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イラクの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

「危険情報」とは?

更新日 2020年09月29日

危険情報
地図

危険レベル・ポイント

【危険度】
●ニナワ県(以下に規定するニナワ平原経由幹線道路を除く。)、キルクーク県、サラーハッディーン県、アンバール県、バグダッド県(以下に規定するルート・アイリッシュ、バグダッド国際空港敷地内及びインターナショナル・ゾーン(以下「IZ」という。)を除く。)、ディヤーラ県、バービル県、ワーシト県、並びにクルディスタン地域(エルビル県、スレイマーニーヤ県及びドホーク県)のニナワ県、キルクーク県、サラーハッディーン県及びディヤーラ県との県境付近(以下に規定するニナワ平原経由幹線道路を除く。)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

●エルビル県エルビル市とドホーク県ドホーク市間を移動する場合に通過するニナワ県のカラク、バーダラシュ、ルビア及びバーダラを経由する幹線道路並びにこれ以北のニナワ平原を通過する幹線道路(以下「ニナワ平原経由幹線道路」という。)、バグダッド国際空港とIZを結ぶ空港道路(以下「ルート・アイリッシュ」という。)並びにIZ
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
(真にやむを得ない事情でこれらの道路を通過、又はIZに渡航・滞在する場合は、所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)

●エルビル県(エルビル市並びにニナワ県、キルクーク県及びサラーハッディーン県との県境を除く。)並びにスレイマーニーヤ県及びドホーク県のトルコ、イラン又はシリアとの国境付近
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

●中南部・南部7県(カルバラー県、ナジャフ県、ディワーニーヤ県、バスラ県(バスラ国際空港敷地内を除く。)、ムサンナー県、ズィーカール県及びミーサーン県)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
(やむを得ない事情で現地に渡航・滞在する場合には、所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)

●バグダッド国際空港敷地内(バグダッド国際空港敷地内のホテル及びイラク航空国際ビジネスセンターを含む。)並びにバスラ国際空港敷地内
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
(やむを得ない理由からこれら施設敷地内に立ち入る、又は滞在する方は、専門家のアドバイスを受け、空港敷地内での滞在期間を必要最小限にするなど、十分な安全対策を取ってください。)

●エルビル県エルビル市、並びにスレイマーニーヤ県及びドホーク県のうちトルコ、イラン又はシリアとの国境付近並びにニナワ県、キルクーク県、サラーハッディーン県及びディヤーラ県との県境付近を除く地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

【ポイント】
●イラクでは、2017年12月に政府によりイスラム過激派組織ISIL(イラクとレバントのイスラム国)からの全土解放宣言が宣言されましたが、ISIL分子によるテロが引き続き発生していること等を踏まえ、レベル3以上の地域には、原則、どのような目的であれ渡航は止めてください。

●2019年10月初旬にバグダッド県や中南部・南部諸県を中心に発生した、公共サービスや高い失業率の改善、汚職の撲滅等を求める抗議デモが現在も継続しています。2020年5月7日に新政権(ムスタファ・アル・カーズィミー首相)が発足して以降、新型コロナウイルスの影響もあり、デモの規模は縮小していますが、今後の情勢次第で抗議デモが再び激化する可能性もあるため、注意が必要です。

●2019年12月27日、イラク北部の軍事基地へのロケット弾攻撃により、米国人1名が死亡しました。同29日に米軍が報復としてイラク及びシリアの人民動員部隊(PMU)の拠点5か所を空爆すると、同31日には、この空爆で死亡した兵士の葬儀参列者がバグダッドのIZ内に侵入し、その一部が米国大使館施設の一部を占拠・放火するなどの過激な行為を行う事件が発生しました。

●2020年1月3日、イランのソレイマニ革命ガード・コッヅ部隊司令官及びイラクのムハンディス人民動員部隊(PMU)副司令官が米国の空爆により殺害されたことを受け、同8日にイラン側がイラク国内の米軍駐留基地に対してミサイル攻撃を行うなど、イラク国内の治安情勢が著しく緊迫しました。現在、米国・イラン間の緊張は小康状態にありますが、 今後の中東情勢がイラクに与える影響に十分な注意が必要です。

