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タジキスタンの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

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更新日 2020年08月31日
危険情報
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危険レベル・ポイント

【危険レベル】
●アフガニスタンとの国境付近、ソグド州イスファラ市ヴォルフ地区(キルギス領に囲まれた飛び地)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

●共和国直轄地:ログーン市以東、ソグド州:キルギスとの国境付近、フェルガナ盆地のウズベキスタンとの国境付近及びクヒストニ・マスチョ郡(ザラフシャン川のアイニ郡より上流部分)、ハトロン州:アフガニスタンとの国境を有する郡(上記アフガニスタンとの国境付近を除く)、ゴルノ・バダフシャン自治州全土(上記アフガニスタンとの国境付近を除く)
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

●上記を除くタジキスタン全土
レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】
●アフガニスタンとの国境付近の治安情勢は、イスラム過激派組織の勢力が強い隣国アフガニスタンからの影響を受けやすく、依然として麻薬密輸グループの摘発も散見されます。特に、ここ数年、アフガニスタンの北部にもISILを含むイスラム過激武装勢力が多数流入しているとされており、こうした武装勢力の一部がアフガニスタンから越境し、テロ事件等を引き起こす可能性は否定できません。どのような目的でも同地域への渡航は止めてください。
●ソグド州イスファラ市ヴォルフ地区(キルギス領に囲まれた飛び地)は、イスラム過激派組織の活動が活発な、主にウズベキスタン東部に広がるフェルガナ盆地に隣接していること、さらには山岳地帯を含むため国境警備も困難なこと等から、イスラム過激派組織の越境ルート、麻薬密輸グループの麻薬運搬ルートとして頻繁に利用されている模様です。どのような目的でも同地域への渡航は止めてください。

詳細

1. 概況
(1)タジキスタンでは、1997年に政府とイスラム過激派を含む反政府勢力との間で和平合意が成立し、国内の治安情勢は徐々に安定していきました。2005年以降、反政府勢力の活動が再び活発化するに伴い、治安情勢も一時的に悪化しましたが、2011年には反政府勢力の主流派が国内から一掃されています。
(2)ただし、2015年3月にはタジキスタン国内での戦闘を主張するISILタジキスタン人戦闘員によるインターネット動画の投稿、同年5月にはタジキスタン内務省特殊部隊(OMON)元司令官のISIL参加が確認されたこと、また、多数のタジキスタン人がシリア、イラクでの戦闘に参加していたこと等から、タジキスタン国内においても、イスラム過激派による事件発生の潜在的脅威は存在するとみられます。
(3)アフガニスタンとの国境付近の治安情勢は、イスラム過激派組織の勢力が強い隣国アフガニスタンからの影響を受けやすく、依然として麻薬密輸グループの摘発も散見されます。特に、ここ数年、アフガニスタンの北部にもISILを含むイスラム過激武装勢力が多数流入しているとされており、こうした武装勢力の一部がアフガニスタンから越境し、テロ事件等を引き起こす可能性は否定できません。タジキスタン東部ゴルノ・バダフシャン自治州のアフガニスタン国境付近は、過去に治安機関と反政府勢力の衝突が頻発した地域であり、厳重な警戒が必要です。
(4)上記以外の地域においても、インフレが進んでおり、農産品以外の生活需要品を他国からの輸入に頼る経済に多大な影響を及ぼしていることから、生活苦を背景にした一般犯罪による治安悪化が懸念されています。特に富裕層と見なされている日本人をはじめとする外国人が犯罪行為の対象となる可能性がありますので、十分注意が必要です。
(5)テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年では、単独犯によるテロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発するなど、テロの発生を予測し未然に防ぐことがますます困難となっています。
 このように、テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
(6)タジキスタン国内の医療事情は極めて悪く、病気や事故等により応急処置が必要な場合でも、国内で高水準の医療を受けることはほぼ不可能です。また、徐々に改善されているとはいえ、多くの地域で交通、通信等の社会インフラが脆弱なままとなっています。落石、雪崩、地滑り、増水など自然災害による被害が広範に発生する他、車両の崖からの転落事故も多数発生しています。

2.地域別情勢
(1)ハトロン州のアフガニスタンとの国境付近、ゴルノ・バダフシャン自治州のアフガニスタンとの国境付近、ソグド州イスファラ市ヴォルフ地区(キルギス領に囲まれた飛び地)
  レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

