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危険情報
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ナイジェリアの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

「危険情報」とは?

更新日 2019年11月14日

危険情報
地図

危険レベル・ポイント

【危険度】
●北東部(ボルノ州,ヨベ州及びアダマワ州)
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●南部(デルタ州,リバース州,バイエルサ州,アクワ・イボム州沿岸部及びコギ州),北部(ケビ州,ソコト州,ザムファラ州,カツィナ州,ジガワ州,カノ州,カドゥナ州,バウチ州,ゴンベ州及びプラトー州ジョス市(周辺地域を含む))
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●その他の地域
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

【ポイント】
●北東部3州(ボルノ州,ヨベ州及びアダマワ州)を中心に,イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」(ISIL西アフリカ州(ISWAP)を含む)が,軍との衝突やテロを繰り返しており,同3州における治安情勢は依然として危険な状況にあることから,退避勧告を継続します。
●南部ナイジャーデルタ地域では,ナイジャーデルタ解放運動をはじめとした反政府武装組織による活動が一時的に沈静化していますが,武装民兵による石油施設への攻撃や外国人を狙った誘拐事件等が再び増加することも懸念されることから,渡航中止勧告を継続します。
●北部地域では,ニジェールと国境を接する地域でイスラム過激派組織に属する分子等が流入し,テロ・誘拐等を行うおそれがあるほか,ボコ・ハラムの影響によるテロ・誘拐事件等が発生していることから,渡航中止勧告を継続します。
●ナイジェリア全土で,テロ事件や外国人の誘拐が発生する可能性があります。また,宗教・民族間対立や集落の土地をめぐる衝突,殺人,強盗,強姦等の凶悪犯罪や,「ナイジェリア419詐欺」が多数発生しています。これらの犯罪等に巻き込まれることがないよう,海外の報道を含め,幅広い安全情報の収集に努めてください。

詳細

1 概況
(1)ボコ・ハラム(ISIL西アフリカ州(ISWAP)を含む)
 ナイジェリアでは,2010年頃から北東部を拠点とするイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が活動を活発化させ,北東部のみならず首都アブジャにおいても,警察本部に対する爆破テロ(2011年6月)や国連事務所に対する爆破テロ(同年8月)を皮切りに複数件のテロが発生しました。2014年には,アブジャ郊外のニャンニャ地区でのバスターミナル爆破テロ(4月,5月),アブジャ中心部のショッピングモール付近での爆破テロ(6月),また,2015年には,アブジャ郊外のクジェ地区及びニャンニャ地区での同時多発的テロ(10月)が発生し,多くの死傷者が出ました。
 その後,アブジャやラゴスでテロは発生していませんが,ボコ・ハラムの戦闘員は北東部を逃れて国内各地に潜伏しているといわれ,アブジャにおいては2017年以降もボコ・ハラムがテロ攻撃や外国人の誘拐を予告しており,実際に英米の大使館への攻撃を計画したとして戦闘員が逮捕されています。
 2015年のブハリ政権発足以降,ボコ・ハラムに対する軍の掃討作戦が効果を上げ,北東部における支配領域の多くが奪還されるなど,情勢面では改善が見られましたが,政府は北東部3州(ボルノ州・ヨベ州・アダマワ州)で発令されている非常事態宣言を正式に解除しておらず,北東部では,これら3州を中心にテロや軍事衝突が頻発する危険な状態が依然として続いています。

(2)ナイジャーデルタ情勢
 南部ナイジャーデルタ地域では,2009年の政府恩赦プログラムを契機にナイジャーデルタ解放運動(MEND:Movement of the Emancipation of the Niger Delta)をはじめとした反政府武装組織による活動は比較的落ち着いてきました。しかし,2015年にブハリ大統領が同プログラムの打ち切りに言及すると,元武装組織関係者の間で反発が高まり,ナイジャーデルタアベンジャーズ(NDA)等の新たな武装勢力が次々と現れ,石油関連施設への攻撃が続く事態に陥りました。
 その後,恩赦プログラムの打ち切りはひとまず回避され,2016年11月のブハリ大統領と住民代表による交渉や,2017年1月~3月に行われたオシンバジョ副大統領の現地訪問等の連邦政府側の動きにより,情勢は一時的に安定化しています。
 なお,2017年11月にNDAが停戦破棄を宣言したのをはじめとして,種々のグループが停戦協定の終了や石油施設への攻撃再開を発表していますが,これまでのところ大規模な攻撃は確認されていません。
 ただし,今後の政府の対応次第で,再び武装民兵による石油施設への攻撃や外国人を狙った誘拐事件が増加することも懸念されるため,引き続き注意する必要があります。

