イラク | Iraq

情報種別:海外安全情報(危険情報)
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イラクの危険情報【一部地域の危険レベル引き下げ】(更新)

2017年11月21日

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【危険度】
●ニナワ県(以下に規定するシャクラーワ等経由幹線道路を除く),キルクーク県,サラーハッディーン県,アンバール県,バグダッド県(以下に規定するバグダッド国際空港敷地内及びIZ等を除く)),ディヤーラ県,カルバラー県,バービル県,ワーシト県,ナジャフ県,ディワーニーヤ県並びにクルディスタン地域(エルビル県,スレイマーニーヤ県及びドホーク県)のうちニナワ県,キルクーク県,サラーハッディーン県及びディヤーラ県との県境付近(以下に規定するシャクラーワ等経由幹線道路を除く)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

●ニナワ県並びにエルビル県及びドホーク県のニナワ県境付近のうちエルビル県エルビル市からシャクラーワ,アクレカスロック及びアトリッシュを経由しドホーク県ドホーク市に至る幹線道路及びこれ以北の幹線道路(以下「シャクラーワ経由幹線道路等」という)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)
(真にやむを得ない事情でこれらの地域を通過する場合は,所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)(継続)

●バグダッド国際空港からインターナショナル・ゾーンへの空港道路(ルート・アイリッシュ)及びインターナショナル・ゾーン(以下「IZ等」という)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)
(真にやむを得ない事情で空港道路を通過,またはインターナショナル・ゾーンに渡航・滞在する場合は,所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)(継続)

●エルビル県(エルビル市並びにニナワ県,キルクーク県及びサラーハッディーン県との県境を除く),スレイマーニーヤ県及びドホーク県のうちトルコ,イラン又はシリアとの国境付近
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告。国外への退避を検討してください。)(継続)

●南部4県(バスラ県,ムサンナー県,ズィーカール県及びミーサーン県)(バスラ空港敷地内を除く)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
(所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとることのできない場合,渡航を取りやめ,国外へ退避してください。)(継続)

●バグダッド国際空港敷地内(バグダッド国際空港敷地内のホテル及びイラク航空国際ビジネスセンターを含む),バスラ国際空港敷地内
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

●エルビル県エルビル市,スレイマーニーヤ県及びドホーク県のうちトルコ,イラン又はシリアとの国境付近並びにニナワ県,キルクーク県,サラーハッディーン県及びディヤーラ県との県境付近を除く地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(引き下げ)
(現在,エルビル国際空港及びスレイマーニーヤ国際空港発着の国際航空便が停止されています。この地域に渡航するためにはバグダッド国際空港(レベル3)を経由する必要があるため,事前にイラク政府発行の入国査証を取得し,バグダッド空港内での滞在期間を必要最小限にする等,十分な安全対策を取ることのできない場合,渡航は止めてください。)

【ポイント】
●10月16日,イラク軍がクルディスタン地域に隣接する係争地キルクークをはじめとした係争地域において進軍を開始し,クルディスタン地域政府の部隊(ペシュメルガ)との間で衝突が発生しましたが,大規模な衝突に至ることなくイラク軍側は同係争地域における要所及び国境地点をほぼ掌握しています。その後,10月29日にバルザーニー・クルディスタン地域大統領が退任を発表しました。また,イラク軍に対してはアバーディ首相より軍事行動の禁止が強く命令されています。
 このような状況を踏まえ,クルディスタン地域内の一部の危険レベル3の地域の一部をレベル2に引き下げますが,不要不急の渡航は止めてください。

●イラクでは,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)によるテロ,一般犯罪,部族間抗争,デモ・抗議行動,トルコによるPKK(クルディスタン労働者党)拠点への攻撃等の脅威が混在していますので,レベル2の地域以外は,どのような目的であれ渡航は止めてください。


