港域外で行われたものも含め、逮捕や刑罰の対象となるおそれがあります。また、こうした「国家安全に危害を与える犯罪」により逮捕されると、弁護士との面会が逮捕後最大48時間において制限されたり、特定の弁護士との面会が拘留中認められないなどの制約が課されるおそれもあります。
これまでのところ日本人が逮捕された事案は把握していませんが、香港国安法及び国安条例の今後の運用状況について注意深く見ていく必要があります。
4 身分証明書の携行
15歳以上の長期滞在者は、香港特別行政区政府発行の身分証明書(IDカード)の常時携帯が義務づけられています。旅行者の場合、パスポートの携帯義務はありませんが、警察等に提示を求められた際、場合によってはホテル等まで警察官が同行した上、パスポートを確認されることがあります。
5 立入禁止地域
中国との境界地帯に禁区境界(Closed Area)の立入禁止区域があるほかは、特に旅行が制限されている地域はありません。
6 写真撮影
軍事施設関係は撮影禁止になっており、撮影禁止場所にはその旨大きく表示されています。
7 各種取締り法規
(1)不法滞在等
不法滞在や不法就労等の取締りのため、警察、入境事務處による抜き打ち検査が行われています。
長期滞在者が滞在中に勤務先を変更する際、あらかじめ入境事務處から許可を受けずに次の新しい仕事に就いた場合、不法就労として罰せられます。不法就労が発覚した場合は、罰金、強制退去等の厳罰が科させられます。
(2)喫煙等
建物内及び公共交通期間内では全面禁煙となっており、違反すると1,500香港ドルの定額罰金が科されます。また、公共交通期間内では飲食も禁止されています。
(3)違法薬物
ヘロイン、覚醒剤及び大麻等の密輸、販売、所持及び運搬は一切禁じられています。これらの違反に対しては、厳罰が科されますので、絶対に使用・保持したり、入手を試みたりしないでください。麻薬等違法薬物の密輸は、それが意図的であるか否かにかかわらず持ち込む行為のみで重い刑罰が科される可能性があります。旅行中に知り合った人に、荷物を運ぶことを頼まれ、知らずに密輸に加担してしまうことがありますので、薬物犯罪に巻き込まれないようにご注意ください。
また、2023年2月1日から大麻由来成分「カンナビジオール」(CBD)及びカンナビジオールを含む製品について、2025年2月14日からスペースオイルドラッグの主成分として乱用されている麻酔薬「エトミデート」とその3つの類似物質(メトミデート、プロポキサート、イソプロポキサート)について、輸出入、製造、所持、使用が禁止となりました。最近、香港では、スペースオイルドラッグと呼ばれる違法薬物が流行しており、使用した者が死亡する事案も発生しています。 スペースオイルドラッグは、電子タバコ等を利用した簡易的な方法で乱用することが可能な違法薬物です。これらに違反すると最大で500万香港ドルの罰金と終身刑に処せられる可能性がありますので、十分注意してください。
(4)スタンガン、催涙スプレー等の携行
スタンガン、催涙スプレー、ナックル、警棒は「武器」として取り扱われ、その指示は法律で禁止されています。違反者には最大10万香港ドルの罰金と禁錮14年が科される可能性があります。香港への旅行者、あるいは、香港でトランジットする旅行者が、これらを所持していたことにより、香港国際空港で逮捕されるケースがあることから、注意が必要です。香港警察ホームページ( http://www.police.gov.hk/ppp_en/04_crime_matters/cpa/cpa_at_01.html )もご参照ください。
(5)児童虐待
16歳未満の児童を付き添いなく家に放置したり、外出させて事故に遭った場合、保護責任放棄や児童虐待の罪により罰される場合があります。
(6)ポルノ製品
ポルノ写真やわいせつな描写のある漫画等が掲載されている出版物は、取締りの対象となっています。また、映画についてもわいせつな場面はカットされます。
(7)模造ブランド品等
模造ブランド商品や違法DVD等の商標権・意匠権・著作権を侵害するような商品の製造・所持・販売・購入等は法律で禁じられています(最高50万香港ドルの罰金、5年以下の禁錮刑が科されます)。ブランド品等は、模造品等の購入を避ける上でも、正規の取扱店で購入するようにしてください。模造品の購入・所持は香港の法律により罰せられることがあり、また、日本でも模造ブランド品等を国内に持ち込むことは禁じられています。
(8)ゴミのポイ捨て等
公衆の場所で、ゴミを捨てる、つばを吐く、広告ポスターを不法に貼り付ける、または犬の糞便で街路を汚したりすると、3,000香港ドルの定額罰金が科せられます。
(9)シートベルトの着用
タクシーを含む乗用車に乗車する際は、後部座席も含め、全員シートベルトの着用が義務づけられています(シートベルト非装着車を除く)。違反すると最高5,000香港ドルの罰金と禁錮3月が科されます。
なお、香港・マカオ間の高速フェリーを含め、船舶への搭乗中は、安全のため、シートベルトが装着されている座席では必ずシートベルトを着用されることをおすすめします。
8 ハーグ条約
香港は、国境を越えて不法に連れ去られた子の返還の仕組み等を定める「国際的なこの奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の対象地域です。一方の親の監護権を侵害する形で子どもを常居所地国であるハーグ条約締結国から他のハーグ条約締結国へ連れ去りまたは留置した場合は、原則的に子が常居所地国に返還されることになります。ハーグ条約についての詳細は外務省ホームページ
