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危険情報
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フィリピンの危険情報【一部地域の危険レベル引き下げ】

「危険情報」とは?

更新日 2019年11月01日

危険情報
地図

危険レベル・ポイント

【危険度】
●ミンダナオ地域の中部以西(周辺海域を含む)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●パラワン州南部(プエルトプリンセサ市以南地域)及びミンダナオ地域の中部以東(ただし,カミギン州,ディナガット・アイランズ州,カガヤン・デ・オロ市,ダバオ市及びジェネラル・サントス市を除く)(周辺海域を含む)
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●ミンダナオ島東部(シアルガオ島,ブトゥアン市,ハッサン市,ビジャヌエバ市,タゴロアン市,タグム市,サマル市,ディゴス市,マティ市)
 レベル1:十分注意してください。(引き下げ)
●上記地域以外のマニラ首都圏を含む全地域
 レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】
●主に,ミンダナオ地域のレベル3(渡航中止勧告)発出地域では,イスラム過激派組織による爆弾テロ事件や身代金目的の誘拐事件等が多発するなど不安定な治安情勢が続いています。これらの地域には目的の如何を問わず渡航は止めてください。
●ミンダナオ島東部の一部地域では,過去数年にわたりテロ事件等が発生していないことから,これらの地域の危険レベルを「危険レベル1:十分注意してください。」に引き下げます。
●フィリピン全土において引き続きテロの脅威がある現下のテロ情勢を踏まえ,フィリピン政府は,全土で国家非常事態宣言,ミンダナオ地域全域に対して戒厳令をそれぞれ発出しています。

詳細

1 概況
(1)政治情勢
ア 2016年6月にドゥテルテ大統領が就任し,ミンダナオ和平推進,治安強化及び違法薬物の撲滅を重要政策として掲げ,政権運営は概ね順調で,政治情勢は安定しています。
 フィリピンでは国会や地方首長の統一選挙(中間選挙)が2019年5月に実施され,また,ミンダナオ地域のイスラム教徒による自治権確立(自治政府の樹立)のための法律(バンサモロ基本法)の成立・施行に伴う暫定自治政府の発足,新バンサモロ自治政府への移行プロセスが進められています。

イ 2016年9月にダバオ市で発生した爆発事案を受け国家非常事態宣言が発出され,また,2017年5月にマラウィ市で発生しイスラム過激派組織による市街地占拠事案を受けて,ドゥテルテ大統領はミンダナオ地域に戒厳令を発出しました。
 以降,同市周辺地域で続いていた治安部隊との衝突は同年10月に終結していますが,未だに現地では同テロ組織関係者の捜索等が続行されており,治安維持が難しい状況が続いていることから,2018年12月には,2019年12月末までの1年間,戒厳令を再延長することとなりました。
 この戒厳令に伴う当局の措置は地域によって異なりますが,都市部において市民の身分証明書の携行が義務付けられており,主に市街地での軍・警察による警戒や検問が強化されているほか,西ミンダナオの一部地域で夜間外出禁止令が出されるなど厳戒態勢がとられています。

(2)和平プロセス
ア ミンダナオ和平プロセス
 2001年にマレーシアを仲介役として開始されたフィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)との和平交渉は,2012年10月に「枠組み合意」が署名されて以降,具体的な内容についての交渉が継続され,2014年3月に包括和平合意の署名に至りました。
 2018年7月には包括和平合意を基にするバンサモロ基本法が議会で可決され, 2019年1月と2月にその是非を問う住民投票が実施されました。これを踏まえ,同年2月にバンサモロ暫定統治機構が発足しました。

イ 共産勢力との和平プロセス
 共産系反政府武装組織(新人民軍(NPA))を傘下に持つフィリピン共産党(CPP)と政府との間で和平に向けた交渉が行われていましたが, NPAによる治安当局に対する襲撃が続いたため,ドゥテルテ大統領は交渉を打ち切る一方で,2018年にNational Task Force to End Local Communist Armed Conflict (NTF-ELCAC)を立ち上げ,NPA問題の根源を絶つため,グッドガバナンスによる貧困問題の解決を図るアプローチをとり大きな成果を挙げています。

