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ヨルダンの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

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更新日 2022年01月31日
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危険レベル・ポイント

【危険度】
●シリアおよびイラクとの国境地帯
:レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●その他の地域
:レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】
●シリア・イラクとの国境は再開されていますが、ヨルダン側の国境地帯は治安が比較的安定しているものの、シリア・イラク側では治安情勢が依然として不安定です。同国境地帯への不要不急の渡航は止めてください。
●観光地や都市部等においてテロの可能性があり、ショッピングモールやレストラン等も標的となり得ます。テロの脅威について十分に留意し、最新の関連情報を入手の上、不測の事態に巻き込まれないよう努めてください。

詳細

1 概況
(1)ヨルダン国内の治安状況は概ね安定していますが、シリア情勢の影響等により、ヨルダン国内でテロが発生する可能性は引き続き存在しています。また、現在、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)は、シリア・イラクでの支配地域を喪失し、勢力を弱めており、ISILによる直接的なテロの脅威は低下したと考えられますが、その支持者等によるテロ等不測の事態が発生する可能性は引き続き排除されません。2018年8月には、フヘイス市の音楽祭で警備に当たっていた治安部隊を狙った爆弾テロが発生し、2名が死亡、5名が負傷したほか、その後のサルト市でのテロリスト摘発の際にも、テロリスト側の反撃により治安機関員4名が死亡、20名以上が負傷しました。2019年11月には、ジェラシュ・ローマ遺跡で、インターネット閲覧を通じて過激化したとみられる単独犯による刃物を使用した観光客等襲撃テロ事件が発生し、8名が負傷しました。また、2020年および2021年には、ヨルダン治安当局により複数のテロ計画が事前に摘発されたことが報じられています。

(2)これまでに、ヨルダンにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、近年、シリア、チュニジア、バングラデシュおよびスリランカにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また、テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、特に、近年では単独犯によるテロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから、こうしたテロの発生を予測し、未然に防ぐことがますます困難となっています。
 このようにテロはどこでも起こり得ることおよび日本人が標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

2 地域別情勢
(1)シリアおよびイラクとの国境地帯
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

ア シリアとの国境地帯
 2018年7月には、シリア南部においてシリア政府がヨルダン国境地帯の支配を回復し、その後、2018年10月中旬からジャーベル・ナシーブ国境にある検問所が再開されました(その後、新型コロナウイルスの影響等で一時閉鎖したものの、再開)。また、ラムサ国境についても、一部の往来は再開されています。一方で、これらの国境の人・モノの通行についてはルールが流動的で、今後の運用の見通しは不透明です。また、シリアでは全土に危険レベル4の退避勧告が発出されており、同国境地帯の治安についても、不法侵入しようとした武装勢力の車両をヨルダン治安部隊が攻撃したり、不当逮捕や麻薬・武器の密輸等が発生したりするなど、未だ安定していません。

 つきましては、これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航する場合には特別な注意を払うとともに、十分な安全対策をとってください。

イ イラクとの国境地帯
(ア)イラク国内では、 ISILに対する勝利宣言が出されるなど、イスラム過激派組織の掃討作戦が進んでいますが、ISIL等イスラム過激派組織によるテロ攻撃が完全になくなったわけではありません。
(イ)2017年4月5日、ISILは、そのシンパに対してヨルダンに対するテロ実行を指示するビデオを発表しました。同ビデオでは、2016年3月のイルビッドのテロ未遂事案や同年12月のカラクのテロ事件に言及しています。
(ウ)2017年8月末、イラクとの国境であるカラマ・トレイビール国境が再開されました(その後、新型コロナウイルスの影響で一時閉鎖したものの、一部のイラク人向けに再開)。最近では、イラクとの国境付近では特段の治安悪化は確認されておらず、比較的平穏な状態にありますが、イラク側の治安情勢は引き続き不安定であり、同治安情勢の影響を受けヨルダン側において治安が悪化する可能性も排除できません。

 つきましては、これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。また渡航する場合には特別な注意を払うとともに、十分な安全対策をとってください。
 
(2)その他の地域
 レベル1:十分注意してください。(継続)

ア 首都アンマン
(ア)アンマンでは2005年の連続爆弾テロ以降、大規模なテロ事案は発生していません。
 ただし、ヨルダン国内ではISILおよびその支持者によるテロやテロ未遂事案が散発的に発生しています。
(イ)アンマン市内では、2019年1月に連続して銀行強盗事件が発生しました。また、2020年9月にはアンマン北部(ジュベイハ地区)、2021年9月にはアンマン南部(エアポート・ロード地区)で武器を使った銀行強盗が発生しています。経済事情の悪化に伴い、こうした武器を使った強盗事件が多発していますが、これらの事件に遭遇しないよう、日頃から行動には注意してください。

イ アンマン近郊
(ア)2018年8月、アンマン近隣に位置するバルカ県フヘイス市において、音楽祭で警備に当たっていた治安機関車両を狙った爆弾テロ事件が発生し、治安機関要員2名が死亡、5名が負傷しました。
 また、8月には、バルカ県サルト市において、治安当局によるテロリスト摘発の際、銃撃戦が発生し、テロリストが建物を爆破する等したことにより、治安機関要員4名が死亡、20名以上が負傷しました。
(イ)2019年2月、バルカ県サルト市の農地で爆発事案が二度発生し、市民および治安機関要員が死傷しました。
(ウ)2019年11月、ジェラシュ・ローマ遺跡で、刃物を使用した観光客等に対する無差別襲撃テロ事件が発生し、8名が負傷しました。

ウ 北部
 2019年2月15日、アジュルーン県アンジャラ地区で、治安機関の取締りに抵抗した住民側と治安機関側とが争いとなり、その最中に生じた発砲により住民1名が死亡、住民および警察側に負傷者が出ました。