1 概況
(1)イラクの北部及び西部では2014年6月以降,イラク軍等による「連合(コアリション)」がISILの拠点や活動地域に対する掃討作戦を行い,特に2015年及び2016年に多くの主要都市を奪還しました。また,2017年に入り,モースル(7月),タルアファル(8月),ハウィージャ(10月)が相次いで解放されました。現在,ISILの国内最終拠点であるアンバール県北西部のシリアとの国境沿いで戦闘が行われており,ISIL掃討作戦の行方に注意が必要です。また,ニナワ県,キルクーク県,サラーハッディーン県,アンバール県等でもISIL分子によるテロが引き続き発生していることを踏まえ,警戒を強化してください。

(2)2017年9月25日に実施された,クルディスタン地域(実効的に支配する地域を含む)独立の是非を問う住民投票に対し,イラク中央政府,トルコ,イランが強く反発し,同地域の緊張が高まりました。9月29日,イラク中央政府は,対抗措置の一環として,クルディスタン地域(エルビル国際空港及びスレイマーニーヤ国際空港)発着の国際航空便を停止させる措置を採りました。また,10月16日から,イラク中央政府軍は,クルディスタン地域に隣接する係争地キルクークに進軍し,その後他の係争地へも軍を進め,クルディスタン地域政府の部隊と衝突が発生しましたが,大規模な衝突に至ることなくイラク軍側は同係争地域における要所及び国境地点をほぼ掌握しています。その後,10月29日にバルザーニー・クルディスタン地域大統領が退任を発表しました。また,イラク軍に対してはアバーディ首相より軍事行動の禁止が強く命令されていることからも,仮に衝突が発生したとしても,エルビル市などの治安情勢に影響を与えるものではないと判断されます。

(3)バグダッドでは,ISIL分子による政府機関及びシーア派居住地域等への爆弾テロ攻撃,宗派対立に起因したシーア派民兵組織によるスンニ派教徒殺傷,犯罪集団による身代金目的誘拐や強盗等の一般犯罪が多く発生しています。

(4)イラク国内の治安情勢は,周辺諸国等の動向等に影響されやすく,比較的安定している地域においても,今後,急速に悪化する可能性があり,十分な警戒が必要です。

2 地域別情勢
(1)ニナワ県(シャクラーワ等経由幹線道路を除く),キルクーク県,サラーハッディーン県,アンバール県,バグダッド県(バグダッド空港敷地内及びIZ等を除く)),ディヤーラ県,カルバラー県,バービル県,ワーシト県,ナジャフ県,ディワーニーヤ県並びにクルディスタン地域(エルビル県,スレイマーニーヤ県及びドホーク県)のうちニナワ県,キルクーク県,サラーハッディーン県及びディヤーラ県との県境付近(シャクラーワ等経由幹線道路を除く)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

 2014年6月にイスラム過激派組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)がイラク北部ニナワ県モースル市等を占拠して以降,イラク北部及び西部を中心に勢力を拡大させましたが,米国が主導する「連合」の支援を受けたイラク軍が対ISIL掃討作戦を進め,特に2015年下旬から2016年にかけて多くの主要都市を奪還しました。その後も2017年7月にモースルの解放作戦が終了し,8月末にはモースル西方に位置するタルアファル解放作戦での「勝利宣言」が,10月5日にはキルクーク県ハウィージャ解放が宣言されましたが,ISIL残党の掃討作戦は続いています。現在は,ISILの国内最終拠点であるアンバール県北西部のシリアとの国境沿いで戦闘が行われています。イラクにおけるISIL支配地域はほぼ陥落したと報じられていますが, ISILは,イラク軍により奪還されたサラーハッディーン県北部やカイヤーラ,ファッルージャなどの都市でテロ活動を継続しており,引き続き警戒が必要です。
 イラクでは,過去に複数の日本人がテロや誘拐の被害に遭っています(2003年11月のティクリート近郊での外交官殺害事件,2004年4月のファッルージャ近郊での日本人人質事件2件,同年5月のバグダッド郊外での日本人ジャーナリスト襲撃・殺害事件,同年10月の日本人旅行者人質・殺害事件,2005年5月の日本人襲撃事件)。2006年以降は,イラク国内で日本人が標的となる事件は発生していませんが,2015年2月にはISILが隣国シリアで行方不明になっていた日本人2人を殺害する映像を配信し,同組織の機関誌において日本を標的とすると言及しています。ISILとの戦闘が続いているイラクにおいて日本人がテロ・誘拐事件の標的となる可能性は排除できません。
 また,イラク北部チグリス川上流のモースル・ダムはかねてから構造的脆弱性が指摘されており,イラク政府は継続的に補修工事を行っていますが,同ダムが機能不全に陥った場合には,ニナワ県モースルからバグダッドまでの広い流域で洪水等の水害が発生する可能性が懸念されています。