(3)テロ情勢
ア フィリピンには,イスラム過激派組織(アブ・サヤフ・グループ(ASG),マウテ・グループ,バンサモロ・イスラム自由運動/戦士団(BIFM/BIFF),ジュマ・イスラミーヤ(JI)等)や共産主義反政府武装組織(新人民軍(NPA))等多くの過激派組織が存在します。これまでにイスラム過激派組織による無差別爆弾テロ事件,身代金目的の誘拐事件等が発生している他,NPAは「革命税」を徴収するとの名目で企業や富裕層に対する恐喝等を行っています。

イ 上記のイスラム過激派組織の中には,イラク・レバントのイスラム国(ISIL)への忠誠を表明している組織も存在します。2016年,ISILはASGの幹部を地域の指導者に任命したと発表しているほか,「ISILフィリピン」を名乗る武装集団が自国におけるジハードの実施を呼びかけるなどした動画が公開されました。また,ISILは,フィリピン国内の事案に対する声明の発出をはじめ,他国の戦闘員に対しフィリピンへの集結を呼びかける動画を公開するなど,フィリピン国内組織との関係構築をうかがわせる事案が発生しています。フィリピン当局による一連の掃討作戦により,過激派組織には弱体化の傾向が見られるものの,外国人戦闘員の流入などにより,今後,これらの組織がテロ活動を再び活発化させる危険性があります。2018年8月には,ISILはフィリピンを「東アジア州」と認めたとみられており,ISILの東南アジアに対する関心は引き続き高いと考えられ,その扇動に応えるテロ行為が懸念されます。

ウ 2017年5月23日,ミンダナオ島西部,南ラナオ州マラウィ市(危険情報レベル3の地域)において,ISILに忠誠を表明したマウテ・グループのメンバーらによる市街地占拠事案が発生し,当局による奪還作戦に伴う両者の衝突により,同市周辺地域では,これまでに市民を含め千人を超える死者が生じるなど,混乱が続きました。同衝突は同年10月に終結し,同グループの殆どは掃討作戦により死亡するなどしており,その活動は低下していますが,その残党が潜伏しています。
 フィリピン大統領府は,同年5月23日付で,ミンダナオ地域全域(ダバオ市,ジェネラル・サントス市等都市部並びにスールー州,バシラン州及びタウィタウィ州を含む)に対する戒厳令を発出しており,2019年10月現在,解除されていません。この戒厳令に伴う当局の措置は,地域によって異なりますが,都市部において市民の身分証明書の携行が義務付けられているほか,特に都市部周辺地域では検問が強化されており,また西ミンダナオの一部地域において夜間外出禁止令が発出されています。

エ また,ASG,BIFM/BIFFなどの過激派組織は,バシラン州,スールー州,マギンダナオ州などで国軍等との衝突を繰り返し, 2018年から2019年初頭まで,ショッピングモールや祭りの会場等でソフトターゲットが狙われるテロ事件も発生しており,都市部においても注意が必要です。特に,ASGは,2019年初頭以降もスールー諸島,サンボアンガ地域等において身代金目的の外国人誘拐や地元住民の拉致,地元企業に対する襲撃等の事件を繰り返しています。