●新型コロナウイルス対策の一環で、 新型コロナウイルス非感染証明書の所持が義務化されるなど、出入国に対して規制がかけられています。イラクでは、新型コロナウイルスの感染者数の増加傾向が継続しています。イラク国内の劣悪な医療事情は、新型コロナウイルスの感染拡大により一層厳しい状況に陥っており、感染予防対策を含む健康への留意が極めて重要です。

詳細

1 概況
(1)2014年6月以降、 ISILがイラク北部及び西部を中心に勢力を拡大させていましたが、有志連合の支援を受けたイラク軍による掃討作戦を経て、2017年12月9日、イラク政府はISILからのイラク全土解放を宣言しました。しかしながら、イラクにはいまだ3000人を超すISILの残党が存在しているとの見方もあり、ニナワ県、アンバール県、サラーハッディーン県、キルクーク県等の一部地域ではテロ事案が頻発しています。

(2)2019年10月初旬から、バグダッド県や中南部・南部諸県を中心に、公共サービスや高い失業率の改善、汚職の撲滅等を求める抗議デモが発生しており、新型コロナウイルス感染症の影響もあり規模は縮小しているものの、現在も継続しています。一連の抗議デモにより、イラク全土で数百名が死亡し、数万人の負傷者が発生したと報道されています。また、デモ参加者の誘拐・殺害事案も相次いでおり、2020年2月12日のイラク人権委員会の発表によれば、これまでに72件の誘拐事案(うち解放されたのは22件)及び49件の暗殺事案(うち22件が被害者の死亡に至り、13件が負傷、14件が未遂)の発生が確認されています。2019年12月1日にデモ隊が求めるアブドルマハディー首相の辞任が国民議会で正式に承認されたことなどを受け、デモは一時的に沈静化しましたが、2020年1月中旬以降、治安部隊とデモ隊との激しい衝突が再度発生し、多数の死傷者が出ました。2020年5月7日にムスタファ・アル・カーズィミー前国家諜報庁長官が首相に就任し、組閣を経て新政権が発足しましたが、引き続き腐敗対策、雇用対策や給料未払いなどの改善を求めてデモが行われており、今後の情勢次第で抗議デモが再び激化する可能性もあるため、注意が必要です。

(3)2019年12月27日、キルクーク県の米軍を含む対ISIL有志連合軍が駐留するK1基地にロケット弾が着弾し、米民間軍事会社の米国人職員1名が死亡、米軍兵士及びイラク軍兵士複数名が負傷しました。これを受け、同29日に米軍がアンバール県カーイム郡のPMU第45師団(カターエブ・ヒズボッラー)の拠点3か所に対する空爆を実施し(シリアのPMUの拠点2か所も空爆)、PMU兵士19名が死亡、35名が負傷すると、同日、バグダッド市内から北に30kmに所在し米軍も駐留していたタージ基地に4発のロケット弾が着弾しました。また、同31日には、バグダッド市内において米軍による空爆で死亡したPMU兵士の葬儀が行われ、参列者がデモ隊となってIZ内に侵入し、米国大使館前で抗議活動を行いました。その際、一部の暴徒化したデモ隊が、米国大使館の施設の一部の占拠、外壁への放火等過激な行為を行いました。

(4)2020年1月3日、イランのソレイマニ革命ガード・コッヅ部隊司令官及びイラクのムハンディスPMU副司令官が米国の空爆によりイラクのバグダッド空港付近で殺害されたことを受け、同8日、イラン側がイラク国内の米軍駐留基地に対してミサイル攻撃を行いました。こうした一連の事態を受け、イラク国内の治安情勢は著しく緊迫しました。その後、両国間で直接的な攻撃事案は発生していませんが、イラク国内の治安情勢は周辺諸国の動向等の影響を受けやすいため、今後の中東情勢がイラクに与える影響に十分な注意が必要です。