 ついては,同地域への渡航は,目的の如何を問わず止めてください。また,同地域に滞在されている方々は,十分な警備措置を講じた上で直ちに国外へ退避してください。

(2)ニナワ県のうち,エルビル県エルビル市からシャクラーワ,アクレ,カスロック及びアトリッシュを経由しドホーク県ドホーク市に至る幹線道路及びこれより以北の幹線道路(シャクラーワ等経由幹線道路)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
(真にやむを得ない事情でこれらの地域を通過する場合は,所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。) 

 モースル,タルアファル,ハウィージャの解放は宣言されたものの,ISIL掃討作戦は継続しています。引き続き,作戦の進展に伴う国内避難民の増加やISILによる報復テロ活動の継続などが治安に及ぼす影響に注意が必要です。
 2016年10月にはモースル近郊に出向いた日本人が治安当局に拘束される事案が発生しています。どのような目的であれ同地域及び同地域に近いニナワ県とエルビル県との県境付近には立ち入らないでください。
 なお,エルビル県エルビル市からシャクラーワ,アクレ,カスロック及びアトリッシュを経由しドホーク県ドホーク市に至る幹線道路及びこれ以北の幹線道路は,前線から離れた地区を通過するルートであり,比較的これらの危険が及びにくいとみられますが,今後ともの情勢を注視する必要があります。

 ついては,これらの地域への渡航は,目的の如何を問わず止めてください。同地域に滞在されている方は,直ちに国外等の安全な地域へ退避してください。なお,上記勧告にもかかわらず,真にやむを得ない事情でこれらの地域を通過する場合は,所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。具体的な安全対策の計画に当たっては,実際の渡航・滞在に先立って,現地事情に詳しい民間警備会社等の安全対策の専門家に相談を行い,防弾車両の使用を含む所要の身辺警護措置や防護措置が講じられている移動手段を利用するなどの必要かつ十分な安全対策をとってください。また,夜間はテロ攻撃の脅威が高まるため,暗くなってからの移動は厳に避けてください。

(3)バグダッド国際空港からインターナショナル・ゾーンへの空港道路(ルート・アイリッシュ)及びインターナショナル・ゾーン(IZ等)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
(真にやむを得ない事情で空港道路を通過,またはインターナショナル・ゾーンに渡航・滞在する場合は,所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)

 バグダッド国際空港からインターナショナル・ゾーン(IZ)への空港道路(ルート・アイリッシュ)上には,イラク治安当局による多数の検問所が設けられているほか,一部区間の側道がT-Wall(防護壁)で仕切られている等の厳重な警備措置がとられています。しかしながら,2014年11月には走行中の国連車列に対して車両を使用した自爆テロが発生しており,IED(簡易式爆弾)や小型火器を使用した攻撃が発生する可能性は排除されません。
 また,各種政府機関及び外国公館の多くが所在するIZはイラク治安当局により厳重に安全管理がなされていますが,2013年以降現在まで,IZに対するロケット弾等による攻撃が度々確認されており,今後も同様の攻撃が発生する可能性があります。