オ 一方,最近では,イスラム過激派組織による事件があまり見られなかったミンダナオ西部地域以外の場所において,次のようなテロ事件(又はテロの可能性のある事件)等が発生しています。
(ア)2018年9月16日,ジェネラル・サントス市郊外で爆発事件が発生し,8人が負傷。
(イ)2017年4月28日と5月6日,いずれもマニラ首都圏のマニラ市キアポ地区において爆発事件が相次いで発生し,合わせて2人が死亡,20人が負傷(当局の捜査が続いています。)。
(ウ)同年4月11日,ボホール島の一部地域(イナバンガ)においてASGのメンバーと治安部隊との間で武力衝突が起き,双方合わせ9人が死亡(その後の当局の作戦によりボホール島内の本件テロリスト関連勢力はいずれも殺害・逮捕されています。)。
(エ)2016年12月28日,レイテ島の一部地域(ヒロンゴス)において爆発事件が発生し,35人が負傷(当局はこれについてもマウテ・グループ等過激派組織の関与を指摘しています。)。
(オ)同年11月28日,マニラ首都圏にある在フィリピン米国大使館前の路上で爆発物が発見され,当局がこれを回収・処理(当局は前述のマウテ・グループ等過激派組織の関与を指摘しています。)。
(カ)同年9月2日,ミンダナオ地域のダバオ市の夜間市場において爆発事案が発生し,15人が死亡,60人以上が負傷(当局は,この事案に関与した被疑者の多くを逮捕しており,またいずれもマウテ・グループのメンバーであるとしています。)。
 このような状況に鑑みれば,南部ミンダナオ西部地域はもとより,マニラ首都圏を含む全土においてテロの発生に注意する必要があります。テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(4)身代金目的の誘拐
 フィリピン全土で,特にミンダナオ地域においては,身代金目的の誘拐の脅威があります。フィリピン全土では,2018年に,46件の身代金目的誘拐が発生しており,その多くがマニラ首都圏を含む中部ルソン及び中部・西部ミンダナオで発生しています。一般に,フィリピンでは,外国人を含む富裕層が誘拐の標的とされることが多いとされています。
 2015年9月には,ミンダナオ地方ダバオ州サマル島のリゾート施設がASGに襲撃され,カナダ人やノルウェー人など外国人が誘拐され,居あわせた日本人も負傷する事件が発生し,そのうちカナダ人は同グループにより殺害されました。さらには,2016年,ASGが拠点としているミンダナオ地域西部のタウィタウィ州沖の公海上で,ドイツ夫婦の乗ったクルーザーが同グループに襲撃され,妻は殺害されたほか,夫は拉致された後に同グループによって殺害されたという事件,また同じく,同年中に同公海上で襲撃を受けた貨物船のベトナム人船員数人が拉致され,その後,そのうち2人が殺害された(他の船員は引き続き人質になっているとみられる)事件等が発生しています。

2 地域別情勢
(1)ミンダナオ地域の中部以西(南サンボアンガ州,北サンボアンガ州,サンボアンガ・シブガイ州,サンボアンガ市,西ミサミス州,南ラナオ州,北ラナオ州,コタバト(旧北コタバト)州,コタバト市,マギンダナオ州,スルタン・クダラット州,サランガニ州,バシラン州,スールー州及びタウィタウィ州)(周辺海域を含む)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

ア これらの地域では,アブ・サヤフ・グループ(ASG),マウテ・グループ,バンサモロ・イスラム自由運動/戦士団(BIFM/BIFF)等のイスラム過激派組織によるテロ・誘拐事件,治安当局との武力衝突等が多発しています。
 主にバシラン州やスールー州などバンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域(BARMM)においてはASGと,マギンダナオ州においてはBIFM/BIFFと国軍等治安当局が断続的に衝突しており,双方に多数の死傷者が発生しています。

イ また,ARMM地域(とりわけマギンダナオ州,バシラン州,スールー州)やサンボアンガ半島地域,コタバト州(旧北コタバト州),スルタン・クダラット州等において,即席爆弾の使用,手りゅう弾の投てきにより,民間人を含む死傷者が出る爆発事件等が多発しています。

ウ サンボアンガ地域やARMM地域(とりわけスールー州,バシラン州,タウィタウィ州)及びその周辺海域で,特に多くの誘拐事件が発生しています。実業家,中国系フィリピン人のほか外国人旅行者等を狙った身代金目的の誘拐も多発しています。
 そのほか,広域情報(スールー海域における商業船舶に対する襲撃事件に伴う注意喚起 : https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2016C313.html )を発出しており,隣国マレーシアのサバ州東海岸・島しょ部についての危険情報も併せて留意してください。

【ミンダナオの中部以西地域において発生した主な事案】
(武力衝突)
・2017年12月末,マギンダナオ州のダトゥウンサイの民家を襲撃し,治安当局と衝突。(その後の地上部隊との衝突等により,組織関係者20人以上死亡。)
・同年6月,コタバト州のピグカワヤンにおいて国軍と衝突した後,町の小学校を占拠。児童や市民を人質にとって立てこもり,治安当局と再び衝突。
・2015年1月末,マギンダナオ州においてテロリスト掃討作戦を実施していた警察特殊部隊がBIFF及びMILFと相次いで衝突し,44人の警察官と18人のMILF構成員が死亡。
・2014年1月,国軍とBIFFとの衝突で,死者50人以上,地域住民約2500世帯が避難。

