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ノルウェー
テロ・誘拐情勢

更新日 2022年07月15日

1 概況
(1)ノルウェーでは、2011年7月に極右過激派活動家によるオスロ市内での政府庁舎爆破テロ事件及びウトヤ島での銃撃事件が発生しました。また、2019年8月に極右過激派活動家によるオスロ近郊モスクでの襲撃事件が、2021年10月にはノルウェー南東部で複数の死傷者を伴う襲撃事件が発生しています。更に、2022年6月には、オスロ市中心部のナイトクラブの付近等において、複数の死傷者を伴う銃撃事件が発生しました。
(2)イラク・レバントのイスラム国(ISIL)等のイスラム過激派組織及びその影響を受けた個人によるテロの発生についても懸念されており、2017年4月には、イスラム過激派思想の影響を受けた少年がオスロ市内で爆発物を所持していたとして逮捕されました。また、2021年2月には、ノルウェー国内で無差別毒物テロを企図したとして16歳の少年が逮捕されています。上記2022年6月のオスロ市中心部での銃撃事件に関しても、警察は容疑者がイスラム過激派と繋がりがあったとしています。
(3)国家公安警察は、現在の情勢を「テロの脅威が高い(レベル4。全部で5レベルあり、現在のレベルは高い方から2番目)」と評価し、特に警備が薄く、人が多く集まる場所やイベント(いわゆる、「ソフトターゲット」)は、テロの標的となりやすいとしています。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 ノルウェー国内における各組織の活動状況は以下のとおりです。
(1)極右過激派組織
 極右過激派組織や反イスラム主義組織の活動が継続しています。外国人排斥や人種差別正当化を訴える市街地での活動が認められます。市街地での演説時に反対グループと衝突し、逮捕者を出すなどしていることから、注意が必要です。
(2)極左過激派組織
 極左過激派組織は、規模は小さいものの、活動は継続しています。これは、極右過激派主義組織の活動に対抗するためのものとみられています。極右過激派主義組織との衝突時には逮捕者を出すなどしていることから、注意が必要です。
(3)イスラム過激派組織
 イスラム過激派組織は存在しますが、近年、組織は縮小しています。これは、組織内で影響力を持つ者が収監されたり、シリア・イラクに渡り戦闘中に亡くなったりしたためとされています。一方、ネット上で影響を受けた個人によるテロの可能性が懸念されています。

3 誘拐事件の発生状況
 2018年10月、アーケシュフース県内において、資産家家族に対する身代金目的誘拐事件が発生しました。ノルウェー国内における誘拐事件の発生は稀ですが、専門家は「裕福な者が住むノルウェーは、誘拐犯の絶好のターゲット」と評するなど、注意を呼び掛けています。
 また、薬物取引や借金トラブル、ギャング間抗争等に起因するとみられる誘拐容疑事案が散見されます。

4 日本人・日本権益に対する脅威
 テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

「テロ」について国際的に確立された定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
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