(3)IMNによる抗議活動
 近年,カドゥナ州を中心に,イスラム教シーア派集団(IMN:Islamic Movement of Nigeria)による政府に対する抗議活動が活発になっています。特に,2015年12月に発生したザリア事件(IMNメンバー多数が軍により殺害されたとされる事件)及び同事件後の治安当局による指導者ザクザキ氏の拘束に対するIMN支持者の反発は強く,2016年以降,カドゥナ州だけでなく,首都アブジャを含む国内各地において抗議活動が行われました。
 2019年7月,アブジャ市内の国会正門で警察官とデモ隊が衝突し,双方に多数の死傷者が出たことがきっかけとなり,連邦高裁はIMNに活動停止を命じました。しかし,その後もデモは散発し,衝突が発生するなど,緊張が続いています。

(4)武装フラニ族遊牧民問題
 いわゆるミドル・ベルト(ナサラワ州,ベヌエ州,プラトー州,タラバ州,アダマワ州等)を中心に,武装フラニ族遊牧民と農耕民との衝突が広がりつつあります。フラニ族遊牧民は家畜業で生計を立てており,牛の移動とともに生活をしていますが,干ばつなどの影響により,放牧地域がミドル・ベルト地帯まで及ぶようになると,牛による農作物の被害が原因で農耕民との間で紛争が起きるようになりました。現在では,フラニ族遊牧民は自動小銃などで武装しており,死者数は数千に上っているほか,国内避難民も数百万人にも上っています。武装化の背景には,ボコ・ハラム等のテロ組織が介在しているとの見方もあり,今後も動向を注視する必要があります。

(5)テロ等への対策
 これまでに,ナイジェリアにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが,ボコ・ハラムは,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)等のイスラム過激派組織とも関わりを有し,外国人に対するテロ攻撃の実行を宣言するなど,今後,日本人・日本権益がテロを含む様々な事件に巻き込まれる危険性が十分に考えられます。また,ナイジェリアでは,近年の経済状況の低迷により,誘拐事件が大幅に増加していると指摘されています。
 このような状況を十分に認識し,テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう常に心掛けてください。

(6)一般犯罪
 全国的に,宗教・民族間対立や集落の土地をめぐる衝突,殺人,誘拐,強盗,強姦等の凶悪犯罪や,「ナイジェリア419詐欺」「ロマンス詐欺」と呼ばれる悪質で巧妙な手口の詐欺事件が多発しています。


2 地域情勢
(1)北東部(ボルノ州,ヨベ州及びアダマワ州)
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

 イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」の本拠地がある地域であり,2010年頃から同組織によるテロ活動が激化し,最近も軍・警察施設,宗教施設のみならず,集落・一般民家や避難民キャンプへの襲撃・爆弾テロが発生しています。一時期,これら3州における軍の掃討作戦や警察部隊による治安維持が一定の効果を上げ,集落等が解放されつつあったものの,現在も「非常事態宣言」は解除されておらず,主要な市街地では軍・警察部隊による取締りにより厳戒態勢が敷かれています。これら3州においては,依然として自爆テロや軍施設への攻撃により数十人もの死傷者を出す事案が続発しているなど,引き続き予断を許さない状況にあります。また,報道等によれば,この地域におけるテロ事案等は2019年上半期に約135件発生しており,前年同様のペースとなっています。
 ボコ・ハラムは,2016年以降,ボルノ州東部・カメルーン国境沿いに位置するサンビサの森奥地に拠点を置くシェカウ派と,チャド湖周辺を拠点に活発に活動しているISIL西アフリカ州(ISWAP)派に分裂し,今も互いに勢力を保っていると言われており,この地域に立ち入ることは極めて危険です。
 2014年7月,アダマワ州の州都ヨラから約100km離れた町ゴンビで,オートバイに乗った武装集団にドイツ人男性が拉致されたほか,2016年8月には,ディクワにおいて,支援物資を搬送中の国連車両が襲撃される事件も発生しています。また,最近では,次のような事件が発生しています。
●2019年1月,ヨベ州でボコ・ハラムとナイジェリア軍が交戦し,一時,ボコ・ハラムが軍の基地を占拠。
●同年2月,アダマワ州でボコ・ハラムが3つの村を襲撃,多数が死傷し家屋や車両も破壊された。
●同年4月,ボルノ州で2人の女性が自爆テロを敢行,50人以上が死傷。
●同年7月,ボルノ州でNGOの車列がボコ・ハラムに襲撃され,外国人を含むNGO職員ほかが人質になり,その後,同職員は殺害された。