(爆発事件)
・2019年6月,スールー州ホロ島の軍事施設で2回の自爆攻撃により、8人が死亡、22人が負傷。
・同年1月,スールー州ホロ市の教会において,爆弾による大きな爆発が連続で発生し,少なくとも20人が死亡,100人以上が負傷。
・2018年12月,マギンダナオ州コタバト市のショッピングモールにおいて,イスラム過激による爆発事案が発生し,2人が死亡,数十人が負傷。
・同年9月,ジェネラル・サントス市郊外で爆弾が爆発し,8人が軽傷。
・同年9月,スルタン・クダラット州イスラニのインターネットカフェで爆弾が爆発し,2人死亡,12人負傷。
・同年8月,同地の祭りの会場で爆弾が爆発し,3人死亡,36人負傷。
・同年7月,バシラン州ラミータンで自動車爆弾による自爆テロが発生し,11人死亡,10人以上負傷。
・2017年4月,スルタン・クダラット州タキュロンシティにおいて,幹線道路沿いにある電力共同組合の建物入り口近くで爆弾が爆発し,8人が負傷。
・2015年9月,サンボアンガ市内でバスターミナルに停車中のバス車内で爆弾が爆発し,30人余りが死傷。
・同年1月,サンボアンガ市において,ASGによる報復行動とみられる爆発事件が発生し,56人が死傷。

(誘拐事件)
・2019年10月,サンボアンガ・デ・スールで英国人夫妻がASGグループに誘拐された。
・同年9月,スールー諸島に隣接するマレーシアのタンビサン近海でインドネシア人3人が誘拐された。
・2016年,同公海上で襲撃を受けた貨物船のベトナム人船員数人が拉致され,その後,2人が殺害された。(他の船員は引き続き人質になっているとみられる。)
・同年,ASGが拠点としているミンダナオ地域西部のタウィタウィ州沖の公海上で,ドイツ人夫婦の乗ったクルーザーが同グループに襲撃され,妻は殺害,夫は拉致された後に殺害された。
・2015年,北サンボアンガ州ディポログ市でレストランを経営するイタリア人が武装集団に拉致された。
・同年,南ラナオ州において韓国人が身代金目的で誘拐された。

 つきましては,これらの地域(周辺海域を含む)においてはイスラム過激派組織等の活動が懸念され,今後もテロ・誘拐等が発生する危険性が高いため,どのような目的であれ渡航は止めてください。既に滞在中の方は,常に最新の治安情報の入手に努めるとともに,滞在期間は短期間にとどめ,身の回りや行動に細心の注意を払うようにしてください。

(2)パラワン州南部(プエルトプリンセサ市以南地域)及びミンダナオ地域の中部以東(但し,カミギン州,ディナガット・アイランズ州,カガヤン・デ・オロ市,ダバオ市及びジェネラル・サントス市を除く)(周辺海域を含む)
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

ア パラワン州南部(プエルトプリンセサ市以南地域)
 パラワン州南部及びその周辺海域では,2014年4月にドイツ人観光客2人がASGにより拉致される事件が発生したほか,2015年6月にはプエルトプリンセサ市内で誘拐を企てていたASG構成員2人が治安当局に逮捕される事件も発生しました。ASGの活動範囲は,スールー諸島のみならず,パラワン州南部や隣国マレーシアのサバ州東海岸など,スールー海全域に及んでいるとみられます。これらの地域ではASG等イスラム過激派組織によるテロ・誘拐の危険性が排除できず,今後も活発化するおそれがあります。

イ ミンダナオ地域の中部以東
 ミンダナオ島東北部では,主にNPAの活動が認められ,コンポステラ・バレー州,南・北スリガオ州,南・北アグサン州及びブキドノン州では,民間企業に対する襲撃事件が多発しています。
 2016年9月,NPAを傘下に持つフィリピン共産党(CPP)が,現政権との間で無期限の停戦を発表しましたが,2017年2月にその合意が撤回され,以降,治安当局との間で武力衝突が散発しているほか,人的被害はないものの,日系企業の所有するバナナ農園のトラックが放火されたり,農薬散布用のセスナ機に銃弾が撃ち込まれるなどの事案が続いています。また,同年5月23日に発出された戒厳令に対する反発を強めたNPAが,治安当局に対する襲撃を多発させたり,共産党(CP)がNPAに対し政府への攻撃を命じるなど,政府に対する敵対行為が続いたため,ドゥテルテ大統領はCPPとNPAをテロ組織とみなすと宣言し,和平への道筋は後退しています。特にNPAの活動が活発なこの地域においては,この後も治安当局との衝突事案や企業に対する恐喝事案等の発生が懸念されることから,引き続き十分な注意と警戒が必要です。