2 地域別情勢
(1)ニナワ県(ニナワ平原経由幹線道路を除く。)、キルクーク県、サラーハッディーン県、アンバール県、バグダッド県(ルート・アイリッシュ、バグダッド国際空港敷地内及びIZを除く。)、ディヤーラ県、バービル県、ワーシト県並びにクルディスタン地域(エルビル県、スレイマーニーヤ県及びドホーク県)のニナワ県、キルクーク県、サラーハッディーン県及びディヤーラ県との県境付近(ニナワ平原経由幹線道路を除く。) 
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

ア ISILに対する「勝利宣言」はなされたものの、イラク北部及び西部のニナワ県、キルクーク県、サラーハッディーン県、ディヤーラ県及びアンバール県では、米軍の支援を受けたイラク治安部隊等によるISIL残党の掃討作戦が継続しており、2019年7月7日からは「勝利の意志作戦」と呼ばれる大規模な掃討作戦が実施されました。一部地域では、イラク軍などによる空爆も行われていますが、ISIL分子による治安部隊や一般市民に対するテロ等が続いており、多数の死傷者が発生しています。これらの地域では、幹線道路や市街地等のみならず、あらゆる場所で爆破、放火、銃撃といった事件が多数報告されています。

イ バグダッド県では、イラク政府による首都治安対策の強化により、テロ事案件数は大幅に減少していますが、いわゆるバグダッド・ベルト地域(バグダッド県周辺部)では、テロ・犯罪事案が依然として多発しています。バグダッド市内においても、2019年5月9日にサドルシティー地区においてISILによる犯行とみられる自爆テロが発生したのに続き、同年11月26日にも同組織による犯行と見られる3件のテロ事案が発生しており、不安定な治安状況が続いています。
また、2019年10月初旬から、公共サービスや高い失業率の改善、汚職の撲滅等を求める抗議デモが発生し、多数の死傷者が生じており、新型コロナウイルスの影響もあり規模は縮小したものの、依然継続しています。

ウ バービル県やワーシト県では、バグダッド・ベルトに近い地域において、ISILなどの反政府組織による活動・拘束事案が引き続き報告されています。

エ 2020年1月8日、アンバール県の米軍が駐留するアイン・アサド空軍基地にイランが発射した弾道ミサイルが着弾し、死者は発生しなかったものの、2月10日時点の米国防省発表によれば、米軍兵士109名が軽度の外傷性脳損傷と診断されました。

オ これらの地域への渡航は、いかなる目的であれ止めてください。また、既に同地域に滞在されている方々は、直ちに退避してください。

(2)エルビル県エルビル市とドホーク県ドホーク市間を移動する場合に通過する、ニナワ県のカラク、バーダラシュ、ルビア及びバーダラを経由する幹線道路並びにこれより以北のニナワ平原を通過する幹線道路(ニナワ平原経由幹線道路)、バグダッド国際空港とIZを結ぶ空港道路(ルート・アイリッシュ)並びにIZ 
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
(真にやむを得ない事情でこれらの道路を通過、又はIZに渡航・滞在する場合は、所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)

ア バグダッド国際空港とIZを結ぶ空港道路(ルート・アイリッシュ)上には、イラク治安当局による検問所が設けられているものの、2020年9月15日には英国大使館の車両が簡易爆弾による攻撃を受けるなど、引き続き警戒が必要です。また、一部政府機関及び外国公館が所在するIZ内は、イラク治安当局による厳重な安全対策により治安は安定していますが、ロケット弾が着弾する事案が頻発しており、過去には死傷者も発生しています。
なお、2019年6月以降、IZ内の一部幹線道路が恒常的に一般市民に開放されていましたが、同年10月初旬から発生している抗議デモの影響により検問所が再び設けられ、IZ内に入るためには特別な許可証が必要な状況となっていました。2020年1月19日からIZ内の一部幹線道路は時限的に一般市民に再度開放されることになりましたが、デモ隊がIZ内への侵入を試みたり、異常事態が発生したりする場合には、IZへの通行が規制されます。