 つきましては,これらの地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。また,既に滞在されている方は直ちに同地域から退避してください。

(2)南部(リバース州,バイエルサ州,デルタ州,アクワ・イボム州沿岸部及びコギ州),北部(ケビ州,ソコト州,ザムファラ州,カツィナ州,ジガワ州,カノ州,カドゥナ州,バウチ州,ゴンベ州及びプラトー州ジョス市(周辺地域を含む))
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

ア リバース州,バイエルサ州,デルタ州及びアクワ・イボム州沿岸部
 これら地域においては,武装勢力による身代金目的の誘拐や,強盗・殺人等の凶悪犯罪が多発しています。また,石油利権をめぐり,反政府武装組織の石油関連施設への攻撃や,外資系企業駐在員を狙った誘拐事件も多数発生しています。武装勢力は,複雑な入り江地帯を活動・潜伏拠点として,周辺で外国人誘拐等の犯罪行為を繰り返しています。駐在員宿舎やホテル,あるいは陸路移動中の橋の上で待ち伏せし,武装犯が外国人を襲撃・拉致する事件や,高速艇を用いて襲撃・逃走する事件が発生しています。誘拐事件は時間帯や地域にかかわらず無差別に発生しており,一部事件では,被害者の行動予定が警察官や警備員から外部に漏れて犯行に繋がっている可能性も指摘されています。
 同地域では,石油利権をめぐる争いが政治抗争にも発展しており,2016年のリバース州知事選挙の際には,複数の抗争・衝突により,警察官を含め複数の死傷者が発生しました。また,バイエルサ州では,海賊事件やカルト宗教間の抗争・殺戮も頻繁に発生しています。これら凶悪犯罪には誰もが巻き込まれるおそれがあり,加えて治安機関の対応にも限界があるため,この地域において身の安全を確保することは極めて困難な状況にあります。最近では,次のような事件が発生しています。
●2018年3月,ギニア湾沖を航行していた船舶に乗船していた韓国人漁師が誘拐された。
●同年9月,ギニア湾ボニー島沖でスイス国籍の貨物船が海賊の襲撃に遭い,19人の乗組員のうち12人(うち7人はフィリピン人で,ほかはスロベニア人,ウクライナ人,ルーマニア人,クロアチア人及びボスニア人)が誘拐された(同年10月末に全員解放)。
●同年10月,ギニア湾沖でリベリア船籍の貨物船が海賊の襲撃に遭い,11人(うち8人はポーランド人で,ほかはフィリピン人2人,ウクライナ人1人)が誘拐された(同年12月に全員解放)。
●同年10月,デルタ州でエジプト人が誘拐された(約5か月後に自力で脱出)。
●2019年3月,アクワ・イボム州で与党の大統領選キャンペーン中の人混みにダイナマイトが投げ込まれ,3人が負傷。
●同年4月,デルタ州で旅行中の4人が沿道でタイヤのパンクを修理していたところを誘拐された。
●同年6月,リバース州で石油貯蔵所への攻撃があり,職員と警備に就いていた兵士の計3人が殺害された。
●同年7月,バイエルサ州で武装集団が警察署を襲撃し,警察官3人が殺害された。
●同年7月,ギニア湾を航行していたトルコ船籍の貨物船が海賊の襲撃に遭い,トルコ人船員11人が誘拐された(同年8月に全員解放)。

イ コギ州
 コギ州の,特にオケネ市及びその周辺地域では,これまで複数の爆弾製造工場が摘発されているほか,2016年4月には,過去にボコ・ハラムから分裂した「アンサール」の指導者であるハリド・バルナーウィが治安当局に逮捕されました。なお,同地域には,多数のボコ・ハラム戦闘員が潜伏していると言われ,2017年以降も,主にオケネやロコジャといった地域で治安機関による警戒が強化されており,依然として次のようなテロや誘拐事件が発生しています。
●2013年1月,マリへ派兵されるナイジェリア軍の部隊車列に対する爆弾テロ事件が発生し,兵士10人が死傷。
●2017年7月,オスン州政府高官が武装勢力に誘拐され,殺害された。
●2018年4月,武装強盗が掃討作戦中のナイジェリア軍兵士と遭遇し,戦闘により6人が死亡。
●2019年7月,銀行帰りの中国人がガソリンスタンドで強盗に遭い,多額の現金被害があったほか,護衛していた警備員が負傷。

