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トリニダード・トバゴ
テロ・誘拐情勢

更新日 2024年05月13日

1 概況
(1)トリニダード・トバゴでは、近年主立ったテロ事件は発生していません。しかし、2005年、首都ポートオブスペインにおいて爆発事件が発生した他、2007年6月には、米ニューヨークJFK国際空港におけるテロを計画したとして逮捕された4人のうちの1人はトリニダード・トバゴ人でした。(同人は、2015年、トリニダード・トバゴの反テロリズム法の下においてテロリストとして認定された初の人物となりました。)更に、2018年2月、カーニバルを狙ったテロ襲撃を計画したとして、十数名のトリニダード・トバゴ人が逮捕されるなど、テロに対する一定の警戒が必要です。
(2)人口の約6%がイスラム教徒であり、一部は過激派組織との関係性が指摘されています。トリニダード・トバゴ政府は、「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」に参加するために、シリア等に渡航したトリニダード・トバゴ人が130人以上いる(一部は家族帯同)と公表しています。2016年8月には、ISILのオンライン機関誌において、トリニダード・トバゴ出身とされるISIL戦闘員が、同国のイスラム教徒に対して、同国内での西側諸国の権益や政府関連施設への攻撃を呼びかけました。また、ISILへの参加を疑われ、中東諸国の当局に拘束されていたトリニダード・トバゴ人が本国へ送還された例もあり、今後は上記シリア等からの帰国者に対する適切な対策等が必要であると言われています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 トリニダード・トバゴには、1990年7月に武装蜂起し、同国国会議事堂を約1週間占拠する事件を起こしたイスラム過激派組織「ジャマート・アル・ムスリミーン」が存在しています。現在、同組織は麻薬取引等の非合法活動を主な資金源とし、銃器等を使用した犯罪活動を行っているとされ、地元犯罪グループと深い関係があると見られています。

3 誘拐事件の発生状況
(1)2023年は誘拐事件は97件発生しており、人口が約139万人の島国としては極めて高い発生率となっています。事件の背景としては、ギャング同士の抗争や薬物犯罪等に関連するもの、未成年者や女性等を狙ったもの等多岐にわたります。
(2)それ以外にも、会社経営者及びその家族等を標的とした犯罪グループによる身代金目的の誘拐事件も発生しています。また、2017年7月には、国内では比較的安全とされている日本大使館近くの路上で、中国大使館勤務の中国人を狙った身代金目的の誘拐事件が発生しています。
(3)その他、被害者を一時的に拘束してATM(現金自動預払機)等で現金を引き出させた上で解放するいわゆる「短時間誘拐」や、性犯罪目的で女性を狙った誘拐も発生しています。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 トリニダード・トバゴでは、銃器使用の凶悪犯罪が多発していますが、これまでのところ、日本人、日本権益を直接標的としたテロや誘拐等の脅威に関する情報は報告されていません。テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年は、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが世界各地で頻発しています。これらは組織性が低い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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