(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html )をご覧ください。
9 在留届
香港に3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡等に必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システムを通じて、在香港日本国総領事館等に「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。
この他、住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。
在留届の届出は、オンラインhttps://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html による登録をおすすめしますが、郵送によって行うこともできますので、在香港日本国総領事館宛に送付してください。
10 たびレジ
在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報等を日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、香港で事件や事故、自然災害等が発生した際に、在香港日本国総領事館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。- 風俗、習慣、健康等
1 対日感情
対日感情は一般的に極めて良好ですが、第二次世界大戦時に旧日本軍が香港を占領し、その軍政下におかれた歴史があり、戦争で直接痛みを受けた人やその関係者がいるため、そのような歴史を念頭において、言動に注意することが必要です。
2 衛生
ア 水道水はそのままでは飲用に適さないため、一度煮沸した水を用いるか、信頼のおけるミネラルウォーターを利用してください。飲食店等で提供される氷も水道水で作っている場合が多いので避けてください。
イ 食中毒や細菌性赤痢、A型肝炎などの消化器系の病気を避けるため、食事は信頼の置ける飲食店を選び、生野菜・魚・肉等の生物(あるいは半煮え、半焼けの物)の摂取は避ける、手洗いを頻繁に励行する等の注意が必要です。
ウ 石けんでの手洗い、うがいなど通常の衛生管理にも十分注意してください。感染症を予防するには、一人一人がまず危険性を認識し、自分自身の健康状態に留意し、個人でできる予防対策(手洗い、健康・体調の管理、飲食物の衛生状態への注意)をしっかり講じることが大切です。
3 医療事情
ア 香港の医療施設は整っており、日本語が通じる医師・看護師のいる病院も多いですが、診療費、入院費は一般的に高額で、また入院等に際しては一定額(病院により額は異なる)の前払い金(デポジット)を納める必要があります。
イ 「世界の医療事情」( http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/hongkong.html )において、香港の衛生・医療事情等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。
ウ その他、必要な予防接種等については、厚生労働省検疫所ホームページ( http://www.forth.go.jp/ )をご参照ください。
4 海外旅行保険への加入
海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが少なくありません。
旅行・滞在中の予期せぬトラブルに備え、十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。詳しくは海外旅行保険加入のおすすめ( https://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/hoken.html )をご確認ください。- 緊急時の連絡先
◎警察・救急車・消防署:TEL 999
◎在香港日本国総領事館:TEL 852-2522-1184(24時間対応)
*夜間・祝祭日の緊急時には、852-2522-1184を掛け、案内が流れ始めたら「9」を押してください。また、閉館時(土日・休日を含む)に上記電話番号に電話された場合、自動応答の音声が流れますが、自動応答に対して「緊急の場合」を選択すると、上記電話番号から緊急連絡先のコールセンターに転送されます。万が一、上記電話番号から緊急連絡先のコールセンターにうまく転送されない場合には、852-3008-2092までご連絡ください。
*窓口時間 月~金 9:15~12:00、13:30~16:45
緊急時には、在香港日本国総領事館の緊急時等電話番号リストをご参照ください。
https://www.hk.emb-japan.go.jp/files/000480448.pdf- 問い合わせ先
(問い合わせ先)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902、2903
(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)4965
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。