ウ ケビ州,ソコト州,ザムファラ州,カツィナ州及びジガワ州
 これらの地域では,2013年1月以降,フランスがマリに部隊を派遣したことに伴い,マリの武装勢力や北アフリカで活動する「マグレブ・イスラム諸国のアルカイダ(AQIM)」などのイスラム過激派組織に属する分子等が隣国のニジェール経由で流入しており,テロ・誘拐の危険があります。また,同地域には,ボコ・ハラムの影響も及んでいます。
 同地域では,これまでも,2011年にケビ州で建設会社所属の英国人やイタリア人が誘拐され(翌年の救出作戦後,両人の遺体発見),2012年にカツィナ州でフランス人1人が誘拐されたほか,2016年2月には,同州と隣国ニジェールとの国境沿いで,リビアに向けて連行されていた人身売買被害者約20人が入管当局に保護されるなど誘拐事件が多発しています。
 また,ソコト州,ザムファラ州及びカツィナ州では,2017年以降,武装強盗団が一度に数十人以上もの住民を殺害して家畜などを強奪する事件が複数発生しており,2019年に入っても武装集団と治安機関による銃撃戦に地元住民が巻き込まれて被害に遭うケースが多数報告されています。
●2019年5月,ザムファラ州で武装強盗が村を襲撃し,少なくとも30人以上が殺害された。
●同年7月,ソコト州で武装強盗が複数の村を襲撃し,20人以上が殺害された。
●同年8月,カツィナ州で武装強盗が複数の村を襲撃し,17人以上が殺害され,財産や家畜も略奪された。

エ カノ州
 カノ州では,以下のとおり,ボコ・ハラムによるテロ・襲撃・誘拐事件が発生しています。同州では,戦闘員のリクルート活動を行っていた者をはじめ,複数のボコ・ハラム戦闘員が逮捕されるなど,依然としてボコ・ハラムの影響が強く及んでいます。
●2014年5月,市内キリスト教徒地区の繁華街で自動車爆弾によるテロが発生し,5人が死亡。
●同年6月,州立衛生大学で爆発があり,少なくとも8人が死亡,20人以上が負傷。
●同年7月,市内駐車場で爆弾テロが発生し,数十人が死亡。
●2018年4月,建設会社勤務のドイツ人技師が誘拐され,その際に警察官1人が死亡。
●同年4月,シリア人少年の誘拐未遂事件が発生。
●2019年3月,道路建設に従事していたレバノン人が誘拐され,殺害された。

オ カドゥナ州
 ボコ・ハラムの影響が及ぶ地域でもあり,また国内で最も誘拐の脅威が高い地域と言われています。加えて,部族間・宗派間対立,イスラム教シーア派組織(IMN)と州政府や地元住民との衝突も新たな懸念となりつつあり,治安悪化が深刻化しています。2016年以降は,外国人に対する武装誘拐事件が複数発生し,死傷者が出ています。2019年中も,アブジャ-カドゥナ州間を結ぶ道路上で,無作為に車両を停車させ,乗員を誘拐して身代金を要求する事件が多発しているほか,次のような事件が発生しています。
●2017年2月,ドイツ人学者2人が武装集団による身代金誘拐に遭い,ナイジェリア人同行者が殺害された。
●2018年5月,長距離バスや商用車(タクシー)を十数台停車させ,一度に80人以上が誘拐された。
●同年6月,商用車(タクシー)に乗った女性,子供を含む25人が誘拐され,運転手が殺害された。
●同年10月,イスラム教徒とキリスト教徒の若者同士の抗争が発生し,数十人が死亡。これを受け,カドゥナ市を含む地域に外出禁止令が発出された。
●2019年4月,カドゥナ市内の高級ホテルに宿泊していたイギリス人女性を強盗が殺害。
●同年8月,武装犯が車両6台を停車させ,3人を射殺,複数人を誘拐。
●同年9月,武装強盗が村を襲撃し,6人以上が死傷。財産や家畜が略奪された。