ア ハトロン州のアフガニスタンとの国境付近
 タジキスタン南西部のハトロン州とアフガニスタンとの国境付近の治安情勢は、非常に不安定です。アフガニスタンでは、2014年12月にISAF(国際治安支援部隊)が撤収したこともあり、ISILを始めとするイスラム過激武装勢力が、ハトロン州に隣接するアフガニスタン北部のクンドゥーズ県、タハール県、バダフシャン県等に多数流入しているとみられています。今後、こうした武装勢力がさらに活動を活発化させ、アフガニスタンから越境し、テロ事件等を引き起こす可能性は否定できません。
 現在のところ、ハトロン州のアフガニスタンとの国境付近を含むタジキスタン国内において、ISILの具体的な活動は確認されていませんが、シリアやイラクでは多くのタジキスタン人が外国人戦闘員としてISILに参加したとみられ、2015年1月には、アフガニスタン、パキスタン及びその周辺の土地を含む地域に「ホラーサーン州」の設立を宣言しています。
 さらに、同地域では、麻薬取引に絡む事件が相次いで発生しており、当地国境警備隊員と麻薬密輸グループとの銃撃戦が散発的に行われ、死傷者が発生しています。
 つきましては、ハトロン州のアフガニスタンとの国境付近への渡航・滞在は、目的の如何を問わず中止してください。

イ ゴルノ・バダフシャン自治州のアフガニスタンとの国境付近
 タジキスタン東部のゴルノ・バダフシャン自治州とアフガニスタンとの国境付近の治安情勢は、非常に不安定です。
 同国境付近の道路には、国境警備隊の検問所が数多く設置され、アフガニスタンの武装勢力及び麻薬・武器密輸業者等の取締りが厳しく行われており、頻繁に発生する銃撃戦により死者も出ています。
 また、タジキスタン国内他地域との格差等に起因する反中央政府感情が根強く存在し、最近では2018年秋に州都ホログを中心に情勢が不安定化しました。

ウ ソグド州イスファラ市ヴォルフ地区(キルギス領に囲まれた飛び地)
 タジキスタン北部のソグド州は、キルギス及びウズベキスタンとの国境線が複雑に入り組んでいます。特にヴォルフ地区(キルギス領に囲まれた飛び地)は、イスラム過激派組織の活動が活発な、主にウズベキスタン東部に広がるフェルガナ盆地に隣接していること、さらには山岳地帯を含むため国境警備も困難なこと等から、イスラム過激派組織の越境ルート、麻薬密輸グループの麻薬運搬ルートとして頻繁に利用されている模様です。同地区の国境付近では、タジキスタン、キルギス両住民間の争いが発生すると、治安当局により国境が封鎖されることもあります。 
 つきましては、上記地域への渡航・滞在は、どのような目的でも止めてください。

(2)共和国直轄地のログーン市以東、ソグド州のキルギスとの国境付近、フェルガナ盆地のウズベキスタンとの国境付近及びザラフシャン川のアイニ郡より上流部分、ハトロン州のアフガニスタンとの国境を有する郡(アフガニスタンとの国境付近を除く)、ゴルノ・バダフシャン自治州の全て(アフガニスタンとの国境付近を除く)
  レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

 共和国直轄地のログーン市以東の過去の内戦時に反政府勢力の活動拠点であったガルム地方等では、一部地区では依然として内戦時代に埋設された地雷の除去が行われていません。
 ソグド州のキルギス国境付近では、タジキスタン人とキルギス人との間、両国官憲の間で衝突が散発しています。また、伝統的にイスラム過激派組織の活動が活発なウズベキスタンのフェルガナ盆地は、イスラム過激派組織の越境ルート、麻薬密輸グループの麻薬運搬ルートとして頻繁に利用されている模様であり、国境付近の治安状況は不安定です。
 上記2.地域別情勢(1)のとおり、ハトロン州のアフガニスタン国境は隣国アフガニスタンからの影響を受けやすく、治安が不安定であり、麻薬取引に絡む当地国境警備隊員と麻薬密輸者グループとの銃撃戦による死傷者も発生しています。ハトロン州内のアフガニスタンとの国境を有する郡においても麻薬取引等に関する衝突等が発生する可能性も排除されません。
 ゴルノ・バダフシャン自治州は、アフガニスタンから北方に向けた麻薬密輸の主要ルートとなっている他、全般的に首都ドゥシャンベ等から交通アクセスが極めて悪く、自然災害や冬の積雪からの道路復旧工事の為に交通規制がしばしば行われます。通信インフラも不十分で、一部においては電話も全く通じません。同地域の大部分では電気、水道等のインフラ整備も遅れており、電力供給不足のため一日の大半が停電となることがあり、頻繁に断水も発生していることから、一般的な旅行に適した環境とは言えません。

 つきましては、上記地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ない事情でこれら地域に渡航・滞在される方は、十分な安全対策を講じてください。また、山岳地域の移動を含め、長距離移動の際は報道等により雪崩に関する最新情報を入手するよう努めてください。