 つきましては,これらの地域及び周辺海域へ渡航を予定されている方は,不要不急の渡航は止めてください。渡航・滞在する場合には,最新の現地治安情勢について情報収集に努めるとともに特別な注意を払い,安全確保のため準備を十分に行い,不測の事態に巻き込まれないよう十分注意してください。

(3)ミンダナオ島東部(シアルガオ島,ブトゥアン市,ハッサン市,ビジャヌエバ市,タゴロアン市,タグム市,サマル市,ディゴス市,マティ市)
 レベル1:十分注意してください。(引き下げ)

 これらの地域では,NPAやイスラム過激派組織が活動しており,同組織によるテロ・襲撃事件が発生していたことから,「危険レベル2」としてきましたが,治安当局によるNPA対策の進展,警備対策の強化により,治安情勢は安定しています。また,2015年にアブ・サヤフによる外国人誘拐事案が発生したサマル島においても,海上を含めた警備対策の強化により,テロ組織による誘拐の脅威は減少しています。

 つきましては,これらの地域では治安当局による警備対策の強化等により,過去数年にわたりテロ事件等が発生していないことから,危険レベルを「危険レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」から「危険レベル1:十分注意してください。」に引き下げますが,引き続き現地の治安情勢を注視し,不測の事態に巻き込まれないよう十分注意してください。
 なお,これらの都市の周辺地域は危険レベル2を継続しますので,不要不急の渡航は止めてください。

(4)上記地域以外のマニラ首都圏を含む全地域
 レベル1:十分注意してください。(継続)

ア ルソン島地域(マニラ首都圏を含む)
(ア)日本人の殺害被害が毎年発生しています(2014年7人,2015年2人,2016年2人,2017年1人及び2018年2人)。そのほか,強盗(タクシー強盗,睡眠薬強盗を含む),窃盗,詐欺,恐喝(警官の制服を着用した2~3人組によるものを含む)等の被害に遭う日本人が後を絶ちません(犯罪事例については,「安全対策基礎データ」https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_013.html をご参照ください。)。
(イ)マニラ首都圏においては,過去に爆発物・手榴弾が爆発する事件,爆発物を積載した車両が摘発される事件,路上で爆発物が発見される事件などの爆弾関連事件も発生しています。
 また,銃器を使用した車両強奪事件,金融機関,商業施設への強盗事件が発生し,駆けつけた治安当局との間で銃撃戦になる例も発生しています。

イ ビコール地域(南・北カマリネス州,カタンドゥアネス州,アルバイ州,ソルソゴン州及びマスバテ州)
 ビコール地域においては,NPAによる民間企業に対する恐喝行為や国軍との交戦により,民間人にも死傷者が出る事態が多発しています。

ウ 中部ビサヤ地域(セブ州,ボホール州,シキホール州及び東ネグロス州)
 中部ビサヤ地域のうち,セブ島は世界的に著名なリゾート地であり,従来,フィリピンの他の地域と比べて比較的安全な地域とされてきましたが,2017年4月11日,ボホール島の一部地域(イナバンガ)においてASG関係者と治安部隊が衝突し,双方に死傷者が出る事案が発生しました。
 セブ,ラプラプ等の主要都市部や,周辺の観光地等において大規模なテロ事件等は発生していませんが,日本人が銃撃され負傷するケースや,トライシクル(三輪タクシー)・ジプニー(乗合タクシー)を利用した日本人が強盗・強奪,スリ等の被害に遭うケースも頻発しています。その他,日本人旅行者,特に短期語学留学生がトランプのいかさま賭博や性犯罪の被害に遭う事例も報告されていることから,同島の滞在にあたっては慎重に行動することが大切です。また,ボホール島についても,一部地域において前述のような衝突事案が発生するなど,治安情勢が不透明な状況にあるので,十分な注意と警戒が必要です。

エ 東部ビサヤ地域(北サマール州,東サマール州,サマール州,ビリラン州,レイテ州及び南レイテ州)
 東部ビサヤ地域のうち,主として北サマール州,東サマール州,サマール州においては,NPAの活動が認められ,民間人に対する恐喝行為や国軍との交戦が散発的に発生しているほか,レイテ州ヒロンゴスにおいて,爆発事件により多数の負傷者が発生した事件もありました。