 ついては,これらの地域への渡航を予定されている方は,目的の如何を問わず止めてください。同地域に滞在されている方は,直ちに国外等の安全な地域へ退避してください。なお,上記勧告にもかかわらず,真にやむを得ない事情でこれらの地域に渡航・滞在する場合は,所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。具体的な安全対策の計画に当たっては,実際の渡航・滞在に先立って,現地事情に詳しい民間警備会社等の安全対策の専門家に相談を行い,防弾車両の使用を含む所要の身辺警護措置や防護措置が講じられているIZ等内の宿泊施設を利用するなどの必要かつ十分な安全対策をとってください。また,実際の渡航・滞在に先立って,在イラク日本国大使館(embjp.ryoji.iraq@bd.mofa.go.jp )に対し,渡航・滞在を計画する方の氏名等人定事項,滞在日程,宿泊先,現地で連絡可能な携帯電話番号や電子メールアドレス等を必ず届け出るとともに,現地において在イラク日本国大使館と緊密に連絡をとってください。また,夜間はテロ攻撃の脅威が高まるため,暗くなってからの移動は厳に避けてください。


(4)南部4県(バスラ県,ムサンナー県,ズィーカール県及びミーサーン県)(バスラ国際空港敷地内を除く)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
(所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとることのできない場合,渡航を取りやめ,国外へ退避してください。

 イラク南部4県では,2016年8月以降ISIL等によるテロ活動は陰を潜めていましたが,2017年5月に,バスラ県北西部ルメイラ地区の幹線道路上の検問所で,同9月に,ズィーカール県ナースィリーヤ近郊のハイウェイ沿いの巡礼者が立ち寄るレストラン及び検問所で自動車爆弾テロが発生しています。また,武器を使用した部族間抗争や犯罪集団による身代金目的誘拐や強盗などの一般犯罪が頻発しています。このほか,2015年8月以降,反汚職や公共サービス改善等を求めるデモ・抗議行動が金曜日を中心に続いています。

 ついては,これらの地域への渡航は,目的の如何を問わず止めてください。なお,上記勧告にもかかわらず,真にやむを得ない事情でこれらの地域に渡航・滞在する場合は,所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。具体的な安全対策の計画に当たっては,実際の渡航・滞在に先立って,現地事情に詳しい民間警備会社等の安全対策の専門家に相談を行い,防弾車両の使用を含む所要の身辺警護措置や防護措置が講じられている宿泊施設を利用するなどの必要かつ十分な安全対策をとってください。
 また,実際の渡航・滞在に先立って,在イラク日本国大使館(embjp.ryoji.iraq@bd.mofa.go.jp )に対し,渡航・滞在を計画する方の氏名等人定事項,滞在日程,宿泊先,現地で連絡可能な携帯電話番号や電子メールアドレス等を必ず届け出るとともに,現地において在イラク日本国大使館と緊密に連絡をとってください。夜間はテロ攻撃の脅威が高まるため,暗くなってからの移動は厳に避けてください。このような安全対策をとることのできない場合,渡航を取りやめ,国外へ退避してください。

(5)エルビル県(エルビル市並びにニナワ県,サラーハッディーン県及びキルクーク県との県境を除く)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

 モースル,タルアファル(共にニナワ県)等のISIL支配からの解放宣言はなされたものの,国内では掃討作戦は継続しています。引き続き,作戦の進展に伴う国内避難民の増加やISILによる報復テロ活動の継続などが治安に及ぼす影響に注意が必要です。
 2015年3月には,ニナワ県のISIL活動地域から発射されたとみられるロケット弾3発がエルビル県西部カニ・キルザラ地区(エルビル市中心から約14キロ)に着弾する事件が発生しています(人的被害はなし)。

 ついては,この地域への渡航は,目的の如何を問わず止めてください。同地域に既に滞在されている方は,所属企業や団体等を通じて組織として必要かつ十分な安全措置をとってください。