エ その他
(ア)アンマンのダウンタウンやジャマール・アブドゥルナーセル・サークル(インテリア・サークル)、カラク、イルビッド、タフィーレ、マアーンなどで、金曜日のイスラム教の礼拝後(午後1時頃)を中心に、主に政府の経済政策や汚職等を追及するデモ・集会や抗議活動、またパレスチナ問題に関連する示威行為等が散発的に発生しており、中には千人規模におよぶものもあります。2021年4月下旬から5月中旬にかけて、イスラエル・パレスチナ間の衝突に呼応した抗議活動が、ヨルダン全土で連日行われました。特に、アンマン市内のダウンタウン、イスラエル大使館周辺、さらにはキング・フセイン橋周辺において、数千人規模のデモ活動が行われ、多数の逮捕者が出ています。
(イ)2018年5月31日から6月6日までの間には、所得税の増税等に反対するデモが国内各国で発生し、複数の逮捕者や負傷者が出ました。所得税法改正案の取り下げ表明によりデモは収まりましたが、その後同年12月に再び約2千人規模のデモが発生した結果、参加者18名が拘束され、治安機関関係者5名が負傷しました。
(ウ)大学における学生間のトラブルや土地の所有等をめぐる個人同士の争いが、当事者の出身部族同士の争いに発展し、その結果、車両や商店が破壊されるなどの騒擾事案が数多く発生し、死傷者も出ています。2017年5月7日から1か月以上もの間、イルビッドで部族同士の衝突が発生、1名が死亡し十数名が負傷する事案が発生しています。

 これらの地域への渡航に当たっては危険を避けるため、官公庁、治安機関等の政府関連施設、欧米・イスラエルの権益施設、モスク等の宗教関連施設、難民キャンプおよびその周辺、欧米人が集まる施設(外資系ホテル、ショッピングモール等)への立入りは、できるだけ短時間にし、一人歩きはなるべく控えるなど自身の安全に細心の注意を払ってください。また、報道等により最新の関連情報の入手に努め、テロや暴動等不測の事態に巻き込まれることのないよう十分注意するとともに、適切な安全対策を講じてください。

3 滞在に当たっての注意
 滞在中は、下記事項に十分注意して行動し危険を避けるようにしてください。また、日本国外務省、在ヨルダン日本国大使館、現地関係機関及び報道等により最新情報を入手するように努めてください。

(1)渡航者全般向けの注意事項
ア 海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 ヨルダンに3か月以上滞在する方は、在ヨルダン日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )。
 3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新安全情報や、緊急時に在ヨルダン日本国大使館からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。
イ 空港でのチェックイン時はセキュリティチェック等で混雑しますので、時間に余裕をもって空港に向かうよう心掛けてください。
ウ 留守宅には必ず旅行日程および宿泊先を残すとともに、定期的に連絡をとるようにしてください。また、旅行時には在ヨルダン日本国大使館の連絡先を必ず携行し、ヨルダン滞在中に不測の事態に遭遇した場合には、家族等のほか同大使館へも連絡してください。
エ 古代遺跡のあるペトラやジュラシュでは、外国人観光客が強盗、置き引き、性的嫌がらせを受けた事例が報告されている他、ペトラには勾配がきつい長い階段があり、日本人を含む外国人観光客が滑落して骨折した事例が発生しています。また例年10~2月頃の雨期には、ペトラを含む観光地や国内各都市内において大雨に伴う洪水・土砂流が発生することがありますので、十分に注意してください。
オ 首都アンマン市内の繁華街や住宅街(シュメサーニ、スウェフィーヤ、ウム・ゼイナ地区等)では、車を使ったひったくり被害が多発しています。これらの事件は、主に女性をターゲットとしたグループによる犯行で、大通りから離れた人通りの少ない路地で多く発生しています。なるべく車道から離れた場所を歩き、車道側にバッグ等を持たないよう心掛けてください。

(2)長期滞在者向けの注意事項
 ヨルダン滞在中の方は、前述の地域情勢を念頭に置き、下記事項に十分留意してください。

ア 日本人宅において、空き巣や就寝中の盗難被害が数多く報告されています。昼夜を問わず、玄関のドア、窓、ベランダのドアは常時施錠し就寝前は施錠の再確認を心がけ、貴重品の分散保管、自宅付近の不審者への注意、自身の不在の予定を軽々しく口外しないこと、防犯器具の設置等、空き巣対策およびご家族の安全対策の徹底に努めてください。
 また、スポーツジム等のロッカーを使用する場合は、盗難の恐れがありますので、多額の現金や貴重品を入れることのないようにしてください。
イ 住居契約に際しては、「安全の手引き」などを参照し、住居施設の安全のみならず、契約内容や相手の人となりを十分に吟味するようにしてください。
ウ 日頃より不測の事態に備えて10日間ほどの食料、飲料水を備蓄しておくとともに、パスポート、貴重品、衣類等をいつでも持ち出せるように準備しておくようお勧めします。

4 隣国のイスラエル、イラク、サウジアラビア及びシリアについても別途危険情報が発出されていますので、併せて留意してください。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省内関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)4567
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在ヨルダン日本国大使館
住所:Between 5th and 6th Circles, Foeg Halezon Street, Basin No.21 North Abdoun, Amman, The Hashemite Kingdom of Jordan(P.O.Box 2835, Amman, 11181 Jordan)
電話:(市外局番06)5932005、5930428
国外からは(国番号962)6-5932005、5930428
FAX:(市外局番06)5931006、5922176
国外からは(国番号962)6-5931006、5922176
ホームページ:https://www.jordan.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
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