イ 2020年8月26日、武装勢力による爆弾攻撃事案が発生し、エルビル市からモスル市に向けて走行中の国連の車両がニナワ県内で被害を受け、乗車していた職員が負傷しています。

ウ 真にやむを得ない事情でこれらの道路を通過又はIZに渡航・滞在する場合は、所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。具体的には、実際の渡航・滞在に先立って、現地事情に詳しい民間警備会社等の安全・治安対策の専門家と相談を行い、移動には防弾車両の使用を含む必要な身辺警護措置や防護措置を講じ、厳重な警備体制が敷かれている宿泊施設を利用するなどの十分な安全対策をとってください。また、夜間はテロ及び一般犯罪の脅威が高まるため、日没後の移動は厳に避けてください。

(3)エルビル県(エルビル市並びにニナワ県、サラーハッディーン県及びキルクーク県との県境を除く。)並びにスレイマーニーヤ県及びドホーク県のトルコ、イラン又はシリアとの国境付近
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

ア クルディスタン地域の治安情勢は比較的安定していますが、ISIL分子の活動が引き続き活発であるキルクーク県、サラーハッディーン県、ディヤーラ県、ニナワ県と接しており、特にエルビル県南部やスレイマーニーヤ県内では、ISIL分子の逮捕や隠れ家の摘発が散発的に報じられています。

イ クルディスタン地域北部のトルコ、イラン又はシリアとの国境付近、エルビル県北部山岳地帯においては、トルコの反政府武装組織であるクルディスタン労働党(PKK)の拠点に対するトルコ軍による空爆や掃討作戦が断続的に実施され、周辺住民が空爆の巻き添えとなる例も報告されています。特に2020年6月以降は、トルコによる軍事作戦が更に強化されており、国境地帯のPKK拠点のみならず、移動中のPKK車両が標的とされる事案が発生するなど、これまで以上に広範囲かつ偶発的な事案発生に警戒が必要です。2020年8月13日の空爆では、ドホーク市内から十数キロ北東地点を走行する車両が空爆の標的となっています。

ウ クルディスタン地域では、過去に周辺国から陸路で越境した日本人が相次いで拘束される事案が発生しています。また、シリアとの国境付近では、多数のシリア難民がクルディスタン地域に流入しており、治安情勢は流動的です。

エ これらの地域への渡航は、いかなる目的であれ止めてください。

(4)中南部・南部7県(カルバラー県、ナジャフ県及びディワーニーヤ県、バスラ県(バスラ国際空港敷地内を除く。)、ムサンナー県、ズィーカール県及びミーサーン県)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
(やむを得ない事情で現地に渡航・滞在する場合には、所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)

ア 中南部・南部諸県では、上述のように、2019年10月初旬から公共サービスや高い失業率の改善、汚職の撲滅等を求める抗議デモが発生し、多数の死傷者が生じています。2020年8月には、複数のデモを率いる活動家が治安当局に殺害される事件が発生し、これに反発した民衆が過激化しました。政府関連施設が放火される事態に発展し、現在もデモが継続しています。

イ バスラ県北部のハルサ地区及びバスラ市内等においては、部族間での衝突が引き続き多発しており、死傷者が発生しています。また、バスラ市においては、犯罪集団による身代金目的の誘拐、強盗、殺人事件が多発しています。

ウ やむを得ない事情でこれらの地域に渡航・滞在する場合は、所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。具体的には、実際の渡航・滞在に先立って、現地事情に詳しい民間警備会社等の安全・治安対策の専門家と相談を行い、移動には防弾車両の使用を含む必要な身辺警護措置や防護措置を講じ、厳重な警備体制が敷かれている宿泊施設を利用するなどの十分な安全対策をとってください。また、夜間はテロ及び一般犯罪の脅威が高まるため、日没後の移動は厳に避けてください。