(6)バグダッド国際空港敷地内(バグダッド国際空港敷地内のホテル及びイラク航空国際ビジネスセンターを含む),バスラ国際空港敷地内,及びスレイマーニーヤ県及びドホーク県のうち,トルコ,イラン又はシリアとの国境付近
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

ア バグダッド国際空港敷地内(バグダッド国際空港敷地内のホテル及びイラク航空国際ビジネスセンターを含む)
 バグダッド国際空港はイラク治安当局により厳重な警戒警備がなされています。具体的には,空港と空港敷地内施設(敷地内にあるホテル及びイラク航空国際ビジネスセンター)の外周はコンクリート壁で隔離され,また,空港敷地内に至る道路には複数の検問所が設置されています。
 なお,2013年4月には空港検問所に隣接する駐車場で爆発事件が発生したほか,バグダッド国際空港敷地内に対するロケット弾による攻撃が確認されています。

 ついては,真にやむを得ない理由でバグダッド空港敷地内に渡航・滞在する場合でも,所属企業や団体等を通じて組織として必要かつ十分な安全措置をとるなど十分注意してください。また,安全措置については,専門家のアドバイスなどを踏まえるようにしてください。なお,上記の警備態勢が敷かれている区域外は「退避勧告」となっているので,区域外に決して出ないようにしてください。

イ バスラ国際空港敷地内
 バスラ国際空港は厳重な警戒警備がなされています。具体的には,空港敷地の外周をコンクリート壁又はフェンスで隔離し,また,空港敷地内に至る道路に検問所を設置しています。
 なお,真にやむを得ない理由からバスラ国際空港敷地内に渡航される方は,所属企業や団体等を通じて組織として必要かつ十分な安全措置をとるなど十分注意してください。安全措置については,専門家のアドバイスなどを踏まえるようにしてください。

ウ スレイマーニーヤ県及びドホーク県のうち,トルコ,イラン又はシリアとの国境付近
 クルディスタン地域北部の山岳地帯では,2015年7月からトルコ軍によるPKK(クルディスタン労働者党)拠点への断続的な攻撃が続いています。
また,クルディスタン地域政府の治安当局がISILの戦闘員等として加わることを企図してトルコまたはイランから陸路で越境する外国人を警戒しています。2015年2月及び3月には旅行目的で陸路越境した日本人が相次いで拘留される事案が発生しています。このほか,シリアとの国境付近では,多数のシリア難民がクルディスタン地域に流入していることなどから,治安情勢は流動的です。

 ついては,これら国境地域へはどのような目的であれ渡航を止めてください。なお,上記勧告にもかかわらず,真にやむを得ない理由からこれらの地域に渡航・滞在される方は,所属企業や団体等を通じて組織として必要かつ十分な安全措置をとるなど十分注意してください。安全措置については,専門家のアドバイスなどを踏まえるとともに,誤って域外の更に危険な地域に入ることのないようにしてください。

(7)エルビル県エルビル市,スレイマーニーヤ県及びドホーク県のうちトルコ,イラン又はシリアとの国境付近並びにニナワ県,キルクーク県,サラーハッディーン県及びディヤーラ県との県境付近を除く地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(引き下げ)

ア イラクでは,9月25日に実施されたクルディスタン地域(実効的に支配する地域を含む)独立の是非を問う住民投票に対し,イラク中央政府,トルコ,イランが強く反発し,同地域の緊張が高まりました。9月29日,イラク中央政府は,対抗措置の一環として,クルディスタン地域政府(KRG)に対し,中央政府への空港管理権引渡しを要求し,KRGが応じなかったため,(クルディスタン地域(エルビル国際空港及びスレイマーニーヤ国際空港)発着の国際航空便を停止させる措置を執りました。