(3)上記を除くタジキスタン全土(継続)
レベル1:十分注意してください。

 タジキスタンの政治・治安情勢は全般的に落ち着きを取り戻しており、1992年から1997年にかけて続いた内戦等の結果、遅れていた道路網等の社会的インフラの整備も現在は地方の多くにおいても改善傾向にあります。
 中でも、ヒッサール市、ヴァルゾブ郡及びパンジャケント市は、近年観光地及び避暑地として発展しており、この数年目立った事件は報じられていません。
 ただし、2018年7月に発生したハトロン州ダンガラ郡での外国人サイクリスト襲撃事案や、2019年11月に発生した共和国直轄地ルダキ郡でのタジキスタン・ウズベキスタン国境警備ポスト襲撃事案に見られるように、タジキスタンも絶対に安全だと言い切れる国ではありません。2018年秋以降、フジャンド市やヴァフダト市の刑務所内部で囚人同士による騒乱が発生し、時にはテロ未遂容疑者の検挙が行われ、さらに、若者を中心に潜在的なISIL等のイスラム過激派支持者がいるとされるなど、テロ事案発生の潜在的可能性は存在しています。また、ドゥシャンベ市、フジャンド市等では富裕層市民が強盗、ひったくり等の標的になることもあります。内務省犯罪統計によれば、貧富の格差が急速に拡大しつつある両市においては強盗事件及び暴力行為が増加しています。
 つきましては、これら地域への渡航・滞在にあたっても、周囲の状況に気を配って行動する、テロの標的になりそうな施設に近づかないといった特別な注意を払い、危険を避けるよう心掛けてください。

3.滞在に当たっての注意
 滞在中は、下記の事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、夜間の徒歩での外出は極力避けるとともに、宿泊するホテルは安全な場所を選ぶなどの点にも留意してください。外務省、在タジキスタン日本国大使館、現地関係機関等より最新の情報を入手するよう努め、不測の事態が発生した場合は、すみやかに在タジキスタン日本国大使館に連絡してください。

(1)渡航者全般向けの注意事項
ア テロ事件等に対する警戒
 滞在中は常に周囲の安全に気を配り、政府関係施設(特に、治安機関、軍関連施設)周辺や市場、レストラン等不特定多数の人が集まる場所等、テロの標的となり得る場所では用心を怠らず、周囲の様子に目を配り、安全の確保に十分注意してください。さらに、バス、タクシー等の公共交通機関を利用する際も十分注意してください。万が一爆発事件が発生した場合、発生直後の現場では二次災害の危険がありますので、爆発現場には絶対に近寄らないでください。

イ 長期滞在時の留意事項
 長期滞在する場合は、不測の事態に備え、食料、飲料水を備蓄しておくとともに、パスポート、貴重品、衣服等をいつでも持ち出せるように準備しておき、さらに、退避手段についても常時確認しておいてください。
   
(2)その他注意事項
ア 海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 3か月以上滞在する方は、在タジキスタン日本国大使館が緊急時に所在を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。
 3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新安全情報や、緊急時に在タジキスタン日本国大使館からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html

イ タジキスタン政府に対する滞在登録
 タジキスタンに3日以上滞在する外国人は、滞在登録を義務付けられています。ただし、Eビザ若しくは観光目的での45日以内の滞在者は滞在登録の必要がありません。それ以外でホテルに宿泊する場合はホテル側が手続を代行してくれますが、ホテル以外に滞在する場合には「オビール」(査証・滞在登録局)において自分で滞在登録を行う必要があります。最近、この滞在登録を怠り、内務省から不法滞在を指摘される事例が増えていますので、十分注意してください。また、滞在登録証は出国時に必要ですので、紛失しないように保管してください。

ウ パミール観光の際の通行許可証の取得
 ゴルノ・バダフシャン自治州の「レベル2」地域へやむを得ず渡航、滞在する際には、上記2.(2)を参照してください。(同自治州のアフガニスタンとの国境付近は上記2.(1).イのとおり「レベル3」地域であり、渡航、滞在は控えてください)。また、同自治州へ渡航するためには、査証のほかにパミール通行許可証(パーミット)の取得が必要です。パミール地方を通行する旅行者は「オビール」(査証・滞在登録局)において自分で滞在登録を行う必要があります。通行許可証を事前に取得することなく同地域を通行した場合には現地警察との間でトラブルとなり、場合によっては身柄を拘束される可能性もあります。やむを得ず同地域に渡航する際には、必ず許可証を取得してください。

エ なお、アフガニスタン(全土にわたって「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」の危険情報が出ています。)への陸路での入国は極めて危険です。厳に差し控えてください。

4.隣国アフガニスタン、ウズベキスタン、キルギス及び中国西部にはそれぞれ危険情報が発出されていますので、それらにもご留意ください。

(問い合わせ窓口)
 ○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省内関係課室連絡先)
 ○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2306
 ○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)3047
 ○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在タジキスタン日本国大使館
  住所:80A, Kh.Nazarov St., Dushanbe, Republic of Tajikistan
  電話:(市外局番37)227-54-36又は227-54-46
    国外からは(国番号992)37-227-54-36又は227-54-46
  ファックス:44-600-5478
    国外からは(国番号992)44-600-5478
  ホームページ: http://www.tj.emb-japan.go.jp/j/
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