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キルギス
テロ・誘拐情勢

更新日 2022年08月08日

1 概況
(1)キルギスでは、2016年8月30日に中国大使館に対する車両を使用した自爆テロ、2017年8月29日にビシュケク市郊外にて警察官の検問を突破した武装テロリストと治安機関の銃撃戦が発生しましたが、これ以降、死傷者を伴うテロ事件は発生していません。
(2)2021年中、テロの準備やプロパガンダ行為等を行った者の摘発事案が30件発生しており、2022年に入り7月15日現在までには20件発生しています。  
 2021年中、キルギスにおいて特に活動が確認された過激主義組織は、「ヒズブ・タフリール・アル・イスラム」でした。同年中、キルギスの治安機関によるテロ関連の摘発30件のうち、12件が同組織構成員によるもので、SNS等を利用したプロパガンダ行為も確認されていることから、同組織が組織拡大に注力していることが窺えます。
(3)2021年8月のアフガニスタンからの米軍撤退を受け、同地で活動を行っていた外国人戦闘員(FTF)を含む「イラク・レバントのイスラム国ホラサン州」(ISKP)及びアル・カーイダ等のテロ組織の構成員が、難民に紛れキルギスへ流入するおそれが依然としてあるなど、予断を許さない状況が続いています。一例として2022年4月以降、キルギス南西部国境付近において発生している銃撃を伴う戦闘行為に紛れてテロ組織の構成員らが違法な流入を行っている可能性があるといわれています。
(4)山岳地帯や国境未画定地域(特にバトケン州)は、国境線フェンスの未設置等により国境警備が困難となっており、国際テロ組織の構成員のみならず、麻薬密売グループによる麻薬運搬ルートに利用されているとみられています。
(5)キルギスでは、国内裁判所の決定によって、21団体・組織・活動グループがテロ組織等の非合法組織として認定されており、国内での活動が禁止されています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)国家保安委員会発表(2021年)により活動が確認されている組織
ア 「ヒズブ・タフリール・アル・イスラム」
 「ヒズブ・タフリール・アル・イスラム」の活動家の逮捕が年間を通じて報じられています。逮捕容疑は、SNS等を利用した組織プロパガンダの積極的な広報並びに銃器及び通信機器の所持です。2022年に入ってからは26人の活動家が逮捕されています。
イ 「ジャマート・タウヒード・ワ・ジハード」
 2021年中は活動が1件確認されています。同年3月、同組織活動家が逮捕され、家宅捜査の結果、リクルート用資料、タブレット等の電磁的記録媒体及びジハードを促す文書が押収されています。
ウ 「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」
 報道によると、キルギス国内ではSNSを利用したリクルート活動及びシリア、イラクへの派遣調整を主に行っているとされています。
 また、アフガニスタンで活動する同「ホラサン州」(ISKP)は、アフガニスタンでの立場の強化のため、中央アジア諸国での外国人戦闘員のリクルート活動を活発化させています。キルギス内務省によると、2022年7月、国際テロ組織に属している外国人2名が拘束されました。同人らは、偽造のパスポートを使用しシリアから入国した上で、ビシュケク市内でテロ行為を実施するための準備を行っていたと発表されています。
エ アル・カーイダ
 キルギスにおける活動は、アフガニスタン等の戦闘地域へのリクルート活動が中心となっています。2021年中は、外国籍者がシリアから不法入国し、首都ビシュケク内でイスラム教信者に対しリクルート活動を行っていたことが判明しています。
オ ヤクン・インカル
 予言者ムハンマドの時代のような生活をすることを掲げている組織で、2016年、キルギス北部イシク・クル及びナリン地域で活動が開始されました。同組織はキルギス南部に活動を拡大していましたが、2018年以降、構成員が減少傾向にあるとされていました。しかし、2022年5月、指導者と目される5人の逮捕により、50人以上の同組織の協力者又は活動家の存在が把握されました。また、捜査により活動家を訓練していたことも判明しています。
(2)テロ組織及び過激派組織の活動地域は、活動家が逮捕された場所を参考とすると、主にキルギス中心部のビシュケク(チュイ州)、北東部のイシク・クル州、南部のオシュ州となっています。活動内容は、押収物等から過激派組織のプロパガンダ行為であると考えられます。
 政情不安、貧富の格差等に不満を持つ人物が、活動家らによる宣伝活動により過激思想の影響を受け、自国内でテロ行為を行う可能性は、報道ベースにおいても2件報じられていることから、今後も否定できません。

3 誘拐事件の発生状況
(1)報道によれば、2021年中、キルギス人を対象とした身代金目的の誘拐事件が少なくとも2件発生しています。
(2)日本人を対象とした誘拐事件の発生は確認されていません。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 キルギスでは、1999年に日本人4名の誘拐事件が発生しています。また、ISILは我が国や邦人をテロの標的として名指しする声明をインターネット等を通じて出しています。キルギス国内における日本人及び日本権益を標的としたテロや誘拐事件が発生する可能性は排除できず、十分な注意が必要です。
 近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

 「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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