イ 10月16日未明,イラク中央政府軍は,クルディスタン地域に隣接する係争地キルクークにおいて北方へ進軍,その後他の係争地へも軍を進めクルディスタン地域政府の部隊(ペシュメルガ)との間で衝突が発生しましたが,大規模な衝突に至ることなくイラク軍側は同係争地域における要所及び国境地点をほぼ掌握しています。その後,10月29日にバルザーニー・クルディスタン地域大統領が退任を発表しました。また,イラク軍に対してはアバーディ首相より軍事行動の禁止が強く命令されていることからも,仮に衝突が発生したとしてもエルビル市などの治安情勢に影響を与えるものではないと判断されます。

 ついては,10月17日に「レベル3」に引き上げを行ったこの地域の危険レベルを「レベル2」に引き下げますが,不要不急な渡航は止めてください。現在,エルビル国際空港及びスレイマーニーヤ国際空港発着の国際航空便が停止されています。この地域に渡航するためにはバグダッド国際空港(レベル3)を経由する必要があるため,事前にイラク政府発行の入国査証を取得し,バグダッド空港内での滞在期間を必要最小限にする等,十分な安全対策を取ることのできない場合,渡航は止めてください。

3 滞在にあたっての注意
(1)イラクにおいては,邦人がテロ事件や誘拐等不測の事態に巻き込まれた場合,治安情勢,通信,移動制限の問題等から,在イラク日本国大使館による邦人保護業務が制約される状況にあります。

(2)イラクの南部4県(バスラ県,ムサンナー県,ズィーカール県及びミーサーン県)(バスラ国際空港敷地内を除く)についても,真にやむを得ない理由により渡航・滞在する場合には,政府機関,所属団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。また,緊急時の連絡のため,短期の滞在であっても必ず在イラク日本国大使館(embjp.ryoji.iraq@bd.mofa.go.jp )に渡航日程,滞在先,連絡可能な電話番号,Eメールアドレス等を届け出るとともに,現地において在イラク日本国大使館と緊密に連絡をとってください。また,常に最新の情報の入手に努めるなど十分に注意してください。

(3)イラク北部クルディスタン地域においては,同地域政府が発行する独自の査証にて滞在が認められているとの情報もありますが,同査証はイラク政府からの正式なイラク入国査証と認められていません。現在,同地域発着の国際航空便を停止していることもあり,直接,同地域への出入国はできない状況となっています。ついては,今後,イラク中央政府が厳しい措置を取る可能性も排除できないところ,同地域を含め,イラク入国の際には必ずイラク政府が発行する正式な査証を取得するようにしてください。

(4)3か月以上滞在する方は,在イラク日本国大使館又は在エルビル日本国領事事務所が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet
 3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の在イラク日本国総領事館又は在エルビル日本国領事事務所からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/

(5)また,取材活動であっても,現在のイラク情勢下にあっては,不測の事態に巻き込まれる可能性が高く,非常に危険です。イラクにおける取材については,報道各社等に向けて注意喚起(http://www.anzen.mofa.go.jp/attached2/attached_iraq20170705.pdf )を発出しています。報道関係者におかれては,フリーの報道関係者の方も含め,この注意喚起を踏まえ,イラクへの渡航を自粛してください。


(問い合わせ先)
 ○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省内関係課室連絡先)
 ○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)5139
 ○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047 
 ○海外安全ホームページ
  http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html (スマートフォン版)
  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)

(現地大使館連絡先) 
 ○在イラク日本国大使館
  住所:International Zone, Baghdad, Iraq
  電話:(870-722)-543-197(衛星電話)
      077-0494-2018(夜間等緊急を要する場合)
      国外からは(国番号964)-77-0494-2018(夜間等緊急を要する場合)
  FAX:(870-782)-174-466(衛星電話)  
  ホームページ:http://www.iraq.emb-japan.go.jp/Japanese/index_j.html
  メールアドレス:embjp.ryoji.iraq@bd.mofa.go.jp