オ 西部ビサヤ地域(アクラン州,アンティケ州,イロイロ州,カピス州,ギマラス州及び西ネグロス州)
 パナイ島については,比較的治安が安定していますが,一部ではNPAの活動が認知されている地域が残っています。また,ネグロス島では,NPAによる警察車両に対する襲撃に伴い,近くに居合わせた外国人旅行者家族が負傷する事件が発生しました。
 ボラカイ島など有名リゾートでは,フィリピン当局やリゾート関係者により安全確保が図られている例も多く見受けられますが,依然として一般犯罪が多く発生していますので,これら島内の移動に当たっても注意が必要です。

カ パラワン州(プエルトプリンセサ市以南を除く)
 パラワン州最北部からカラミアン諸島,クヨ諸島にかけては多くの有名リゾートが点在していますが,これらの地域は,パラワン島北西部沖に位置する天然ガス田に対してフィリピン国軍が厳重な警戒を行っていること,多数のリゾートが国軍や国家警察等と協力しつつ独自の安全対策を行っていること等によって,同州の中でも比較的安全確保が図られている状況にあります。
 一方,パラワン州北部地域(プエルトプリンセサ市より北の地域)においては,山間部を中心にNPAの活動が認められていたほか,同南部地域においてもASG等によるテロや誘拐等の危険性も排除できません。また,在フィリピン米国大使館は,2017年5月9日,パラワン地方においてテロリストによる誘拐等のおそれがあるとして,自国民に対し,これら地域に渡航・滞在する際は十分注意・警戒するよう呼びかけています。

キ ミンダナオ島ダバオ市
 ダバオ市内においては,2016年9月,市内の夜間市場において,多数死傷者が出る爆発事件が発生したほか,これまでイスラム過激派組織による爆弾テロの計画を認知し,未然に摘発したケースが何度かあるため,治安対策の強化を行っています。
 一方,ダバオ市近郊では,2015年5月及び6月にはダバオ市郊外で国軍兵士とNPAが衝突し,双方に死傷者が発生する等,NPAの活動が認められており,国軍との衝突も散発的に発生しているため,レベル2の危険情報を発出しています。

ク ミンダナオ島ジェネラル・サントス市
 ジェネラル・サントス市においては,過去に爆弾テロ等が発生しましたが,2007年以降大規模なテロ事件は発生しておらず,市内の治安は比較的安定しています。しかし,2014年9月,市庁舎前にあるホセ・リサール記念碑前で,即席爆弾装置(IED)が爆発し,少なくとも6名が負傷した爆弾事件の発生や,周辺地域でのNPAやマウテ・グループなど過激派組織等の活動も認められるほか,過去には誘拐事件も発生していることもあり,引き続きテロの危険性は排除できません。

ケ ミンダナオ島カガヤン・デ・オロ市及びカミギン州
 カガヤン・デ・オロ市及び同市を経由して移動することとなるカミギン州においても,リゾート開発が進められ,警戒態勢が強化されていることもあり,治安状況は比較的落ち着いています。
 ただし,過去には商業センターでの爆発事案があったこと,周辺地域ではNPA等の活動も認められること,更に,カガヤン・デ・オロ市は,マウテ・グループの活動が活発な南ラナオ州に近く,市内で同グループ関係者の身柄が拘束されていること等から,当局はテロに対する警戒体制を強化しています。

 つきましては,これら地域への渡航にあたっては,現地の治安情勢の情報収集に努め,公共施設,宗教施設その他不特定多数の人が集まる場所に近づく際には,警戒を怠らず,夜間の移動は避けるなど,不測の事態に巻き込まれないよう,十分注意してください。

3 渡航・滞在にあたっての注意
(1)フィリピン観光省作成統計資料によれば,2018年(1月~12月)にフィリピンを訪れた日本人は約58万4千人(対前年比約9%増)となっていますが,フィリピンにおける犯罪は,日本に比べ,殺人,強盗,婦女暴行等の凶悪事件の割合が高く,また,一般的に日本人は裕福と見られているため,強盗・窃盗等の標的になる可能性は他の諸外国人と比べても高いと見られます。日本人が被害者となった事件は,殺人事件だけでも毎年発生しており,また,在フィリピン日本国大使館には強盗等凶悪犯罪(マニラ首都圏でのタクシー強盗,睡眠薬強盗を含む),オートバイによるひったくり,路上での強盗やレストラン等での置き引き,公共交通機関内でのスリ・窃盗,買春行為絡みの恐喝被害などもそれぞれ多数報告されています。警官の制服を着た2~3人組に何かしら言いがかりをつけられ,車両内に一時的に軟禁状態となっている間に恐喝被害に遭う事件も複数報告されています。
 つきましては,フィリピン滞在中,以下の注意事項を参考にして十分な安全対策を講じて行動するとともに,日本国外務省,在フィリピン日本国大使館,在ダバオ日本国総領事館,在セブ領事事務所,現地関係機関等から最新情報を入手するよう努めてください。