カ バウチ州及びゴンベ州
 これらの州では,ボコ・ハラムの活動がみられ,過去,主にキリスト教会等が爆発物等で襲撃されており,多数の死傷者が発生しています。2012年9月,バウチ市の教会で自動車爆弾による自爆テロが発生したほか,2013年2月には,建設業に携わる英国人,イタリア人,ギリシャ人,レバノン人ほか計7人が誘拐され,翌月にその内の数人が殺害されました。また,2014年6月には,売春宿で爆発があり,11人が死亡,約30人が負傷しました。2016年以降も,ボコ・ハラムの拠点が設置されたとの情報や,戦闘員が逮捕されたとの報道があることから,この地域において,ボコ・ハラムは完全には制圧されていないとみられています。

キ プラトー州ジョス市及びその周辺
 2014年5月,ジョス市中心部において2回連続で爆破テロが発生し,少なくとも118人が死亡,45人が負傷しました。2016年中には,治安機関がボコ・ハラムのために武器弾薬を手配していた被疑者を逮捕したり,戦闘員が潜伏している旨の注意喚起が発せられるなど,緊張が続いています。
 ジョス市郊外及びバルキンラディ地区では,2012年7月に,フラニ族がビロム族を襲撃して60人以上が死亡,翌日には,フラニ族が犠牲者の葬儀を襲撃し,上院議員や州議員等40人以上が死亡する事件が発生しています。また,その後も同様の抗争・殺戮が続き,多くの犠牲者が出ているほか,2018年9月には,夜間外出禁止令が発出されるなど,不安定な治安状況が続いています。

 つきましては,これらの地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。また,既に滞在されている方は,可能な限り早期の退避をお勧めします。


(3)その他の地域
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

ア 首都アブジャ
 首都アブジャでは,2011年以降,国連事務所や警察本部,富裕層や外国人も利用する市内中心地のショッピングモールに対する爆破テロが多発しました。2015年10月以降,同地域でのテロ事件は発生していませんが,2016年以降,ボコ・ハラム戦闘員の逮捕が発表されるなど,アブジャにおいては今もなおテロの脅威が常に存在します。
 また,シーア派集団(IMN)が指導者ザクザキ氏の解放を求めてデモ活動を行い,治安部隊と衝突して死傷者が生じる事案も発生しています。
 なお,アブジャ中心地は,治安機関の配置・検問等が他地域に比べると手厚く,他地域と比較して治安面の不安が少ないと言われていますが,外国人を狙った強盗事件等の凶悪犯罪が何件も発生しており,市街地では警察官が外国人の車両を取り囲んで賄賂を求めたりするトラブルも数多く報告されていることから,決して安全とは言えません。また,2019年に入ってからは,富裕層を狙った誘拐事件も多発しており,警戒が必要です。

イ ラゴス州
 前首都であり,現在も商業の中心地として各国外交団や外資系企業,外国人駐在員が拠点を置き,外資系大型ホテルも多いことから,テロのターゲットとなるおそれがあります。アブジャ同様,ラゴスにおいてもボコ・ハラム戦闘員が逮捕されています。
 また,ナイジャーデルタ問題に関連して,2016年以降,外国人に対する脅迫行為が認められたこともあり,一部欧米系資本の駐在員がラゴスから退避しました。
 さらに,ラゴスでは,銀行強盗だけでなく,富裕層や外国人の住宅への侵入強盗や車両強盗など凶悪犯罪が多発しているほか,市民が暴徒化する事件も発生しています。最近では,特に外国人が多数居住するラゴス島やビクトリア島において武装強盗事件が頻発するなど,治安の悪化が目立っています。なお,2016年には白昼に在留邦人が強盗被害に遭ったほか,2018年6月には,邦人が夜間のタクシー乗車中に強盗被害に遭い負傷する事件も発生しています。そのほかにも,身代金目的の誘拐事件が多発しており,最近では,英国人,レバノン人,イタリア人,サウジアラビア人,アラブ首長国連邦人,中国人が誘拐される事件が発生しています。

ウ プラトー州(ジョス市及びその周辺を除く),タラバ州,ベヌエ州及びナサラワ州
 この地域では,武装フラニ族遊牧民と農耕民との衝突が続いています。その背景として治安のかく乱を狙うテロ組織の関与も指摘されています。最近では,次のような事件が発生しています。
●2018年5月,ベヌエ州で待ち伏せしていた武装フラニ族がパトロール中の兵士を襲撃し,兵士1人が死亡したほか,車両が放火された。
●2019年3月,ナサラワ州で異なる民族間で抗争が発生し,2人以上が死亡したほか,家屋も多数焼失した。
●同年6月,タラバ州で武装フラニ族が11の村を襲撃し,50人以上のクリスチャン農民を殺害。
●同年6月,プラトー州で武装フラニ族が村を襲撃し,兵士を含む4人が死亡したほか,家屋も焼失した。