(5)バグダッド国際空港敷地内(バグダッド国際空港敷地内のホテル及びイラク航空国際ビジネスセンターを含む。)並びにバスラ国際空港敷地内
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
(やむを得ない理由からこれら施設敷地内に立ち入る、又は滞在する方は、専門家のアドバイスを受け、空港敷地内での滞在期間を必要最小限にするなど、十分な安全対策を取ってください。)

ア バグダッド国際空港敷地内(バグダッド国際空港敷地内のホテル及びイラク航空国際ビジネスセンターを含む。)は、イラク治安当局により厳重な警戒・警備がなされています。具体的には、空港と空港敷地内施設(敷地内にあるホテル及びイラク航空国際ビジネスセンター)の外周はコンクリート壁で隔離され、また、空港敷地内に至る道路には複数の検問所が設置されています。基本的に高いレベルでの安全確保がなされていますが、2020年9月6日には空港敷地内にロケット弾が着弾する事案が発生しています。

イ バスラ国際空港敷地内も、厳重な警戒・警備がなされています。具体的には、空港敷地の外周はコンクリート壁又はフェンスで隔離され、また、空港敷地内に至る道路に検問所が設置され、事前許可がない一般車両はアクセス出来ないようになっています。基本的に高いレベルでの安全確保がなされていますが、2018年にバスラ市内でのデモが激しくなった際には、空港敷地近くにロケット弾が着弾する事案が発生しています。

ウ やむを得ない理由からこれら施設敷地内に立ち入る、又は滞在する方は、専門家のアドバイスを受け、空港内での滞在期間を必要最小限にするなど、十分な安全対策を取ってください。

(6)エルビル県エルビル市、並びにスレイマーニーヤ県及びドホーク県のうちトルコ、イラン又はシリアとの国境付近並びにニナワ県、キルクーク県、サラーハッディーン県及びディヤーラ県との県境付近を除く地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

ア クルディスタン地域では、2017年9月に実施されたクルディスタン地域の独立を問う住民投票をめぐるクルディスタン地域政府(KRG)と連邦政府との対立により、治安情勢が不安定化しましたが、その後、諸懸案(国境管理、税関、空港、石油収入、公務員給与や予算配分の問題等)の解決に向けた両者間の協議が断続的に継続しており、現在は沈静化しています。

イ エルビル市内では、 2018年3月1日に政治的背景が疑われる爆弾テロが発生し、同年7月23日には、エルビル県庁舎がテロリスト3人に襲撃され、人質1人が死亡する事案が発生しています。また、2019年7月17日には、レストランで発砲事件が発生し、トルコ総領事館職員1人を含む3人が殺害されています。

ウ 2020年1月8日、エルビル市内に所在する米軍駐留基地がイランによる弾道ミサイル攻撃の標的になりましたが、これによる死傷者は発生していないとされています。

エ エルビル市、スレイマーニーヤ市及びドホーク市の都市部では、経済状況の悪化やトルコ軍の軍事作戦に対する抗議デモが断続的に発生しています。治安部隊による取締り等を受け、現在は大規模なデモは沈静化していますが、突発的なデモが発生する可能性はあります。デモが発生している場所等へ近づかないなど、注意が必要です。

オ これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。

3 滞在にあたっての注意
(1)イラクにおいては、邦人がテロや誘拐等の不測の事態に巻き込まれた場合でも、治安情勢、通信、移動制限の問題等から、在イラク日本国大使館及び在エルビル領事事務所(クルディスタン地域における場合)による邦人保護業務が制約を受けざるを得ない状況にあります。十分な安全対策を取ることのできない場合、渡航・滞在は取りやめてください。金曜日、土曜日及び夜間はテロ及び一般犯罪の脅威が高まるため、金曜日、土曜日及び日没後の移動は厳に避けてください。
なお、2020年9月現在、新型コロナウイルス感染防止の一環で、クルディスタン地域を除くイラク全土に夜間(22:00~05:00)外出禁止令が発令されています。この時間に外出をした場合、治安当局による摘発の対象となります。また、クルディスタン地域では公共の場におけるマスク着用義務が課せられています。