(2)海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 3か月以上滞在する方は,在フィリピン日本国大使館や,在ダバオ日本国総領事館及び在セブ領事事務所が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず「在留届」を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html
 3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時に在フィリピン日本国大使館,在ダバオ日本国総領事館及び在セブ領事事務所からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html

(3)テロ・誘拐への備え
ア テロへの備え
 フィリピン全土,特に南部ミンダナオ地域においては,イスラム過激派組織による爆弾テロが発生しています。不測の事態に巻き込まれることのないよう以下の点に注意してください。
(ア)テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の関連情報の入手に努める。
(イ)テロの標的となりやすい場所(デパートや市場,観光・リゾート施設,公共交通機関など不特定多数の人が集まる場所,欧米関連施設や宗教関連施設など)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な状況を察知したら速やかにその場を離れる。
(ウ)政府・軍・警察関係施設には近づかない。
(エ)複数の爆弾が時間差で爆発することも想定されることから,爆発現場には近づかない。
(オ)爆弾事件や不測の事態が発生した場合の対応策を再点検し,状況に応じて適切な安全対策が講じられるよう心がける。
(カ)在留地・滞在先等の近くで爆発や銃撃戦等が発生した場合は,直ちに安全な場所に避難し,その場に止まらない(連続した爆発を想定)とともに,大使館等に状況等を連絡する。
 日頃から治安情勢に関心を持って報道等に注意し,テロの標的となり得るような治安関係施設等には近づかないように努め,外国人を含む不特定多数の人が集まる場所(公共施設,レストラン,ショッピングモール,デパート,カフェ,ナイト・クラブ等)や主要外国関連施設(例えば各国の在外公館)を訪れたり,公共交通機関などを利用したりする際には,身の回りに注意してください。

イ 誘拐への備え
 テロ同様に誘拐についても,特にミンダナオ地域では,身代金目的の誘拐の脅威がありますので,以下の点に注意するよう心がけてください。
(ア)日頃から現地治安情勢に関する最新の情報収集に努める。
(イ)外国人は裕福であると常に思われていることを念頭に,ターゲットにされないよう慎重な行動を心がける。
(ウ)行動予定等を不特定多数の人間に言ってまわったり,知られないように心がけ,不用意に身辺情報を流さない。
(エ)毎日の行動がパターン化しないよう注意する。
(オ)単独での行動は避け,外出する場合には,周囲に不審者や不審車両がないか確認し,尾行や監視がないか常に注意する。
(カ)子供を一人で遊ばせたり,外出させたりしない。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)3047
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)
    
(現地公館連絡先)
○在フィリピン日本国大使館
  住所:2627 Roxas Boulevard, Pasay City, Metro Manila, Philippines
  電話:(市外局番02)8551-5710
   国外からは(国番号63)-2-8551-5710
  FAX:(市外局番02)8551-5780
   国外からは(国番号63)-2-8551-5780
  ホームページ: https://www.ph.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在ダバオ日本国総領事館
  住所:4th Floor, BI Zone Building, J.P. Laurel Avenue, Bajada, Davao City, Philippines
  電話:(市外局番082)221-3100
   国外からは(国番号63)-82-221-3100
  FAX:(市外局番082)221-2176
   国外からは(国番号63)-82-221-2176
  ホームページ: https://www.davao.ph.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

○在セブ領事事務所
  住所:7th floor, Keppel Center, Samar Loop cor, Cardinal Rosales Ave.,
Cebu Business Park, Cebu City, Philippines
  電話:(市外局番032)231-7321
   国外からは(国番号63)-32-231-7321
  FAX:(市外局番032)231-6843
   国外からは(国番号63)-32-231-6843
  ホームページ: https://www.ph.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000137.html
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