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リビアの危険情報【一部地域の危険レベル引き下げ】

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更新日 2025年10月23日
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地図

危険レベル・ポイント

【危険レベル】
●全土(ミスラタ県ミスラタ市を除く)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●ミスラタ県ミスラタ市
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(引き下げ)

【ポイント】
●リビアでは、民兵組織間の武力衝突や、東西に政府が併存する不安定な政治情勢が続いており、治安情勢が急激に悪化するおそれがあることから、「レベル4:避難勧告」を発出している地域については、どのような目的であれ渡航は止めてください。既に滞在中の方は、直ちに安全な地域に避難してください。
●西部沿岸のミスラタ県ミスラタ市については、他地域・都市と比べ、長期間にわたって治安状況が安定していることから、一部地域を「レベル3:渡航中止勧告」に引き下げます。ただし、今後も不測の事態が発生するおそれは否定できず、治安情勢が急激に悪化するおそれもあることから、どのような目的であれ渡航は止めてください。やむを得ず滞在する場合には、今後不測の事態が生じた際は、出国することを含めた速やかな安全な地域・場所への退避等、自らの安全確保に努めてください。

詳細

1概況
(1)リビアでは、2011年、カダフィ政権崩壊以降、2回の内戦を経験しましたが、2020年10月に東部地域を統治するリビア国軍(LNA)のハフタル総司令官と西部地域を統治する国民合意政府(GNA)の間で停戦合意が成立しました。停戦合意から約4ヶ月後、リビア政治対話フォーラムを通じて、選挙の準備を主な任務とする国民統一政府(GNU)がGNAの後継として発足したものの、2021年12月に予定されていた選挙は延期され、現在に至るまで東西にそれぞれ政府・首相が並立する政治的分断状態が継続しています。
(2)このような対立構造を抱えているリビアにおいて、2020年10月の停戦合意以降、東西の政治的分断状態を背景とした軍事衝突が国内全土で恒常的に発生している状況にはない一方、リビア国内には民兵勢力が複数存在しており、対立する民兵勢力間の衝突が突発的に発生し、治安状況が悪化するリスクが引き続き存在します。2025年5月には、GNUによる反GNU系民兵の解体・統合作戦が当然に開始され、トリポリ市内で大規模な武力衝突が発生しました。
(3)こうした状況を打開するための国際社会の取り組みの一環として、2025年8月、国連による国政選挙実施のための政治ロードマップが発表され、新統一政府樹立への道筋が提示されました。また、同年9月には、GNUと反GNU系民兵組織の間で合意が成立する等、政治対話の促進に向けた前向きな動きも見られます。一方で、依然として政府が各民兵勢力を統制していると評価できる状況になく、不安定な政治構造上、突発的に不測の事態が発生するおそれは否定できません。

2 地域別情勢
(1)全土(ミスラタ市を除く)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
ア 首都トリポリ及びその近郊
 首都トリポリでは、日常的な攻撃の応酬は行われていないものの、多数の民兵組織間の勢力争いから派生する武力衝突が散発しています。2025年5月、GNUが反GNU系民兵の解体・統合作戦を開始したことで、トリポリ市内の広範囲に亘って民兵間の武力衝突が発生しました。同年9月にGNUと民兵組織間で合意が成立したものの、各民兵組織の国軍・警察への統合は進んでおらず、民兵間の武力衝突等に伴い、治安状況が急激に悪化するリスクが引き続き存在します。
 
イ リビア西部(トリポリタニア地域((1)及びミスラタ県ミスラタ市を除く。)サーヴィヤ、サブラタ、サラージにおいて、民兵等地元武装グループ間による武力衝突、殺人、誘拐事件が頻発しています。

ウ リビア東部(キレナイカ地域)
 ベンガジは、ハフタル・リビア国軍(LNA)総司令官の統治の下、安定した治安情勢が維持されていますが、ハフタル総司令官一族による支配体制が強まっており、不測の事態が発生するおそれは否定できません。

エ リビア南部(フェッザーン地域)
テロ攻撃が散発しており、LNAによるテロ掃討作戦が、現在も継続的に実施されています。また、南部の砂漠地帯や国境地域は、国境管理が困難なことから当局による治安維持が十分でなく、周辺国・地域からのテロリストの流入、人身売買、薬物や武器・弾薬密輸の温床となっている可能性が長年に渡り指摘されています。

(2)ミスラタ県ミスラタ市
レベル3:渡航はやめてください。(渡航中止勧告)(引き下げ)
   ミスラタ県ミスラタ市は、首都トリポリや他の地域・都市と異なり、単一の民兵組織(「合同作戦部隊(JOF)」)が軍警察としての権限を与えられ、一義的にミスラタ市内の治安維持活動を担っていることから、民兵間の衝突が発生する可能性が他地域・都市に比べて低く、数年に亘って治安状況が比較的安定しています。また、ミスラタ市は、リビア初の経済特区を有する商業都市として国際空港等の主要な経済インフラが整備され、ミスラタ国際空港には、トルコ、エジプト、チュニジア、イタリア等からの直行便が就航しており、国際空港として安定した機能を果たしています。
その一方で、首都トリポリの情勢や東西の政治対立の影響を受け、治安情勢が急速に悪化する可能性は否定できません。やむを得ず滞在する場合には、複数の情報源から最新の情報を入手するなど特別な注意を払うとともに、十分な安全対策を講じ、今後不測の事態が生じた際は、出国することを含めた速やかな安全な地域・場所への退避等、自らの安全確保に努めてください。



(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関係課室)
○領事局海外邦人緊急事態課
○海外安全ホームページ
 https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC・スマートフォン版)
 http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (フィーチャーフォン版)

(現地大使館連絡先)
○ 在リビア日本国大使館
住所: Embassy of Japan in Libya, Terraced House A 103 & 104, Palm City Residences, Sidi Abdul Jalil, Janzour, Tripoli, Libya
電話:(開設中)
代表メールアドレス:eoj.libya@tr.mofa.go.jp 

○ 在リビア日本国大使館臨時事務所(在チュニジア日本国大使館内)
住所: Ambassade du Japon en Tunisie, 9 rue Apollo XI, B.P 163 - 1082- Cite Mahrajene -Tunis -Tunisie
電話:(00.216) 71.791.251 / 71.792.363
ファックス : (00.216) 71.786.625
ホームページ:https://www.ly.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

※在リビア日本国大使館は、2024年1月15日から再開していますが、当面の大使館業務については、邦人保護関連業務、二国間関係増進のためのリビア政府との連絡・調整、情報収集等に限定しています。領事の窓口業務については、当面の間、引き続き在チュニジア日本大使館内の臨時事務所にて対応します。
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