(2)真にやむを得ない理由によりイラクに渡航・滞在する場合には、政府機関、所属団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。また、緊急時の連絡のため、短期の滞在であっても必ず在イラク日本国大使館(embjp.ryoji.iraq@bd.mofa.go.jp)(クルディスタン地域に滞在する場合は在エルビル領事事務所(conjp.erbil@bd.mofa.go.jp))に渡航・滞在する方の氏名等人定事項、渡航・滞在日程、宿泊・滞在先、連絡可能な電話番号、Eメールアドレス、警備会社名等を届け出るとともに、現地においては在イラク日本国大使館又は在エルビル領事事務所(クルディスタン地域に滞在の場合)と緊密に連絡をとってください。また、常に最新の情報の入手に努めるなど、最大限の注意をしてください。

(3)入国手続は、事前の通告なく変更されることがあります。査証の取得及び入国後の査証種類別の手続に係る最新の情報については、駐日イラク大使館(03-5790-5311)に確認してください。
イラク北部のクルディスタン地域においては、同地域政府が発行する独自の査証にて滞在が認められているとの情報もありますが、同査証はイラク政府からの正式なイラク入国査証と認められておらず、同査証をもってクルディスタン地域以外のイラク国内を移動すると不法滞在となりますので、注意してください。
新型コロナウイルスに関し、水際対策の一環として、3月17日から7月22日までイラク全土の空港が閉鎖され、民間航空定期便の運航が全て停止しました。7月23日に空港は再開されましたが、入国する全ての乗客は出発地において取得した非感染証明書の所持が義務づけられるなど、出入国に対して規制がかけられています。イラクでは、2020年5月下旬から新型コロナウイルスの感染者数が増加し始め、8月の段階では全国の新規感染者数が1日4000人を超える日が続いており、同月下旬における感染者総数は20万人、死亡者総数は6000人を超えるなど、新型コロナウイルスの感染者数が引き続き増加傾向にあるため、今後、イラク政府の対応が更に厳しくなる可能性もあります。最新の情報を入手し、入国時のトラブルを回避するよう注意して下さい。また、イラク国内の劣悪な医療事情は、新型コロナウイルス感染の拡大により一層厳しい状況に陥っており、新型コロナウイルスに限らず、感染予防対策を含む健康への留意が極めて重要です。

(4)3か月以上滞在する方は、在イラク日本国大使館又は在エルビル領事事務所が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。
3か月未満の渡航の際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時の在イラク日本国大使館又は在エルビル領事事務所からの連絡を受け取ることができるよう、上記3(2)の届けとは別に、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html

(問い合わせ窓口)
 ○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省内関係課室連絡先)
 ○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く。)(内線)5139
 ○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047 
 ○海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)

(現地公館連絡先) 
 ○在イラク日本国大使館
  住所:International Zone, Baghdad, Iraq
  電話:(870-722)-582-564(衛星電話)、
     077-0494-2018(夜間等緊急を要する場合)
     国外からは(国番号964)-77-0494-2018(夜間等緊急を要する場合)
  FAX:(870-782)-502-564(衛星電話)  
  ホームページ:https://www.iraq.embjapan.go.jp/itprtop_ja/index.html
  メールアドレス:embjp.ryoji.iraq@bd.mofa.go.jp

○在エルビル領事事務所
 住所:Erbil Rotana Hotel, 8F, Gulan Street, Erbil, Kurdistan, Iraq
 電話:+964-(0)66-210-5555(内線819、827)
 電話(緊急を要する場合):+964-(0)750-080-4116、+964-(0)751-740-6716、+964-(0)751-740-6711
 ホームページ:https://www.iraq.emb-japan.go.jp/itpr_ja/erbil.html
 メールアドレス:conjp.erbil@bd.mofa.go.jp
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