エ その他の地域
 その他の地域でも,外国人の誘拐事件が増加しています。ナイジェリアには西アフリカの中でも比較的,外国人や富裕層が多いとの認識に基づき,近隣諸国の犯罪集団がこれらをターゲットに不法入国して誘拐事件を起こしているとの治安機関の分析もあります。
 ナイジェリアでは,レバノン系や中国系企業が多く進出しており,これらの社員を狙った誘拐事件が多数報告されていますが,当地の犯罪者からみて日本人と中国人の区別はつきにくく日本人も,誘拐をはじめとした犯罪被害にあうリスクが高いといえます。また,以下のとおり異なる民族間の衝突などの事件が各州で発生しています。
●2017年2月,オシュン州で民族紛争により多数が死傷。
●同年4月,オシュン州で誘拐犯と警察との間で銃撃戦が発生。
●2019年6月,オヨ州で前保健大臣の子息が誘拐され,後日解放。
●2019年7月,クワラ州で武装犯がトルコ人4人を誘拐し,後日解放。

 つきましては,これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ず渡航する場合には,特別な注意を払うとともに,十分な安全対策をとってください。テロのみならず一般犯罪の脅威も引き続き高いことから,真に必要な渡航・滞在以外は控え,仮に渡航・滞在される場合も,警察・民間警備会社によるエスコートを手配するなど,適切で十分な安全対策を講じることをお勧めします。


3 滞在に当たっての注意
 ナイジェリア滞在中は,下記の事項に十分留意して行動し,あらかじめ危険を避けるようにしてください。また,日本国外務省,在ナイジェリア日本国大使館,現地関係機関等より最新の情報を入手するよう努め,一般犯罪等による犯罪手口等の詳細については,「安全対策基礎データ」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_115.html )を参照してください。
 上記1及び2に記載した事例は,あくまで氷山の一角に過ぎず,報道や政府発表が行われない凶悪事件がほかにも多数発生していることに留意する必要があります。また,外交団や民間警備会社の見方では,2015年以降,誘拐事件の認知件数は急増傾向にあり,一部の分析では,2018年中に把握されているだけで700件近くにものぼるとも言われています。2019年上半期においては,前年よりも高い認知件数で推移している状況です。
 このような治安情勢の下,十分な安全対策を講じないまま同地域に渡航・滞在した場合,誘拐等の事件被害や不測の事態に巻き込まれる可能性が極めて高いことを今一度強く認識してください。

(1)在留届,「たびレジ」
 海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 3か月以上滞在する方は,在ナイジェリア日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet
 3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/

(2)医療水準
 医療水準については,日本と同じレベルは望めず,重傷者への十分な対応ができません。これらの医療事情により,重大な症状を呈する疾患の場合には,ヨーロッパへの搬送も考慮されるため,搬送費用,治療費を十分に考慮にいれた保険に加入してください。
 そのほかの衛生・医療事情の詳細につきましては,外務省海外安全ホームページ内のナイジェリアの「世界の医療事情」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/nigeria.html )を参照してください。

(3)その他の注意事項
 ナイジェリアでは,56日以上滞在される場合は,到着後21日以内に居住地を管轄する移民局事務所で外国人登録を行う必要があります。
住居やホテル等を選定する際は,外部から武装強盗等の侵入を防ぐため,周辺の状況や塀の高さ等を考慮に入れて,慎重に選定する必要があります。また,警備員が配置されているか否かも重要な判断材料です。
 日常の移動に際しては,可能な限り複数車両で移動するとともに,緊急事態に遭遇した場合には,直ちに現地警察,または同僚・家族や在ナイジェリア日本国大使館まで連絡してください。
 不測の事態に備え,平素から食料・飲料水・医薬品・燃料等を備蓄しておくとともに,自動車等の移動手段を確保して,日常的に整備点検を心掛けるようにしてください。


4 隣国のベナン,ニジェール,チャド及びカメルーンに対しても別途危険情報を発出していますので,併せて留意してください。


(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)3047
○海外安全ホームページ
 https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
 http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在ナイジェリア日本国大使館
 住所:No.9, Bobo Street (off Gana Street), Maitama, Abuja, Nigeria 
 電話:(市外局番9) -461-2713
  国外からは(国番号234)9-461-2713
 上記電話番号が不通の場合は,(国番号234)-80-3629-0293におかけください。
 ホームページ:http://www.ng.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html  
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