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トリニダード・トバゴ
テロ・誘拐情勢

更新日 2023年03月17日

1 概況
(1)トリニダード・トバゴでは、近年主立ったテロ事件は発生していません。しかし、2005年、首都ポートオブスペインにおいて爆発事件が発生した他、2007年6月には、米ニューヨークJFK国際空港におけるテロを計画したとして逮捕された4人のうちの1人はトリニダード・トバゴ人でした。(同人は、2015年、トリニダード・トバゴの反テロリズム法の下においてテロリストとして認定された初の人物となりました。)更に、2018年2月、カーニバルを狙ったテロ襲撃を計画したとして、十数名のトリニダード・トバゴ人が逮捕されるなど、テロに対する一定の警戒が必要です。
(2)人口の約6%がイスラム教徒であり、一部は過激派組織との関係性が指摘されています。「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)に参加するために、中には家族を連れて、シリア等に渡航したトリニダード・トバゴ人が130人以上いると政府は公表しており、2016年8月には、ISILのオンライン機関誌において、トリニダード・トバゴ出身とされるISIL戦闘員が、トリニダード・トバゴのイスラム教徒に対して、同国内での西側諸国の権益や政府関連施設への攻撃を呼びかけました。また、実際に、ISILへの参加を疑われ、中東諸国の現地当局に拘束されていたトリニダード・トバゴ人が本国へ送還された例もあり、今後は上記シリア等からの帰国者に対する適切な対策等が必要と言われています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 トリニダード・トバゴには、1990年7月武装蜂起し、国会議事堂を約1週間占拠する事件を敢行したイスラム過激派組織「ジャマート・アル・ムスリミーン」が存在しています。現在、同組織は麻薬取引等の非合法活動を主な資金源とし、銃器等を使用した犯罪活動を行っているとされ、地元犯罪グループと深い関係があると見られています。

3 誘拐事件の発生状況
(1)2022年の10月時点で誘拐事件は69件発生し、そのうち身代金目的の誘拐は1件発生しており、人口が約139万人の島国としては極めて高い発生率となっています。事件の背景としては、ギャング同士の抗争や薬物犯罪等に関連するもの、未成年者や女性等を狙ったもの等多岐にわたります。
(2)それ以外にも、会社経営者及びその家族等を標的とした犯罪グループによる身代金目的の誘拐事件も発生しています。また、2017年7月には、国内では比較的安全とされている日本大使館直近の路上で、中国大使館勤務の中国人を狙った身代金目的の誘拐事件が発生しています。
(3)その他、被害者を一時的に拘束してATM(現金自動預払機)等で現金を引き出させた上で解放するいわゆる「短時間誘拐」や、性犯罪目的で女性を狙った誘拐も発生しています。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 トリニダード・トバゴでは、銃器使用の凶悪犯罪が多発していますが、これまでのところ、日本人、日本権益を直接標的としたテロや誘拐等の脅威に関する情報は報告されていません。テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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